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ノーフォールト
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ノーフォールトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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著者は昭和大学に勤める現役産婦人科医。 初めて書く小説とは思えない巧みなストーリー展開で、最後まで読む者を引きつけて離さない。 岡井先生は「壊れゆく医師たち」においても産婦人科の厳しい現状を憂いておられた。 この先の日本の医療界に警鐘を鳴らすために書かれたものだと思う。 患者からの信頼も厚い柊奈智は、産婦人科医不足による過重労働が続いていた。 当直にあたった日、痛みを訴える患者徳本美和子を診察し、グレードAカイザーと呼ばれる非常に緊急度の高い帝王切開手術をする判断をする。 病棟医長の君島を呼び出すが、君島は夜間の若い外来患者に手間取り駆けつけるのが遅れる。 柊が手術をすることを決断し、無事子どもを取り出したものの、母体の出血が止まらずに危険な状態となる。 大量の輸血と、遅れて到着した君島の手によって縫合をし、手術は無事終了した。 その後も徳本美和子は原因不明の出血が続き、再び緊急手術をするものの死亡。 追いうちをかけるように遺族に訴訟を起こされ、被告となった柊は弁護士にもひどく追い詰められ、精神的にも不安定になっていく。 その後、物語は訴訟とその原因究明、柊の精神状態の変遷を軸に展開していく。 読み手に対して、医療界の現状を知らせたいという意図が表れるため、登場人物に語らせる内容がやや冗長だが、医療の現状を知る上では非常に有意義である。 悲しいことに病院とは付き合いが長いため、医療用語や薬剤については多少の知識があるが故に、否が応でも必要以上にスリルを味わいながら読んでしまった。 | ||||
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とにかく、現状で産科医療を支えていらっしゃる先生方に、頭が下がる思いである。この作品はフィクションだが、ここに描かれていることは現在の産科医療現場で実際におこっていることなのだ。24時間拘束され、緊張の連続。無事に生まれて当たり前。なにかトラブルがあれば、罪人として訴えられてしまう。そのような状況で、医師を続けていられるのは、ひとえに医師としてのプライド以外にはないと思う。とてもではないが、恐ろしくて私にはその責務を負うことはできない。あいかわらず、無理解な産科関連訴訟が繰り返されており、このような状況では、日本から産科医がいなくなる日はそう遠くない。 | ||||
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現場で苦悩する現役の産婦人科医師ならではの視点での小説です。現在の産婦人科、ひいては日本の医療を担うものの叫びのように心に響いてきます。 前半は特に読み応えがあり、これでもかといういいテンポで物語が進行していきます。後半部分はちょっと息切れしたような感じですが、それなりにまとまっています。 大学の教授という要職で多忙な中、よくこれだけの小説が書けたなと感服しきりです。 医療問題に興味のある方に特にお勧めします。 ただ一点難点をいえば、一番最後の無過失保証制度の説明のような手紙に託した文章は小説を台無しにしているので不要と思います。 | ||||
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多くの日本人(特に若い方)は人間が死ぬと言うことにリアリティを感じないと思われる。人間というものは適切に管理(治療)すれば全ては80−90年は命を長らえるものであり、それができないと言うことは何か不作為があったものと考える風潮が強いように思う。その不作為が起こるとされる場所が病院であり、それを行うものが医師である。そう考える方にとって、本書に取り上げられる症例(シチュエーション)はフォールト(不作為)と考えるであろう、しかし医学的には明らかにノーフォールトである。感情と科学がごちゃ混ぜになっているところに今日の医療訴訟における最大の問題点であると本書でも確認できる。しかし・・海外でエビデンスのあるオルガラン(新薬)の使用まで文句を付けてくるものなのかと・・・orzまた、女医を主人公にしているのも出産・育児・離婚といった女医が臨床医として生きていく問題点を浮き彫りにするために必要であったと思う。 | ||||
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多くの日本人(特に若い方)は人間が死ぬと言うことにリアリティを感じないと思われる。 人間というものは適切に管理(治療)すれば全ては80−90年は命を長らえるものであり、 それができないと言うことは何か不作為があったものと考える風潮が強いように思う。 その不作為が起こるとされる場所が病院であり、それを行うものが医師である。 そう考える方にとって、本書に取り上げられる症例(シチュエーション)はフォールト(不作為)と考えるであろう、 しかし医学的には明らかにノーフォールトである。 感情と科学がごちゃ混ぜになっているところに今日の医療訴訟における最大の問題点であると本書でも確認できる。 しかし・・海外でエビデンスのあるオルガラン(新薬)の使用まで文句を付けてくるものなのかと・・・orz また、女医を主人公にしているのも出産・育児・離婚といった女医が臨床医として生きていく問題点を浮き彫りにするために必要であったと思う。 | ||||
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私はいま医学生ですが、この本を読んで産婦人科の現状を知り、そして大変だからこそ自分にもなにかできるのではないかと思い、産婦人科医になることを決意しました。実際にあった話の様で、最後はどうなるかと思いながらどきどきしながら読み終わりました。この学生の時期にこの本に出会えてよかったです。 | ||||
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現役の産婦人科医(大学教授)の著作。卒後5年目の女性産婦人科医が、緊急帝王切開後の母体死亡で医療訴訟を受ける。手術等臨床場面のリアルな描写は秀逸。医師と患者、どちらも悪くないにも関わらず起こる法的対決…。著者のノーフォールト(無過失)補償制度設立への強い祈りが伝わってきます。現在の医療危機について考えさせられる一冊です。 | ||||
