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マンチュリアン・リポート



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マンチュリアン・リポートの評価: 3.90/5点 レビュー 81件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全81件 61~80 4/5ページ
No.21:
(5pt)

次作に続く基本の再確認に思えます

僕は「失われた日本近代史」というテーマで、本を読んでいる。同時に、日本から見た世界史だけではない「北東アジアから見た歴史」を、通史として「体感したい」と願っている。その時期から、素晴らしく読みやすいエンターテイメントとして清朝末期から中国の近代化までを描く『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』そして『マンチュリアンレポート』という作品群に出会えたことは、読書を愛する書痴として、本当に幸せだ。それにしても、浅田次郎さんは、他の作品はともすれば軽過ぎて僕にはあまり会わない文体なのだが(どうせ文学を読むのなら重く堅い文体が僕は好き)、テーマが膨大かつ深く重いだけに、その軽さが逆に素晴らしく味の雰囲気を醸し出して、本当に素晴らしい。特にこの時代を読む補助線になって、本当に分かりやすい。最初に昭和天皇に呼び出されて、ある一大尉が「なぜこうなったか?」ということの意見を述べるシーンがあるんだが、日本側の政治力学を非常に分かりやすく噛み砕いてあり、分かりやすさにぐっとうなった。だれもが、当たり前のように歴史知識を持っているわけではない。ましてやこのシリーズは、きっと中国や韓国や他のアジア諸国でも翻訳されると思う。面白いもの。また若い世代には、そもそも近現代史の共通認識がないのだから、若く読書する世代はかなり第二次世界大戦の認識は希薄だと思うのだ、好きな人以外は。そう考えると、僕はこういった小作品で、まず基本を説明しておくのは、大きなサーガの一部として、非常に価値があると思う。少なくとも僕は再整理の一助になったもの。繰り返しになるが、『珍妃の井戸』と同じくスピアウト的な小作品なので、これ自体では、他のレヴューにあるように、小粒なこともありそれほど最高とは言い難いかもしれないが。『蒼穹の昴』から続く、中国近代史の大河ロマンの一つとして位置付ければ、僕は非常に面白い小説だと思います。『蒼穹の昴』はウルトラ級の作品なので、毎回それを求めると、息切れしてしまうので、僕はこういうふうに挟むのは悪くとないと思うけどなぁ、この大サーガのファンとしては。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.20:
(3pt)

昭和の初めの”匂い”がしない…。

張作霖の爆殺事件の背後に潜む闇を探る陸軍中尉、志津邦陽。 これが実は、天皇直々の密命による隠密調査なのだ。 物語は、志津中尉から鳩山一郎内閣書記官長を通じて天皇宛に出される満洲報告書(マンチュリアン・レポート)を軸に進んでゆく。 張作霖の列車を引く英国製の機関車の数奇な運命、張作霖とともに陪乗し、片足を吹き飛ばされた軍事顧問・吉永中佐などのサイドストーリーが重ね合わさり、事件の全貌が明らかになってゆく。 簡単に書いてしまえば何て事もないストーリーなのだが、これが浅田節になると、面白く読めるから不思議。 しかし「支那」とか「ヒトマルサンゴ」とか、当時のことばや軍隊用語を使ってはいるが、全体として物語に昭和の初めころの雰囲気を感じない。 「天切り松」などは時代感にあふれていたように思うが、本書ではそんな、著者らしい時代感がないのが残念だ。 最後の「終章」も設定に無理があるだろう。 「渾身の書き下ろし」とは言い難いのでは…?
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.19:
(3pt)

昭和の初めの”匂い”がしない…。

張作霖の爆殺事件の背後に潜む闇を探る陸軍中尉、志津邦陽。
 これが実は、天皇直々の密命による隠密調査なのだ。
 物語は、志津中尉から鳩山一郎内閣書記官長を通じて天皇宛に
出される満洲報告書(マンチュリアン・レポート)を軸に進んでゆく。
 張作霖の列車を引く英国製の機関車の数奇な運命、張作霖とともに
陪乗し、片足を吹き飛ばされた軍事顧問・吉永中佐などのサイド
ストーリーが重ね合わさり、事件の全貌が明らかになってゆく。

