男を惑わせる魅力的な女、謎めいている、頭のよい、決然としている女、むろん、残忍、冷酷、意地悪でもあるけれど、それでも人は、胸をときめかせてしまう―そういう女が悪女である。

横浜の遊廓に、2人の少女が売られて来た。

青い眼の牧師が行き交い、香港の絹商人が闊歩する表通りを一歩外れると、そこは阿片の漂う犯罪エリア。

ラシャメンから下働きに落とされた希沙は、ただ一人、優しい言葉をかけてくれた加世とともに、英国人貿易商ウエルズの家に、岩亀楼から派遣された。

4泊5日の香港ツアー中に、久里子を殺す。

村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。

“美女”は本人の気持ちを俟つことなく、後世にさまざまな解釈、さまざまな物語を生み出される。

フランス革命のさなか、 ギロチンの刃から人々を救った謎の人物〈紅はこべ〉。

あの女が私を殺そうとしている!売れっこデザイナーの妻・千鶴の周囲で次々と起こる不審な事故。

隣家に押し入り人質をとった犯人は、真琴に法外な要求をつきつける。心中してくれというのである。

誰がうそをついている?幼なじみの四人が校庭に埋めた拳銃は、二十三年の時を経て再び放たれた。

2016年の『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作! お金に困っている人間を助けたいという思いでメガバンクに就職したが、その内情に失望して退職した百瀬良太。

犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

コロンビア大学でMBAを取得した柊子は、熾烈な競争をくり広げる日本のホテル業界に挑む。

第５７回江戸川乱歩賞受賞作　　　　　　　呪いで人が殺せるか。

評論家の灯子は子供を預け先で死なせた経験を本にし世に出た。弁護士の真希子は身勝手な夫に悩んでいる。

「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

映画の主役に抜擢された元アイドル藤岡みのりは、ロケハンのためイタリアに飛んだ。

栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。

「みなとみらい」の高層ビルを彼方に望む、横浜の下町“余毛”。

東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野とコンビを組み、捜査にあたる。

舞鶴でロシア人女性の遺体が発見された。時を同じくして抑留体験者の高津も姿を消す。

私生児として生まれ育った少女がやがて、ピカソやブラックなど若き芸術家たちの集うモンマルトルの美神(ミューズ)となり、画家となる夢を叶えてゆく。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。

み…美恵ちゃん…娘たちの喉を突き破って金切声がほとばしった。ふくよかな女の胸には1本のナイフが突きささっていた。

雑誌連載で人気がでてきた真珠占い師・高原野衣を危機が見舞う!客の一人・野々宮久美が、まるで野衣に殺されたかのような嘘をつき絶命したのだ。

第31回江戸川乱歩賞受賞作。

世田谷署の刑事・樋口彰は、争い事が嫌いで、誰かとぶつならないように一歩いているところがある。

『マルスフタオという蝶を手に入れて親父にプレゼントして下さい。

美しくなりたいと願いつづけて十八歳になった娘に、母は残酷な事実を突きつけた。

古代より近代まで華麗に、哀婉に、そして物狂おしく日本史の中に花開いた恋の数々。

親友三田村毬子の母親に頼まれて、謎の女を探ったみすずは、恐るべき事件にまきこまれる。

有吉葡萄、30代半ば過ぎ、独身。ローカルTV局の台本書きだが、本当はノンフィクション作家志望。

黒川博行氏絶賛! 人生の切なさと輝きを描き上げた短編集。

花の盛りの娘が2人、自由が丘で共同生活を始めた。互いの大切な夢のために励ましあう日々。

黄金の肌がなまめかしく輝くとき、横浜の秘められた歴史の記憶が、汚辱にまみれた愛憎のドラマが、闇のなかに映し出される―。

取引先の接待でSMショーを観に連れて行かれた大手家具メーカー広報責任者唐沢江里子は、平凡な外見をした調教師に惹かれるものを感じていた。

“妻の美津子が四歳の女の子を誘拐してきた、助けてくれ”不倫相手・北代文也からの電話が吾妻柚子の運命を変えた!無事に女の子を保護した柚子だったが…。

上海、一九四〇年。最下層の娼婦の娘・季乃の、炎精のように揺らめく生。

恋と仕事に燃えつきた武林無想庵の妻・宮田文子。

港町・横浜で、風俗嬢が相次いで殺された。

新藤憂子は女性脚本家。30代に入ってから仕事も結婚も手に入れ、今まさに油がのろうとしていた。

パリ。サンジェルマンの裏通り。

「誰かが私を罠にはめようとしている!」。トレンディ・ドラマの撮影現場で女優の卵の変死体が見つかった。

開戦前夜の上海。二人の若い日本人女性が連絡船から降りたった。

暴露本『スキャンダルへの招待』を書いたのち渡米した、フリーライター有藤久美が一年半ぶりに帰国すると、見知らぬ女が久美の本名を使って結婚し、さらには殺害されていた。