橋を渡る

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橋を渡るの評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

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No.1
(7pt)

あの選択でよかったのか、答えはあるのか?

2014年から15年にかけて週刊文春に連載されたものに加筆した長編小説。誰も見通せない未来を前に自分の決断、選択に惑う人間の弱さと諦念、その結果として招いたディストピアを描いた、シュールなエンターテイメント作品である。
2014年の東京に暮らす3人の迷い多き日々と日々の決断から生まれた物語が前半3/4、その70年後、2085年の世界が残り1/4という構成で、最後には2つのパートの関係が明かされる。前半の3つの物語は現実の社会状況からインスパイアされた、リアリティのあるストーリーが展開されるのだが、最後の未来のパートはSF的で、その落差に戸惑ってしまう。ただテーマがつながっているので、じっくり読めば腑に落ちる。「あの時に変えればよかったと誰でも思う。でも今変えようとしない」という言葉と、「一人の子供、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンでも、世界は変えられる」(マララ・ユスフザイ ノーベル平和賞)というスピーチの対比が重く心に残ってくる。
ミステリーとしては期待外れだが、味わい深い社会派作品としておススメしたい。

iisan
927253Y1