屍鬼

評判

屍鬼の評価:

4.00/5点 レビュー 245件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全263件 161〜180 9/14ページ
No.103
(3pt)

美しい少女のかたちをした生き物

確かに登場人物が多く、一覧表でも作らないと私の記憶力では把握しきれません。しかし、一つの村が屍鬼の脅威に侵食されていく過程をじっくりと表現するにはそれだけの登場人物は必要な数なのだと思います。静信と敏夫という二人の男性を主軸にして物語を捉えると、私自身は敏夫の側に感情移入してしまう人間です。それゆえか、村人が追い詰められていって敏夫を中心に蜂起するくだりの描写はすばらしいと思いますが、静信と沙子の側の描写には浅薄な印象を受けます。耽美ホラー風というかマンガチックというか。キングの作品へのオマージュということですが(私はその作品は読んだことがありません)、垣之内成美の美夕とルヴァを連想しました。美しい少女のかたちをした吸血鬼と彼女を護る男の、なれそめの物語。ともに悠久のときを生きることになった経緯を示すエピソード。長い旅のプロローグ。敏夫・村人組が人間のエゴと凶暴さを冷徹に描き出しているのに、一方で静信・沙子組がマンガ的耽美ホラーというのが、この作品の完成度を損ねているというか、読了した者に不協和音のような違和感を生じさせる原因ではないでしょうか。個人的には静信・沙子組にもマンガのキャラ的ではない生々しさが欲しかったと思います。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.102
(4pt)

勧善懲悪を

展開して、主人公一味がゾンビを掃討して大団円、てな話を小野さんが書く訳がなく。挿入される静信の小説はちとまどろっこしいが宗教者としての彼の言は単純な善悪二元論を煙に巻き、物語に深みとペーソスを与えていると思う。人として屍鬼と戦う敏夫ももちろんわかるけどね。敏夫と千鶴が祭りに出かけるシーンが、この小説を象徴しているのではないかなぁ。綺麗で、哀切で、凄惨で。夏野は、ちょっともったいないキャラだと思うので、星4つで。
屍鬼〈下〉 Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈下〉より
4103970030
No.101
(5pt)

屍鬼

その火事は事件の始まりではなく終焉だった。★を10個つけても足りないくらいの面白さ。単純に読めば二日貫徹してもおかしくないホラーでありエンターテイメント小説。これだけの作品にはなかなか出会えません。これだけ縦糸横糸を張り巡らせているのにトリッキーではない、極めてシンプルなのです。そしてどんな展開になっていってもけして無駄なあおりはなくむしろギリギリまで引き金を引いているような緊張状態。遅筆だとかいわれても出てくる作品がこれでは文句がいえません。
屍鬼〈上〉 Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈上〉より
4103970022
No.100
(5pt)

追い詰められ、追い詰めていく恐怖

上巻のテンポと比較して、下巻のテンポはスピードアップし、後半でその臨界点を迎える。まるで白い半紙がじわじわと、血液を吸い上げて紙が赤く染まっていくかのように、村が汚染され、村民が一人、また一人と亡くなっていく。白い半紙がほとんど赤く染まりかけた時、快哉の声を上げたのは汚染者たちなのか、村民なのか?怖い怖いと言うだけで、起こっている現象から目も耳も塞いだ村民たち。起こっている事実から目を背けることが、決して事実の解決にはならず、逃げの姿勢が逆に大惨事の拡大に手を貸すことになるということを、本書ではその恐ろしさを、闇夜の足音のように忍びやかに、そして精密に見事に表現してあります。この作品は本当にお勧めです。ただ長文に慣れていない方は、上巻のスローテンポはちょっと苦しいかもしれません。
屍鬼〈下〉 Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈下〉より
4103970030
No.99
(5pt)

疲れるけど、

まず登場人物の多さに、辟易とまではいかないけど正直疲れます。でもそれ以上の話の面白さに(屍鬼というものに対して今時そんな映画のような、とはちらりと思いましたが)最後まで読み進められずにはいられませんでした。敏夫と千鶴の神社の場面が一番手に汗を握りそれからはもう傾れこんでしまいましたよ。そして私は敏夫よりだったので静信には何度もむっとするところがありました。でも誰しも静信のような感情も気づかないだけで持っているのではないかと考えさせられてしまいます。小野作品で十二国同様に好きな作品です。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.98
(5pt)