 簡単に書いてしまえば何て事もないストーリーなのだが、
これが浅田節になると、面白く読めるから不思議。

 しかし「支那」とか「ヒトマルサンゴ」とか、当時のことばや
軍隊用語を使ってはいるが、全体として物語に昭和の初めころの
雰囲気を感じない。
 「天切り松」などは時代感にあふれていたように思うが、
本書ではそんな、著者らしい時代感がないのが残念だ。
 最後の「終章」も設定に無理があるだろう。
 「渾身の書き下ろし」とは言い難いのでは…?
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.18:
(4pt)

白虎張の最後

まさか、このような構成で張作霖の終章が綴られるとは思わなかった。リポートと鋼鉄の独白、淡々として効果的だ。定まった終わりに向け、徐々に進んでいく。悲しみがじわじわと高まる。“死なないでくれ”そう思ったのは私だけではないと思う。この本を手に取る人は「蒼穹の昴」から読んでいる方が多いと思う。そうであればこそ、高まる思いを押し留めようがない。「中原の虹」冒頭で、いきなり描かれた爆殺の場面。それが出てくる。李春雷の慟哭、言いようのない悲しみが押し寄せる。龍玉の物語はどこまで続くのか。張作霖は最後まで白虎張だった。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.17:
(4pt)

白虎張の最後

まさか、このような構成で張作霖の終章が綴られるとは思わなかった。
リポートと鋼鉄の独白、淡々として効果的だ。
定まった終わりに向け、徐々に進んでいく。悲しみがじわじわと高まる。
“死なないでくれ”そう思ったのは私だけではないと思う。
この本を手に取る人は「蒼穹の昴」から読んでいる方が多いと思う。
そうであればこそ、高まる思いを押し留めようがない。
「中原の虹」冒頭で、いきなり描かれた爆殺の場面。それが出てくる。
李春雷の慟哭、言いようのない悲しみが押し寄せる。
龍玉の物語はどこまで続くのか。
張作霖は最後まで白虎張だった。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.16:
(1pt)

期待を欺く駄作

「蒼穹の昴」を読み感銘を受け、「珍妃の井戸」「中原の虹」と読んだ上で本書をひも解いたが、これは期待を欺く駄作だった。昭和天皇が内閣書記官長鳩山一郎を使って張作霖爆殺事件の真相を探らせると言う冒頭の設定は、いかにもスリリングな出だしで、どのような「歴史的真相」が探り出されるのかと期待して読み出したのだが、どこまで行っても大した「真相」などは発掘されず、結局は著者が勝手に創り上げた浅薄で美化過剰の張作霖の人物像描写が繰り返されるだけである。そもそもこの小説の時代設定が、爆殺事件の事後処置を巡る田中義一首相の不手際に立腹した天皇が田中を失脚に追い込んだという、昭和史に多少知識のある者なら誰でも知っているエピソードから出発するのだから、その時点で既に天皇は、爆殺の背後には関東軍中枢の手が動いていたことは察知していたとするのが常識だろう。その既知の情報を漫然となぞったに過ぎない「リポート」を読ませられた天皇(即ち我々読者)は、唯ただ失望するばかりだ。それに「中原の虹」では袁世凱を始め、張景恵、徐世昌、王永江、宋教仁、袁金鎧、などなど当時の中国史を彩る実在の人物が次々と登場し、それらの人物が作者独自の解釈でキャラクタライズされ生き生きと活躍する様が作品の奥行きを深めていたが、本作ではそのような創作努力は全くされていない。鳩山一郎、吉田茂、河本大作などの名前が出ては来るが人物像描写は回避しており、活動する人物は全て架空の人物だけである。結局本書は、他のビュアーも指摘されるように、商業目的だけのやっつけ仕事で書き上げた噴飯物の駄作でしかないと思う。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.15:
(1pt)