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現役の産婦人科医(大学教授)の著作。 卒後5年目の女性産婦人科医が、緊急帝王切開後の母体死亡で医療訴訟を受ける。 手術等臨床場面のリアルな描写は秀逸。 医師と患者、どちらも悪くないにも関わらず起こる法的対決…。 著者のノーフォールト(無過失)補償制度設立への強い祈りが伝わってきます。 現在の医療危機について考えさせられる一冊です。 | ||||
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話の展開はスピーディーで医療関係者としては非常に面白いのだが,女性像の描き方がステレオタイプに過ぎる.患者に感情移入し,弁護士の攻撃に傷つき,子供か仕事かの選択に揺れ,涙を流すのはなぜ女性で泣ければいけないのか.一方で男性は助教授の座を争っているというのに,「若い女性だから」とみんなに守ってもらう存在だ.現役教授が描く女性医師像がこれというのも首を傾げたくなる.また,「立ち去り型サボタージュ」を読んだときにも思ったのだが,サボっている者=悪者=医師会=開業医という対決構図も内部に争いを持ち込んでいるだけで,解決を展望していないのではないか. | ||||
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新聞の書評や,こちらのレビューをみて,是非読みたくなり購入しました。前半はとてもおもしろく,一気に最後まで読んだのですが,後半はちょっと自分にはいまいちでした。作者の熱いメッセージはよく伝わったのですが,せりふが説明口調すぎたり,医者は聖職者,というかのような雰囲気が強すぎて,ややしらけてしまいました。自分の周辺では,医師には確かに受けがよいようですが,弁護士にはやはり不評でした。訴訟の記述にもかなり誤りがあるようです。 でも,全体を通しておもしろかったです。ノーフォールト制度は是非早期に実現してほしいと思いますし,そのことを強く世間に訴え,意識を喚起するという点で,いろんな人におすすめしたい本ではあります。 | ||||
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産婦人科の過酷な労働実態をそばで見ている他科の医者としてはとてもリアルな小説です。でも、途中あんまり心が痛くて飛ばしてしまったところもありました。病院関係でない人にこそ読んで考えて欲しい本。 | ||||
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私は医療従事者ではないが、医療事故と医療過誤の区別もつかないで感情的な報道をするマスコミを日ごろから苦々しく思っている。マスコミ関係者に是非読んでもらいたい。 | ||||
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私は産科の現場を離れた医師です。分娩や手術の現場にいる人間に出来ることは、その瞬間瞬間に考えられる中で「最善を尽くす」事しかありません。いわば冬山の絶壁、ブリザードの中ではいつくばって自分の五感のみをたよりに進むようなものです。悪意のない限り医療過誤の訴訟で原告が勝訴する確率はあまり高くありません。しかし悲しみにうち沈む遺族に対して何らかの補償は必要で、これがわが国では医師の責任追及という形でしか出来ないことが最大の問題なのです。筆者の岡井先生は昭和大学医学部産婦人科の現役教授で、超多忙の中でお書きになったことは驚異的ですが、現在の医療をめぐる情勢が、それほどひどい、危機的状況であるということを憂慮されたことがひしひしと感じられます。医療における無過失保障制度を一刻も早く実現させることを世間に知らせるには最もよい方法で、すばらしい才能に驚きました。 | ||||
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手術のシーン、治療方法を討論するシーン、裁判のシーン…実際に経験している現役の医師ならではの臨場感に圧倒されました。特に、メスを持つ手の感触までが伝わってくるような手術シーンは圧巻。そして心に残るのは、過酷な勤務、プレッシャーに苦しむ医師の姿。金持ちでベンツに乗っているみたいな医師のイメージが、いかにイージーなものだったか、思い知らされました。タイトルにも使われている無過失補償制度の早期実現を願います。 | ||||
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現在、医療崩壊、産婦人科が言われております。その現状の中で医学部の現役教授が著した本格サスペンスです。科学者としての冷静な筆致に、臨床医師としての熱い想いが秘められ、内容はスピード感にあふれ、いくつもの出来事が同時並行で現れる。まさに日本版ER小説版です。岡井教授は医学書の著書は多いのですが、小説は処女作とのこと。日本のマイケル・クライトンがデビューしました。 | ||||
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妊娠中の妻が通院中のクリニックで主治医に勧められて妊婦健診の帰り道、駅前の書店で購入したそうです。題名の「ノーフォールト」って何? 読む本も無かったので、寝しなにパラパラとページをめくってみました。導入部から難しい医学用語が出てきて多少めげそうになりましたが、緊急手術が開始されるころから次々と起こる緊迫した状況に次第に引き込まれていきました。正直お産って無事に産まれて当たり前と思っていましたが、出血何リットルという壮絶な描写に妻の出産が少々怖くなりました。今はただ、この小説の主人公のように懸命に治療にあたってくれるお医者さんにあたることを願うだけです。でも、もし自分の妻やまだ見ぬ子供がお産がきっかけで命を落としてしまったら・・・納得できないし、恐らく主治医の先生を憎むと思います。治療に全力をつくす医師とクライアントのためにあらゆる法廷戦術を駆使する弁護士少なくとも自分が同じ立場になったら、妻の死に関してこんな駆け引きはして欲しくはないと思いますが、こればかりはその場にならないと分かりません。睡眠薬代わりに読み始めましたが、気がついたら午前3時過ぎまで夢中になって読んでしまいました。この本は自分も含め、これからお産を控えている未来のお父さん方が読むべき本かもしれないと思いました。 | ||||
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