小学生の青斗が住む海沿いの田舎町には、ひとつの伝説があった。

声の色が見える僕は、透明な君に恋をした。

頼子が残りの房を口に放り込む。この果実の味を、彼女の顔が語っている。

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。

中学校の卒業式を終えた日、ひと気のない海辺で自殺を図った少女・琥珀。

恋人の過去と繋がる一冊の交換日記。本当に好きだった。

犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。

友達の死から始まった苦い夏休み。僕らは、幽霊に導かれて旅に出た。

ひとつきに二度、満月が見られるブルームーンの8月。17歳の僕は京都の嵐山にある祖母の家に帰省した。

自分で殺した女の子に恋をするなんて、どうかしている。 「私、死んじゃいました。

二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。

調理師の実果は、念願の三ツ星レストランで働き始めた矢先にケガをして失業、恋人にも逃げられてしまう。

過去は変えられないが、未来は変えられる―― 鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。

孤島に立ついびつな形の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。

切ない夜は、ここへおいで――。 疲れた大人を癒す、不思議な「絵本バー」へ。

ついに、未羽と颯人は恋人同士に。イケメン王子と夢の手つなぎ登校で学校中が大騒ぎ。

やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。

東京の片隅にある小さな神社で、管理人として細々と暮らしている青年・和己。

ある秘密を抱えた月ヶ瀬和希は、知り合いのいない環境を求め離島の采岐島高校に進学した。

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。

ここは東京の下町、山谷と呼ばれるかつてのドヤ街。

会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。

「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。 「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。

かつてドヤ街と呼ばれた日雇い労働者の町は、いまや安宿とバックパッカーの町。そんな東京山谷で千花が暮らすようになって半年。

東京の片隅にある神社で暮らしている青年・和己。

石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。

かつて花街として栄えた四谷荒木町は、小さな稲荷神社を中心に美酒と美食が集まる大人の街。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか?保健医の鏡司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。

見えない「魔弾」を放ったのは、誰か。 西東京市にある廃病院で、看護師が転落死した。

人にはポイントがある。ルックス、学力、コミュ力。

22歳女子、実家のバスタブで暮らし始める 「人間は、テンションが高すぎる」ーー 磯原めだかは、人とはちょっと違う感性を持つ女の子。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

なぜ少女は最愛の先生を殺さなければならなかったのか? 突如失踪した人気小説家・遥川悠真。

伝説は美しい月夜に甦る。それは絶望の果てからはじまる崩壊と再生の物語。

選考に関わる全ての人の心を震わせた、第23回電撃小説大賞≪大賞≫受賞作　 大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。

彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。

他人の嘘が分かる、不思議な力を持つ高校生、藤倉聖。だが、全ての人の嘘が分かるわけではない。

僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは―。

アンジェリス迎賓館で働くブライダルプランナー、間宮菫子。彼女のもとに、どこか秘密を抱えたカップルがやってくる。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

架空の青春の記憶を植えつけられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは、始まる前に終わっていた恋の物語。

遠野の旅館「迷家荘」には妖怪をはじめ、いろんな人が集まる。

なぜ少年はテロリストになったのか――衝撃と感動が迫りくる慟哭ミステリー 「すべて、吹き飛んでしまえ」 突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。

退屈な日常から抜け出したいと思いながら毎日を過ごすシニカル男子・野々村。

東京、浅草。下町の一角に明治時代から四代続く老舗『甘味処栗丸堂』はある。

いじめをする奴は、もちろん最悪だ。だが、いじめを見過ごす奴だって最悪だ。

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。

地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのようなルックスの若くお洒落な彼氏と付き合っている。

叶えたい“願い”を持つすべての人に届けたい、ひと夏の忘却と運命の物語。 ある日、目の前に死神が立っていた。

大人気「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ、三年ぶりの最新作! 京都の裏路地にひっそりと佇む珈琲店《タレーラン》。

突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、燐は死んだ。

普通の高校生活を送る僕・相葉孝司に突然起こった「自分以外の時が1時間だけ止まる」という不思議な現象。

―ぼくは、彼女が誰なのかわからない。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。