ニューヨーク1954



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初公開日(参考)2017年12月
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長編小説

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ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)

2017年12月19日 ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)

赤狩りの風が強く吹く1954年、NY市警の刑事キャシディは奇妙な殺人事件にぶつかる。ブロードウェイの舞台を渡り歩くダンサーのイングラムが、自宅の安アパートで拷問を受けて殺されていたのだ。彼の部屋には彼の収入には不釣り合いな高級家具があり、どうやら何か不法な金づるを持っていたらしい。だが捜査にかかると、すぐにFBIが介入し捜査を妨害してきた。反発するキャシディは強引に捜査を続けるが、やがて事件にはギャングたち、CIA、さらにはソ連のスパイまでがからんでくる。 冷戦下のニューヨークを舞台にし、ネロ・ウルフ賞を獲得した注目の歴史ノワール(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

ニューヨーク1954の総合評価:8.33/10点レビュー 6件。Bランク


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(8pt)

拾い物(失礼!)の警官ハードボイルド

2016年のエドガー賞候補作、ネロ・ウルフ賞受賞作。「冷戦下のニューヨークを舞台にした歴史ノワールの会心作」というセールストークに少しだけ期待して読み始めたのだが、いい意味で期待を裏切る傑作ハードボイルド作品である。
マッカーシーによる赤狩り旋風が吹き荒れていた1954年、NY市警の刑事キャシディは拷問を受けて殺された男性ダンサーの捜査を担当することなった。現場となった被害者の自宅を訪れると、安アパートの住人には似つかわしくない高級な家具や衣類があり、被害者はどうやらゆすりを働いていたようだった。ダンサーがキャシディの父親がプロデュースする演劇に関わっていたことから、劇場のロッカーを調べると何の変哲も無い50セント硬貨が隠されていた他に、めぼしいものは見つからなかった。相棒のオーソーとともに本格的に捜査を進めようとしたキャシディだったが、FBIからの指示で捜査から外されてしまう。納得がいかないキャシディとオーソーは、様々な妨害にあいながらも独自に捜査を続行し、マッカーシー、FBI、CIA、ソ連の情報部が絡んだ醜悪な現実に直面するのだった。
殺人事件の捜査のはずがスパイ摘発の政治闘争になり、さらに主人公の家族を巻き込んだ脅迫事件になり、米ソの情報戦とスキャンダルになり、そんなカオスを真っ正直に切り開いて行くハードボイルドな警官の物語で幕を閉じる。550ページを越える長編だが、波乱に満ちた展開で飽きさせることが無い。本作がデビュー作で、アメリカではすでに次作が発売されているというので楽しみに待ちたい。
物語は複雑だが表現が映像的で、ストーリー展開もシンプルなので読みやすい。歴史ノワールというより、ハードボイルドとして読むことをオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.5:
(4pt)

少し不自然なところもあるが、気持ちよくハードボイルドの世界に浸れる

赤狩りが横行する米国で、ニューヨークの刑事であるキャシディが、拷問の果てに殺害された男の捜査にあたる。FBIやCIAの横槍が入る中、捜査から外されたにも関わらず捜査を続行する。家族も巻き込まれながらも、大きな醜聞が背景にあることが分かる。

この作品はミステリーであり、ハードボイルドでもある。キャシディの行動は一本筋が通っており、事件を解決する信念は確固たるものがある。キャシディに絡む女の存在やウイスキーを飲むシーンが作品のハードボイルドらしさに華を添える。とても“らしい”作品であり、映像を頭に浮かべながら世界観に浸って読むのが良い。残念なのは、キャシディに特殊能力が備わっているものの、中途半端で都合よく使われたこと。不自然さを感じた。
ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414254
No.4:
(5pt)