期待を欺く駄作

「蒼穹の昴」を読み感銘を受け、「珍妃の井戸」「中原の虹」と読んだ上で本書をひも解いたが、これは期待を欺く駄作だった。

昭和天皇が内閣書記官長鳩山一郎を使って張作霖爆殺事件の真相を探らせると言う冒頭の設定は、いかにもスリリングな出だしで、どのような「歴史的真相」が探り出されるのかと期待して読み出したのだが、どこまで行っても大した「真相」などは発掘されず、結局は著者が勝手に創り上げた浅薄で美化過剰の張作霖の人物像描写が繰り返されるだけである。

そもそもこの小説の時代設定が、爆殺事件の事後処置を巡る田中義一首相の不手際に立腹した天皇が田中を失脚に追い込んだという、昭和史に多少知識のある者なら誰でも知っているエピソードから出発するのだから、その時点で既に天皇は、爆殺の背後には関東軍中枢の手が動いていたことは察知していたとするのが常識だろう。その既知の情報を漫然となぞったに過ぎない「リポート」を読ませられた天皇(即ち我々読者)は、唯ただ失望するばかりだ。

それに「中原の虹」では袁世凱を始め、張景恵、徐世昌、王永江、宋教仁、袁金鎧、などなど当時の中国史を彩る実在の人物が次々と登場し、それらの人物が作者独自の解釈でキャラクタライズされ生き生きと活躍する様が作品の奥行きを深めていたが、本作ではそのような創作努力は全くされていない。鳩山一郎、吉田茂、河本大作などの名前が出ては来るが人物像描写は回避しており、活動する人物は全て架空の人物だけである。

結局本書は、他のビュアーも指摘されるように、商業目的だけのやっつけ仕事で書き上げた噴飯物の駄作でしかないと思う。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.14:
(3pt)

最終作ではないと思いたい

蒼穹の昴に始まるシリーズの最新作。張作霖爆殺を題材にした話なので、最低でも張作霖を主人公にした前作の中原の虹は読んでないとキツイ。帯には確か「張作霖爆殺の真相を追う名ミステリー」的なことが書かれていたけど、別に何の意外性もない、定説どおりの結論に落ち着くのでそういう物を求めて読む物ではないです。なのでむしろ話は前作からの主人公張作霖の物語の決着と、共に破壊された機関車・龍鳳号や、シリーズに登場したキャラクターのドラマといったものがメインです。それらはそれらでシリーズのファンならばまぁまぁ面白いのですが、やっぱり全体としては薄めの観が否めませんでした。違うとは思いますが、もしこれがシリーズの最終作だとしたら残念です。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.13:
(3pt)

最終作ではないと思いたい

蒼穹の昴に始まるシリーズの最新作。張作霖爆殺を題材にした話なので、
最低でも張作霖を主人公にした前作の中原の虹は読んでないとキツイ。

帯には確か「張作霖爆殺の真相を追う名ミステリー」的なことが書かれていたけど、
別に何の意外性もない、定説どおりの結論に落ち着くのでそういう物を求めて読む物ではないです。
なのでむしろ話は前作からの主人公張作霖の物語の決着と、共に破壊された機関車・龍鳳号や、
シリーズに登場したキャラクターのドラマといったものがメインです。

それらはそれらでシリーズのファンならばまぁまぁ面白いのですが、
やっぱり全体としては薄めの観が否めませんでした。
違うとは思いますが、もしこれがシリーズの最終作だとしたら残念です。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.12:
(2pt)