ホラーというよりも

人間の本質を問う話だと感じました。生きるということは、必ず何かの犠牲の上に成り立っていて、その真実の前では善も悪もない。というか善にも悪にもなりうるという、どうしようもない事実が閉塞的な小さな村を舞台に展開されていくドラマです。村人全員顔見知りみたいな密接した人間関係だからこそ浮き彫りになる人の罪深さと美しさ。自己防衛を理由として剥がれ落ちてゆく被害者の仮面と、加害者という意識のない新たな殺戮。5冊と長いですが、その間に自分がどちらの側に同調するか、振り子のようにいったりきたりしました。又、文中に主人公が執筆しているカインとアベルの兄弟殺しを題材にした小説が挿入されますが、それが物語のテーマを深く示唆しています。ぜひ読んでみてください。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.97
(3pt)

シリーズ総括のレビューです

一巻だけの評価を皆さん書いてないようなので。私の感想から言えば前半は最高で、後半が尻すぼみ、総合的には残念!って感じです。序盤は村の因習や徐々に迫ってくる恐怖感。また謎が渦まく展開と、崩壊していく日常という描写がよく描かれており、次がどうなるか気になって仕方ない毎日でした。ただ後半部の展開は驚きもなく、淡々と終息へ向かって話が流れていくだけという残念な形。通常のホラー物が持ち合わせる最後までどうなるか解らない展開や、各個に極限化していく対決等々がまるでないのも寂しい所。また主人公の設定を間違えたのが致命的ではなかったかと。悩むのもいいんですが、家業である仏教との対比くらい入れないとねー。あと作中作も意味不明でしたね。あんなにはいらないでしょう。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.96
(4pt)

ホラー小説とは思いません

屍鬼を読んだ理由の一つに、ホラー小説が読みたいというのがありました。そんな時、書店で屍鬼の存在に目を止めました。この小説は、怖いという噂。今全5冊読み終わって思うのは、これはホラー小説ではないと思いました(僕にとっては)。だから、少しがっかりしました。小野不由美さんの小説だから買おうと思って買えばよかった(小説的にはなかなか面白かったから)。なぜホラー小説とは思わなかったかといいますと、怖いと思った事がほとんど無かったからです。僕は主に深夜帯にこの本を読みましたが、一人暮らしなのを後悔することは、ありませんでした。理由は、現実味が薄いからだと思います。もしからしたら、隣人が屍鬼なのでは・・・。そのようなことを思うことは一度もなく(どうして屍鬼になりえるのか。そこが納得できなかったから)。、唯一ゾクッときたのは、4巻の俊夫さんが村役場出張所に行った場面でしょうか。しかし、小説的にはグングン読ませてくれます。5巻まで全部買っておいてよかった。本当に午前3時に、本屋さんに行きかねない状況でした。(開いてませんが。ん。もし開いていて、僕は午前3時書店に屍鬼を買い求めに行くと、そこには多数の屍鬼が跋扈していた・・・。)
屍鬼〈5〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈5〉 (新潮文庫)より
4101240272
No.95
(3pt)

最も恐ろしいものは

この手の小説にしては全5巻という読み応えのある量だったけど、読み流して最後までいきました。巨大な山火事のオープニング、それは村ひとつを忌まわしい事件ごと焼き尽くした炎だった。前半は閉鎖された山あいの中規模な村で、奇妙な疫病が広がっていく。致死率100%の原因不明な疾患に、村のトップである寺の住職とその幼なじみの医者が原因究明のために奔走する。同時に田舎の人間関係がくっきりと浮かび上がっていた。中盤からは疫病の正体が明らかにされていく。それは蘇った死者であり、命を長らえるために新たな犠牲者を求める。非常識な現実から目を背ける人々だったが、被害が己の身に降りかかって狩人に変じる。恐怖とおそらくは歯止めのきかなくなった集団心理で、関係ない犠牲者を出しつつも疫病ははらわれたかのように見えた。ホラー小説として恐怖を感じるのは、やはり身近な者がアンデッドの化け物となって襲ってくる所だろうか。しかしただのパニックホラーに終わらないのは、屍鬼となっても記憶や感情が残っているためだ。それでも生きるためなら他人を襲ってもかまわない。それはある意味弱肉強食の原理にのっとっている。身を守るためならそれらを虐殺しても構わない。これも同じ理屈だろう。炎でも浄化できないのは人の心と過去である。罪とは何だろうかと考えさせられた。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.94
(4pt)

