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チャイルド44の評価:
8.33/10点 レビュー 6件。 A ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点8.33pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
チャイルド44の感想
確かに読みごたえはありました。 ▼以下、ネタバレ感想
まさに「おそロシア」
スターリン体制時代のソ連を舞台とした、国家安保捜査官が主役の物語。実在した連続児童殺人犯である「アンドレイ・チカチーロ」をモデルとした殺人鬼がソ連全土を舞台に次々と子供を殺害するのを主人公が追うストーリーとなりますが、それはあくまで物語の一面に過ぎず、主人公の本当の敵や脅威は殺人鬼よりもむしろ、彼自身が忠誠を誓ったはずの国家体制そのものというのがこの話の最大の特徴だと思います。国民の誰もが、それこそ昨日までは取り締まる側であるはずだった安保官までもがいつあらぬ疑いをかけられ、処刑されたり強制収容所送りになってもおかしくないという、この時代のソ連の恐ろしさが存分に描かれている作品です。すごく重そうな内容であることに加え、海外翻訳物、さらに上下巻で700ページ越え、と読みにくそうさの数え役満状態に身構えてしまいましたが、いざ読んで見ると近年の作品と言うこともあり、内容は想像以上にハードなものの、読みやすかったです。物語のどこを切り取っても緊迫感があって非常に先が気になり、あらゆる面で悲惨・陰惨・凄惨を極めるストーリーでありながらも、とても面白く読めました。残酷なシーンそのものが苦手な人は別として、決してドストエフスキーの作品みたいに「読みにくそう・難しそう」と身構える必要はありません。前半部分はとにかく残酷ながらもすごく惹きつけられるストーリーで、関心させられる作品だったのですが、物語の最大の転機となる、これまで保身と出世のために”国”というよりも”体制”に対して忠誠を誓い、スターリン体制の手先となってきた主人公が、自分自身の矜持や本当の意味で自分の生まれ育った”国”のために、”体制”に反旗を翻すように個人で殺人鬼の正体を追うことになった場面あたりから、正直首をかしげたくなる展開になってきました。また、前半はあらゆる面が主人公への逆境となり、まさに超ハードモードなのに対し、逆に後半になると主人公とヒロインの置かれた過酷な状況そのものは変らないものの、不自然なレベルで全てが主人公にとって上手くいく、ご都合主義全開になってしまったのが残念です。前半は文句なしに面白くて9点。後半は一気に薄っぺらいただの娯楽作品になり下がった気がして5点。平均してこの点数という感想です。(後半を酷評してますが、後半も「面白い」ことには変らないんですよ) ▼以下、ネタバレ感想
意外な結末
この頃のソビエトに生まれなくてよかった。
スターリン体制下の共産主義のソ連は恐怖が支配する国だった。国家に対して疑問を持つだけで反逆者扱いとされ、何気無い行動がスパイと疑われる国。1度疑われ、国家保安省に捕らわれた者は無実であろうと嘘の自白を強要され、処刑される。そこに住む国民の恐怖がひしひしと感じる。共産主義では殺人事件は起きることが無いという国家の思想の中で、殺人事件の捜査を行う主人公レオと妻のライーサ。 あらゆる困難の中で明らかになる事実に、只々驚嘆するしかありませんでした。 最初は余りの苦しさに途中で読むのを止めようかと思ったこともありましたが、最後まで読んで良かったと、今ではそう思います。 本当に面白い本でした。
旧ソビエトの社会主義国が舞台の物語。従って一部の理想国家を追求する人種たちは別にして、一般の人々はただ盲従的に国の取り決めに無言で従うしかない。上の人間は「信用しろ、しかし、確かめろ」と一般人を見る。当然隣人同士で相互監視が起きる。密告により反体制派とレッテルを貼られ処刑される人々は数知れない。そんな世界だ。主人公のレオ・デミドフは国家保安省の捜査官。国家に忠実であればこそこれまでに無実の人をたくさん殺してきた。仲間の捜査官の子供が死んだが、殺人だと騒ぐのを上司の命令で収めに行く。みんな平等なのだからこの社会に犯罪は存在しない。これがこの国の基盤。死体も検分せず目撃者にもろくに話を聞かずウムを言わせず事故で片付けた。そんなレオが子供ばかりを殺害した連続殺人鬼を追う物語。当然このような事件は表面上存在しない。存在しない事件を調べるとどうなるか?それがこの物語の最大の背景。レオと妻のライーサの物語。レオと宿敵ワシーリーの物語。過酷な状況のなか信念を持って殺人鬼を追うレオ。ジェットコースター・ムービーのように波乱の展開が続くストーリー。伏線もちゃんと張られ無理の無いストーリー展開。文庫本上・下のボリュームだけれど一気読みをするほど物語にのめり込んだ。社会的背景が主人公の敵となって立ちはだかる、その設定の面白さが良く描かれている作品といえる。
面白い!
「カラマゾーフの兄弟」を挫折している自分では、ソ連ってだけで読みづらいのかと思っていたけど、読みづらい感じがある。が、しかし著者がイギリス人だからかすぐに読めるようになる。むしろ読みやすい。これは面白かった。当時の時代はいけなんかはどうでもいいくらいどんよりと灰色の風景を思いながら読むだけで、真冬に汗をかいたような何とも言えない感じが味わえる。続編に期待!
確かに読みごたえはありました。
▼以下、ネタバレ感想