摩天楼の密室
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題名から想像される様な密室殺人を扱った作品ではない。原題の「The Lazarus Hotel」という建設中の高層ホテルの最上階で開催された<自分探しの会>の中で起こった連続殺人(未遂)事件を扱ったミステリ劇である。この最上階は外部から閉ざされており、その意味で、閉ざされた空間における疑心暗鬼に渦巻いた人間模様の心理サスペンスを狙った作品と言える。舞台劇に相応しいのではないかとも思った。 <自分探しの会>というだけあって、登場人物達は各々心に傷を抱えている。この登場人物達の造形をハッキリとさせるために、冒頭から各自の<告白タイム>等が設けられ、この辺は退屈なのだが、このお陰で各自のメリハリの効いた特徴が映し出されるという効果もある(と後で思った)。そして、各自の過去が明らかになって来る辺りから、作者の本領発揮で、登場人物全員が亡くなったある女性と何らかの係わりがあると判明した後はミステリ劇へと一直線である。 上述した通り、前半が退屈だったので後半も期待していなかったのだが、期待を上回る内容だった。一部を除けば互いに面識がなく、誰を信用して良いか混迷状態にある登場人物達、<自分探しの会>を装って登場人物達が一同に集められた理由も不明、指紋等の科学捜査は勿論不能といった状況(「そして誰もいなくなった」風)で、次々と起こる殺人(未遂)事件を巧みに描いている。「死刑台のエレベーター」を想わせるシーンがあったり、本格ミステリ的伏線を張っていたりと中々読み応えがある。事件終了後、偽りだった筈の<自分探しの会>の効果(?)で、心が晴れる(あるいは素直になる)登場人物達が出て来る辺りは皮肉なのだろうか ? 作者の作品の邦訳は本作が初の由だが、期待を持てる作家との印象を持った。 | ||||
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