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月と蟹



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【この小説が収録されている参考書籍】
月と蟹
月と蟹 (文春文庫)

月と蟹の評価: 4.86/10点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.86pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

子供を書かせたらやっぱり凄い道尾秀介

読んでいて、直木賞に選ばれそうな作品だなぁと直木賞をよく知りもしないが勝手に思っていた。
途中の描写にストーリーの本筋に関係のないものがあると、その暗示を深く考えてしまうのは私の読書の仕方であるが、この作品もそんなところが非常に多い。単に情景を捉えたものではなくて、確実に主人公の精神とリンクしたものが目立つ。祖父の髭が白くてベッドの白さと重なってよく見えないシーンはとりわけ印象的であった。まだ小学生である子供故に見える景色であったり、捉え方であったりがとても瑞々しく、こういうことってあったなぁと振り返りながら小学生時代を懐かしく思った。
小学生特有の狭い世界というのは十分に表現されていたが、ストーリーも同様に幅のないもので退屈ではあった。ヤドカリ焼いての繰り返し。なんだかとても美しいのだけれど、面白みは薄かった。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

月と蟹の感想

タイトルにもある「蟹」は、人間の身体を蝕む、癌や脳の中でじわじわ広がっていく出血の影の比喩として用いられています。
また、「月の光が上から射して、海の底に蟹の影が映ったとき、その自分の影があまりにも醜いもんだから、蟹は身を縮こませてしまう」
とあるので、人間の体内に巣食う「醜いものの象徴」と考えていいのかも知れません。
作品では蟹ではなく実際はヤドカリですが、殻に身を隠す様や、殻から炙りだされて慌てふためく様など、人間の暗の部分の象徴としてより効果的であったように思います。
醜さを自覚しているという点でヤドカリは大人を象徴していると思うのですが、それが無色透明の人型生物である子供の浅はかな儀式であざ笑うかの如く焼き殺されるというのは、何を意図しているのでしょうか。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:
(4pt)

直木賞おめでとうございます

ミステリーというよりは純文学作品でしたね。主人公の幼いながらも複雑で、危うく揺らぐ心境がとても重厚に描かれています。ただ純粋に面白かったか、と聞かれると、あまり好みではありませんでした。

アルバトロス
CRRRDTJB

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