(短編集)

九時から五時までの男



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初公開日(参考)1967年01月
分類

短編集

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九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2003年11月30日 九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

サラリーマン同様にスーツ姿で9時から5時まで勤めるキースラー氏には、妻にも言えない秘密がある。いつものように仕事先に赴いた彼はおもむろに手袋をはめ、用意した包帯をガソリンに侵していった…氏の危険で魅惑的な仕事ぶりを描いた表題作ほか、高齢化社会の恐るべき解決法を提示した「ブレッシントン計画」、死刑執行人が跡継ぎ息子に仕事の心得を伝える「伜の質問」など、奇妙な味の名手が綴る傑作揃いの全10篇。 (「BOOK」データベースより)




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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.6:
(5pt)

お前は死刑反対論者なのかね

エリンは1950年代から活躍したアメリカのミステリ作家で、若い頃からスティーヴンソンやモーパッサンなどに学び、短編の名手となる。長編としては『断崖』『ニコラス街の鍵』『第八の地獄』が邦訳されている。

本書は短編集"The Blessington Method and other strange tales"(1963年)の翻訳。10篇を収録している。すべて犯罪をあつかっている小説だが、探偵役は出てこない。むしろ犯罪者が描かれている小説というべきで、どれもおかしな犯罪ばかり。悪いことをしているという自覚がないばかりか、むしろ正義を執行していると信じて殺人を繰り返す人物さえいるのは、アメリカ的なセンスを感じる。「ブレッシントン計画」「倅の質問」は人間がどこまで堕落できるかを追求している文学作品という意味で、身の毛のよだつ傑作。評論家の瀬戸川猛資は、H・R・F・キーティングなどが推奨するエリンのもう一つの代表的な短編集『特別料理』を本書と比べて、「アホみたいなもの」と呼ぶ。それほど気に入っていたらしい。
九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)Amazon書評・レビュー:九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)より
4150009880
No.5:
(3pt)

イギリスのロアルド・ダールと並ぶアメリカが誇る異色短編作家、スタンリイ・エリンの独特な短編集

「異色短編」というジャンルに属する作品で、あとがきの解説にもあるけれど、日本ではロアルド・ダールの方が有名で、自分もロアルド・ダールの「キス・キス」、「あなたに似た人」は読んだが、スタンリイ・エリンの作品は初めてだった。二人は、イギリス出身のダール、アメリカ出身のエリンとライバルという位置づけらしく、交互にMWA賞(エドガー・アラン・ポー賞)を受賞している。

全般的には、解説でいわれているように、ダールが、珠玉の名作もあればイマイチの作品もあるのに対して、エリンの作品はどれも面白い、でも面白いんだけど、ずっと印象に残り続けるような作品では残念ながらない。結末もどんでん返しというものはなく、悪〜い印象をさらに刷り込まれる様な終わり方をするものが多い。

自分がなかでもいちばん印象に残ったのが、「ロバート」という作品で、学校の生徒がよい子のフリをしながら、担任の女教師を徐々に精神的に追い詰めて行くというちょっとサイコスリラーっぽい話。いまでこそ珍しくない話だが、1960年代にすでにそういう話を考え付いたというのがすごい。

それとは一風変わって、「蚤をたずねて」というのはちょっとコメディっぽく、蚤のサーカスをやる男が主役級の蚤を死なせてしまい、かわりの蚤を探すという話。蚤と意志を通わせて芸をさせるということだけど、本当にそんなことができるのか?また、観客はどうやって蚤の演技を観賞するのか、と興味をもちながら読んだ。
九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)Amazon書評・レビュー:九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)より
4150009880
No.4:
(4pt)

短篇の名手が描くブラックな世界

作者には「第八の地獄」、「鏡よ、鏡」等の著名な長編もあるが、やはり短編における切れ味が真骨頂であろう。本短編集は特に人生のブラックな面を強調する出来となっている。
「ブレッシントン計画」は近い将来、日本でもこういう日が来るんじゃないかと思わせる妙な現実感がある作品。「不当な疑惑」は、双子物。ミステリに双子を登場させると大抵失敗するものだが、本作は双子ならではの完全犯罪計画を描いて秀逸。昔見た映画(題名は失念)にこれと似た作品があったが、本作が原作なのかもしれない。「伜の質問」は死刑執行人の息子が父に発する素朴な質問に対する父の回答は ? 「九時から五時までの男」は昼と夜とで二つの顔を持つ男の生態を描いた有名な作品。マンガ家柳沢某のアノ作品は、本作の頂きだろう。
短編の名手が特に人生の暗黒面を強調して、人間模様の機微を描いた傑作短編集。
九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)Amazon書評・レビュー:九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)より
4150009880
No.3:
(4pt)

さすがに短篇の名手

冒頭にF.ダネイへの献辞がある。「E.Q.M.M.」で作者を見い出したクィーンへの心からのメッセージだろう。作者には「空白との契約」、「第八の地獄」等の代表的長編があるが、やはり短篇に作者の持ち味がより良く出ている。

「ブレッシントン計画」は高齢化社会に対するある解決策に関するドス黒い作品だが、近い将来本当にこんな日が来るのではないかと心配になる。「不当な疑惑」は双子を扱ったもの。双子を使うと普通は駄作になるものだが、本作は彼らが企んだ完全犯罪の奇想で読ませる。真の解決を読者にも知らせない手法が本作では活きている。「伜の質問」は死刑執行人が息子から聞かれた質問に何と答えるか ? 歪んだ笑いがここにもある。タイトル作「九時から五時までの男」はマンガ家柳沢某がマネをしたと思われる、昼と夜の2つの顔を持つ男の生態を描いたもの。

奇抜な構想を丹念に描き、読者に心地良い驚きを与える。そんな作者の持ち味が十二分に出た傑作短編集。
九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150719551
No.2:
(5pt)

暗黒面の味

すばらしい。
たんたんとした描写からでてくる結果が絶妙の暗さ。
ダールと比較されているが、フレドリック・ブラウンとも近いのでは。
表題作と倅の質問が好きだ。
九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)Amazon書評・レビュー:九時から五時までの男 (ハヤカワ・ミステリ 988)より
4150009880



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