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【牧薩次】
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完全恋愛の評価:
7.38/10点 レビュー 8件。 A ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点7.38pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
作家名に凝る人は好きじゃない
絵描きの半生かと思っていたら最後になんとか体裁が保てました。
完全恋愛の感想
第9回本格ミステリ大賞受賞作。辻真先と言えば、30年くらい前に「迷犬ルパン・シリーズ」とか、「トラベル・ライター瓜生慎シリーズ」等、随分夢中になって読んだもんです。久しぶりでしたが、老先生の力作に感服でございます。戦中から現代に至るまでの大河ドラマで、主人公は作者の分身の様に各時代を懸命に生きている。そのストーリーを楽しめば良い、そう思います。ミステリーとしては、まあトンデモな感じですが。「作者は読者に嘘をついてはならない。だがすべての事実を明かすこともない」「フェアプレーであればいいんだ」だ、そうです。
全体的な印象としては,そこそこボリュームもあり読み応えはありましたが,思ったほどの驚きはなかったという印象です. ▼以下、ネタバレ感想
物語の背景が昭和二十年から平成の二桁までになっている。この時間の流れの中に当時の世相を表す出来事や社会現象が脚色なしにそのまま物語の中に取り込まれ描かれている。映画で云うならファーストシーンから作者は仕掛けを施している。すべてが計算されたものであることを読み終わって初めて気付くことになる。正直に言えば読んでいる途中で少し退屈に感じた。だけれどその部分は我慢して読み進むしかない。その結果がラストの爽快さであることにこれも読み終わってから気付いた。この本の謳い文句に「他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ、では他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるへきか?」とある。これはある意味ネタバレになると思うのだけれど作者はあえてこの一文を載せた。そう、作者はある程度読者に推察されてもかまわないと云う余裕のスタンスである。一片は推察どうりであってもそれはホンの一部であり背後の隠された真相は見抜けない、という自信たっぷりの作者の態度である。確かに世相のエピソードが紹介されているがそんなところは漫然と読むのが普通であり本筋と結び付けて考えないだろう。だからこの部分はアンフェアだと指摘出来るかも知れないが、作中で語られている本格のルールによれば隠された部分をどう推理するかは読者の責任なのであって作者は手掛かりはキチンと示しているということになる。とにかく一筋縄ではいかない仕掛けが施されたミステリでいろいろなガジェットも使われており、読後の爽快感を考えれば途中の退屈な部分もスルーすることなく注意を怠らずに読むべきであると未読の方に注意をしてさし上げたい。
絵描きの半生かと思っていたら最後になんとか体裁が保てました。