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警官の血



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警官の血の評価: 4.18/5点 レビュー 101件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全81件 61~80 4/5ページ
No.21:
(4pt)

あの超話題のすぐれちゃんも感激!

北大のシーン、大菩薩峠のシーン、五重塔のシーンなどメリハリがあり、飽きさせない内容です! ぜひ、読んでほしいですね!!
警官の血 上巻Amazon書評・レビュー:警官の血 上巻より
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No.20:
(4pt)

警官とは、正義とは、という葛藤も時代々々によって変わっているのだなぁ

本作は「2008年版このミステリーがすごい!」で見事に第1位を獲得した、佐々木譲らしい重厚な歴史小説であり、警察小説である。 3代に渡り、警官人生を歩んだ安城家。親の清二の時代に起きた殺人事件の真相を根に据え、親(清二)、子(民雄)、孫(和也)、それぞれの警官人生を描いている。彼らが立ち会う事件、犯罪は、それぞれの時代背景によって性質をかえ、警官とは、正義とは、という葛藤も時代々々によって変わっていることがうかがえる。 清二の時代は戦後間もない時代であり、世の中全体が混沌としている。清二は23年組と後に呼ばれる大量採用で警官となる。このとき、香取、窪田、早瀬という同僚に出会う。上野公園の浮浪者、秋葉原のバラックなどの表現、その時代の風俗が伺える。そして起こる、男娼殺人事件。チラつく警察の影。後に起こる国鉄職員の殺人事件との関連性を疑う清二は独自に捜査する。1957年、谷中五重塔放火心中事件が発生。そのさなか、清二は死亡する。事件の真相まで後一歩のところでその真相と主人公は、子の民雄へと引き継がれる。民雄は清二の同僚であった3人の「おじさん」の協力もあり、高校を卒業、父の意思を継ぎ警察学校への進学を決意する。卒業の直前、民雄は北海道大学への進学を勧められる。表向きは対ソ要員としてのロシア語を修得するため、実際はそのとき高まりをみせていた学生運動のスパイとしてである。大菩薩峠での赤軍派逮捕に大きく貢献した民雄は、評価を得、赤軍派へのスパイとして重宝されるようになる。しかし、その潜入捜査のような任務ゆえに、民雄の精神は病んでゆく。身も心もぼろぼろになった民雄は公安部への出向をとかれ制服警官へと、そして父と同じく、天王寺派出所の警官となる。それをきっかけに、先の殺人事件、父の死の真相にたどりつくのだが、それを話す前に少女を人質に取った殺人犯に銃殺され殉職する。主人公と真相は孫の和也へ。和也は、大学卒業後、警察官となる。警察学校卒業後の現場研修後、警務課から呼び出された和也は、ある警察官の内務調査を極秘に依頼される。対象の警察官は裏社会との太いパイプゆえ、数々の手柄を上げてきた。しかしそのパイプは、警視庁のキャリア幹部とのつながりもあったのだ。彼の逮捕に大きく貢献した和也はその後、やはり祖父の死、父の死に疑問を持ち独自に調査、真相にたどりつくのだが。。 戦後から現代までそれぞれの犯罪をおいながら、最初の事件の伏線を張りつつ、最後にその真相を持ってくるという、ミステリではベタながらも最もおもしろい構成を根底に持っているのに加えて、実際に起きた事件をなぞりながらそこへ主人公たちを当てはめていく佐々木譲らしい手法に、歴史のロマンを感じずにはいられない、ミステリな歴史小説に仕上がっている。警官の血という主題もところどころ、ほろりとしてしまうよ。そういえば、端々に出てくるのが、薬物による悲劇である。過去の伏線が思いもよらぬところで、この薬物の悲劇を思い出させたり、主人公が危機におちいったり、恋人を失ったり(というか仕返しのような)。そんなものに逃げ道を作らずに現実を見つめたいものである。
警官の血 上巻Amazon書評・レビュー:警官の血 上巻より
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No.19:
(4pt)

警官モノなんてどうかと思ったが・・・

完全にはまった。完敗です。他の作品も読んでみたくなりました。 "戦後の混乱期を超えて成長していく三代の警官の物語。したたかな結末"
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No.18:
(5pt)