酷いヤッツケ仕事で自らに泥を塗るなよ、浅田さん

張作霖爆殺事件について、昭和天皇の密命を帯びた陸軍軍人による調査(マンチュリアン・レポート)と張作霖を乗せた御料列車「侯爵」の独白(アイアン・モノローグ)とが交互に並び、事件を描いていく作品。作者のこれまでの清朝末期の一連の作品のエピローグ的扱いであり、これまでの登場人物が並ぶところは、ファンにはなかなかうれしいのかもしれない。しかし、私には、新潮社書き下ろしシリーズのために、無理無理書いたとしか思えなかった。特に酷いのは、マンチュリアン・レポートの方で、昭和史を知る者には当たり前の話をさも調査っぽく書くのにはひたすら閉口。昭和天皇を担ぎ出したのも何も活きていない。一方で、歴史を知らない人にはチンプンカンプンかさも真相発見的に感じられているのが、他のレビューから伺える。おそらくは、モノローグだけではあまりに不親切なのでレポートをつけたのだろうが、ぶち壊し。これまでのような丁寧さと長い長い話でモノローグだけにしたら、結構よかったと思う。侯爵と張作霖の会話には、作者ならではの素晴らしい世界を感じられただけに残念でならない。タイトルの通りだが、これでサーガに幕を引いていいの?浅田さんと真剣に問いたくなる不出来だった。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.11:
(2pt)

酷いヤッツケ仕事で自らに泥を塗るなよ、浅田さん

張作霖爆殺事件について、昭和天皇の密命を帯びた陸軍軍人による調査(マンチュリアン・レポート)と張作霖を乗せた御料列車「侯爵」の独白(アイアン・モノローグ)とが交互に並び、事件を描いていく作品。
作者のこれまでの清朝末期の一連の作品のエピローグ的扱いであり、これまでの登場人物が並ぶところは、ファンにはなかなかうれしいのかもしれない。

しかし、私には、新潮社書き下ろしシリーズのために、無理無理書いたとしか思えなかった。
特に酷いのは、マンチュリアン・レポートの方で、昭和史を知る者には当たり前の話をさも調査っぽく書くのにはひたすら閉口。昭和天皇を担ぎ出したのも何も活きていない。一方で、歴史を知らない人にはチンプンカンプンかさも真相発見的に感じられているのが、他のレビューから伺える。おそらくは、モノローグだけではあまりに不親切なのでレポートをつけたのだろうが、ぶち壊し。

これまでのような丁寧さと長い長い話でモノローグだけにしたら、結構よかったと思う。侯爵と張作霖の会話には、作者ならではの素晴らしい世界を感じられただけに残念でならない。

タイトルの通りだが、これでサーガに幕を引いていいの?浅田さんと真剣に問いたくなる不出来だった。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.10:
(4pt)

文学有数のかっこいいヒーロー

蒼穹の昴から読書が好きになった自分としては、特別な思い入れがあるシリーズ。こうしていまだに続いているのがとてもうれしい。今回も満足できた。中原の虹で語られなかった張作霖爆殺事件に焦点を当て、日本からの密使と、張作霖が最後に乗っていた鉄道の二つの視点が交互に挿入され、事件の全貌が明らかになるというスタイル。鉄道の視点が始まったときは、それはやりすぎなんじゃ・・とも思ったが、読了してみると、浅田さんらしいファンタジーとして、これもありかなと思う。鉄道と張作霖の会話など、とても楽しい。しかし、中原の虹のときも思ったが、張作霖のかっこよさは異常。文章でこれほどかっこいいキャラクターを創造(実在だが)してしまう文章力に脱帽。張作霖を殺したやつを本気で許せないと思ってしまった。そして「李春雲」・・・。私はこの名前を聞き、彼の人生を思い出すだけで胸が熱くなる。途中までほとんど出番がなかったが、最後に登場し、結構長く彼の言葉を聞くことが出来る。これはとてもうれしかった。今後も李春雲は絶対登場させてくださいね、浅田さん。しかし今作は「蒼穹の昴」や「中原の虹」に比べれば、短い・・・。「珍妃の井戸」にスタンスが似ていて、外伝というか後日談的なのが残念。長編二作品に匹敵する長編が読みたい。また、以前登場したキャラで今回ほとんど触れられなかったキャラも多い(梁文秀・玲玲・王逸・毛沢東・馬占山・李春雷など・・・)。彼らのその後をしっかり書くためにも、ぜひ長編での続編を希望する。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.9:
(4pt)

