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群衆リドル Yの悲劇’93
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群衆リドル Yの悲劇’93の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.56pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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| 『天帝のはしたなき果実』において、「鬼会計渡辺」としてほんのちょっとだけ登場した渡辺夕佳が主人公。 探偵役をつとめるのは、「元」超有名ピアニスト八重洲家康(どうやら古野まほろたちの同級生だったらしい)。 二人はとある冬、矢吹山(!)にある山荘『夢路邸』に招待される。そこには、同じように半ばだまされて集められた七人の男女。 彼らはマザーグースの童謡に見立てられながら、一人一人殺されていく-。 誰によって、どうやって殺されたのか。犯人の動機は何か-。 雪の山荘、見立て殺人、密室、ダイイングメッセージ等々、本格探偵小説のガジェットがこれでもかと登場する。 ただ、それが少しも過剰ではない。なぜなら古野まほろの他作品と同様に、無駄な仕掛けが全くないからだ。 提示された謎にはすべて合理的な解が提示され、読者のカタルシスを導く。 タイトルの「Yの悲劇」は有栖川有栖へのオマージュだし、アガサ・クリスティの影響ももちろんある。 作中には他にも、探偵小説を書き続けた先達への愛と尊敬を示す様な内容が多々見られる。 先達の築き上げた本格探偵小説の技法を用いつつ、少女が少年に向ける切ない思いを土台に「そうせざるを得なかった」事件の全容を暴き出し、エンタテインメントに仕上げる。これほどの「超絶技巧」を必要とする小説は、古野まほろにしか書けないだろう。 | ||||
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| この作家の本は、デビュー作品を読んでる途中で挫折したのですが、友人に勧められ再挑戦しました(させられました)。 何よりあの破壊的にひどかった日本語がちゃんと読めて驚き。 本格しか書かないと豪語してるだけあってロジックや伏線は手堅く、雰囲気もかなり古典的。クリスティーっぽいので調べてみたら、ずっとクローズド物しか書いてないですね。この本も「そして誰も〜」の現代版。動機と、泣かせる話の組み立て方が現代版です。一気に読んでしまいました。 多分ナイロビの事件に基づく「病気」の話、「ショパンコンクール」の話、「江戸前寿司」の話、「マザーグース」の話諸々は、元々知識があるのか資料をしっかり集めてるのか、かなり正確。経歴から大学の学者っぽいので、そういう研究っぽい作業に慣れてると見ました。 Yの悲劇、の意味は終盤で明らかになり、動機、人物、場所、ダイイングメッセージ諸々とつながっていて、有栖川有栖さんがこのタイトルを納得したそうですが、それも分かります。Yの意味を一つでもばらせばネタバレになってしまう。 これなら多分続きを読めそうな気がしますが、メイントリックの一部は正直噴飯物で「絶対ナシ」、正直2000円出してこれか?と思いますし、ロジックも手堅いだけでなくもっと質量共に充実させて欲しい。ただ動機と悲劇の内容に思いっ切り号泣させられてしまい、この作家に泣かされるとは思ってなかったし、ロジックの一つはかなり綺麗に決まっていたので星3つ。4つ目は、下調べや仕込みがきちんとしてる分の加点。 | ||||
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| この作家の本は、デビュー作品を読んでる途中で挫折したのですが、友人に勧められ再挑戦しました(させられました)。何よりあの破壊的にひどかった日本語がちゃんと読めて驚き。本格しか書かないと豪語してるだけあってロジックや伏線は手堅く、雰囲気もかなり古典的。クリスティーっぽいので調べてみたら、ずっとクローズド物しか書いてないですね。この本も「そして誰も〜」の現代版。動機と、泣かせる話の組み立て方が現代版です。一気に読んでしまいました。多分ナイロビの事件に基づく「病気」の話、「ショパンコンクール」の話、「江戸前寿司」の話、「マザーグース」の話諸々は、元々知識があるのか資料をしっかり集めてるのか、かなり正確。