チックタック



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 1件

7.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

2.33pt ( 5max) / 3件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
0pt
サイト内ランク []C
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

39.00pt

0.00pt

64.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2008年03月
分類

長編小説

閲覧回数1,722回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)

2008年03月28日 チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)

トミーは、幼いころに家族に連れられて命がけで故国を脱出、アメリカに亡命を果たして以来、成功をもとめて奮闘してきた。家業を捨てて新聞社に入り、小説も売れた。今日は、そんなトミーの新たな門出の日。記者を辞め、作家専業になるのだ。まずは、コルヴェットを買った。大排気量の新車。これこそ、アメリカン・ドリームの象徴だ…ところが、帰宅したトミーを、信じられない事態が待っていた。自宅の玄関に置かれていた見知らぬ手作りの人形が、突然牙を剥いてトミーに襲いかかってきたのだ。悪魔人形の執拗な襲撃。恐怖の一夜の追跡劇。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

チックタックの総合評価:5.25/10点レビュー 4件。Cランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ところどころおかしな訳が気になった

とにかく今回の作品は、いきなりクライマックスから始まる。今までのクーンツ作品と違い、今回はなぜトミーの許に呪術を施されたような人形が送りつけられ、彼を襲うのか、その経緯がまったく解らないまま、最終章の前章まで逃亡劇・闘争劇が続く。
訳が解らない物ほど怖い物はないということだろうか、今回のテーマは。

さて今回の主人公トミーは両親と2人の兄と共にヴェトナムから逃亡してきた移民だが、歳の離れた彼らと違い、ヴェトナム人であるアイデンティティを固持せず、あえてアメリカ人として同化しようとしている。ファン・トラン・ツォンから改名し、アメリカ人的な名前、トミー・ファンと名乗り、家族の経営するベーカリーを手伝わず、医者にしたいという親の期待を裏切り、大学でジャーナリスト科を専攻し、新聞記者となり、作家業へと転身する。しかし、そうやってヴェトナム人であることを捨てようとすることで、家族と疎遠になることもまた寂しく思っている、そんなありきたりな移民系アメリカ人だ。
クーンツはかつて日本人を作品に登場させた事があり、日本人の描写、日本文化に関する叙述の詳細さに驚嘆した覚えがあるが、今回のヴェトナムに関しても恐らくその辺の詳細さに関しては同様だろう。ヴェトナム人が好むソウル・フードに関する叙述はそのまま日本人が抱く感覚でもあるし、またヴェトナム人が非常に勤勉な民族であること、また圧政からの反骨精神から根っからの闘士である点など、凡百の移民と思われたトミーが何故この物語の主人公に選ばれたのか、つまりこの訳の解らない苦難に打ち克つための根拠がこのヴェトナム人という設定に込められている。
またこの怪物がなぜトミーの許に送られることになるのかも、この設定に拠っているところが大きい。

また物語の前半でトミーの相棒となるデラ・ペインなるエキセントリックな女性も、なかなか魅力的ではある。最初はその飛躍した会話、性格から作りすぎている感が強かったが、トミーが彼女の一見突拍子のない会話の中に彼女特有の哲学と真実を見通す目から話されている的確さを悟るあたりで、彼女の人と成りが腑に落ちてくる。
このデラ・ペインは先に読んだ『対決の刻』に出てくるスペルケンフェルター姉妹の原形のような人物像である。なぜこのような“作られた”ようなスーパーウーマンが出てくるのか、それは最後に明らかにされる。

そして犬好きのクーンツ、本作でもまた犬が出てくる。スクーティーというデラが飼う黒いラブラドール・レトリーバーだ。
しかし、本作では『ウォッチャーズ』や『ドラゴン・ティアーズ』、『対決の刻』のように主役、もしくはキー・プレイヤーのような役回りではなく、あくまで物語にアクセントを加える道化役に留まっているように感じたが、やはりクーンツ、最後にとんでもない設定を用意してくれた。

