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悲素



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【この小説が収録されている参考書籍】
悲素
悲素 上 (新潮文庫)
悲素 下 (新潮文庫)

悲素の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

悲素の感想

現役医師である作者が、実在の事件を題材に描いた作品です。
医師仲間から「和歌山カレー事件」の鑑定資料を託された、というのだから驚きだ。
ただ、ルポルタージュっぽく、捜査、裁判と同じ事の繰り返しが描かれていてかなり冗長に思えます。
鑑定資料をベースに「小説」にして欲しかったなぁ。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:
(8pt)

悲素の感想

ドキュメンタリー風に書かれている。どこまでが現実の出来事として読めばいいのかちょっとわからないけれど、当時の報道を少し思い出したりした。現実に今同じ和歌山で資産家が覚せい剤で急死する事件が起きている。この本に
書かれているように和歌山県警は再び大変な苦労をしょい込んだことになる。この本で犯人とされる女性はカレー事件が起こる10年以上も前から犯罪を重ねていた。夫が営むシロアリ駆除の会社で使っていた人間を借金を餌に保険を
掛け捲りヒ素や睡眠薬を飲ませていた。ぞっとする女である。密かに和歌山県警の依頼を受けた医師が犯人の会社で働いていた人物を診察し、警察が執念で集めた古いカルテなどを分析してヒ素を体内に取り込んでいる事実を解明していく。
本筋のカレー事件を追うのではなく、従業員が何人もヒ素や睡眠薬を飲まされ入院したことで、何社にも掛けた保険から驚くほどの金額の入院給付金を受け取っていたり、死亡した人もいて億の単位の保険金を手に入れていた事実を解明していく。
当時社会的にヒ素についてのモノを言える人物はいなかった。医師であり大学教授のこの人物が数少ないヒ素や毒物についての研究をしている人だったことで警察の依頼を受けた。当然従業員が診察をうけた医師なども症状からヒ素が関係している
等とは誰も気づかない。膨大なカルテを当たり証拠として採用される意見書を作成していく医師の苦労が始めから最後まで描かれている。合間に毒物についての人間の歴史とそれを使った遥かな昔の毒殺事件が書かれているのも興味深く読める。
淡々とした文章に見えるが怖い話でその浸透力は半端ない。


ニコラス刑事
25MT9OHA

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