文学有数のかっこいいヒーロー

蒼穹の昴から読書が好きになった自分としては、特別な思い入れがあるシリーズ。こうしていまだに続いているのがとてもうれしい。今回も満足できた。
中原の虹で語られなかった張作霖爆殺事件に焦点を当て、日本からの密使と、張作霖が最後に乗っていた鉄道の二つの視点が交互に挿入され、事件の全貌が明らかになるというスタイル。鉄道の視点が始まったときは、それはやりすぎなんじゃ・・とも思ったが、読了してみると、浅田さんらしいファンタジーとして、これもありかなと思う。鉄道と張作霖の会話など、とても楽しい。
しかし、中原の虹のときも思ったが、張作霖のかっこよさは異常。文章でこれほどかっこいいキャラクターを創造(実在だが)してしまう文章力に脱帽。張作霖を殺したやつを本気で許せないと思ってしまった。
そして「李春雲」・・・。私はこの名前を聞き、彼の人生を思い出すだけで胸が熱くなる。途中までほとんど出番がなかったが、最後に登場し、結構長く彼の言葉を聞くことが出来る。これはとてもうれしかった。今後も李春雲は絶対登場させてくださいね、浅田さん。
しかし今作は「蒼穹の昴」や「中原の虹」に比べれば、短い・・・。「珍妃の井戸」にスタンスが似ていて、外伝というか後日談的なのが残念。長編二作品に匹敵する長編が読みたい。また、以前登場したキャラで今回ほとんど触れられなかったキャラも多い(梁文秀・玲玲・王逸・毛沢東・馬占山・李春雷など・・・)。彼らのその後をしっかり書くためにも、ぜひ長編での続編を希望する。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.8:
(2pt)

あまり期待しすぎない方が良い。

「中原の虹」が素晴しくて、シリーズ次回作を心待ちにしていたが、今回の「マンチュリアン・リポート」は、「珍妃の井戸」と同様にスピンオフ的な存在。本書では、満州某重大事件の真相を探りに現地に赴いた、昭和天皇の密使の数回にわたる報告書と爆破された汽車(擬人化されている)の語りが交互に展開される内容。通常の三人称視点でのスリリングで、時にほろりと涙を誘う、いつものストーリー展開を期待している読者は、ちょっと面食らうであろう。汽車の語りに違和感を持つ読者も少なくは無いはず。また、日本軍による爆殺の報告に関しても、真相は日本人なら皆、最初から知っていることだろうし、それをドラマティックに演出するだけのストーリー性が本書には乏しい。何のために書き下ろしで発表したのか、理解しかねるところがある。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.7:
(2pt)

あまり期待しすぎない方が良い。

「中原の虹」が素晴しくて、シリーズ次回作を心待ちにしていたが、今回の「マンチュリアン・リポート」は、
「珍妃の井戸」と同様にスピンオフ的な存在。本書では、満州某重大事件の真相を探りに現地に赴いた、昭和天皇
の密使の数回にわたる報告書と爆破された汽車(擬人化されている)の語りが交互に展開される内容。

通常の三人称視点でのスリリングで、時にほろりと涙を誘う、いつものストーリー展開を期待している読者は、
ちょっと面食らうであろう。汽車の語りに違和感を持つ読者も少なくは無いはず。

また、日本軍による爆殺の報告に関しても、真相は日本人なら皆、最初から知っていることだろうし、それを
ドラマティックに演出するだけのストーリー性が本書には乏しい。何のために書き下ろしで発表したのか、
理解しかねるところがある。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.6:
(2pt)

