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夜明けの街で



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜明けの街で
夜明けの街で (角川文庫)

夜明けの街での評価: 5.46/10点 レビュー 13件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.46pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(7pt)

アラフォー男性の本音だと思われたくない!

本書は妻と一人の娘を持つ男の不倫の物語である。
しかしそこは東野圭吾氏、単なる男の道ならぬ恋を描かない。そこにはやはりミステリが織り込まれている。
建設会社に勤める主人公渡部の不倫相手仲西秋葉は高校時代に自宅で殺人事件の第一発見者となっており、その事件の時効が直前に迫っていた。そして彼女は殺人事件の真犯人だと睨まれていた。

しかしこれは世の女性が読めば男に対する嫌悪感が否応なしに増す物語だろう。妻子ある男が自分を正当化して浮気し、不倫まで発展していく様子と、それを上手く隠して家庭を守ろうとする姿に憤りを覚える女性は少なくないだろう。
奥さんに罪悪感あるのなら不倫しなければいいじゃん!と本書を読みながら声高に唱える女性読者の姿が目に浮かぶようだ。

さらに火に油を注ぐかの如く不倫相手の派遣社員仲西秋葉が実に都合のいい女性として描かれている。30代、165センチのすらっとした鼻筋の通った眼鏡美人。しかも渡部の家庭を崩すことは考えておらず、週に一度デートとセックスをしてきちんと家に帰すというまさに世の男が理想とする不倫相手なのだ。しかも渡部の奥さんの有美子は夫の不倫を疑っていない(ように描かれている)。

特に渡部の主観から映る有美子の様子は世の女性ならばそんな嘘はすっかり奥さんにはお見通しなのよ!とばかりにすごい剣幕で読んでいるのではないか。

このまさに男にとって実に都合のいい話はしかし最後でどうにか救われる。

さて渡部のこの不実な言動は解らなくもない。誰だって綺麗な女性を目にすれば何かしら接触を持ちたいと思うのが本音だ。頭では既婚者であることは解っていてもまだ自分の男ぶりを試したいという気持ちがあるのが男だろう。

しかしだからといって同性である男性が共感する話かと云えば決してそうではない。私はこの主人公渡部の身勝手な言動に終始腹を立てていた。
本書はアラフォー既婚男性である渡部の一人称叙述で語られており、この渡部の言葉や思想がいやに断定的でこれが世の中の男性の思いを代弁しているかのように書かれているのが非常に腹立たしかった。

曰く、妻とのセックスはときめきはなく、ただ外的な刺激に反応しているだけ。
世の中の夫婦の大多数はもはや男と女ではない。
結婚式と結婚は違う。
結婚は安心を得るためにし、その安心を得るために払った代償は大きかった。
いい母親はかつてのように恋人の対象ではない、セックスしたい対象でもない、かつて愛した女性とは別物。

こうやって挙げていくだけでも非常に失礼甚だしい渡部語録のオンパレードだ。一緒にすんな!と何度も声に出してしまったことか。

また不倫相手の秋葉が家庭を大事にする自分に気を遣って嘘をついてまで家庭のイベントを優先させることに気を揉んで、とうとう一線を超えた発言を勢いでするなど、非常に考えの浅いところが鼻についた。
責任を取る、後悔はしない、させないとその場で半ば意地になって断言し、その後の秋葉の態度や云ったことの重大さに押しつぶされそうになり、どんどん家庭崩壊へのカウントダウンが始まっていく。特に残酷なのは奥さんである有美子が良妻賢母で夫の不倫を一切疑っていないことだ。どうしてこんなにいい奥さんを持って不倫が出来るのか、それが恋愛だと云われても良識あるアラフォーの男の発言だとは思えないほど浅薄だ。

結婚後数年経っても恋愛感情を持つ夫婦はいる。それが私だ。
私は嫁さんが大好きである。とにかくこれだけ自分の為に尽くしてくれる嫁さんには感謝の気持ちしかないし、本当に逢えてよかったと思っている。
だから女性の読者は渡部の考え方が妻帯者の一般論だと絶対誤解しないで貰いたい。

しかし渡部の言動は離婚をした東野氏の本音なのか?そして理想の不倫相手を描くための妄想の産物なのか?
浮気の隠し方やアリバイ工作などあまりにリアルで実体験が伴っているようにしか思えないのだが。逆に想像でもそんなリアルを感じさせるのが作家なのだと開き直られそうな感じもするが。

また渡部の生活にもリアルさがないのが気になった。建設会社の主任クラスで移動にタクシーを頻繁に使い、銀座や横浜のバーで飲み食いし、さらにはホテルをとって毎週情事に浸るなんて、およそ一介のサラリーマンの懐事情とはかけ離れた生活をしているのが非常に気になった。
こんな生活が出来るほど貰ってないだろう。ましてや家のローンも残っているだろうし、そんなときに真っ先に減らされるのが夫の小遣いなのだから、この辺のリアルさに欠ける描写の数々は東野作品らしくなくて非常に気になった。

そんな不快感を終始覚えた本書は最後の事件の真相が明らかになってどうにかギリギリのところで踏み止まってくれた。
やはりこれはミステリだった。事件の関係者がたった4人でしかも特に不可能趣味がある犯罪ではないのに、意外な真相と人の心の裏面を描き出してくれた本書はクイーンの後期の作品に通ずるエッセンスを感じたというとほめ過ぎだろうか。

しかしとはいえ、やはり不倫を正当化する男の話は読みたくないものだ。同性としてなんとも情けなくなってくる。これ1冊で勘弁してもらいたい。


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Tetchy
WHOKS60S
No.12:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