タイトルほど怖くない

全5冊にのぼる長大な作品であるが、コワモテな題名のわりには存外ライトな読後感だ。一口で言えば吸血鬼物で、ホラー、スプラッター系の描写も多いが予想ほどどぎつくはなく、後味も悪いというほどではない。読者を物語りに引っ張り込み、一気に読ませてしまう力はなかなかのものだ。的確なイメージを結ばせる描写力、西洋渡来の吸血鬼テーマと日本ローカルの民俗性との結合、女性登場人物の造形の巧みさなど長所として挙げられる。半面主役陣が屍鬼の実在を認識するプロセスなどはやや唐突だし、現代の話なのにいくら僻村といっても異常事態をマスコミが全く嗅ぎつけないとか、同じようなエピソードが同じような表現で延々と繰り返される冗長さ、男性登場人物の性格がややステレオタイプ、といった短所もある。しかし一番物足りないことは、吸血鬼の造形にオリジナリティが打ち出されていない点だろう。もっと日本化された吸血鬼像を読みたかったね。傲慢な事をいえば、一冊あたりが同じ位の頁数で上中下三冊くらいにまとめればもっと引き締まったかもね。
屍鬼〈5〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈5〉 (新潮文庫)より
4101240272
No.93
(1pt)

男なら戦え!

どっちつかずの静信には愛想が尽きた。善だからやる、悪だからやらないという稚拙な信念の元、屍鬼側に汲みしてしまう彼にどう感情移入しろと?他の方のレビューに書かれていた屍鬼を狩る残虐行為もなんら恥ずべきそれではあるまい。バカらしい仮の話だが、ぼくが村の住人なら狩る側に参加してバリバリ葬ってやるものを。人間にとって害ある存在ならば、自衛のため、ひいては人の種の存続のため戦って当然だ。どうせ人生なんて弱肉強食なんだぞ。やられる前にやれ!男は本来戦うために生まれてくるもんじゃ!つべこべ言わず武器を取って戦わんかい!
屍鬼〈5〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈5〉 (新潮文庫)より
4101240272
No.92
(1pt)

S・キングなら冗長と斬り捨てる

長けりゃいいってもんじゃない悪い見本。売れっ子の作家ともなれば原稿1枚でなんぼ。単に水増ししただけじゃない?この程度のシロモノで印税稼げる日本の小説界に幻滅だ。それにしても展開の遅いこと。人物も多すぎな上、個性も乏しく異変に対する心の揺れ動きも似たりよったり。これならば人物を3分の1に削り、展開をスピィディーにした方がよほど読者のためでもある。作者の独りよがりは読み手に対してデリカシーを欠くぞ。セイラムズ・ロットに献辞を捧げているが、当のキングにとってみれば迷惑な話だ。 5冊読了後、速攻で売りに走った。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.91
(4pt)

分かりやすさと奥深さ

5巻という長さにもかかわらず、一気に読める作品です。確かに恐怖の正体は分かってみるとややがっかりですが、1巻でやや煩わしく感じる多数の登場人物の描写が、それぞれの人間性にふさわしい結末に導かれていて、また違った楽しみ方が出来るようになっています。ホラーとしてはやや漫画っぽい分かり易さがあり、人物描写については魅力に満ちた奥深さがあある、という感じです。奇抜なホラーを期待して読まなければ、十分楽しめる作品だと思います。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X
No.90
(5pt)

