カーテンが降りて
- 悲喜劇 (46)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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レンデル特有の悪意が詰まった短編集。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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一番ですね。誰でも加害者にも被害者にもなってしまう経験がありそうで、ちと怖い。あとは平均並みです。 | ||||
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「カーテンが降りて」。これも人間心理の不可解さというか、奥深さを感じるような。 「用心の過ぎた女 」。これも、レンデル流の、その人物の嗜好や癖が、かえって仇にという展開ですね。 そしてふとしたことから、日常から非日常、正常から異常へとズレていく描写が絶妙です。 「生きうつし 」。男性の身勝手さが特徴的な、時々、クリスティー作品にもある、オカルト色が濃い作品。 「しがみつく女 」。本当にうっとうしい、の一言につきる女性ですね。 夫から、何もかもを遠ざけてしまう、典型的なタイプというか。延々と続く、夫の終わらない憂鬱に、読者も憂鬱な読後感。 「酢の母 」。光と影のコントラスト。少年少女ののどかな日常の延長に、突如浮かび上がる、醜い大人達のドロドロとした世界。 「コインの落ちる時 」。何かこの妻も、相当どうかと思う。これじゃ、夫が疎ましさが募り、果ては憎悪すら芽生えても、したかないような。 やはりそういう、うっとうしい女を、意識的に描いたのかな。一番嫌われるやり方ですね、とっくに愛の冷めた夫への嫌がらせに、頑として離婚に応じないって。 | ||||
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20世紀後半に我が国でも大人気を獲得したサイコ・サスペンスの女王レンデルの真髄を味わえる徹底的に無慈悲なイヤミス短編集です。ミステリーですから当然ではありますが、本書に収録された11編の9割には死者が出て来まして全てがサイコ・サスペンスと呼んで良い現代社会の恐怖譚になっています。ほぼ確実と言ってよい程に最後にはろくでもない無慈悲な結末が待っていますので、気の弱い方は相当の覚悟の上でお読み下さいとご忠告致しますね。 『カーテンが降りて』6歳の時に見知らぬ男に連れ去られたのだがその瞬間の記憶を失くしていた男が大人になってから思い出の場所を再び訪れると・・・・。人間が衝動的にどんなに残酷になり得るかを実感させられますね。でもこれはまだほんの序の口で大人しい方です。『誰がそんなことを』女にだらしないプレイボーイと噂の作家と夫婦で友人になった事が思いも寄らぬ不幸を招くのだった。ああ!まさに「知らぬは○○ばかりなり」のよくある話で、気がついた時には既に手遅れの最悪の運命ですね。『悪い心臓』会社を解雇した夫婦から自宅で食事に招かれた社長の男が極度の不安に襲われ遂に・・・・。考え過ぎは体に良くなく命取りになりますから貴方もくれぐれもご用心を。『用心の過ぎた女』常に厳重な戸締りを心掛ける用心深い女が金銭面の事情から止むを得ず同性のルームメイトを受け入れるのだが・・・・。潔癖症とだらしない性格は水と油でまさかの凶運を引き寄せてしまうのですね。『生きうつし』結婚間近の恋人同士が公園でふと別のカップルと出会いその女性二人が「生きうつし」でそっくりだったのが不幸の始まりだった。この奇妙な話には誰が悪いとか言う理屈を超えたオカルト的な不吉な運命を感じてしまいますね。『はえとり草』植物をこよなく愛する女と同じマンションに越して来た旧友の女が不運にも思わぬ最悪の末路を迎える。うーん、ここまで来るとまさに悪夢としか呼びようのない強烈な残酷さですね。『しがみつく女』飛び降り自殺をしかけた女を救った男がやがて互いに愛情を抱き合い幸せに結婚するのだが・・・・。あまりの愛情過多は逆に息苦しさを生んで・・・・最後に男の本心が行動に出てしまいましたね。『酢の母』11歳の時に同じ学校の女の子同士の友達の別荘に遊びに行った折の忘れられない恐ろしい思い出。子供には全く理解できない部分で大人は醜いドラマを密かに演じていて或る日一気に沸騰し爆発するのですね。『コインの落ちる時』不仲なのに離婚できずぎくしゃくした関係の夫婦がホテルに泊まった夜に妻が夫に対し不意に殺意を抱く。この結末は偶然の悪戯ながら殺されかけた事へのお返しにもなっていて残酷な中にも少しコミカルな皮肉がありますね。『人間に近いもの』人間嫌いで犬と動物を愛する殺し屋の男が今回引き受けた仕事には難しい面があって・・・・。この物語が一番好きだという解説の小池真理子さんの気持ちが良くわかる珍しくホッと安堵できた一編ですね。『分裂は勝ち』毎日苦労しながら年老いた母の面倒を見ている独身の妹に負い目を感じる既婚の姉が、最近妹にボーイフレンドが出来たと言う噂を耳にして先行きが不安になる。この巧妙なトリックは読みながら薄々こうなるのではないかという予感が働きましたが、わかっていても心底から恐ろしく著者は幕切れにふさわしい戦慄のシナリオを用意してくれて読んでいる私もヒロインと同時に思わず悲鳴を上げて絶叫したくなりましたね。 | ||||
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犯罪の深層心理を鋭く描きつづける英国の作家、Ruth Rendelの短編集。瓜二つの人に出くわすと1年後に死亡すると噂される公園で、婚約者と同じ顔の女に出会った男、解雇した男の家に招待される上司、自殺未遂に終わった女と結婚した男、不義を働いた妻を殺したとして親友を牢獄に送り込んだ男、母親の介護を押し付けられた女のとんだ結末。どこにでも転がっているストーリーから、登場人物の心理の奥底にまでメスをあてる。そして1話ごとに読者を圧倒するどんでん返しの結末。作者の真骨頂が将に示されている1冊である。 | ||||
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