消えた女
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あらすじ
依頼人の女は真夜中に連絡してきた。短い電話だった。調査はこれで打切りにしたい。これ以上続けても金の無駄づかいでしかない―女はそれだけ言って電話を切った。アルバート・サムスンの胸に割りきれない思いを残したまま、女は消えてしまった…エリザベス・ステットラーと名乗る女の依頼は、2カ月前インディアナポリス近郊の町ナッシュビルから姿を消した友人プリシラ・ピンの行方を探してくれというものだった。町の住人たちは、彼女と同時にいなくなった町の実業家ビリー・ボイドと駆落ちしたものと考えていた。夫のフランクから捜索願いが提出され、家から小金を持ち出したことで逮捕状まで出ていた。ビリーはとかく女性問題を取りざたされている人物で、彼が広大な土地を相続する結果となった、都合のよい母親の急死についてもよからぬ噂が立っていた。調査が進むにつれ、サムスンの胸にいくつかの小さな疑問が芽ばえた。しかし依頼人がいなくては、それ以上追求するすべもなかった。だが三カ月後、ナッシュビル近くの森の中でビリーの死体が発見されるにいたるや、サムスンはやむにやまれず事件に再度首を突っこむことになったが…?精緻なプロット、いぶし銀の光を放つユーモア―『沈黙のセールスマン』『A型の女』などで現代私立探偵小説の最高水準と評される珠玉のシリーズ第5弾。(「BOOK」データベースより)
評判
消えた女の評価:
4.00/10点 レビュー 1件。 D ランク
消えた女の総合評価:
9.00/10点 レビュー 6件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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今回はこのシリーズにしては失踪人の捜査というハードボイルド/私立探偵小説では割とありがちな幕開けですが、そこはリューインのこと、この発端からかなり意外な展開を見せるというテクニシャンぶりを見せる作品でした。書きたいけれど興を削ぐのであまり書けないこの意外な展開こそまさに推理小説を読む醍醐味を満喫させてくれます。その発端から更にどんどん謎が深まっていくところとその謎が徐々に解明されていく辺りもお見事としかいいようのない、シリーズ最高傑作に挙げる人も多いのが納得の作品でした。
このシリーズを読んで思うのはハードボイルドよりも一時期はやったソフトボイルドという肩書や本格ミステリのジャンルの方が納まりがいいのではないか、という感慨でしたが暴論でしょうか。アクションシーンも勿論ありますが、他のハードボイルド/私立探偵小説よりは控えめで後味もあまり悪くないという善良な品格を感じさせるので。小説の冒頭もハードボイルドを揶揄しているみたいだし、解説に指摘されているようにハードボイルドのセルフパロディになっている部分も笑えます。読みやすい文章ですが通俗に流れない文体も著者の見識や品格や才筆ぶりを感じさせて好感を持てます。
シリーズ代表作の5作目。是非ご一読を。