イベリアの雷鳴

登録されているタグ

※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。

【この小説が載っている参考書籍】

オススメ平均点

8.00pt (10max) / 1件

6.25pt (10max) / 4件

Amazon平均点

4.29pt (5max) / 14件

楽天平均点

4.43pt (5max) / 7件

みんなの オススメpt 自由に投票してください!!

2pt

サイト内ランク[]

B

ミステリ成分[] この作品はミステリ? 自由に投票してください!!

↑現実的

40.00pt

24.00pt

←非ミステリ

20.00pt

ミステリ→

10.00pt

↓幻想的

初版刊行(参考)
種別
長編
閲覧回数
3,657回
お気に入りにされた回数
0
読書済み登録回数
4
このページのURL

あらすじ

2002年06月14日 イベリアの雷鳴 (講談社文庫)

総統暗殺!?一九四〇年。内戦の痛手いまだ癒えぬスペインでは、フランコ殺害を企む一派が活動を続けていた。ジブラルタルを巡り、日英独の諜報戦が熾烈を極めるマドリードに現れた日系ペルー人の宝石商・北都昭平は、やがて激動する歴史の渦へと巻き込まれていく。苛烈な闘いを緻密に描くエスピオナージ。(「BOOK」データベースより)

評判

イベリアの雷鳴の評価:

8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.00pt

イベリアの雷鳴の総合評価:

8.53/10点 レビュー 15件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

指定の条件による感想はありませんでした。

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.14
(5pt)

(2022年―第107冊)第二次世界大戦当初のスペイン情勢をめぐる諜報戦ドラマ

1939年、スペインの内戦はフランコ率いる反乱軍の勝利に終わった。この勝利はナチスドイツが反乱軍に肩入れしたことも大いに影響している。そして今、ドイツに借りを返すためにもスペインは枢軸国側に立って英国との戦争に突入するべきかの判断を迫られる。イギリスは当然のことながら、スペインの参戦を阻止せんと諜報活動を密かに進めていた。
 緊迫するイベリア半島に、一人の日系ペルー人宝石商・北都昭平の姿があった。彼もまた、日英独西が四つ巴で暗躍する事態の重要な鍵となる人物だった……。

-----------------------
 独ソ不可侵条約を結んだ後に、ヒトラーがポーランド侵攻へと突き進み、その結果、ドイツと英仏との間に戦端が開かれた後のヨーロッパ大陸で、スペインという国がどういう位置づけにあったかは多くの日本人読者には馴染みがないものでしょう。
 しかし、スペイン近現代史にどっぷりのめりこんで政治スリラーを物してきた逢坂剛先生の面目躍如ともいえるこの一大長編(700頁教強!)を読めば、当時のイベリア半島を巡る地政学的駆け引きが実によくわかります。

 ドイツのポーランド侵攻のきっかけも、ポーランド兵が国教を越えてドイツの小市にあるラジオ局に侵入し、ドイツを罵倒する挑発放送をおこなったことにあると記されます。しかしどうやらこの侵入ポーランド兵は、同国軍の制服を調達したドイツ兵による偽装工作だったのではないかとの説が披露されます。
 またポーランド国内でドイツ系少数派が弾圧されていることを口実にドイツが侵攻したというのですから、今年(2022年)勃発したロシアによるウクライナ侵攻と重なる事態が80年以上も前に起こっていたことが想起され、歴史の繰り返しを思わずにいられません。

 さらには、イギリスは不干渉協定を盾にスペイン共和国政府を見殺しにしていたことや、フランコ反乱軍政権をアメリカがいち早く承認して石油や農産物の輸出入でスペインを支援していたこと、ドイツのオランダ侵攻計画には最終的にイギリスへの攻撃発進基地を確保する狙いがあったこと、仏ペタン政権がスペインを仲介者としてドイツとの休戦にこぎつけたのはペタンがかつてスペイン駐在大使だった縁があること、などの史実が物語が進む中で説明されていき、歴史を知ることの妙を大いに味わえます。

