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(短編集)

希望荘



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【この小説が収録されている参考書籍】
希望荘
希望荘 (文春文庫)

希望荘の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

宮部みゆきワールド

あの杉村三郎を主人公とした短編集。
東京北区の北東部に私立探偵事務所を構えた彼のもとにやって来る依頼人たち。
四つの短編が収められた本書はどれも宮部みゆきらしい物語が展開する。やって来る依頼者の相談事は
日常の謎的なアプローチだけれど、調べ始めるとこれがけっこう重かったりするのがどうも違和感を感じてしまう。


これはどうしてかというと、彼の周りにいる人たちは皆人情味たっぷりで落語の世界の住人のような善人ばかりであり、
杉村三郎という人間と彼らとの関わり合いが微笑ましく描かれているから。
だけど持ち込まれる相談事の奥には殺人という凶悪な事実があり、その陰と陽の落差が大きくて読んでいるこちらは
ちょっと気分が沈んだりするのだ。杉村三郎というキャラクターから言えば殺人などのないコージーミステリーでいいのではないかと思う。
彼のキャラクターとしては、人が人を殺すという出来事などのない、普通の暮らしの中で起きるちょっとした謎めいた現象を解き明かすという
探偵の方が向いていると思うのだが。

とはいっても相談事を調べていくと意外な真実に行き当たるというパターンではあるがそこは宮部みゆき。
物語を作る才能がしっかりと発揮され、どれも展開の妙と意外性が楽しめる。
つまりはいつ読んでも宮部みゆきは安心して読めるということ。



ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:
(7pt)

癒し系探偵の現代人情話

2014年から16年にかけて雑誌掲載された杉村三郎シリーズの中短編4作を収めた作品集。犯人探しや謎解きが含まれているものの、スリルやサスペンスとは無縁の人情ミステリーである。
それぞれの作品ごとにミステリーとしての仕掛けは施されているのだが、ストーリーの重点は登場人物たちの情と主人公・杉村三郎の人間くささに置かれており、ミステリーを読んでいるという緊張感が無い。ただ、さすがに宮部みゆきというべきで、どの作品も話の面白さに引き込まれていく。
シリーズ作品ではあるが、杉村三郎の背景なども適宜説明されているので、前作を読んでいなくても本書だけで十分に楽しめる。

iisan
927253Y1

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