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レベル7



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【この小説が収録されている参考書籍】
レベル7(セブン) (新潮文庫)
レベル7 (宮部みゆきEarly Collection)

レベル7の評価: 6.31/10点 レビュー 16件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.31pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レベル7の感想

ストーリーは2つの物語が交互に進行する。
時間軸が同じかどうかは分からない。
一つは記憶を失った若い男女の二人が、怪しそうな中年男性とともに記憶を手繰り寄せていこうとするお話。何らかの裏に隠された不穏な事件を想像させる。
もう一つは、カウンセラー的仕事をしているシングルマザーの女性が、失踪した相談人の女子高生を見つけ出そうとするお話。

本書は著者の初期作で、600ページを超える長編サスペンスミステリーである。
いずれこの2つの物語が、どこかで絡みあい収斂していくであろうことが予見されるが、中盤近くまでなかなか正体が見えない。
怪しそうな中年男性の正体は?
物語の所々に出てくる「レベル」という用語。
これは何なのか?「レベル」がどういう事象の段階を意味しているのか?
タイトルにも付けられているように、本書の肝となる重要なキーワードであろうことは推測されるが、、、

本書の読みどころは、まさにこの2つのお話の関係といくつかの疑問を推測することである。

▼以下、ネタバレ感想

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

まさに竜頭蛇尾だなぁ

1990年に発表された、宮部みゆきの第4長編ミステリー。文庫本で777ページという大作である。
謎の男がある使命を確認するハードボイルド風のプロローグから始まって、記憶を失った若い男女が同じ部屋で目覚め、自分たちが何者なのかを追求するストーリーと、失踪した女子高校生の行方を捜すストーリーが並行して進んで行く。やがて「レベル7」というキーワードとある男を媒介にして、二つのストーリーが合わさり、巨悪を倒すことになる。
全体の構成は良くできていて、謎が多い前半は非常にサスペンスが盛り上がる。しかし、時間にして4日間の物語を700ページを越える作品にしたせいもあるかもしれないが、中盤から後半は中だるみで、終盤は読者レビューにあるように「2時間ドラマ」的な平板さで、一気に盛り下がってしまう。事件の背景や犯罪動機も物足りない。それでも最後まで読み通せたのは、作中に生き生きしたエピソードをからめられる文章力が抜群だからと言える。
宮部みゆき作品としては物足りないが、それなりに楽しめる作品であることは間違いない。

iisan
927253Y1
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

この題名が秀逸でしょう!

一瞬ゲーム小説かと思われる本書は実に意欲的な作品だ。
どこの書評欄や文庫の背表紙の梗概にも書かれている「レベル7まで行ったら戻れない」という一文がまず印象的だ。人の記憶に残る秀逸なCMコピーのごとく、思わず手にとってしまいたくなる蠱惑的な魅力を備えている。
2人の記憶喪失の男女がわずかな手がかりを基に自分の正体を探る話と、行方不明の家出少女を探す話の2つの軸が交互に語られながら、「レベル7」という謎めいた言葉に隠された意味が明かされていく物語だ。
まず記憶喪失の2人の男女の腕に刻印された「レベル7」という文字がなんともミステリアスだ。SF的でもあり、当然のことながらTVゲームをも想起させる。

本書が発表された90年当時といえば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったRPGが全盛であり(とはいえ、現代でもなお人気が高い)、発売日の行列は社会現象にまでなったことは記憶に鮮明に残っていることだろう。ゲーム好きで名高い宮部氏が本書を書くに至り、これからインスピレーションを受けたのは恐らく間違いないだろう。
とはいえ、舞台は現代であり、当然のことながら、モンスターも魔法も出てこない。物語の進め方はRPG的だと感じた。周辺に散りばめられた手がかり、例えばメモやマッチなどを端緒として、捜索の旅に出る。そして旅の目的はもちろん世界を支配する魔王といった類いではなく、一方は失った記憶、すなわち「自分」であり、他方は家出した少女だ。このもつれた糸が徐々にほぐれていくようにわずかな手がかりから物語が判明していく様相はRPGに似ているなぁと思ったものだ。多数の小説、特にハードボイルドなどの私立探偵小説を読んだ今となってはこの手法はありふれたものであるのは解っているが、読んだ当初はこの手のいわゆる「失踪人捜し」系の小説を読んだ経験は浅く、また特徴的な題名からこのような連想が生まれ、今に至っている。

物語は並行して語られる2つの話が漸近していくに従い、ある巨悪の存在も浮かんでくる。この辺の構成は非常に巧みなのだが、やはり「レベル7」という魅力的なキーワードに対する期待値が大きかったせいか、最終的に小さくまとまったなというのが正直な感想だ。非常に無難に手堅く纏められているが、最初の謎の魅力が大きすぎて、色んなことが解っていくごとにそれが徐々にしぼんでいくというような錯覚に陥るのだ。この評価は私のみだけでないようで、ブログやHPでの感想もそういった内容の感想が多く、また当時我孫子武丸氏が「なんてすげぇ物語だと最初は思った」といったようなコメントを残している。
あとやたらと分厚いのもまたそれを助長したようだ。今となってはこのくらいの分量の小説はゴマンとあるので別段珍しくも無いが、当時としてはかなりの分量であり、恐らく作者本人もその段階における集大成的な作品という意欲を持って著したのかもしれない。しかしやはり冗長すぎると認めざるを得ないだろう。なかなか接近しない2つの物語にじれったさを覚える人はけっこういると思う。
また別のパートで語られる共通するある人物の描写が別人かのように語られるのも非常に気になった。ストーリーの構成上、恐らくこのAはこっちのBなのだろうと推測するのだが、どうも一致するような人物のように思えず、この辺の違和感と最後にやっぱり一致した時に感じた叙述に関するアンフェア感がどうしても拭えなかった。

とはいえ、この本を読んで15年以上は経っているのに、未だに最後の一行は覚えているのだから、やはり自分の中では案外鮮明に印象に残った本なのだろうなとは思う。そういったことからも着想の面白さを十分に活かしきれなかったことが非常に悔やまれてならないと思う1冊である。


Tetchy
WHOKS60S
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レベル7の感想

ちょっと長くて、ちょっと分かりにくい所もあったけど、後半は流石に一気に読ませられました。

アリです!

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marebear
FLDW4YE1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レベル7の感想


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kazoo
EMXD4KLV

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