ところで作中、日本人は毎日豆腐を食べるから前立腺癌の発症率が低いという叙述があるが、本当だろうか?
確かに日本人は前立腺癌に罹って死ぬという話はあまり聞かない。本書に拠れば男性の死亡原因の3、4番目ぐらいに位置するらしい。アメリカに限った話か、国際的な統計か解らないが、なかなか面白い挿話である。

しかし、今回の訳はところどころ首肯せざるを得ないおかしい箇所があった。まずトミーの購入したコルベットの色を“明るいアクアメタリック”と訳すのはどうかと思う。これはそのまま英語をカタカナ表記すべきだろう。
“フーティーやブロウフィッシュ”は明らかに”Hootie&The Blowfish”のことだし、“ショウガクッキー”も“シュレック”に出て来た“ジンジャークッキー”のことに違いない。
訳者は誰かと思ったら、なんと海外文学に造詣が深い風間賢二ではないか!取材を怠ったか、さらには下請けに出したとも誹られてもおかしくない怠慢さである。
またこれを校正した上で出版した扶桑社の姿勢もまた眉を潜めざるを得ない。出版不況・海外ミステリが売れないと嘆かれているが、訳者・出版社がこんな調子では、現状打破は望めるべくもなく、それも無理からぬと気がせんでもない。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(1pt)

つまらない(怒)

クーンツ作品は大体読んでいるが、これほどつまらないものはない。
緊迫感0。
なんかベトナムの方に対して変な偏見持ってるんじゃないのと言いたくなるような陳腐な内容。
元もとギャグセンス0なのに殆ど犯罪に近い会話…。これじゃあキングに遠く及ばないのも頷けるマンハッタン魔の北壁のような素晴らしいものはもう書けないのか、むしろあれが奇跡なのか…。とにかくダサい作品だ。
チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)Amazon書評・レビュー:チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)より
4594056237
No.2:
(4pt)

クーンツに期待するものしだい

クーンツという作家は、たくさんの顔をもつ。落涙ものの感動作や、仰天の結末を見せるもの、スリルまたスリルのジェットコースターもの、じんわり怖いもの、思わず笑えるもの……どれも長く下積みを経験したベテラン作家ならではの力量があって、はじめて可能な作品ばかり。さて本書だが、本人も言っている(と、本書の「あとがき」にある)ように、肩の力の抜けた快作。たった一晩の出来事でこれだけの分量を書ききるあたり、スーパー職人の面目躍如。ちょっと結末の意外さが陳腐な感がして、マイナス一点だが。こうした一気読みができる作品が、もっと読みたい。新刊の『聞いてないとは言わせない』(ハヤカワ文庫)と並び、【本年度一気読み大賞】の有力候補です。
チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)Amazon書評・レビュー:チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)より
4594056237
No.1:
(2pt)

ホラーとコメディを融合した無茶な作品

クーンツ様にしか書けないギャグホラー。
ぬいぐるみが動き出し主人公に襲いかかる!
ただひたすら逃げ回る一夜をカットバック無しで、
主人公視点のみで突っ走ります。
一緒に逃げるヒロインがとんでもないパープリン娘で、
命が危ない状況なのにギャグに走る天然ボケで、
ホラーとしての緊迫感はゼロw
ジャンルミックスの提唱者のクーンツだから、
ホラーとコメディを融合させても、
やってもうた!
で済むが、ド新人がこんな小説書いたら、
ふざけるんじゃねえよ!
と編集者に殺されるだろうww
文学的深みは一切無いので、
ギャグとして軽く読めるので、
『ストレンジャーズ』 よりはダメージは少ない。
何故ぬいぐるみが動くのか?
ヒロインの正体は?
という謎解きもちょっと捻ってあって、
ネタ被りクーンツにしてはちょっと新ネタもあります。
クーンツファンなら異色作として充分楽しめるだろう。
クーンツを知らない人は読まない方がいいかもね。
チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)Amazon書評・レビュー:チックタック 〈上〉 (扶桑社ミステリー ク 1-12)より
4594056237



その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク