19世紀末、大英帝国の首都ロンドン。謎の殺人者「切り裂きジャック」による連続殺人事件が街中を恐怖に陥れていた。

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。

画壇の若き俊才にして気鋭の美術評論家・片桐は、妻を亡くした春、満開の桜の下で精霊と見紛う少年と出会った―。

神に選ばれし万能の天才―画家にして彫刻家、科学者、医師、音楽家でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチ。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

究極のゴシック・ミステリ作家が遺した、全ての短編を収録。

18世紀英国。

東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。

『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。

第二次大戦下のドイツ。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

「復刊ドットコム」で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化！ 1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。

孤独な中年女性の日常への美しくも不気味な侵入者をえがいて、江戸川乱歩が奇妙な味の傑作と絶賛した「銀の仮面」、大嫌いな男に親友気取りでつきまとわれた男―奇妙な関係がむかえる奇妙な顛末「敵」、大都会の暗闇にひそみ、異国からきた青年を脅かす獣の恐怖を克明に綴って

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。

泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。

曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

雪嵐の中、オスロ発ベルゲン行きの列車が脱線、トンネルの壁に激突した。運転手は死亡、乗客は近くの古いホテルに避難した。

遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

夏の陽ざかり、稀代の妖刀「青江次吉」が招いた驚愕の惨劇。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

これは悪夢か現実か。独自の美意識に貫かれた淫靡かつ幻想的な世界を築いた異色の作家。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

沖縄の活動家死亡事故を機に反米軍基地デモが全国で激化する中、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べていた。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。

ペンリック１９歳、婚約者を迎えに行く途中、病で倒れている老女の最後を看取ったのが、すべての始まりだった。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

ミステリと綺想の女王が紡ぎだす、禁忌と官能に満ちた世界 愛する男を慕って、女の黒髪が蠢きだす「文月の使者」、挿絵画家と若い人妻の戯れを濃密に映し出す「青火童女」、蛇屋に里子に出された少女の記憶を描く表題作他、密やかに紡がれる8編。

怪異に滅法強い少女の不器用すぎる優しさが奇蹟を起こす。 ついでに大戦争も。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

誰もがみんな、心に願いを秘めている。空を飛んでみたくて、妖になりたいという変わり者。

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

奇跡調査官の平賀とロベルトは、FBI捜査官ビルから結婚式の司祭を頼まれる。