久々に満足

久々にハードボイルドを堪能した。このところ翻訳モノは、マイクル・コナリーの作品と「フロスト始末」を除いてほとんどスカだったのでとても嬉しい。スピーディーな展開と謎、深いディティールと抑制のきいた叙情、小気味良く洒落た会話、そして魅力的なヒロイン・・・・と文句無い傑作。同じニューヨークを舞台にしたお気に入りマッド・スカダーシリーズのテイストもあり、個人的には本年ベスト級といってもよい。登場人物が多いので一覧を確認しながら読むとよいだろう。こういう逸品に出会えるので翻訳ミステリはやめられない(空振りも多いが)。続篇も出版済とのこと、早く読みたいものだ。
ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414254
No.3:
(3pt)

お子様仕様

主人公が軽い。全体かな。
深みがない。いろいろあっても驚きもサスペンスもなし。
どうして今頃こんなお話が・・・う~ん、何に例えたらいいんだろう。

お惣菜コーナーの握り寿司の詰め合わせ。
エビもタコもイカもマグロの赤身も入ってます。
あなたの好きな赤貝もね。
お買い得!!!
もちろん、この商品は1950年代に作ってありますから安心です(賞味期限チョー長い)。
ただサビ抜きで醤油は自分でお好みのものを使ってくださいね。
ネロ・ウルフを知らない方やお暇な方は是非どうぞ!!!
1970年以前に生まれたオジサンには★★1/2です。
ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414254
No.2:
(4pt)

ハードボイルドだ!

ハードボイルド・タッチの文体が良い。訳も良いのだろう。街、人物、服装などの描写が雰囲気をかもしだす。マッカーシズムの荒れるニューヨークが舞台。主人公の刑事の父親(舞台演出家)が逮捕される。父親を救わなければならない。刑事が女性と恋に落ちる。この女性が魅力的、実は……。もう少しウィットがあって、テンポも良くしたら★5つだんたんだけれど。でも、満足しました。
ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414254
No.1:
(5pt)

無題

モデルとなっている著者の家族背景が、小説の主人公に投影された、素晴らしいミステリー。
また読んでいると、日本人であったとしても、1950年代のニューヨークの雰囲気に、しこたま酔ってしまいます(例えば46~47頁)。
原著『Night Life』の英文レヴューにも、“翌日が休日でない日の夜から、読み始めてはいけない”とありましたが、その通りです。

540頁近い、分厚い文庫です。
全体の構成は、198頁の主人公の父親がマッカーシーによって、赤狩りの委員会に召喚された章で前半、後半に分けることができると思います。小説の前半、後半で雰囲気と展開が少し変わります。

前半についていうと、網羅的で、著者もその父親もショービジネスで糧を得ているだけあって、なんといってもブロードウェイの舞台裏の書き込みがきわめて濃密です。
たとえば、あからさまに男色気をおびた舞台の振付師が、聞き込みにやってきた主人公に抱き着いて、“両脚を腰にまわして首に抱き着”くシーンが描かれています(96頁)。
112~113頁には、主人公の(ひょっとすると著者の)家族に対する思いが象徴されているような、非常に興味深いシーンがあります。主人公の母親は狂言自殺に失敗して、本当に死者となってしまうのですが、少年であった主人公は、狂言自殺を示す状況証拠を隠滅することで、母親の企てを父親から隠してしまうのです。
そんな複雑な主人公の心理描写も巧みで、随所に挿入される太文字で書かれた部分から、夢の中に逃げ込んだり、超自我からの警告や叱責を受けてうまく危険を回避する、主人公の有り様がよくわかるようになっています。

それにしても、こうした太文字のところ、原著の英文ではどうなっているのだろう…?

太文字以外にも気になるところがたくさんあるので、この本については原著を買いました。
いままで、その英語の原著を読ませようとした本に、私は遭遇したことがありません。

後半については、前半で展開された謎の解明が、計算されつくした筆致で進行していきます。読者はその結末を読んで、ミステリーとして満足感を得るでしょう。そして改めて、前半部の何か所かを、読み返すことになるのだと思います。

素晴らしいミステリーなので、ぜひアマゾンで買いましょう。
ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414254



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