直木賞に値する傑作です。

平成19年下半期第138回直木賞候補作。冒険小説に実績のある著者による警察官もの。『笑う警官』『制服捜査』『警察庁から来た男』に連なる、集大成とも言うべき警察官親子三代にわたる年代記。静かな緊張感が持続し、上下巻計800頁を一気に読み通しました。言いしれぬ感動が読後に残ります。名作です。
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No.17:
(5pt)

上下できっちり元がとれます

三代にわたる、警察官の問う真の正義とはなにか....を描いた作品です。上下巻別れた作品ですが、まず2巻とも揃えて読まれることをお薦めします。上巻>過激派のスパイとして着任した二代目民雄の全共闘時代の描写が若干くどく、ところどころ飛ばし読みになってしまいましたが、ここは物語の大勢にあまり影響ないのでそれはそれでよいかと思います。上巻でのエピソードが十分な伏線となって下巻では物語の勢いとキレが段違いにUPします。祖父、父の時代に抱えた事件性はきちっとした解決という形には至らずに終わりますからミステリーと呼ぶよりはむしろ「警官」という職業に生きる男たちの特殊な心情を丁寧に描いた心理小説。どちらかといえば悲愴な生き様だった祖父、父の無念をはらすかのような三代目、和也のクールでタフな勇姿は爽快で読んでよかったなぁとしみじみ思わせます。
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No.16:
(4pt)

臨場感

祖父→父→息子と3代にわたる警察官の話。昨年度の「このミス」1位に選ばれた作品だけれどミステリー感はそんなになく。たぶん犯人は、誰もがなんとなく想像がつく。でも、その時々の時代背景がとっても詳しく丁寧に書かれていてぐいぐいと作品に引き込まれていく感じ。同じ警官でも、時代によってここまで違ってくるのか、と驚かされる。三代目の話は、少し物足りない感があったけれど最後はちゃんと解決してくれたのですっきり。でも、二代目は切なすぎたなぁ…。もう少し報われてもよかったんじゃないかな、と思ったのは私だけ?盛り上がり感には欠けるけれど全体的にすごくよくまとまっていて実際の事件も絡んでいて臨場感も伝わるのでとても読みやすかった。こういうのって映像化されたら面白いんじゃないのかなぁ?
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No.15:
(5pt)

読んでてわくわくした

ダイナミックな仕掛けはない。登場人物は凡庸で、末路はなかなかに痛々しい。それにも関わらず人生の機微と時代がきちんと描かれて郷愁を誘う。何というか、読んでいる時間が実に楽しかった。
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No.14:
(4pt)

一晩で読みました

もともと著者のファンでしたので、即購入し、読むべきタイミングを考えていました。二冊分冊だから、休みの前日で翌日予定のない日と決め、先週やっと・・警察署長と似た話かなと思っていましたが、良い意味で裏切られました。ただ他の方も書いていましたが、ラスト近くが少し結末を急ぎすぎた?そんな印象を受けました。もう少し分量が多くてもよいのになという印象です。
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No.13:
(4pt)

上巻がしっかりとした伏線になった。

上下巻に渡る佐々木氏の大作「警官の血」であるが、上巻がしっかりとした伏線を引いているので、下巻がしっかりと重厚なドラマとして生きてくる。 欲をいえば、さらにストーリーを先に膨らましてほしかったということである。祖父・父と完結したものだったので、子も同じように最後まで描いてほしかった。佐々木氏が続巻を考えているのなら、かなり期待します。
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No.12:
(4pt)

大きな謎解きはないが、三代のわたる警官一家を描いて読み応えあり

ひとことで言うなら「読み応えがある」。「このミステリーがすごい!」で一位にランクされた作品だが、いわゆるミステリーのような謎解きの物語ではない。三代にわたる警官一家の生涯を描いていて、その中に秘められた謎というのはあるが、恐らく多くの人は、上巻のかなり早い段階で犯人を推測できるはず。それでも、戦後の東京を見事に描く一代目をはじめ、それぞれの主人公が時代背景の中で生き生きと描かれていて、「戦後」や「学生運動」など敬遠したくなるようなテーマにもすんなり入っていける。全体を通じて大事件こそ起きないけれど、それぞれに描かれるエピソードもおもしろくて親子や夫婦の関係、組織の中での人間関係などリアリティがあり、共感できる部分も多い。「正義とは?」という重いテーマも作品の奥深くに隠されていて、何か声高に訴えるわけではないけれど、心に残る。
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No.11:
(5pt)

