■スポンサードリンク


いなくなれ、群青



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
いなくなれ、群青 (新潮文庫)

いなくなれ、群青の評価: 7.00/10点 レビュー 3件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

いなくなれ、群青の感想

階段島
山奥に住むという魔女によって下界から隔絶されたこの島で僕は平穏な日常を送っていた。 何の為に僕らは集められここに閉じ込められているのか、 自身の失くしたものを探し出せば島から出れるというが・・・。
そして11月19日午前6時42分、僕はこの島で一番会いたくなかった人に再会する。

 学園を舞台にした青春ミステリかと思いきや、不思議な力で支配された島からの脱出を図るファンタジー。 とはいえ主人公はあまり乗り気ではない。 未来を生きることに悲観している故にこの平穏な島から出る理由を見出せないでいる。 しかし、2年振りの彼女との再会が状況を一変させる。 対照的なまでに底抜けな理想主義な彼女はこの階段島の違法性を主張し主人公を振り回す。 
 シリーズを見越して様々な伏線、登場人物を収めた本作。 シリーズの一作目、つかみの作品として上々。

りーり
9EDFH0HC
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

いなくなれ、群青の感想

読書前後でイメージがまったく変わりましたが、なかなか気持ち良い読後感でした。

裏表紙のあらすじに『失くしたものは、何か。心を穿つ青春ミステリ』として書かれています。
ミステリっぽく、謎・真相は?・階段島と言った単語を前面に出したPRですが、個人的にこれは出版社側の商業戦略だと思いました。中身は自己や相手を思う心模様を描いた青春小説だと感じます。

記憶がなく突然島に現れた人々が、とりあえず普通に生活する階段島。舞台設定の謎は、現実的なミステリ寄りではなく、ファンタジーでとらえると良いです。
過去と外界を削除した箱庭舞台なので、登場人物達の、その後の考え方や人との関わり方に焦点が合わせやすくなり、詩的な情景や哲学的な感情を味わえます。
なので、何でだろう?という謎を追い掛けるミステリ的な読書ではなく、情景や皆の気持ちを感じる青春小説として読むと、より良い読書になると思います。

ネガティブな主人公にポジティブなヒロイン。ちょっと癖やコンプレックスがある人々など、特徴的な登場人物達による作品作りは、わかり易く巧いですね。なるほどと思いました。
成長を描くというと厳密的には違うのですが、不安定な心やそれの解放や共感など、若い世代に合う作品だと思いました。中々良かったです。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

egut
T4OQ1KM0
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

いなくなれ、群青の感想

河野裕さん及び新潮文庫nex初読了。幻想的な文章。主人公の行動と「階段島」の持つ本当の意味が明かされていく論理的な伏線回収は本格ミステリとして、その真相によってもたらされる心理描写は青春小説として、双方の魅力を感じさせる青春ミステリでした。由宇の「何かを捨てて進むことが、成長だとは思いたくない」というセリフが印象的でした。

水生
89I2I7TQ

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!