鏡よ、鏡
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主人公らしき登場人物が、部屋で死体を発見し・・・というお話。 訳者あとがきにある様に一応回想の形で話しが進むサスペンスですが、かなり支離滅裂な感じで進行するので、読みながら狐につままれた様な気分になると思われます。それが最後になって「こういう事だったのか」と判る仕組みになっております。 内容の触れるとネタバレになるので詳しくは触れられませんが、人間特に男性には不快極まりない真相の為、読後怒る人もいるのではないかと察します。或いは自分にも似た様な所があるのが判り、気分の悪くなる人もいるかも。 「小人閑居して不善を為す」という言葉がありますが、勝手に意訳すると「人格のセコい人間は暇にしているとアホな事をする」という事だと思いますが、私も失業して暇なのであまり人に言えないアホな事をしてしまう事があるのも真実なので、この小説を読んで正に題名通り鏡を見ている感じがしました。 究極の厭ミス。厭ミスの極北。必読。 | ||||
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現代文学をある程度読みなれている人であれば、読み始めてすぐに、この作品が、いわゆる「意識の流れ」の手法で書かれていることを理解できるはずだ。 ウィリアム・フォークナーの『響きと怒り』を思わせるところもあるし、アラン・ロブ=グリエの、ある作品を連想させもする。 全文、主人公の内的独白であって、旧い過去の記憶と現在の状況との区別は定かでなく、どこまでが現実に起きた事で、どこからが主人公の意識に浮かんだ夢や幻想なのかも判然としない。 しかし、だからと言って、ミステリとして失敗しているわけではない。 実はこうした形式こそが、異色作家と言われ技巧派として名高いスタンリイ・エリンならではの手法なのだ。 小説の冒頭に、主人公のアパートの浴室に転がった女性の射殺死体が登場する。 やがてこの死体は、主人公がヴィヴィアンと呼んでいた女性のものだとわかってくる。 しかし結末において、このヴィヴィアンの意外な正体と、衝撃的な真相が明かされる。 実は別人であったのに、冒頭からずっとヴィヴィアンの死体として描写しているのはミステリとしてアンフェアだ、との意見もあるようだ。 が、この小説は全て主人公の内的独白なのだから、主人公から見た場合に紛れも無くヴィヴィアンという女性であった以上は、そう描写されていてもアンフェアには当たらない。 また、一見すると脈絡の無い内的独白の中にあっても、主人公の妻や、主人公が性的関係を結んだ行きずりの女を描いている描写と、ヴィヴィアンを描いている描写とでは、実は明確に異なる点が存在する。 その点こそヴィヴィアンの正体を暗示しているのだが、すぐには読者に気付かれぬよう計算して書かれている。 結末を知ってから読み返してみると、きわめて技巧的な作品であることがわかる。 わかる人なら「さすがエリンならでは傑作」と思うはずだ。 だが「意識の流れ」の手法に慣れていない人などには、何が何だかわからない危険性が高い。 その意味では読者を選ぶ作品であることも確かだ。 | ||||
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独特の語り口とツイストの利いた切れ味鋭い短編の名手として名高いS.エリンの長編としての代表作。使用されているトリックは余りにも有名なので、それが如何に実装されているかを楽しみに読み始めた。物語は出版社に勤めるピーターの一人称で語られる。 いきなりピーターのアパートの浴室で、見知らぬ女がピーターの拳銃で撃たれて死んでいると言う扇情的な幕開け。期待感を持たせる出だしだが、う〜ん、2頁目から既に変調。ピーターは離婚直後で、元妻のジョーンと双方の弁護士だったゴールドが今は結婚している。妻が引き取った子供のニックとピーターは上手くやっている。ピーターの部屋の鍵はピーターの他にはニックしか持っていない。ピーターはニックに拳銃を買い与え、射撃も教えている。更にピーターは精神科医エルンストに掛かっている。これらの状況がピーターの口から語られるが、上述の通り、冒頭で述べたトリックを予め知らなくても、普通に読めば2頁目以降、強い違和感を覚えるだろう。続けて読む気がしない程。これでは意味が無い。機械的に最後まで読んでが、性的倒錯の話題だけで、これと言った工夫も見られない。余りにも芸が無さ過ぎる。これなら、M.ミラーの方が数段巧い。 S.エリンにして、このような拙い作品を書こうとは予想外。大きな仕掛けのトリックは向かないと言う事だろうか。期待が大きかった分、失望も大きかった。幻の名作は単なる凡作に過ぎなかった。 | ||||
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独特の語り口とツイストの利いた切れ味鋭い短編の名手として名高いS.エリンの長編としての代表作。使用されているトリックは余りにも有名なので、それが如何に実装されているかを楽しみに読み始めた。物語は出版社に勤めるピーターの一人称で語られる。 いきなりピーターのアパートの浴室で、見知らぬ女がピーターの拳銃で撃たれて死んでいると言う扇情的な幕開け。期待感を持たせる出だしだが、う〜ん、2頁目から既に変調。ピーターは離婚直後で、元妻のジョーンと双方の弁護士だったゴールドが今は結婚している。妻が引き取った子供のニックとピーターは上手くやっている。ピーターの部屋の鍵はピーターの他にはニックしか持っていない。ピーターはニックに拳銃を買い与え、射撃も教えている。更にピーターは精神科医エルンストに掛かっている。これらの状況がピーターの口から語られるが、上述の通り、冒頭で述べたトリックを予め知らなくても、普通に読めば2頁目以降、強い違和感を覚えるだろう。続けて読む気がしない程。これでは意味が無い。機械的に最後まで読んでが、性的倒錯の話題だけで、これと言った工夫も見られない。余りにも芸が無さ過ぎる。これなら、M.ミラーの方が数段巧い。 S.エリンにして、このような拙い作品を書こうとは予想外。大きな仕掛けのトリックは向かないと言う事だろうか。期待が大きかった分、失望も大きかった。幻の名作は単なる凡作に過ぎなかった。 | ||||
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