経歴から大学の学者っぽいので、そういう研究っぽい作業に慣れてると見ました。Yの悲劇、の意味は終盤で明らかになり、動機、人物、場所、ダイイングメッセージ諸々とつながっていて、有栖川有栖さんがこのタイトルを納得したそうですが、それも分かります。Yの意味を一つでもばらせばネタバレになってしまう。これなら多分続きを読めそうな気がしますが、メイントリックの一部は正直噴飯物で「絶対ナシ」、正直2000円出してこれか?と思いますし、ロジックも手堅いだけでなくもっと質量共に充実させて欲しい。ただ動機と悲劇の内容に思いっ切り号泣させられてしまい、この作家に泣かされるとは思ってなかったし、ロジックの一つはかなり綺麗に決まっていたので星3つ。4つ目は、下調べや仕込みがきちんとしてる分の加点。 | ||||
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| 雪山、山荘、吊り橋、密室、童謡殺人、見立て人形…… これでもか!とばかりにちりばめられた「本格」アイテムに、思わず購入しました。 いわゆる本格という分野で発売される小説が目に見えて減少している昨今、 このような豪華なラインナップを並べられてしまうと、多少バカミスが予想されようと心をくすぐられてしまうのがファン心理というものではないでしょうか。 王道の素材をちりばめたうえで、どのような新しい調理方法を見せてくれるのか。 そこに期待を膨らませながら読みました。 結論を言えば、なかなか満足のいく内容だったと思います。 古野さんの作品を読むのは初めてでしたので、独特の文体がはじめは気になりましたが、すぐに慣れました。 登場人物の名前も奇妙ですが、よくキャラが立っていて、挿絵がなくてもひとりひとりの造形が目に浮かぶくらいです。 作者のフランス語の知識や音楽方面に関する造詣も深く、よく小説を読んだ時に感じる「これは違うんじゃないかなあ…」といった気持ちもあまり起きませんでした。 個人的に、クラシック音楽がとても好きなので、登場人物がピアニストだったりヴァイオリニストだったりするのも嬉しかったです(パラレル風なわりにアルゲリッチなど、現代の実在人物が登場するのに多少違和感は覚えましたが)。 最初から最後まで、電車の中やお風呂の中も含めて一気に読んでしまいました。 世界観がかなり確立されていて、耽美的な雰囲気もややあるので、映像化されても面白いかもしれません。 昔の横溝映画のような風合いで観てみたいです。 総じて満足できる出来でしたが、本格のキモであるトリックに関してはやや「それ!?」という感じが否めなかったので、星4つで。 | ||||
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| 雪山、山荘、吊り橋、密室、童謡殺人、見立て人形……これでもか!とばかりにちりばめられた「本格」アイテムに、思わず購入しました。いわゆる本格という分野で発売される小説が目に見えて減少している昨今、このような豪華なラインナップを並べられてしまうと、多少バカミスが予想されようと心をくすぐられてしまうのがファン心理というものではないでしょうか。王道の素材をちりばめたうえで、どのような新しい調理方法を見せてくれるのか。そこに期待を膨らませながら読みました。結論を言えば、なかなか満足のいく内容だったと思います。古野さんの作品を読むのは初めてでしたので、独特の文体がはじめは気になりましたが、すぐに慣れました。登場人物の名前も奇妙ですが、よくキャラが立っていて、挿絵がなくてもひとりひとりの造形が目に浮かぶくらいです。作者のフランス語の知識や音楽方面に関する造詣も深く、よく小説を読んだ時に感じる「これは違うんじゃないかなあ…」といった気持ちもあまり起きませんでした。個人的に、クラシック音楽がとても好きなので、登場人物がピアニストだったりヴァイオリニストだったりするのも嬉しかったです(パラレル風なわりにアルゲリッチなど、現代の実在人物が登場するのに多少違和感は覚えましたが)。最初から最後まで、電車の中やお風呂の中も含めて一気に読んでしまいました。世界観がかなり確立されていて、耽美的な雰囲気もややあるので、映像化されても面白いかもしれません。昔の横溝映画のような風合いで観てみたいです。総じて満足できる出来でしたが、本格のキモであるトリックに関してはやや「それ!?」という感じが否めなかったので、星4つで。 | ||||
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