ハズバンド



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初公開日(参考)2007年03月
分類

長編小説

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ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)

2007年03月31日 ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)

造園業を営む平凡な男ミッチにかかってきた電話。それが彼を地獄の底に突き落とした。最愛の妻が誘拐されたのだ。犯人は法外な身代金を要求、誰かに知らせたら妻の命はないと告げた。そして、単なる脅しでないことを示すため、目の前を歩いている男を射殺したのだ。ミッチは独力で妻を救おうと決意する。だが、想像もつかぬ敵が出現し、彼は窮地に陥っていく。巨匠が実力をいかんなく発揮した、予測不能のサスペンス巨篇。 (「BOOK」データベースより)




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ハズバンドの総合評価:7.40/10点レビュー 5件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

愛のためなら全てが許される?

いつもと変らぬ日が続くものと思っていた矢先の突然の異常事態。
今回のクーンツは怪物が登場するわけでもない、超能力を持った人間が出るわけでもなく、妻の誘拐という日常を襲う突然の凶事をテーマにしているので、逆にいつも以上に逼迫感があった。

クーンツは導入部が巧いとよく云われるが今回もその評判にたがわぬ求心力を持っている。いきなりの誘拐犯からの電話から始まり、そして街を歩いていた人がいきなり撃たれて死亡する。そして現れた警察は明らかに自分を疑っている。のっけからどんどん主人公を追い込んでいく。
そして兄から明かされる誘拐事件の真相。一介の庭師に訪れた凶事が実は犯罪に手を染めていた兄に起因しているとは。しかも偏狂的な教育者の両親に育てられ、半ば性格を歪められた兄弟の中でも優秀で人を惹きつける魅力溢れた兄その人が実は狂える犯罪者だったという事実。ここら辺の畳み掛けはクーンツのもはや独壇場だろう。よくこんな設定思いついたものだと感心した。

その後も主人公ミッチェルは息つく暇もないほど追い詰められる。手の汚れた資産家によって、離れた荒野に連れられ、始末されそうになったり、尊敬していた兄に打ち勝ち、金を得るも、その直前でタガートの訪問を受け、気絶させたり、そしてそのために警察に追われたり、逃亡の際に車を盗もうとしたのがばれて、警察に包囲網を敷かれたりと色んな仕掛けを用意してくれる。
ここまで主人公を窮地に追い詰めながらも、常に物語はハッピーエンドに締めるのがクーンツの特徴なのだが、今回はその物語の収束の仕方があからさまに唐突だったのにビックリした。

奥付を見ると2006年の作品であるから新作であるのには間違いないのだが、この飛躍的な物語の決着のつけ方はかつてのクーンツの悪い癖を彷彿させた。アメリカを代表する作家のやる仕事ではないのではないかと率直に思う。
今回の作品の底に流れているのは、人は愛のためにどこまで出来るのかというテーマだ。物語も大きく3章に分かれており、それぞれ「愛のために何をするか」、「愛のために死ねるか。人を殺せるか」、「死がふたりを分かつまで」という風に愛を至上としてどこまで自己犠牲出来るかと謳っている。

そして今作品のタイトル『ハズバンド』に込められているのは、妻が愛の誓いを立てた者は夫のみなのだという思いだ。これは結婚式によくある誓いの言葉なのだが、これを単なる台詞でなく、主人公の行動の原動力としているところがすごい。あんな常套句を元にこういう物語を考えるのだから、それはそれでクーンツの非凡なところなんだろうけど。
とどのつまり、ひっくり返せば本作においては愛の名の下では、何をやっても許されるのだと開き直っている感じがしないでもない。だから最後に物語を剛腕でねじ伏せたのか。それともこれはクーンツが実の妻に宛てたラヴレターの一種なのか。う~ん、変に勘ぐってしまうなぁ。


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Tetchy
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No.4:
(3pt)

