多種多様な人間が去来集散する巨大駅。その周辺では、絶えず事件が発生している。

「刑事は必ず正義の上で死ぬんだ」。ミステリー界の巨匠、珠玉の短編集。

よりによって私が殺されるなんて！ 極秘指令を受けて、不正の巣窟に単身乗り込んだ銀行員に迫る危機 本店から地方支店へ突然の異動を命じられた銀行マン。

忠誠を尽くした自分をゴミのように捨てた上司の米原を、衝動的に殺した桑崎。

高層アパートに住むOL・志賀邦枝のひそかな趣味は、双眼鏡で他人の生活を覗くことだった。

東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。

何一つ不自由のない家庭に育った子供が起こした「いたずら」。そこには恐ろしい意味が隠されていた―。

新入社員のふとした言葉に課長は青ざめた。この青年はもしや俺を追ってきたのでは?青年の出身地で彼は昔、女を殺した。

親友が屋上から落ちて、死んだ。自殺と思えない「俺」は当時の様子を探り始めるが…。

文壇の寵児ともてはやされる若きベストセラー作家の浅沼は、出版社から請われて新人文学賞の選考委員となった。

仁科優子は娘の高校受験の便宜を図ってもらうために志望校の学務部長と性的関係をもつが、性病を移されたために夫に不倫がばれ、相手は娘の家庭教師の南佐一郎だと嘘をついてしまう。

可愛がっていた亀を甲羅からくり抜かれたことは、少年にとって魂をくり抜かれたに等しかった。

新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。

都心の一戸建てに住む津田正吾の許に、深夜、痴漢に襲われたという若い女が飛び込んできた。

粘着力を帯びた不気味な液体はしきりに瘴気を立ちのべていた…。

大手ホテルの課長が客の女性と同衾中、刺殺された。女性の夫が現行犯とし逮捕されたものの不可解な事実が浮かび上がった。

それは不思議な力を持った凶器であった。それを手にした者に自信を与え、内攻した積年の怨念をはらす勇気を与える―。

金色のネックチェーンをつけた女が、新宿中央公園で殺された。被害者は、かつて歌手として一世を風靡した蓼科由里―。

タクシードライバーの蛭間正は深夜、新宿で若い女を乗せた。

博多発東京行のひかり116号で、不動産ブローカーが刺殺された。

飛び込み自殺をはかった女が死の直前に人生を逆行しながら再体験する「環状彷徨者」や、善悪正邪の転倒した世界に踏み込む謎物語「もう一人の自分」ほかSF的掌篇集「異次元の夜」と、サラリーマン社会に潜む現代人の虚無感と不条理な衝動を乾いた目で描く初期短篇五篇を収録

女をチンピラから助けたことで交際が始まった。初対面のはずなのに、二人の心の奥底に愛の記憶が蘇る。

始まりは新宿発、松本方面行きの最終列車、急行「アルプス号」だった。

巨匠が紡ぐ、珠玉のロマンティック・ミステリーの数々。 50年の作家人生の集大成。