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カクテルパーティ



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【この小説が収録されている参考書籍】
カクテルパーティ (論創海外ミステリ)

カクテルパーティの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

狙われたのは、誰か?

1950年代のイギリスの「新本格派」とされているエリザベス・フェラーズの1955年の作品。謎解きミステリーであると同時に人間ドラマとしても面白く、古さを感じさせない作品である。
ロンドン近郊の村で暮らす元女優のファニーは、理解ある夫に支えられ、田舎の主婦として満ち足りた日々を送っていた。同居する歳の離れた弟が婚約し、その婚約者ローラが訪ねてくるというので、親しい友人たちへの紹介を兼ねてカクテルパーティーを開くことにした。当日、パーティーの時間になるとローラは頭痛を訴えてパーティーを欠席した。ファニーは得意料理のロブスター・パイを出したのだが、口にした参加者はみんな「苦い」といって食べるのを止めてしまった。そんな中、隣人のサー・ピーターは「美味い」といって食べ続けたのだが、食事の後で死亡し、パイにヒ素が混入されていたことが疑われた。
ヒ素を混入したのは誰か、なぜ引退したマスコミ界の大物サー・ピーターが狙われたのか。動機と手段を巡って、パーティーの参加者がさまざまな推理を展開し、それぞれの人物が抱える人間関係の問題が徐々にあらわになってくる。怪しい人物は二転三転し、最後の最後に思いがけない動機と犯人が判明する。
被害者が狙われた動機が不明で、ほとんどの登場人物にヒ素を混入するチャンスがあるため、全員が怪しく見えてくる。しかも、誰かが推理を語るたびに事件の様相がどんどん変化してしまう。登場人物のキャラクター設定が巧みで描写も優れているので、全員が生き生きとして立ち上がってくる。殺人の動機、犯人判明までのプロットもよくできていて、最後まで読者を引っ張っていく強さがある。
謎解きミステリーのファンはもちろん、ヒューマンドラマ好きの方にもオススメだ。

iisan
927253Y1

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