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マンチュリアン・リポート
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マンチュリアン・リポートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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いったいなぜ評価が高いのか、余りにも判らなくて、誰か教えて欲しいと思う時が度々あります。 昭和天皇への報告書が出てくるのですが、文面が冗長で、昭和初期に軍人がこんな物を天皇陛下に提出できるのでしょうか? どこどこの気温は快適で、どこかの駅のお茶で喉を潤しましたとか、ブログじゃないんだから書かなくてもいいことだらけで、こんなの読んだら陛下はご立腹なさるんじゃないですか。 機関車トーマス、もしくは銀河鉄道999の人工知能付き機関車の独白は、馬鹿馬鹿しくて読めたものではありません。宮部みゆきの財布が語り部になるやつも馬鹿馬鹿しかったですが、こっちは事態の深刻さにこの演出はまったくそぐっていないように思えます。 満鉄の陸橋の下をくぐる時に爆薬を見かけた・・・・ような描写があるのですが、これは全然新発見じゃなくありませんか? 新事実とか新たな真相とか皆無じゃないですか? 昭和天皇は「やっぱりそうだったね」と納得するんでしょうか? このシリーズ自体、ドラゴンボールみたいな玉を持ってる人間の運命だとか、変にファンタジー趣味が入りこむのですが、真剣にとらえていい物かどうかいつも悩みます。しかも本書で完結なんですか。尻切れトンボとはまさにこのことです。 | ||||
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初浅田次郎です。 当初から、主人公が一体全体何を明らかにするために調査をしているのか全く不明で、読むのが辛かったです。田中が総辞職し、関係者を処分した時点で爆殺事件からすでに一年たっています。また、爆殺事件は満州の権益を守るための関東軍のひいては陸軍の総意であるということが自明の前提として描かれてしまっていて、今更何を明らかにするための調査なのかがいまいちわかりませんでした。どの車両を狙って爆薬を置いたとか、そんなの日本側から見ればどうでも良くないですか?読みが足りないのかもしれないですが・・・ あと、ファンならなんとも思わないのかもしれないですが、機関車トーマスならぬ鋼鉄の公爵(アイアン・デュークとルビが入る)とか、伝説の蒸気機関車(レジェンド・エンジン)とか、気恥ずかしかったです。 | ||||
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「蒼穹の昴」があまりに傑作だっただけに、その余韻を引いた作品を書きたくなる気持ちはわかりますが、「珍妃の井戸」・「中原の虹」にしても、どうにも無理矢理に書いたという印象を持ったのは、自分だけでしょうか? この作品もその範疇を抜けておらず、途中で読むのが嫌になりました。特に「中原の虹」に於いてもそうでしたが、著者の張作霖に対する賞賛と美化は、一体どうしてなのかと疑問を持ちます。歴史的な資料を調べた上でのことなのでしょうが、それが人物像として書き切れておらず、結局は曖昧なままでは読者としては退屈の一言です。吉村昭氏ならば読者を満足させるだけの記述があったでしょうにと思わされます。 「蒼穹の昴」の登場人物を出しても、それがあたかも話をつなぐ為だけのものになっているのは、あまりにアザトイと言うしかありません。天皇の密使というような人物の描き方にしても、その設定が十分に描き切っておられず、残念ながら締めきりに追われて書いた物では?という感想しか持てませんでした。浅田氏の愛読者だけに、妙に浪花節的な安易な展開という、残念な印象しか持てなかった一作です。 | ||||
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素材は昭和初期に起きた張作霖爆殺事件、これを浅田次郎のさすがの筆力で書き上げた作品です。冒頭のシーンからグイグイ読者を引き込みます。内容はタイトルにもあるようにこの事件の真相を究明し、レポートとして読者に提示していくというものです。天下統一を予言された張作霖。満州から長城を超えて中華を制する男のロマン。戦国幕末、いくさ好きな歴史小説ファンの読者なら楽しめる内容です。 で、読後の感想。歴史小説に分類はされるのでしょうか、でも高校教科書・参考書の日本史を知っていれば内容的に特に目新しいものは感じられません。これを昭和天皇に提出するという展開はちょっと軽すぎ。張作霖爆殺にはロシア関与説もありますし、列強がひしめく大陸でこういった事件が起きたのだからもう少し緻密な検証を期待していました。張作霖すごい、中華帝国すごい、キラキラ輝く真の王者ここにあり、という印象だけが残ったというのが正直なところ。ありていに言えば長城を超えて中原に侵略するヒーローものとでも言えばいいでしょうか。進め者ども、敵を蹴散らせ、そ〜れそれ〜〜その勢いでチベット、台湾侵略も・・・おっと、余計なことでした。この本は先述の通り織田信長の中国侵略に胸を躍らす読者を狙ったものだと考えればありかもしれませんね。言うまでもなく織田信長は大陸の中国でなく、岡山、広島方面の毛利氏への侵略です。もちろん日本軍が侵略するのはいけません。小説に出てくる龍の玉を持てる者のみが侵略を許されるのです。ということでしょうかね。 歴史小説は小説を書くのであって歴史を検証するのでもないけど、もうちょっと掘り下げても良かったのではないでしょうか? | ||||