燻銀の警察小説

各所で評判だったので、読む事にしたものの、題名からも、作家からも地味で重い雰囲気が出ててるわ、上下巻だわ、読むの辛そうだな・・・と思いながら読み始めたところ、おもしろい!話は地味で、エンターテイメントしてるところはないし、親子3代に引きずる事件にしてもすぐ、察しはついちゃうので、推理小説として読む本ではないけれどいわゆる警察小説として、ものすごく面白い。駐在として、毅然と正しい清二。清二を尊敬して、警察官になった民雄。心が壊れ母に暴力を振るう父に反発しながらも父と同じ道に進む和也。警察では、親の後を継いで、息子も警察になることを、「親が正しい姿を息子に見せた」として、歓迎されていて、期待もされる。警察官の仲間意識の有様の変化も清二の時代では、清二の死後、清二の一家に不自由がないように家計も支えた同期との連帯に対し3代目の和也は、先輩刑事を密偵する側に。すごく地味な話だけれど、上下巻のなかに、無駄なエピソードがまったくなく人物の書き方も、逆に、大袈裟な部分がないので、入り込みやすい。長さも全然感じられない。他のレビューでは、3代目の和也の章は、希薄とあって、なるほど確かにそうかも。でも、3章が希薄なわけではなくて、「現代が希薄」なんじゃないかなと。すごく良い小説なので、ラストに和也が、あんな風になってしまったことが残念です。
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4104555053
No.10:
(4pt)

赤軍派への潜入捜査

戦後日本警察の黎明期が、歴史小説のように力強く描かれている。そして父の謎の死を契機に、警官をめざす民雄。多くの父が正しく強かった時代の、清貧ながら美しい姿がしっかりと目に浮かぶ。 一転して舞台は大学紛争の潜入捜査へ。武力闘争を現実化しようとする赤軍派へ、民雄は公安警察のスパイとして渦中にとびこみ、神経をすりへらす。警察官二代の大河小説のような趣の上巻。父の死の謎は下巻へ。
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No.9:
(5pt)

継承し続けた遺伝子の尊さ

週末、馴染みの店のマスターがしきりに賞賛するので、上巻のみを借りた。ところが、前夜の酒が残ったおそい土曜日の午前、ふと読み始めたら、もう止まらない。(未読の方は、必ず上下一緒に買われることをお薦めします)終戦直後の東京下町から幕が開く、ある平凡な警察官親子の物語。しかし、「平凡さ」とともに、時代の相貌を見事に織り込みながら(ときに臭覚にも訴えつつ)展開される確固たる筆力は、ほんとうに唖然とするくらい上手い。もう、最初の10数頁でぐいぐい惹きつけられてしまった。土曜深夜に上巻を読了する“危険性”を回避するため、夕暮れ時に下巻を買いに行くことになったが、寒気を凌ぐ、物語に籠められた熱さが体を貫いていく。結局、土日全部と月曜の朝までほぼぶっ通しで、2冊を読み切ってしまった。上巻は、応召体験のある清二と、その子民雄が主人公。民雄は昭和40年代の学生運動最盛期に成人する。下巻は、民雄と、その子和也が主人公。時代は昭和から平成へと移り、犯罪者の質的変化、警察機構の軋みなどが、存分に盛り込まれてゆく。もし、ミステリーとして評価されたのなら、それはそれでいい。しかし、犯人捜しだけに限ったら、大抵の読者は途中で、「誰か」に(或いは「なぜ」にも)気づくはず。だからといって、この作品が二流な訳では、決してない。むしろ自分は、この上下2冊を、戦後日本人が備えていた「種」が、半世紀をかけてじりじりと変容し、脆弱になりながらも、継承し続けた遺伝子の尊さ、…その軌跡を描いた博物誌、として読んだ。傑作。
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4104555061
No.8:
(5pt)

直木賞とるかと思ったけど…

下巻の内容は警察官2代目の民雄が程なく天王寺駐在所勤めになるところから始まり、いよいよ父の死の真相についての調査に着手。ここでのストーリーも特に大きな事件はなく、管轄内のアパートにすむ暴力亭主の案件がメイン。その亭主が何者かに殺されるところから急展開で最後は殉職。続いて三代目の和也の話。和也は大卒で警官となるが、警察大学校卒業後、意外な配置につく。そしてそこですべての謎が解き明かされて・・・というストーリー。本当に面白くて下巻も二日で読み終わりました。昭和23年から平成19年までを駆け足で一気に描き、最後の終わり方はちょっとアテが外れた感がなくもないんですが、とにかく買って損はないと思います。おそらく一度読んだ後に読み返すと、見逃してた伏線が色々でてきそう・・・。
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4104555061
No.7:
(5pt)

内容が濃い!!