長編映画を観ているような気分で読みました。

ハードカバー上下巻で、さすがに1日では無理でした。深夜、読むのをやめて、寝ようと思っても、こわいシーンがフラッシュバックしてしまいました。私にとってこわかったのは、簡単にヒトが変わってしまって、それがじわじわと広まっていくところ。 でも後半は、ドミノ倒しの逆回転を見てるようで、哀しかったです。私はこの作品からファンになりました。
屍鬼〈上〉 Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈上〉より
4103970022
No.89
(4pt)

人間的な感情を持ったバンパイア“屍鬼”

文庫版で5分冊にもなっているこの長い小説を発行当時のハードカバー(上巻・下巻)で読んだ。 物語の面白さもさることながら、「屍鬼」たちが凶暴で恐ろしいバンパイアではなく、姿かたちはもとより内面もきわめて人間的な感情を持った普通の存在として描かれているところが単なる「ホラー小説」の域をはるかに超えていた。 文章自体も「吸血鬼もの」とは思えないほど淡々として穏やかな筆運びで、著者は「神」とか「秩序」とか観念的な「何か」を訴えたかったのではないかと思う。 それにしても上巻545ページ、下巻726ページ、合計1271ページ、読み終えるのに11日間、フー、疲れた。
屍鬼〈上〉 Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈上〉より
4103970022
No.88
(5pt)

村を襲う怪異

はやまない。

 怪異の正体はわかったが、それを村人に信じさせることができずに悩む敏夫。そして、過程を問わないやりかたが静信をさらに悩ませる。

 ここにきて、小野不由美は屍鬼の側の事情も考慮して書くようになっていく。ますます目が離せなくなる、屍鬼、四巻。
屍鬼〈4〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈4〉 (新潮文庫)より
4101240264
No.87
(5pt)

超大作の完結

読み終わって、本当にすごいものを読んでしまった、ということしか言うことがない。まぎれもない傑作である。 五巻の冒頭で屍鬼たちの悲しい背景をちらつかせる。そして、屍鬼狩りが始まったところで、それまで(わりと)歴然としていた善と悪の概念をあやふやにしてしまう手法が上手すぎる。襲われる側であった村人が悪であるようにしか見えないのだ。 もちろん、人々には事情がある。家族を殺した村人の怒りは消えない、なりたくて屍鬼になった人じゃないものもいる。そこには純然たる食物連鎖の悲しみがある。 人の感情を持った屍鬼だからこそ、人間と相対化させることでやり場のない悲しみを描くことに成功している。善と悪がはっきりしているアメリカ系統の小説との違いが、その点にはっきりと現れていることは興味深い。
屍鬼〈5〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈5〉 (新潮文庫)より
4101240272
No.86
(5pt)

ついに

明かされていく、村を襲う「もの」の正体。

 今までの症状と合致するように根拠をあげながら屍鬼の正体を清信に説明するシーンは秀逸ですね。

 全容が暴かれてからの加速度的な話の展開も上手い。真実に気づき始める人々、誰も信じてくれないくやしさ、死ぬとわかっていて何もできないもの、子供の孤独の戦い。

 うーん、本当に目が離せない。
屍鬼〈3〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈3〉 (新潮文庫)より
4101240256
No.85
(5pt)

徐々に

盛り上がりを見せる屍鬼、第二巻。

 医者と坊主が必死で村に蔓延する異常事態を食い止めようと画策するが、それでも事態は拡がるばかり。

 この巻にあって、主人公である清信と敏夫の関係がさらにわかり、また、裏に思う人間関係が露呈されていく。そういった意味で、この巻は登場人物のしっかりした顔見せ、という意味になるのだろうか。

 
屍鬼〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈2〉 (新潮文庫)より
4101240248
No.84
(4pt)

屍鬼

街から隔絶された田舎の村。昔からの風習をいまだに引き摺っている。 小野不由美が送る、超大作。文庫版はベストセラーになっています。 全五巻の最初の一巻ということもあり、必然的に事件の起こる前兆になり、イマイチ迫力に欠け、さらには登場人物がめちゃくちゃ多く読みづらい面があるのも否定できない(っていうか、絶対しょうがない)が、それでもこれから発生する事件の壮大さを感じさせる筆力と、しょっぱなから人死にすぎです、という展開にはやっぱり期待してしまう。
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)より
410124023X