 そしてなんといっても物語の――そして史実としても――重要な鍵になるのは、ジブラルタルです。スペイン継承戦争によって1704年以来、200年以上もイギリス領となった半島の先端部分は地中海と太平洋とを結ぶ重要な拠点です。ここを抑えた国がヨーロッパの命運を握るといっても過言ではない戦時下で、ここを取られまいとするイギリスと、ここをスペインの許可と支援のもと攻め落としたいと考えるドイツとの間で、フランコ独裁スペインは大いに揺れていたのです。
 ドイツがフランス国境からスペインを一気に南下して、ジブラルタルに向かうという軍事計画が論議されますが、実はフランスとスペインでは鉄道の軌道幅が異なるので、フランスからジブラルタルまで一気に通過するわけにはいかないという豆知識も披露されます。

 そのドイツとスペインの綱引きの間に登場するのが日系ペルー人・北都昭平です。この鵺(ぬえ)のような男が、何を理由にマドリードに滞在しているのか。その実態も目的も霞がかかった奥に隠れていて、読者にはなかなか判然としません。彼に絡むのはスペイン貴族のロマニジョス伯爵夫人や、貧しい葉巻売りの少女ペネロペ、保守系ABC紙の記者ハイメなど個性豊かな登場人物たちです。

 やがて物語はスペインとの国境沿いにあるフランスの町アンダイ(エンダヤ)における、フランコとヒトラーの首脳会談へとクライマックスを迎えます。エンダヤ首脳会談という重大な史実の影に、この小説が紡ぐ物語があった――かもしれないという虚実ないまぜの巨編に私は大いにうなり、堪能させられました。

-----------------------
*619頁:1940年、エンダヤ駅に列車で到着するフランコを迎える際、ドイツの軍楽隊が「スペイン国歌《リエゴ讃歌》を演奏し始め」たとの記述があります。しかし《リエゴ讃歌》は1939年に瓦解した共和国政府時代のスペインの国歌ですから、その共和国政府を倒したフランコに敬意を表するために演奏するのは理屈に合わないように思いますが、これは史実なのでしょうか。

.
イベリアの雷鳴 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: イベリアの雷鳴 (講談社文庫)より
4062734494
No.13
(5pt)

(2022年―第107冊)第二次世界大戦当初のスペイン情勢をめぐる諜報戦ドラマ

1939年、スペインの内戦はフランコ率いる反乱軍の勝利に終わった。この勝利はナチスドイツが反乱軍に肩入れしたことも大いに影響している。そして今、ドイツに借りを返すためにもスペインは枢軸国側に立って英国との戦争に突入するべきかの判断を迫られる。イギリスは当然のことながら、スペインの参戦を阻止せんと諜報活動を密かに進めていた。
 緊迫するイベリア半島に、一人の日系ペルー人宝石商・北都昭平の姿があった。彼もまた、日英独西が四つ巴で暗躍する事態の重要な鍵となる人物だった……。

-----------------------
 独ソ不可侵条約を結んだ後に、ヒトラーがポーランド侵攻へと突き進み、その結果、ドイツと英仏との間に戦端が開かれた後のヨーロッパ大陸で、スペインという国がどういう位置づけにあったかは多くの日本人読者には馴染みがないものでしょう。
 しかし、スペイン近現代史にどっぷりのめりこんで政治スリラーを物してきた逢坂剛先生の面目躍如ともいえるこの一大長編(700頁教強!)を読めば、当時のイベリア半島を巡る地政学的駆け引きが実によくわかります。

 ドイツのポーランド侵攻のきっかけも、ポーランド兵が国教を越えてドイツの小市にあるラジオ局に侵入し、ドイツを罵倒する挑発放送をおこなったことにあると記されます。しかしどうやらこの侵入ポーランド兵は、同国軍の制服を調達したドイツ兵による偽装工作だったのではないかとの説が披露されます。
 またポーランド国内でドイツ系少数派が弾圧されていることを口実にドイツが侵攻したというのですから、今年(2022年)勃発したロシアによるウクライナ侵攻と重なる事態が80年以上も前に起こっていたことが想起され、歴史の繰り返しを思わずにいられません。

 さらには、イギリスは不干渉協定を盾にスペイン共和国政府を見殺しにしていたことや、フランコ反乱軍政権をアメリカがいち早く承認して石油や農産物の輸出入でスペインを支援していたこと、ドイツのオランダ侵攻計画には最終的にイギリスへの攻撃発進基地を確保する狙いがあったこと、仏ペタン政権がスペインを仲介者としてドイツとの休戦にこぎつけたのはペタンがかつてスペイン駐在大使だった縁があること、などの史実が物語が進む中で説明されていき、歴史を知ることの妙を大いに味わえます。

