元女郎おひろから、東北訛りの侍の用心棒を頼まれた見届け人・秋月伊織は、他国に逃げる資金をはたいておひろを身請けした侍の背景に、ただならぬ事情を察する。

埋蔵金騒動に絡む殺人の裏に悲運の姉弟あり南原家の埋蔵金騒動に絡んで、穴掘り人足が次々と殺される。

市井の噂話から千代田のお城の秘密まで。

「八歳の女子が赤子を生んだ」「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。

秋月伊織は笛の音で女を誘い出そうとする男とそれを阻む老夫の修羅場を目撃した。

老母の暮らす郷里に帰った、出入り医師の下男・新次郎が、小仏峠で追い剥ぎに遭い、だるま屋に戻って来た。

伊織、けじめの「見届け」を描く文庫書下ろし完結巻!「押し込みをやる悪い奴らの情報がある」見届け人志願でだるま屋を訪ねた男は、食い詰めた大店の息子・巳之助だった。

安芸津藩の改易で浪人となり、江戸で渡り用人として糊口を凌ぐ片桐弦一郎。

絵双紙本屋の紀の字屋に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできぬ性分。

川に落ちた小娘を自ら飛び込んで救った渡り用人の片桐弦一郎。その人助けが噂になり、小大名小栗藩から仕事が舞い込む。

次期藩主の座をめぐる政争が幕府に露見し、安芸津藩はお取り潰しとなった。

片桐弦一郎の用人仲間である但馬佐兵衛が、何者かに殺された。懐中にあった大金が紛失している。

幼い頃、父母の喧嘩が元で顔に火傷を負ったお花。

―旅姿の男を襲う二人の浪人。仲裁に入った片桐弦一郎は、仲違いで負傷した浪人を長屋に連れ帰る。

新大橋近くで旅の侍が何者かに襲われた。

女医桂千鶴のもとに重い下痢を訴える商人三人から立て続けに往診依頼が入る。

長崎でシーボルトの警護役を務めていた井端進作が、役目の上の不手際で自害した。

武家を捨て、町人として生きる決意をした清七郎改め清七。

弾正橋―生き別れになった母への切ない慕情。千住大橋―都落ちし、再起を誓った男女を襲う悲劇。

軽微な罪で入牢していたおまちという女が、娑婆に出てまもなく、本所堅川の土手で無残な遺体となって見つかった。

藍染橋の袂に診療所を開いている千鶴のもとに、身元の分からない白骨が持ち込まれた。

江戸の切り絵図制作を始めて一年半。

竜閑橋袂で、美人女将の愛嬌と絶品茶漬で繁盛する『紅葉屋』の娘が攫われた。

新大橋―逢瀬を重ねた男に裏切られた女を包む涙雨。赤羽橋―捨て子と知った少女。

「亭主のなにもかもが嫌になった」―そう言って「慶光寺」に駆けこんできた小間物屋の女房おはつ。

自らの藩が取り潰しとなり浪人となった塙十四郎。

ある時は凧屋の店主、またある時は馬を操る腕利きの岡っ引。 追い求めるのは、父の面影――。

江戸で大評判の伽羅油「花の露」を扱う桔梗屋の主、吉蔵が多額の借財を残して姿を消した。

牢医師を務める千鶴は、子殺しの罪で小伝馬町の牢に入っているお勝から、娑婆に一人残してきた娘の暮らしぶりを見てきてほしいと懇願された。

神田川沿いで岡っ引の彌次郎の刺殺体が引き上げられた。

駆け込み寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、寺を出て普通の暮らしに戻ったはずのお妙が火付けの罪で捕縛されたという報せが入る。

駆け込み寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、大店の薬種問屋「小国屋」の内儀おきくが駆けこんできた。

橋上に芽生える愛、 終わる命… 情をもって剣をふるう、江戸・橋づくし物語 永代橋——桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。

押し込み強盗を働いて捕らえられた男が牢内で死んだ。牢医師も務める町医者千鶴の見立ては、鳥頭による毒殺というものであった。

「切り絵図屋清七」シリーズ第6巻。

江戸の切り絵図屋・清七を主人公に描かれる、書き下ろし時代小説シリーズ第5弾。

女医者千鶴の助手をしているお道の幼馴染み・おふみが、許嫁の松吉にわけも告げず、吉原に身を売った。

新兵衛はお店に押し込んだ賊の目を見て凍り付く。故郷の桜の下、幼い友情を誓い合った日の記憶が浮かぶ(「百年桜」)。

雲母橋―叶わぬ恋と一度はあきらめた男と再び巡り会った女。千鳥橋―逢えぬ我が娘の幸せを、陰から見守る男が零す一筋の涙。

まっ当な人々を救いたい！ 正念場の人気シリーズ 小伝馬町の牢を出たばかりの男が殺された。

貞次郎の想い人、弥生は心ならずも目付神崎に嫁いだ。貞次郎は奸計に遭って、神崎の腕を斬り脱藩。

縁切寺慶光寺の御用宿「橘屋」に、醤油問屋「紀州屋」の番頭がやってきた。

松前藩の抱え医師である宇津木新吾は、路上の急病人を助けたことから上屋敷への到着が遅れ、 腹に傷を負った藩士が死亡した。

立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕らえた。

吾妻橋―主君への忠義のため、惚れた女房を苦界に沈めた男。

縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に雇われた元築山藩藩士の塙十四郎。

「夢の中でおっかさんに会ったんだ」幼い頃、母親に捨てられた少年僧・珍念が橋廻り同心立花平七郎に嬉しそうに話した。

「この世の中の、すべての人があの人をどう言おうと、私だけは信じてあげたいのです」組紐屋のお幸は盗賊の疑いをかけられた与七をそう言ってかばった。

7代将軍の生母、月光院の生涯を描く長編。

「消息を絶った密偵を捜してほしい」―縁切り寺慶光寺の御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎は、元老中の楽翁こと松平定信から密命を受けた。

久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。

「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、身重の武家の妻女が駆け込んできた。

上総の国から『橘屋』へやってきたおふきは夫の和助に離縁されたが復縁したいと言う。

昔の思い出に生きる女を救えるか、平七郎――。

幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。

付火の罪で倅が火付盗賊改に捕まったと、御用宿「橘屋」を手伝うおふくが主・お登勢と雇われ人の塙十四郎に訴えてきた。