夜明けの街での感想

 所帯持ちの主人公は現状の生活に満足できず会社の同僚と恋に堕ちる。 

――不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた――  そう語る主人公はあっさりと一線を越えてしまいます。 デート、情事、婚約と境界線を次々越えていく主人公、しかし彼女には殺人者ではないかという疑念が・・・。
15年前の殺人は彼女によるものなのか、時効を迎えた時に明かされる真実とは・・・。

 主人公は自分では標準的と思ってる家族持ち、でも傍から見れば障害のない幸せ過ぎる家庭でしょう。そこに魅力的な女性がふらり、特異な出来事をきっかけに二人の仲は縮まっていきます。 婚姻9年目の彼は夫婦生活に一抹の退屈さを感じていたのか、平凡な生活に彼女の刺激は新鮮で二人の仲は不倫という関係に陥ります。 何事にも飽きは生じ、新しいものに惹かれるのは人の常でしょうか、だからといって道徳を超越できるかは別の話ですが。

 不倫の二人、そこに交じる殺人事件の究明の緊迫感は見事です。 一方で明かされる真実に厳しいものがあります。 ミステリーというよりは裏に黒いものを秘めた不倫劇、背徳的な二人の帰結を見届けてあげましょう。


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りーり
9EDFH0HC
No.11:
(5pt)

夜明けの街での感想

ミステリーというより、恋愛不倫ストーリー
終盤にやっと謎ときがあるが、それまでがダラダラ長い

mick
M6JVTZ3L
No.10:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (6件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

夜明けの街での感想

「不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。
ところが僕は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなった。ただし、その言葉の後に、こう続ける。」

「でも、どうしようもない時もある――。」

作者があまり好きじゃないと過去に書いたことがあるが、この本はそう感じなかった。
まさかのサザンが登場してきて驚いたが。

内容を一言で言えば、不倫は何も生まないなと。

自分の不倫相手は殺人犯なのか違うのか?
気になる方は読まれてみては。

登場人物の気持ちの動きがよく分かる本である。



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りゅかさん
DSQDHULA
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

夜明けの街での感想

うむ~
これは

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サイ
ESRN4BQH
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

夜明けの街での感想

男は馬鹿だね。
ミステリーっていうよりも、恋愛小説かな?
映画は面白いのでしょうか?

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レッダーン
JX3FQ5JY
No.7:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夜明けの街での感想

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた既婚男性が(あっさり)不倫に至り、それを正当化しようとする無理矢理な思考、言い訳、嘘、嫉妬、そして女性に振り回され最終的に主導権を握られる姿などなど・・・
実際一線を超えるまではいかなかったにせよ「あれっ?もしかして?ドキッ!!」なんて経験した人は意外と多いと思いますね?
リアリティありすぎて正直笑えなかったのでは?

「俺たちは男じゃなくなった。亭主とか父親とかおっさんとか、そういうものに変わったんだ」
世の女性から相手にされなくなった哀れな自分を正当化するための言い訳にすぎないのですが、実際のところは内心まだまだやれると思っていたりします。
お母ちゃんは子育てに忙しくかまってくれないし、職場では責任の重い立場に追いやられます。
そういう弱ったところに付け込まれるのはお前が未熟なだけと(女性には)言われそうですが、男性ならこの主人公の気持ち分かるのではないかと。
かと言って不倫を肯定する気は勿論ないですけどね。
この主人公の男性が特別優柔不断、軟弱、小心者であったが故の物語ではないですよと言いたいですね。
「これが男の正体ですよ」と世の奥様連中に是非言いたい。かまってあげて。

不倫関係の板挟みのドロドロなんて読みたくないなぁと読み進めていましたが、ドロドロとはなりませんでした。
これは主人公の男性を取り巻く女性(奥さんと不倫相手)が一枚も二枚も上手だからでしょうね。特に奥さん。
普通はこういう収束はしないですね。地獄です。

この作品の嫁には何の落ち度もありませんので、男性側のバカさ加減が余計に浮き彫りにされていますが、満点嫁でも被害者になり得るって事ですね。
不倫男の行動パターンがヒントとして多く描かれています。
ある意味対策本として機能できるかも知れませんね。

ミステリっぽいイベントも描かれてはいましたが完全におまけレベルです。

梁山泊
MTNH2G0O
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

夜明けの街での感想

ひと昔前の2時間ドラマのような作品です。(たしか映像化されていたと思いますが)
浮気のドキドキ感がよく書けており、中年サラリーマン向けかもしれませんが、ミステリー感もあります。
ラストの妻の行動が想像するとゾッとして怖かったです。くわばらくわばら。。。

フレディ
3M4Y9ZHL
No.5:
(7pt)

愛人

こんな人との不倫に憧れます

ボンゴレ
NVAJNU3X
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

感想

これはミステリーなのかな・・・?
不倫をしている主人公の感情がリアルに伝わってきて、その表現力はかなり凄いと思います。

chiiiisim
22ZP2D8P
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夜明けの街での感想

女って怖い。
男ってバカ。

マグル
ZH9M7YFR
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

好き嫌いが分かれるかな

ミステリー小説としては「おもしろい」と言える要素は少ないかも。

でも、不倫に対しての主人公の心理描写は丁寧に書かれていると思いました。

不倫中の男性は、読んでみると共感できるかも?

MUMU
YYDFLVXQ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夜明けの街での感想


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ぴよくみ
4WLMRKM9

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