内容がとても濃い作品です。警察官としての三世代の物語に終わらず、日本の社会、犯罪の歴史を交え、個人と組織の葛藤、そして祖父、父親死亡の謎、ラストの爽快感、一気読みの充実度120%。字数は、あまり多くないが、場面展開、人物造詣、登場人物の心理等、思わず何度も、「旨いなぁー」と唸らせる文章、とてもレベルが高いと思います。読んでいて、近年、ここまで自分の感情を作品に注入できた小説はなかったです。最高レベルの作品です。
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4104555053
No.6:
(5pt)

最高でした!

佐々木譲さんの作品を読むのは初めてでしたが、いっきに読んでしまいました。 三代の物語ということでそれぞれの時代背景といっしょに物語が進んでいって ひきこまれていきました。直木賞の候補にもなったということで、容疑者Xの献身 のように直木賞も取って欲しいです
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4104555053
No.5:
(5pt)

上巻だけ読んでみましたが

小説全体の感想としては、難解な表現や凝った設定とかはなく、ただ淡々と昭和23年からの時代背景を簡単に踏まえつつ、主人公が関わったいくつかの事件を描いている。途中、伏線らしき事件もあり、おそらく下巻で回収されると思うが、とりあえず上巻は一気に読めてしまった。内容としては、昭和23年に主人公の安城清二が警官になるところから始まり、いくつかの事件を解決した後に、天王寺五重塔の延焼事件の最中に殉職。続いて清二の息子、民雄が清二の同僚たちに支援してもらいながら成長し、自身も警官を目指す。そして北大のブントに潜入捜査、結婚、挫折を得て、ようやく念願の駐在所勤務の光明が見えたところで上巻は終了。
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4104555053
No.4:
(4pt)

一気に読ませる会心の作

2007年のミステリーNO.1って事で読んでみる。 物語は戦後から始まる。そして親子3代に渡る警官人生が描かれている。佐々木譲さんの本を読むのは初めてだったが、その時代の知り得ない世相の描写に読み応えあり、思わず引き込まれた。欲を言えば、最後の方は走ってしまった感が拭えない。もうちょっとじっくり描いても良かったのでは?と思う。
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4104555053
No.3:
(5pt)

人間の物語

佐々木譲の作品に初めて触れたのは「鉄騎兵、跳んだ」だった。若い新人の熱い情熱に惚れ込んだのを覚えているが、その後年月をへて、作品に渋みと深みが加わってきた。「ベルリン飛行指令」、「エトロフ発緊急電」あたりからはこのまま世界を舞台にした大型の冒険小説を手がけていくのかなと思っていたが、近年警察小説で佳品を生み出すようになった。「警官の血」はその集大成とも言える作品である。重みのある作品であるが、決して難解なものでないのは、何より人間が描けているからだろう。警察官も、もちろん人間である。その人間の生き様が描かれていることにこの作品の価値がある。これは警察官としての「人間の物語」である。
警官の血 上巻Amazon書評・レビュー:警官の血 上巻より
4104555053
No.2:
(5pt)

建前と現実の隙間を埋める、3人の警官の生き方

三代続いた警官の家系。祖父も、父も、制服を着たままその生涯を終え。息子は祖父と父の生涯から、警官として生き抜く術を憶えた。法権力の執行者たる警官として、完璧な市民であり、品行方正・清廉潔白であるべき建前と。その建前が通用しない、現実と。駐在所勤めの、警邏警官として。あるいは、潜入捜査官として。その建前と現実に、折り合いをつけて生きていくことの難しさ。佐々木譲の本を読むのは初めてだが。詳細な描写、というよりも、画素数の少ないモノクロの映画を思わせる、語り口。伝えたいメッセージは、ダイレクトに伝わってくる。陳腐な表現だが、骨太な小説。
警官の血 上巻Amazon書評・レビュー:警官の血 上巻より
4104555053

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