スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.33pt |
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森川智喜さん初読了。ロジックとファンタジーの融合。麻耶雄嵩「さよなら神様」や東川篤哉「魔法使いは完全犯罪の夢をみるか?」と似た趣向をイメージしてましたが、第一部は鏡の能力を読者に説明させる安楽椅子探偵形式、第二部はクライムサスペンスといった印象で、第一部が正直な所、期待してたより地味な印象を受けました。読者に解かせる「謎」はあまり多くはないものの、暗号のくだりは感嘆させられました。 | ||||
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これは面白かったです。 | ||||
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読み始めは、「たいそうなガジェットが出て来たけど、いったいこれを使って何を語るんだろ?」と、首をかしげました。登場人物のノリのせいもあります。でも、(あとでわかりましたが)最初のほうは言ってみればゲームのチュートリアルみたいなもので、遊び方のルール説明に過ぎなかったのでした。 チュートリアルのあとには、練習問題のようなエピソードがあって、応用問題のようなエピソードがあって、その後、いよいよ本番スタート! お話が進むにつれてどんどん面白くなって、終盤は夢中で読みました。1冊全部読み終わってみれば、おやおやまあまあ、なかなかどうして、極めてエレガントなミステリでした! そういうわけで、これからこの本を読まれる方も、最初のほうで「ノリが合わない」と放り出さずに、半分くらいまで読んでから判断されることをお勧めします。 (逆に、半分くらい読んでも面白くならなかったら相性が悪いかもしれないので、そこから離脱するのは仕方ないかなと思います。) ミステリが好きで幅広く読んで、不思議系の舞台装置も「ドンと来い!」と思う方なら、高確率で、読み進めながら楽しくなって、読み終えたときに「ああ面白かった」と満足できると思います。 個人的なお気に入り度で言うと、満点にはちょびっと足りませんが、切り上げて☆5つ。 法月綸太郎氏の解説も良かったです。 | ||||
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「尋ねればなんでも教えてくれる鏡」という、本格ミステリを崩壊させるような道具が出てきて、主人公が初っ端からそれを使い事件を解決します。真実を知る、のが先で、どうしてわかったのか、という推理と論理は後付け。こんなんで大丈夫かいなと思いながら読み進めると、なんとも切羽詰まった展開が待っていました。相手(犯人側)の知謀の程が半端ではなく、道具の使い方も、その発想についていけないほど巧妙でうまいので、もう無敵だ、いずれこの人が世界を支配する、と慄然しました(本当にそれくらいとんでもない犯人と道具です)。てっきり鏡を使った安楽椅子探偵ものだと思い油断していたら、ドキドキする論理合戦が起こり、ピンチも起こり、ハラハラさせてくれます。転がるような展開の妙に感心していると、終盤で「あれ?この鏡の使い方おかしくない?私ならこうはしないけどなあ」と感じましたが、最後でその違和感がまた伏線だったと明らかになり、作者の手腕に完全降伏しました。ファンタジーが土台であっても、やはり本格ミステリは書けるのですね。筆致が軽いので、ライトノベルじゃないの、と思われるかたもいらっしゃるでしょうが、あいやまたれい、一流の本格ミステリです。面白かった! それにしてもこの「尋ねればなんでも教えてくれる鏡」って、まるでスマホみたいですね。 | ||||
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第14回本格ミステリ大賞の受賞作である。森川作品は初読。 いきつけの本屋で平積みになっているのを見かけて買っていたのだが、しばらく積読になっていたもの。 裏表紙には、『「真実を映し出す鏡」を持つ反則の名探偵・襟音ママエは、・・・』なる紹介コピー。なんじゃそりゃっていう第一印象。そんな設定で、いったいどう選考したら大賞を受賞するのだ・・・いわゆるバカミスじゃないのか??? と、本の中身よりそっちが気になって手に取ったきらいはある。 結論を書きましょう。これはかなり読者を選ぶ作品。普通の(ミステリマニアではない)読者は戸惑うだろうし、真剣な本格ミステリファンは怒り出すかもしれない。自分は面白かった。しかし面白がるのは変わり者だけかも。そういう人であれば、読んでみる価値はある。 目次をみると第一部が80ページほど、一方で第二部は300ページちかくある。第一部は前振りと判断して読み始め、なんだかものすごいドタバタミステリだよなぁと思いながら、第二部へ。このあたりで作品の雰囲気にちょっとした変化がある。いちおう座り直して読み進める気分になった。 問題の「鏡」は、なんでもできる魔法の道具なのではなく、単に想像を絶する強力な特定の能力を持つポータブル装置(原理やエネルギー源がどうなのかはおいておいて)として、本作では取り扱っていることが着々と明らかに。