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(短編集)

浪花少年探偵団



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浪花少年探偵団の評価: 6.75/10点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.75pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

こんな先生いたらいいなぁ

東野の初めての短編(しかも5篇)ということで、正直、あまり期待しないで買ったが、良い意味で期待を裏切られました。
前作の「ウインクに乾杯」あたりから、ちょっと微笑ましい?サスペンスとして、気軽に読みやすく、ついつい、時間を忘れて読み進んでしまいました。
もちろん、東野の真骨頂である長編の本格ミステリーは、どれも素晴らしいものがあるが、それとは対極に位置するコミカルなミステリーも魅力一杯。
同じ作者が書いたとは思えない、、、どちらも高いレベルを保持している点が東野らしい。
また、どの短編も、もう少し膨らませたら一つの中編ぐらいにはなるようなものを惜しげもなく、ストーリー展開をスピーディーに短編でまとめてる点もいい。
舞台が関西(作者も関西人)という点もスピーディな雰囲気(関西弁)が自然と内容に溶け込んでいて読む者をグイグイ引き込んで行く。
私は東京人だが、読んでいて関西および関西弁の魅力が初めて判ったような気がする。
最後に、このシリーズの最大のセールスポイントは登場人物が実際に存在するかのようなキャラ作りの巧みさである。
主人公の女子教諭、わんぱくな教え子たち、主人公にぞっこんのヒラ刑事や女好きだけど頼りになる先輩刑事、そして恋のライバルでもある会社重役(しかも好人物)、憎めないどんくさい教頭
推理小説じゃなくしても、一般の痛快な短編(連載)小説としても十分読み得るほどである。
こんな女性がいたら私も恋しちゃいそう・・・
最も魅力的な登場人物:竹内しのぶ(主人公・小学校教諭)

蛇足だが、本作は2度ほどドラマ化され、私としては多部未華子より、最初(NHK)の山田まりやの方が断然、イメージにピッタリだった。
よく、こんなイメージ通りの女優を思いついたなぁと感心した。

mustang
PCGQIQ4X
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

「少年団」というほどには…

竹内しのぶ25歳独身。短大卒の大路小学校教師。丸顔の美人だが、ソフトボールのエースで4番を張っていた男勝りの姉御肌。彼女と彼女の教え子らが遭遇する5つの事件を扱った連作短編集。

「しのぶセンセの推理」はいきなり教え子の1人の父親が殺されるというショッキングな事件。
「しのぶセンセと家なき子」からシリーズのサブキャラクター田中鉄平が物語に大いに絡んでくる。
「しのぶセンセのお見合い」は新藤刑事の恋のライバル本間の登場する話。
「しのぶセンセのクリスマス」は本シリーズの中で一番奇抜な状況を扱っている。
そして最後の「しのぶセンセを仰げば尊し」は本作の掉尾を飾るに相応しいハートウォーミングストーリー。

大阪弁が軽快に飛び交うライトミステリ。しかし、小学校教師を主人公に扱っているが殺人事件の中には結構深刻な真相もあるので、子供が読むには高校生以上になってから読むのがいいかも。
しかし、十分大人である私にとっては逆に人間関係の陰惨さよりもノスタルジーを誘う事が多かった。

まず最初の1篇は真相に感心した。なかなか小説では思いつかない真相だと思う。
次の「~家なき子」はクラスに1人はいたゲームの達人というのが琴線に響いた。これもいたよ、やたらとゲームの巧い奴。私の時はファミコンも全盛だったが、ゲームの達人はゲーセンに一日中入り浸っていたんだけどね。
シリーズの折り返し地点の短編「~お見合い」で本間を登場させてシリーズにカンフル剤を打ち込む。逆に云えば、この短編からシリーズに彩りが出てきたように思う。しのぶセンセも恋相手が2人になり、魅力が行間から見えてきたように感じた。
そして個人的なベスト「~クリスマス」は殺人事件と思われる事件の凶器がケーキの中から現れるという謎が非常に魅力的。一見、その奇抜さのみ先行した設定かと思いきや、最後には鮮やかに凶器をケーキに隠した理由を解き明かしてみせる。
最後の「~仰げば尊し」は事件そのものよりもやはりシリーズの幕引きを飾るお話としての感慨が深い。もちろん布団干し中の墜落の真相は逆説めいていて面白いが。

ふと思ったのだがこれはもしかしたら北村薫氏に先行して所謂「日常の謎」系ミステリに成り得た作品集ではなかったということ。ファミコンゲームのひったくりやベランダからの落下の事件は正にそう。
基本的に「日常の謎」系ミステリは人が死ななくて、日常に潜む些細な謎、違和感に隠された意外な真相・思いがけなかった悪意を導き出すのだから、常に殺人が絡む本作品集ではそこが条件的に成り立っていない。そこが非常に惜しい。

そしてシリーズ全体を通してみると、作者が定石に乗っ取って各短編を紡いだ事が解る。
まずは主人公の紹介。次の短編でシリーズ全体を通して出てくるサブキャラクターの紹介。中盤において恋のライバルの登場。最後に締めの1編。正に淀みがない。

そしてこの頃から作者が色んなジャンルへ挑戦しているのが窺える。
デビュー作以降、主に学生時代を舞台に青春ミステリを書いてきた作者だったが、前作『ウィンクで乾杯』ではパーティ・コンパニオンを主人公にしたトレンディ・ドラマ(古いなぁ・・・)風ミステリに、本作では学校の図書館においてある『ズッコケ少年探偵団』シリーズのようなジュヴナイル・ディテクティヴ・ストーリーに挑戦している。そしてそれらにおいてもきちんと水準を保っているのがやはりすごい。

最後の短編で一応のお別れを告げたしのぶセンセ。しかしこのシリーズ、もう1作あるので、この後、どのような展開をするのか楽しみだ。
しかし、前にも述べたが、ホントこの作者、タイトルに対して頓着しない。『浪花少年探偵団』といっても活躍する少年はせいぜい2人である。題名よりも中身で勝負という事か。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

浪花少年探偵団の感想

今年ドラマ化もされた作品。登場人物の大阪弁での会話が楽しく読めました。

水生
89I2I7TQ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

浪花少年探偵団の感想

殺人事件なのだが全体の雰囲気は明るい。

ぴよくみ
4WLMRKM9

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