ニューヨーク1954
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2016年のエドガー賞候補作、ネロ・ウルフ賞受賞作。「冷戦下のニューヨークを舞台にした歴史ノワールの会心作」というセールストークに少しだけ期待して読み始めたのだが、いい意味で期待を裏切る傑作ハードボイルド作品である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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赤狩りが横行する米国で、ニューヨークの刑事であるキャシディが、拷問の果てに殺害された男の捜査にあたる。FBIやCIAの横槍が入る中、捜査から外されたにも関わらず捜査を続行する。家族も巻き込まれながらも、大きな醜聞が背景にあることが分かる。 この作品はミステリーであり、ハードボイルドでもある。キャシディの行動は一本筋が通っており、事件を解決する信念は確固たるものがある。キャシディに絡む女の存在やウイスキーを飲むシーンが作品のハードボイルドらしさに華を添える。とても“らしい”作品であり、映像を頭に浮かべながら世界観に浸って読むのが良い。残念なのは、キャシディに特殊能力が備わっているものの、中途半端で都合よく使われたこと。不自然さを感じた。 | ||||
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久々にハードボイルドを堪能した。このところ翻訳モノは、マイクル・コナリーの作品と「フロスト始末」を除いてほとんどスカだったのでとても嬉しい。スピーディーな展開と謎、深いディティールと抑制のきいた叙情、小気味良く洒落た会話、そして魅力的なヒロイン・・・・と文句無い傑作。同じニューヨークを舞台にしたお気に入りマッド・スカダーシリーズのテイストもあり、個人的には本年ベスト級といってもよい。登場人物が多いので一覧を確認しながら読むとよいだろう。こういう逸品に出会えるので翻訳ミステリはやめられない(空振りも多いが)。続篇も出版済とのこと、早く読みたいものだ。 | ||||
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主人公が軽い。全体かな。 深みがない。いろいろあっても驚きもサスペンスもなし。 どうして今頃こんなお話が・・・う~ん、何に例えたらいいんだろう。 お惣菜コーナーの握り寿司の詰め合わせ。 エビもタコもイカもマグロの赤身も入ってます。 あなたの好きな赤貝もね。 お買い得!!! もちろん、この商品は1950年代に作ってありますから安心です(賞味期限チョー長い)。 ただサビ抜きで醤油は自分でお好みのものを使ってくださいね。 ネロ・ウルフを知らない方やお暇な方は是非どうぞ!!! 1970年以前に生まれたオジサンには★★1/2です。 | ||||
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ハードボイルド・タッチの文体が良い。訳も良いのだろう。街、人物、服装などの描写が雰囲気をかもしだす。マッカーシズムの荒れるニューヨークが舞台。主人公の刑事の父親(舞台演出家)が逮捕される。父親を救わなければならない。刑事が女性と恋に落ちる。この女性が魅力的、実は……。もう少しウィットがあって、テンポも良くしたら★5つだんたんだけれど。でも、満足しました。 | ||||
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モデルとなっている著者の家族背景が、小説の主人公に投影された、素晴らしいミステリー。 また読んでいると、日本人であったとしても、1950年代のニューヨークの雰囲気に、しこたま酔ってしまいます(例えば46~47頁)。 原著『Night Life』の英文レヴューにも、“翌日が休日でない日の夜から、読み始めてはいけない”とありましたが、その通りです。 540頁近い、分厚い文庫です。 全体の構成は、198頁の主人公の父親がマッカーシーによって、赤狩りの委員会に召喚された章で前半、後半に分けることができると思います。小説の前半、後半で雰囲気と展開が少し変わります。 前半についていうと、網羅的で、著者もその父親もショービジネスで糧を得ているだけあって、なんといってもブロードウェイの舞台裏の書き込みがきわめて濃密です。 たとえば、あからさまに男色気をおびた舞台の振付師が、聞き込みにやってきた主人公に抱き着いて、“両脚を腰にまわして首に抱き着”くシーンが描かれています(96頁)。 112~113頁には、主人公の(ひょっとすると著者の)家族に対する思いが象徴されているような、非常に興味深いシーンがあります。主人公の母親は狂言自殺に失敗して、本当に死者となってしまうのですが、少年であった主人公は、狂言自殺を示す状況証拠を隠滅することで、母親の企てを父親から隠してしまうのです。 そんな複雑な主人公の心理描写も巧みで、随所に挿入される太文字で書かれた部分から、夢の中に逃げ込んだり、超自我からの警告や叱責を受けてうまく危険を回避する、主人公の有り様がよくわかるようになっています。 それにしても、こうした太文字のところ、原著の英文ではどうなっているのだろう…? 太文字以外にも気になるところがたくさんあるので、この本については原著を買いました。 いままで、その英語の原著を読ませようとした本に、私は遭遇したことがありません。 後半については、前半で展開された謎の解明が、計算されつくした筆致で進行していきます。読者はその結末を読んで、ミステリーとして満足感を得るでしょう。そして改めて、前半部の何か所かを、読み返すことになるのだと思います。 素晴らしいミステリーなので、ぜひアマゾンで買いましょう。 | ||||
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