現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。

火星治安管理局の水島は、バディの神月璃奈とともに、凶悪犯ジョエル・タニを列車で護送中、奇妙な現象に巻き込まれ、意識を失った。

彼は空への憧れを決して忘れなかった―長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計

陸地の大部分が水没した25世紀。

ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。人類は未曾有の危機を辛くも乗り越えた。

いまや真朱の街は、妖怪“濁”が持つ無数の腕によって完全に包囲されていた。人々の憎悪を糧に強大化し続ける“濁”。

赤道直下の熱帯雨林、地上四十メートルの林冠部が〈カナピウム〉と名付けられた未来。

牛鬼と死闘を演じ、かまいたちの風鎌を土に還した男。拝み屋・播磨遼太郎は、真朱の街の妖改たちにとって最も警戒すべき敵だ。

1943年6月、上海。

少女を救えるのは「魔物」だけ。

土星探査というミッションを終えた俺は、やがて太陽系を後にした―予期せぬ事故に対処するため無人探査機のAIに転写された雨野透の人格は、目的のない旅路に倦み、自らの機体改造と情報知性体の育成で暇を潰していた。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

戦場カメラマンの石塚旅人が乗り組んだ宇宙調査艦隊が、突如、 沖ノ鳥島星系を襲撃してきたエイリアンと交戦状態になる。

遥花は、奔放なふたごの姉・美月に複雑な思いを抱いていた。常に比べられることへの反発―。

絶世の美女にして全身に百の眼を持つ妖怪・百目。彼女の探偵事務所は、妖怪と人間が共存する“真朱の街”にある。

19世紀初頭。英海軍に徴集された天涯孤独の少年トビーは、交戦中に遭難し、見たことのない船に救出される。

神戸にあるフランス菓子店“ロワゾ・ドール”に、西富百貨店の武藤という男性が訪れた。

はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。

〜作家・田中芳樹さん、堪能！「まさしく石持ワールド！　読者をほろ酔いかげんにさせてくれる作品」〜 湯浅夏美と長江高明、熊井渚の三人は、大学時代からの飲み仲間。

下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは4人。

ビストロ・パ・マルへようこそ。

日本各地で猛威を振るう未知種のアゲート蜂。人間に寄生し、羽化する際に命を奪うことで人々に恐れられていた。

一九三九年、上海。激化する日中の対立関係。

※小松左京賞作家の新境地！※ 坂の上の洋菓子店へようこそ――。

ミステリ作家を目指す日比谷研介は神保町すずらん通りの「ベルサイユ書房」でアルバイトを始めた。

絢部あかりが売り子をしている老舗の和菓子店“福桜堂”神戸支店。

律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。

膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。

決して相容れぬモノたちが異形と幻想の物語を彩る、珠玉のSF短編集! アマチュア音楽家の亜紀が街中で遭遇した人型の白いモノ。

海中に適応した人々が現れ、海洋経済圏も成立した近未来。しかし、人類は未だ闘いを止める事は出来なかった。

全篇新作書き下ろし! ! 最強のアンソロジーシリーズ復活第三弾! ホラーとミステリーを愛するすべての人に―― 平山夢明、澤村伊智、織守きょうや、斜線堂有紀、皆川博子…… 超ベテランから期待の新鋭まで、短編の名手16人が競演! 秘密の隠れ家で語られる極上の

室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす陰陽師兄弟。

「まんじゃしろ」に祭られている美森さま。過疎が進む山村、美森町の守り神だ。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

企業の内部告発者ケネス・C・Oの行方を追うなかで、ウフコックはパートナーのロックと弁護士サムを“クインテット”による惨殺された。

ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

秋のあとに訪れる短い春、旅春。それは、時空がかかる病である――。

高校二年生になった正太郎。

文化大革命で父を惨殺され、人類に絶望した科学者・葉文潔（イエ・ウェンジエ）。

出発から十億年以上、もはや故郷の存続も定かでないまま任務を続けるワームホール構築船と、直径2億kmの巨大宇宙生命体との皮肉な邂逅を描くヒューゴー賞受賞作「島」、かの有名な物語が驚愕の一人称で語り直される「遊星からの物体Xの回想」、意識を与えられた軍用ドロー