完全無欠の名探偵
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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バラバラ殺人事件ばかりを扱った連作短編集『解体諸因』でデビューした西澤保彦氏はその後特殊な設定の下でのミステリを多く輩出していく。それらは読者の好みを大きく二分し、賛否両論を生むようになるが、作者2作目にしてまさにその特殊設定ミステリ第1弾であるのが本書である。 | ||||
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新しい展開には違いないけど、賛否両論わかれる作品には違いない。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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大財閥の総帥白鹿毛源衛門の孫娘りんの監視役として山吹みはるが高知の女子短大に送られる。この山吹みはるは2メートルの大男で、極めて気のいい男なのだが、相手を知らず知らずのうちに饒舌にしてしまう。喋りまくった後に自分自身で隠された真相に気付くというのだ。一種の超能力だ。この山吹みはると白鹿毛りんが、複雑に絡み合ったある事件を解決するというもの。複雑な関係も最後にはお互いにピタッとはまり込む。これにもちゃんと理由が用意してある。 作者のデビュー第2作だそうだが、結構力作だ。使われている土佐弁も面白いし、みはるの人柄がいい。シリーズにしても面白かったかもしれない。後の神麻嗣子の超能力事件簿に繋がる作品だ。 | ||||
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20数年前の作品であるが、色褪せることのない西澤ファンタジーが繰り広げられる。みはるがそこにいるだけで、過去を思いだし、饒舌に喋り出す。その能力をみはる自身も理解していない。しかも、その能力をみはるに授けたのはりんであったとは、最後になるまでわからない。最後に全てが分かり、読者もスッキリすることだろう。 | ||||
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西澤氏の2作目であり、1作目の連作趣向をさらに複雑に発展させて、その後の西澤作品の定番になるSF的ガジェットも盛り込んだ意欲作となっている。 高知が舞台で高知弁の会話文が多用されている。作品の雰囲気作りには効果をあげているが、やはりやや読みにくいのは否めない。 最初は事件らしい事件も起きず、どういう方向性の話なのかさっぱり分からないが、後半は連鎖的に事件が結び付き意外な真相が判明するデビュー作の解体諸因と同趣向の技巧派作品。 非常に凝った内容だが、煩雑過ぎてややすっきりしない読後感でもある。 個人的には初期西澤作品の中ではあまりしっくりこない作品という印象。 | ||||
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事件背景をやたらとこねくり回し過ぎていて作品としてのまとまりを感じられない。 また、事件がやたらと凄惨で解決されてもスッキリせず、犯人の中にお咎め無しの人物が居て読後感は非常に悪い。 | ||||
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本作では、高知県を舞台に、幾重にも錯綜した因果と犯罪が描かれる現在パート 「SCENE1〜9」と、ヒロインが幼い頃にトラウマを負った事件の顛末とその解明が 描かれる過去パート「fragment1〜9」が交互に展開され、最終的にSF的な“世界 の謎”に繋がるという連作短編の形式が採られています。 無関係に見えた個々のエピソードが、じつは因果の糸で繋がっており、最後には 思いもしなかった巨大な絵柄が浮かび上がるという連作短編特有の面白さもさる ことながら、本作の第一の美点は、“究極の聞き上手”とでもいうべき超能力者の 設定に尽きると思います。 超能力者・山吹みはる(純真無垢な大男)は、自ら推理することはありません。 その代わり、彼と会話をした人間は、衝動的にそれまで己の胸の内に秘めて やりすごしてきた過去の出来事を嘘偽りなくしゃべり始め、そうしている内に、 自分がした勘違いに気づき、過去の事件の真相にたどり着いてしまいます。 こうしたキャラの設定は、作者が後期クイーン的問題にSF的解決をつけよう と企図したものですが、そんな方法論は抜きにしても、みはるの人物造形は チャーミングです(どことなく、亜愛一郎を彷彿とさせる)。 本作では、ヒロインのトラウマの超克がテーマとなっており、そのため、 最初からシリーズ化が想定されていないというのが何とも残念なところ。 まあ、続編は無理でも、深夜ドラマか何かで映像化すれば、マニア 以外の層にも、結構うけると思うのですが……、いかがでしょうか? | ||||
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