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無実



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【この小説が収録されている参考書籍】
無実 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

無実の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

ちょっと尻すぼみだけど、読ませる

2001年に「著者略歴」でデビューし、高評価を受けながら、なかなか次作が発表されなかったジョン・コラピントの長編第二作である。
大して人気ではないミステリー作品シリーズを書き続けてきたウルリクソンだったが、娘の出産時に妻が脳卒中になり、車椅子生活を余儀なくされてからの日々を描いた自叙伝が大ヒットし、一躍、時の人となり、TVのインタビュー番組にも出て注目を集めるようになった。そんなある日、若き日に関係を持った女性が亡くなり、その娘である17歳の少女クロエから「親子関係の確認と保護」を求める召喚状が届いた。驚いたウルリクソンだったが、DNA鑑定の結果でも娘であることが証明され、クロエを新しい家族として迎え入れることを決心する。裁判所で初めて会ったクロエはあどけなさとコケティッシュな魅力を併せ持つ美少女で、ウルリクソンはしだいに心を奪われるようになり、とうとう最後の一線を越えてしまうことになってしまった・・・。
クロエの裏には弁護士崩れの悪人デズがいて、DNA鑑定も含めて全てがウルリクソンを陥れるための罠であることは最初から明らかにされており、ストーリーの中心は罠の仕組みを解くミステリーではなく、誠実で家族想いの好人物であるウルリクソンが壊されて行くプロセスのサスペンスに置かれている。
ウルリクソンが罠に気付き、自分を取り戻そうとする物語の最後の部分がやや急ぎ過ぎで尻すぼみな感なのが惜しいが、非情に良くできた心理サスペンス作品である。アメリカで賛否両論(というか、否定的論調の方が圧倒的に強かったようだが)を呼んだというが、巻末の解説にもあるように、近親相姦や未成年者との性愛というタブーがアメリカでは反感を招いたということで、日本の感覚からすると特に問題視するほどの内容ではない。多くのサスペンスファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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