もうそろそろ。。。

昭和天皇が「不敬」軍人を呼び出し、「密偵」として派遣するあたりまでの下りは流石の筆致でしたが、あとが、、、。明かされる張作霖爆殺の背景も(機関車を擬人化しているのはちょっと面白いと思いましたが)意外性ゼロ、もうひとつのサプライズは、、、旧ナチスが「アーク」をおいかける「レイダース」を想起したのはわたしだけじゃないでしょう。何よりも、(そういう意図のもとに書いていることはわかってはいても)張作霖の描写が薄っぺらすぎて、あっという間に読んだ後は何も残らない。著者には申し訳ないが、このボリュームで独立した作品として世に出すのはそもそも無理があって、小説の中の1エピソードとして語るなら、という感じ。「終わらざる夏」でも感じたのですがエンタテインメントとしては氏の過去作品に比べると見劣りする印象。過大な期待をもたずに読むならまあいいかな。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007
No.5:
(2pt)

もうそろそろ。。。

昭和天皇が「不敬」軍人を呼び出し、「密偵」として派遣するあたりまでの下りは
流石の筆致でしたが、あとが、、、。明かされる張作霖爆殺の背景も(機関車を
擬人化しているのはちょっと面白いと思いましたが)意外性ゼロ、もうひとつの
サプライズは、、、旧ナチスが「アーク」をおいかける「レイダース」を想起したのは
わたしだけじゃないでしょう。

何よりも、(そういう意図のもとに書いていることはわかってはいても)
張作霖の描写が薄っぺらすぎて、あっという間に読んだ後は何も残らない。

著者には申し訳ないが、このボリュームで独立した作品として世に出すのは
そもそも無理があって、小説の中の1エピソードとして語るなら、という感じ。

「終わらざる夏」でも感じたのですがエンタテインメントとしては氏の過去作品に
比べると見劣りする印象。過大な期待をもたずに読むならまあいいかな。
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.4:
(5pt)

ラストエンペラーへと続く

日本と中国の歴史が悲しい方向へと動く基点となった事件のレポートです。 中国という広大な国が揺れ動き、その中で正義を信じる人、忠誠に生きる人、さまざまな 人間模様が渦巻き、真実が闇に消されようとする中で、著者が歴史の中に何を見ようと しているのか、とても深く感じました。正義とは何か?忠誠とは何か?国家とは何か?人としてどう生きるべきか?そのすべてを考えさせられます。私の浅田次郎という作家は、大失敗作品と大成功作品を繰り返しますが、その中の超成功(精巧)作品です。   ・・・この話の後が、ラストエンペラーなのか・・・
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4062165007
No.3:
(5pt)

ラストエンペラーへと続く

日本と中国の歴史が悲しい方向へと動く基点となった事件のレポートです。
中国という広大な国が揺れ動き、その中で正義を信じる人、忠誠に生きる人、さまざまな
人間模様が渦巻き、真実が闇に消されようとする中で、著者が歴史の中に何を見ようと
しているのか、とても深く感じました。

正義とは何か?忠誠とは何か?国家とは何か?
人としてどう生きるべきか?そのすべてを考えさせられます。

私の浅田次郎という作家は、大失敗作品と大成功作品を繰り返しますが、その中の
超成功(精巧)作品です。

   ・・・この話の後が、ラストエンペラーなのか・・・
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (講談社文庫)より
4062775042
No.2:
(5pt)

蒼穹の昴、連作が満州某重大事件に繋がる

日本の十大小説の一つに間違いなく入る「蒼穹の昴」が、「中原の虹」と続き、後者の主人公が小説上でどのように終末を迎えるか気になっていたところの本書である。特命を受けた陸軍中尉(著者の想像)と人間でない当時者に張作霖を最後を語らせるという憎い演出となっている。張作霖の「玉」の後継者にまで、著者はシリーズを展開するのだろうか。
マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)Amazon書評・レビュー:マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)より
4062165007

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