 そしてなんといっても物語の――そして史実としても――重要な鍵になるのは、ジブラルタルです。スペイン継承戦争によって1704年以来、200年以上もイギリス領となった半島の先端部分は地中海と太平洋とを結ぶ重要な拠点です。ここを抑えた国がヨーロッパの命運を握るといっても過言ではない戦時下で、ここを取られまいとするイギリスと、ここをスペインの許可と支援のもと攻め落としたいと考えるドイツとの間で、フランコ独裁スペインは大いに揺れていたのです。
 ドイツがフランス国境からスペインを一気に南下して、ジブラルタルに向かうという軍事計画が論議されますが、実はフランスとスペインでは鉄道の軌道幅が異なるので、フランスからジブラルタルまで一気に通過するわけにはいかないという豆知識も披露されます。

 そのドイツとスペインの綱引きの間に登場するのが日系ペルー人・北都昭平です。この鵺(ぬえ)のような男が、何を理由にマドリードに滞在しているのか。その実態も目的も霞がかかった奥に隠れていて、読者にはなかなか判然としません。彼に絡むのはスペイン貴族のロマニジョス伯爵夫人や、貧しい葉巻売りの少女ペネロペ、保守系ABC紙の記者ハイメなど個性豊かな登場人物たちです。

 やがて物語はスペインとの国境沿いにあるフランスの町アンダイ(エンダヤ)における、フランコとヒトラーの首脳会談へとクライマックスを迎えます。エンダヤ首脳会談という重大な史実の影に、この小説が紡ぐ物語があった――かもしれないという虚実ないまぜの巨編に私は大いにうなり、堪能させられました。

-----------------------
*619頁:1940年、エンダヤ駅に列車で到着するフランコを迎える際、ドイツの軍楽隊が「スペイン国歌《リエゴ讃歌》を演奏し始め」たとの記述があります。しかし《リエゴ讃歌》は1939年に瓦解した共和国政府時代のスペインの国歌ですから、その共和国政府を倒したフランコに敬意を表するために演奏するのは理屈に合わないように思いますが、これは史実なのでしょうか。

.
イベリアの雷鳴 Amazon書評・レビュー: イベリアの雷鳴より
4062094886
No.12
(3pt)

イベリアの雷鳴

総統暗殺!?1940年。内戦の痛手いまだ癒えぬスペインでは、フランコ殺害を企む一派が活動を続けていた。ジブラルタルを巡り、日英独の諜報戦が熾烈を極めるマドリードに現れた日系ペルー人の宝石商・北都昭平は、やがて激動する歴史の渦へと巻き込まれていく。苛烈な闘いを緻密に描くエスピオナージ。
イベリアの雷鳴 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: イベリアの雷鳴 (講談社文庫)より
4062734494
No.11
(3pt)

イベリアの雷鳴

総統暗殺!?1940年。内戦の痛手いまだ癒えぬスペインでは、フランコ殺害を企む一派が活動を続けていた。ジブラルタルを巡り、日英独の諜報戦が熾烈を極めるマドリードに現れた日系ペルー人の宝石商・北都昭平は、やがて激動する歴史の渦へと巻き込まれていく。苛烈な闘いを緻密に描くエスピオナージ。
イベリアの雷鳴 Amazon書評・レビュー: イベリアの雷鳴より
4062094886
No.10
(5pt)

深いです

虚々実々。どこまでが本当で、どこからがフィクションかわからないくらい、すごい構成です。
逢坂さんのイベリアシリーズは一巡しましたが、もう一度読み返してみて、改めて、本作のすごさがわかりました。
登場人物がこの後どうなっていくのか、今日ではわかっているのですが、それでも作品に入り込んでいけますし、「いやいや、そっち行っちゃダメ!!」みたいな読み方もできます。
この時代がどういう時代だったのか。私は、40台ですが、私の学生時代の歴史の授業では、まだまだ触れられることが少なかったので、この時代の空気のようなものも感じることができる深い作品だと思います。(歴史科目の書物ではありませんので、その違いはあらかじめ。)
私は、シリーズ通して、これが逢坂さんの意気込みを一番感じる作品だと思っています。
イベリアの雷鳴 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: イベリアの雷鳴 (講談社文庫)より
4062734494

その他、Amazon書評・レビューが 14件あります。
Amazon書評・レビューを見る