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「蒼穹の昴」を読み感銘を受け、「珍妃の井戸」「中原の虹」と読んだ上で本書をひも解いたが、これは期待を欺く駄作だった。昭和天皇が内閣書記官長鳩山一郎を使って張作霖爆殺事件の真相を探らせると言う冒頭の設定は、いかにもスリリングな出だしで、どのような「歴史的真相」が探り出されるのかと期待して読み出したのだが、どこまで行っても大した「真相」などは発掘されず、結局は著者が勝手に創り上げた浅薄で美化過剰の張作霖の人物像描写が繰り返されるだけである。そもそもこの小説の時代設定が、爆殺事件の事後処置を巡る田中義一首相の不手際に立腹した天皇が田中を失脚に追い込んだという、昭和史に多少知識のある者なら誰でも知っているエピソードから出発するのだから、その時点で既に天皇は、爆殺の背後には関東軍中枢の手が動いていたことは察知していたとするのが常識だろう。その既知の情報を漫然となぞったに過ぎない「リポート」を読ませられた天皇(即ち我々読者)は、唯ただ失望するばかりだ。それに「中原の虹」では袁世凱を始め、張景恵、徐世昌、王永江、宋教仁、袁金鎧、などなど当時の中国史を彩る実在の人物が次々と登場し、それらの人物が作者独自の解釈でキャラクタライズされ生き生きと活躍する様が作品の奥行きを深めていたが、本作ではそのような創作努力は全くされていない。鳩山一郎、吉田茂、河本大作などの名前が出ては来るが人物像描写は回避しており、活動する人物は全て架空の人物だけである。結局本書は、他のビュアーも指摘されるように、商業目的だけのやっつけ仕事で書き上げた噴飯物の駄作でしかないと思う。 | ||||
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「蒼穹の昴」を読み感銘を受け、「珍妃の井戸」「中原の虹」と読んだ上で本書をひも解いたが、これは期待を欺く駄作だった。 昭和天皇が内閣書記官長鳩山一郎を使って張作霖爆殺事件の真相を探らせると言う冒頭の設定は、いかにもスリリングな出だしで、どのような「歴史的真相」が探り出されるのかと期待して読み出したのだが、どこまで行っても大した「真相」などは発掘されず、結局は著者が勝手に創り上げた浅薄で美化過剰の張作霖の人物像描写が繰り返されるだけである。 そもそもこの小説の時代設定が、爆殺事件の事後処置を巡る田中義一首相の不手際に立腹した天皇が田中を失脚に追い込んだという、昭和史に多少知識のある者なら誰でも知っているエピソードから出発するのだから、その時点で既に天皇は、爆殺の背後には関東軍中枢の手が動いていたことは察知していたとするのが常識だろう。その既知の情報を漫然となぞったに過ぎない「リポート」を読ませられた天皇(即ち我々読者)は、唯ただ失望するばかりだ。 それに「中原の虹」では袁世凱を始め、張景恵、徐世昌、王永江、宋教仁、袁金鎧、などなど当時の中国史を彩る実在の人物が次々と登場し、それらの人物が作者独自の解釈でキャラクタライズされ生き生きと活躍する様が作品の奥行きを深めていたが、本作ではそのような創作努力は全くされていない。鳩山一郎、吉田茂、河本大作などの名前が出ては来るが人物像描写は回避しており、活動する人物は全て架空の人物だけである。 結局本書は、他のビュアーも指摘されるように、商業目的だけのやっつけ仕事で書き上げた噴飯物の駄作でしかないと思う。 | ||||
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張作霖爆殺事件について、昭和天皇の密命を帯びた陸軍軍人による調査(マンチュリアン・レポート)と張作霖を乗せた御料列車「侯爵」の独白(アイアン・モノローグ)とが交互に並び、事件を描いていく作品。作者のこれまでの清朝末期の一連の作品のエピローグ的扱いであり、これまでの登場人物が並ぶところは、ファンにはなかなかうれしいのかもしれない。しかし、私には、新潮社書き下ろしシリーズのために、無理無理書いたとしか思えなかった。特に酷いのは、マンチュリアン・レポートの方で、昭和史を知る者には当たり前の話をさも調査っぽく書くのにはひたすら閉口。昭和天皇を担ぎ出したのも何も活きていない。一方で、歴史を知らない人にはチンプンカンプンかさも真相発見的に感じられているのが、他のレビューから伺える。おそらくは、モノローグだけではあまりに不親切なのでレポートをつけたのだろうが、ぶち壊し。これまでのような丁寧さと長い長い話でモノローグだけにしたら、結構よかったと思う。侯爵と張作霖の会話には、作者ならではの素晴らしい世界を感じられただけに残念でならない。タイトルの通りだが、これでサーガに幕を引いていいの?浅田さんと真剣に問いたくなる不出来だった。 | ||||