このあたり、巨匠アーサー・C・クラークの第三法則「高度に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」を、かなり地で行っていると思う。 ・・・この先はややネタバレ的になってしまうのだが、最初チョイ役だと思っていた三途川探偵が実は技術者的な観点で言ってすごい切れ者(尊称としてのhackerですよ、この人)であるとか、(法月氏の解説にも出てくるが)なんでもすぐググって自分で考えないでおしまいにしがちな昨今の風潮を(もしくはそれについていけていないIT旧世代を)ほうふつとさせる描写とか、(いわゆる)ネットでさくさく収集した情報や技術でもってこんなことやあんなことまでさらっとできてしまう世の中を皮肉ったり、そういう概念や光景がてんこ盛り。 そしてネットをいくら検索しても未来のことは絶対にわからないという指摘も。 そんな中にも、ドイルの某作品的な挿話でちょっと苦笑させたり、日本人ならすぐわかる誤謬を潜ませたり、ミステリ読者へのサービスも忘れない。 まぁ「レース中に一回しか使えないニトロ」みたいなものですが、よくこのネタでこのレベルに仕立てたなぁというのが偽らざる感想だ。 選考者は、この爆発的な破壊力に魅力を感じたのかもしれない。個人的には、この作品を始祖とした大きな流れは将来的にも成立しないとは思うが、しかし、日本の本格ミステリ史の特異点として一つの記録に残る作品になるような気がする。 | ||||
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毎度おなじみジャケ買いの一冊。 タイトル通り、白雪姫をモチーフにしたカバーデザインで、ついつい手に取ってしまったのですが、これがまたなかなか面白かった。 第14回本格ミステリ大賞を受賞作。 モチーフになっている白雪姫から「7人のこびと」を持ってくるのはまだしも、「真実の鏡」をミステリ作品に持ってくるというとんでもない作品。 襟音ママエの探偵活動を描く第一部は3つの短編で構成。依頼人の相談に、お茶を替える振りをしてサクッと鏡に犯人とトリックを聞いて問題解決! 助手の小人・イングラムが「もうちょっと考えようよ」と言ってもどこ吹く顔のママエ。 なんや? これ? ミステリとは思えない最初の作品に当惑しながら2つめの話に。 ママエの答えに納得しない依頼人に、依頼人が納得する言い訳をまたも鏡に考えさせるという……うーん、なんだろう? この激しい違和感は……答えが分かる鏡というアイテムがあったら、ついつい倒叙型の作品になりそうなもんだけど。 なんだか分からないまま読み進めていくと、3つめの物語ではとうとうママエのやり方に違和感を持つ他の探偵が現れて級地に陥れられて……と、言うところで第一部は終了。 第二部になると、鏡の出所やイングラムの存在を補強する舞台が登場。おとぎ話には付きものの「悪い王女」が現れて、第一部でママエを追い詰めた探偵・三途川と組んで、ママエを無きものにしようと襲いかかります。 ここからはこの小説の真骨頂、「真実の鏡がある」ことを前提にした虚々実々の駆け引きが繰り広げられ、最後にはストンと論理に基づいた推理が展開されます。 なるほど、これは面白い。 著者のデビュー作のキャットフードは「人狼ゲーム」の変形版との解説があったので、興味津々。次はそれを読んでみよう。 | ||||
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なんでも教えてくれる鏡を使って探偵をする主人公ママエが、依頼を鏡を使い解決していく前半と、同じ鏡を使いあの手この手でママエの命を狙う三途川理という探偵と対決する後半で構成されています 前半は鏡によって答えが先に提示され、答えに行き着くまでの過程を推理するというのが新鮮で面白かったです 後半はデスノートみたいという評判で期待していたのですが、主人公側も相手側も策を仕掛けあう頭脳戦が面白かったデスノートと違ってこの作品は敵側ばかりが策を仕掛け、主人公側は運や他人の助力でなんとか助かるばかりでデスノートのような頭脳戦の楽しさは感じられませんでした 敵の三途川理はママエを殺すために鏡を利用した策を色々練るのですが、いちいち自分達で策を考えたりせずに、鏡に自分たちが疑われずに確実にママエを殺す方法を尋ねればいいだけでは? 鏡をママエを殺すための道具として利用するだけで、せっかくなんでも教えてくれる鏡があるのに何故その質問をしないのか不思議でした 自分で考えた作戦を実行するにしても、事前にこの作戦で成功するか鏡に聞けばいいのにやらないし 鏡に色々なことをシミュレーションさせるくせに、なぜ肝心の自分達の作戦は絶対に鏡でシミュレーションしないのか 作戦を実行した場合の相手の反応や行動を鏡にあらかじめ聞いておけば失敗しないのに ご都合主義を感じました こういうことも敵の探偵の三途川理がちょっと抜けているなどの描写や説明があればまだ納得できたのですが、作中ではいろんな登場人物が三途川理はやれ頭がキレるだのやれ発想力が凄いだのとやたら持ち上げているので不自然でした そういうモヤモヤが終始つきまとい私は楽しめませんでした 鏡にある程度の制約をつけた方が面白かったかな じゃないと鏡が万能すぎてつまらないです 期待しすぎました | ||||
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