何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

「才能」の限界を知る100分間。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、カンダタという男が血の池でもがいているのが見えた。

江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。

近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

盆市で大工が拾った迷子の男の子。

死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。

真っ赤な朝焼けの中、娘が一陣の風とともに忽然と消えた。居合わせた父親が自身番に捕らえられるが、自ら命を絶ってしまう。

夜な夜な江戸市中に出没する辻斬り「かまいたち」。町医者の娘おようは、夜おそく父を迎えに出て、かまいたちに出会ってしまう。

１７音の奥に潜む誰も知らない物語。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。

元警察犬で現在は蓮見探偵事務所の用心棒ならぬ用心犬・マサが、加代ちゃんやその家族、前作で亡くなった高校野球のヒロー諸岡克彦の弟・進也も加わった面々と活躍する、マサの語る事件簿をこれも新装版で。

一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。

インターネット上に溢れる情報の中で、法律に抵触するものや犯罪に結びつくものを監視し、調査するサイバー・パトロール会社「クマー」。

佐吉が人を殺めた疑いで捕らえられた。しかも殺した相手は実の母、葵だという。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。

人の業がなせる、恐ろしくも切ない怪談話の語り部・宮部みゆき。

二〇一七年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。

本所深川をあずかる回向院の旦那こと、岡っ引きの茂七が、下っ引きの糸吉、権三とともに摩訶不思議な事件の数々に立ち向かう。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

雅男は、サッカーが好きなごくふつうの中学生。

江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。

痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。

蓋を開けたら災いが降りかかるという堪忍箱とは…。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

僕は運命を変える。

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。

麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。

加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

「模倣犯」事件から9年が経った。

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

一九九四年二月二十六日未明、予備校受験のために上京した浪人生の孝史は宿泊中のホテルで火事に遭遇する。

念願の新居に引っ越した僕たち家族は、いきなり隣家の犬・ミリーの鳴き声に悩まされることになった。

「皆さん、お静かに。動かないでください」。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。

中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。

東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。