マイ・ゴーストリー・フレンド
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ホラー、神話、オカルト、SF、様々なモチーフをごった煮しながらも、とどのつまり面白ければよかろうなのだ!と言わんばかりの痛快なエンタメ小説。 数多くの文学や映画を引用し、詳細な設定を垣間見せつつも理屈っぽくなく、考えるよりも先に駆け出す主人公たちに引き込まれ、一気に読んでしまう。 心霊ドキュメンタリーから始まる恐怖と共に日常がゴシックに崩れていく中で、個性的なキャラや奇想天外なガジェットやらが次々と登場し、アクションそしてアドベンチャー、しまいには女バディものになるという怒涛の展開はまるでB級感あふれるジャンル映画。 団地の地下のあの扉の向こう側を覗いてみたくはないかい? | ||||
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団地ホラー×ギリシャ神話のSFって、一体どんな展開!? と、気になって読み始めました。そのギャップの大きな設定だけで、間違いなく、難易度が高く創造的な山にチャレンジしたことがわかります。これぞ、新人賞ならではの真骨頂と言えるでしょう。 選評にもある通り、「現実的な導入部から、すっと異世界の存在が身近になる書き方がいい」(神林さん)し、「とにかく読ませる作品」(菅さん)でグイグイ引き込まれていきました。 作者に誘われて一緒に不思議な旅をした身としては、想像以上に高く険しく恐ろしく連なる山々だったなと。都心の団地(しかも近所に住んでいた早稲田!)に、ギリシャ神話の神々が降臨するさまは未知との遭遇すぎてゾクゾクしましたが、特に加速するクライマックス以降は作者渾身?の神話ペダントリーに圧倒されました。 冒頭、おや?と引っかかる表現があり、思わずネット検索しましたが、世界的SF名作の名台詞で、「なるほど」となりましたが、そういった過去作へのリスペクトに溢れたネタが随所に顔を覗かせました。きっと、自分が知らないところでもっとたくさんあったんだと思います。映画、SF、ホラー、ミステリが大好きな作者なのでしょう。それが行間に溢れています。「どんだけ映画好き?」とニヤニヤしながら読み進めてほどなく、「そうか、この作者は映画化を想定しているのだろうな」と気づきました。個人的には、ドラマではなく、映画にこだわってほしい(でも2時間は無理か。予算の大きなネトフリならむしろ、いいかも)。世界中の神話エンタメファンにどう受け止められるか、気になります。 注文をつけさせてもらうならば、キャラをもう少し書き分けられるようになってほしいのと、選評で神林さんも指摘していましたが、ラストはカタルシス視点で、もう少し別の着地方法があったのではないかなと。しかし、それを差し引いても、新人デビュー作で、ここまで鮮やかな登頂はなかなかないだろうと感じました。作者がクライマーズ・ハイの状態で、膨大なインプットから自身のオリジナルでユニークなアウトプットへと転換できる喜びを感じながら頂上へ、頂上へと突き進む姿が目に浮かび、なんだか心地よく、グッとくるものがありました。 なお、SFよりはホラーとミステリーの要素をより強く感じました。その点、書評家の大森望さんが、「ホラー系またはミステリ系の賞に出していたら余裕で大賞とれたのでは」と、Xで投稿されていましたが、自分も全く同意見で、まさに大森さんが選考委員の「このミス」大賞に応募していたら大賞最有力だったのではないでしょうか。 しかし、名誉とか、賞金とかそういうのはどうでもよくて、大好きな作品へのありったけの愛とリスペクトを込めて、複合的なテーマや設定、モチーフなど出し惜しみなく、アイディアを全て投入して描き切り、これまで最も影響を受けた作品が多い早川書房さんのコンテストに応募したのではないかと(全て私の勝手な想像ですが)!そんなスタンスにも好感が持てました。次はどんな山に登り、どんな世界を見せてくれるのか、楽しみです! | ||||
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