地獄の仮面
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ポプラ社の江戸川乱歩全集は対象年齢を10-12歳ぐらいに設定している。自己体験から見ても、これは思春期に目覚めて、大人を対象とした一般書を読み始める直前、子供向きの本を読む最終段階だろうと思う。 児童書とは、現実をデフォルメしたお伽噺であり、読者(児童)の興味を掻き立てるために、現実の味方を意図的に単純にし、ワクワクする次元に現実を再現する度合を単純化した文学である、とすると、このポプラ社の江戸川乱歩全集は児童文学の理想的な傑作である。 提示するものは、まだ性として定式化されていない児童に変態、殺人、謎、狂気、猟奇の片鱗をちらりと垣間見せる未知の好奇と冒険とスリルとサスペンスであり、かつて数十年前に寝食を忘れてむさぼり読んでいた記憶をさかのぼっても、性分化が始まる前の子供(であった私)の前に繰り広げられた性を超えた変質と狂気の一大サーカスのページェントだった。 大袈裟に言えば、それは人類の不可解さに迫る文学であり、これほど楽しく人類の神秘を展開した昭和期のふところの深さに今更ながら驚きを覚える。 ところが、この作品は印象が残っていなかった。 あらためて読んでみて、その理由も明瞭である。 入り組みすぎているのだ。 少年探偵団シリーズを読んできた読者は、もう江戸川の手の内を知り尽くしている。 もう公知のネタなので書いても構わないだろうが、往々にして依頼人は犯人だったりするのだ。地下道を通じて被害者と加害者は10メートルも離れていない所に住んでいたりするのだ。復讐者はその仇の子と自らの子を取り換えたりするのだ。・・・・といったお約束のパターンがいくつかあり、を当作でもそのどれかがぶち込まれるのだが(またそれを読んで読者は安心するのである…シリーズものの快楽の一つは、繰り返される安定したお約束にあることは言うまでもない)、しかし、犯人以外に殺人者がいたり、複数の犯罪が別々に進行したりするので、この全集の後半、「二十面相もの」ではない、真の猟奇と恐怖と蠱惑と神秘を開陳した21作の中では、軌道の外れた失敗作である。 現実を「お伽噺」的に単純化することに失敗したとも見えるし、複雑化という点ではより現実に近づけたとも見えるが、そうすると江戸川乱歩文学はなかば白日夢のような幼児性で特徴づけられるので、徒らに表面的な猟奇になり、意外や子供だましのような作品になってしまう。 このポプラ社の江戸川乱歩全集でも、たとえば「影男」のストーリーの破綻ぶりは素敵な壊れっぷりだが、そこに現れる異常性は破天荒遊戯そのもので、物語が破綻していてもどうでもよいと思えるぶっ飛びぶりに達している。 当作は「髑髏の仮面」というアイデアを出していながら、児童文学としてもいまいち的を外した失敗作になってしまったように思う。 読むに堪える不可解さはあるので、それでも十分面白いのだけれども…。と、児童文学の本質について考察しながら読みふけったのであった。 | ||||
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少年探偵シリーズは再購入してほしい巻は揃ってると思ってたら、この地獄の仮面だけ抜けてました。結構な値段がついていたのでどうしようか迷いつつ諦めかけてたところ手頃な価格で購入できてうれしいです。状態もとても良く待ったかいがありました。 | ||||
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子供の頃にこれだけ読んでなかったので・・・これでこのシリーズはクリア♪ | ||||
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