誘拐モノだが後半の展開が…

平凡な庭師のミッチはある日突然、最愛の妻ホリーを誘拐される。身代金は200万ドル。到底用意できる額ではないが、犯人は本気であることを示すため、ミッチの目の前で通行人を射殺する。殺された通行人は、ミッチのかつてのルームメイトだった。偶然の一致か…。 よく練られたストーリーでなかなか読ませるが、個人的には後半、この展開はないだろう、という感じ。作者の思い入れだけでストーリーが進み、いまいち盛り上がらない。
ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)より
4150411409
No.3:
(4pt)

最初に読むクーンツとしてベスト

本書のベストセリフ「単なる生物学上の関係が、社会的地位を与えるべきではない」クーンツ熟練の技が爆裂した傑作。ただの庭師がハイテクを駆使するプロの犯罪者集団を退治してしまう傑作。ど素人がプロに勝ってしまう傑作というと、山田正紀 の「火神(アグニ)を盗め」 が世界一の傑作だろうが、「火神(アグニ)を盗め」 より本書の主人公の状況は不利なので、武器も金も仲間も用意出来ないただの庭師が、知恵を巡らせてプロの殺し屋に勝つ過程は、大企業の援助を受けられない本当の一般市民には、素晴しいカタルシスであろう。250Pまでが圧巻である。不利な状況が加速し続ける。普通の作家なら200Pで現れた味方を素直に味方にするだろうが、それさえ敵に回る。普通の作家なら、ただの庭師といっても、アメリカ人なので、実は従軍経験があり、殺しのセンスもあったと設定したくなるところだが、クーンツはそんな逃げは打たない。銃の安全装置を見つけるのに苦労する本当のただの庭師が主人公。銃なんて使ったことがないので、始めは使い慣れた枝切バサミやバールやスコップやレンチを武器にするのだが、銃の扱いになれたプロにそんな攻撃が通用するわけがない。主人公は使い慣れた道具を全て敵に奪われる。が、敵は庭師の道具には馴染みがない。馴染みがない道具を持ったせいで、自滅する敵のシーンも傑作。それ以後は銃撃戦がメインだが、普通に撃ち合いしても負けるのは明白。如何に自分は隠れて不意打ちするかが焦点になる。庭師としての植物の知識を生かして、茂みに隠れながらの攻防戦は、豊富な植物の知識と美しい自然描写で、文学的深みに達した感動を呼ぶ名場面。スーパーナチュラルもスーパー兵器も出てこないただのサスペンスだが、ストーリー展開の面白さに徹した王道の小説。小道具に頼らなくても面白い小説は書けるという証明がこの作品。SFやホラーに抵抗ある人もすんなり読めるだろう。最初に読むクーンツとしてはベストだと思う。クーンツに偏見があり読んでない人はすぐ読め!
ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)より
4150411409
No.2:
(4pt)

愛と正義は勝ちます!

『サイレント・アイズ』以来約2年ぶりのクーンツの作品だ。 1年に1作品のペースで書いていたようだがこのところペースが遅くなっていますね・・・ 中身的には、いつものパターン(そのパターンが気に入っているのだが)で「愛と正義が勝つ」です。本作品は、特にそのパターンが顕著だと思う。 しっかりとしたプロットに裏打ちされた作品となっており、あっという間に読み終わる。
ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)より
4150411409
No.1:
(4pt)

文章が良い

ホラー作家のイメージが強いクーンツだがこの作品はホラー的要素の無いサスペンス小説。設定やプロットに凝った所はないが、そこは稀代のストーリーテラーであるクーンツらしくぐいぐい読ませてくれる。そしてクーンツの特徴である文章のうまさがほとばしっていて、それが面白さに深みを与えている。例えば主人公が犯人から妻が誘拐されたことを知らされ、脅しのために圧倒的な暴力の行使を見せられたときの感情をこんな文章で表現している。「ショックよりも、これまで感じたことがなかった別の次元に気づかされたために立ちすくんだ。迷路に閉じ込められているネズミが、見慣れた通路から上をはじめて見あげ、ガラスの蓋の向こうの世界を、物陰や人影、不思議な動きを見たようなものだ。」ミステリーの世界でこれだけの文章が書ける人はそういないのでは。
ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ハズバンド (ハヤカワ文庫NV)より
4150411409



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