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張作霖爆殺事件について、昭和天皇の密命を帯びた陸軍軍人による調査(マンチュリアン・レポート)と張作霖を乗せた御料列車「侯爵」の独白(アイアン・モノローグ)とが交互に並び、事件を描いていく作品。 作者のこれまでの清朝末期の一連の作品のエピローグ的扱いであり、これまでの登場人物が並ぶところは、ファンにはなかなかうれしいのかもしれない。 しかし、私には、新潮社書き下ろしシリーズのために、無理無理書いたとしか思えなかった。 特に酷いのは、マンチュリアン・レポートの方で、昭和史を知る者には当たり前の話をさも調査っぽく書くのにはひたすら閉口。昭和天皇を担ぎ出したのも何も活きていない。一方で、歴史を知らない人にはチンプンカンプンかさも真相発見的に感じられているのが、他のレビューから伺える。おそらくは、モノローグだけではあまりに不親切なのでレポートをつけたのだろうが、ぶち壊し。 これまでのような丁寧さと長い長い話でモノローグだけにしたら、結構よかったと思う。侯爵と張作霖の会話には、作者ならではの素晴らしい世界を感じられただけに残念でならない。 タイトルの通りだが、これでサーガに幕を引いていいの?浅田さんと真剣に問いたくなる不出来だった。 | ||||
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「中原の虹」が素晴しくて、シリーズ次回作を心待ちにしていたが、今回の「マンチュリアン・リポート」は、「珍妃の井戸」と同様にスピンオフ的な存在。本書では、満州某重大事件の真相を探りに現地に赴いた、昭和天皇の密使の数回にわたる報告書と爆破された汽車(擬人化されている)の語りが交互に展開される内容。通常の三人称視点でのスリリングで、時にほろりと涙を誘う、いつものストーリー展開を期待している読者は、ちょっと面食らうであろう。汽車の語りに違和感を持つ読者も少なくは無いはず。また、日本軍による爆殺の報告に関しても、真相は日本人なら皆、最初から知っていることだろうし、それをドラマティックに演出するだけのストーリー性が本書には乏しい。何のために書き下ろしで発表したのか、理解しかねるところがある。 | ||||
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「中原の虹」が素晴しくて、シリーズ次回作を心待ちにしていたが、今回の「マンチュリアン・リポート」は、 「珍妃の井戸」と同様にスピンオフ的な存在。本書では、満州某重大事件の真相を探りに現地に赴いた、昭和天皇 の密使の数回にわたる報告書と爆破された汽車(擬人化されている)の語りが交互に展開される内容。 通常の三人称視点でのスリリングで、時にほろりと涙を誘う、いつものストーリー展開を期待している読者は、 ちょっと面食らうであろう。汽車の語りに違和感を持つ読者も少なくは無いはず。 また、日本軍による爆殺の報告に関しても、真相は日本人なら皆、最初から知っていることだろうし、それを ドラマティックに演出するだけのストーリー性が本書には乏しい。何のために書き下ろしで発表したのか、 理解しかねるところがある。 | ||||
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昭和天皇が「不敬」軍人を呼び出し、「密偵」として派遣するあたりまでの下りは流石の筆致でしたが、あとが、、、。明かされる張作霖爆殺の背景も(機関車を擬人化しているのはちょっと面白いと思いましたが)意外性ゼロ、もうひとつのサプライズは、、、旧ナチスが「アーク」をおいかける「レイダース」を想起したのはわたしだけじゃないでしょう。何よりも、(そういう意図のもとに書いていることはわかってはいても)張作霖の描写が薄っぺらすぎて、あっという間に読んだ後は何も残らない。著者には申し訳ないが、このボリュームで独立した作品として世に出すのはそもそも無理があって、小説の中の1エピソードとして語るなら、という感じ。「終わらざる夏」でも感じたのですがエンタテインメントとしては氏の過去作品に比べると見劣りする印象。過大な期待をもたずに読むならまあいいかな。 | ||||
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昭和天皇が「不敬」軍人を呼び出し、「密偵」として派遣するあたりまでの下りは 流石の筆致でしたが、あとが、、、。明かされる張作霖爆殺の背景も(機関車を 擬人化しているのはちょっと面白いと思いましたが)意外性ゼロ、もうひとつの サプライズは、、、旧ナチスが「アーク」をおいかける「レイダース」を想起したのは わたしだけじゃないでしょう。 何よりも、(そういう意図のもとに書いていることはわかってはいても) 張作霖の描写が薄っぺらすぎて、あっという間に読んだ後は何も残らない。 著者には申し訳ないが、このボリュームで独立した作品として世に出すのは そもそも無理があって、小説の中の1エピソードとして語るなら、という感じ。 「終わらざる夏」でも感じたのですがエンタテインメントとしては氏の過去作品に 比べると見劣りする印象。過大な期待をもたずに読むならまあいいかな。 | ||||
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