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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数178件
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絵画にまつわるミステリのイメージがあったが、今作は陶芸を題材に、感動的な作品を堪能しました。
バーナード・リーチに師事した沖亀之介(架空の人物)の青春物語といったところ。彼のリーチ先生に対する情熱と葛藤。 これは何か一つのことを成し遂げようとする若者に勇気を与えてくれるのでは、とも感じた。 登場してくる実在の人物たちも魅力的です。武者小路実篤や志賀直哉も出てきて思わずニンマリ。 |
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東京中に蔓延している怨念。それを追い求めて女フリーライターが23区を巡る。それぞれの区に秘められた歴史や代表的な名所を紹介するガイド的な役割と長江流ホラーが合わさって一気読みでした。23区民ならぜひ読んでおきたい一冊。
今回は板橋、渋谷、港、江東、品川の5区だけでやや消化不良。ぜひ23区コンプリートを期待します。 私の住んでいる区も未登場なので。 |
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「甘い罠」というタイトルからどっぷりミステリ小説を思い浮かべるが、これはいわば日本人の「食」のあり方を考えた食の文化論小説ともいえる。
女性を中心にブームとなっている糖質制限ダイエットをテーマに、大変勉強になる小説です。間違ったダイエット法に警鐘を鳴らすだけでなく、日本人の「食」の文化史を掘下げた奥の深さもうかがえる。どこか「美味しんぼ」に「料理の鉄人」の要素を加えたようなストーリーでもあります。 タイトルの「甘い罠」の意味が分かったとき、真の「食」のあり方が見えてくるかも知れません。 |
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全体的な感想としては、京都の観光ガイドブックのような部分も多い。これは否定的な意見ではなく、京都の名所の情景を表すことで”純愛”ミステリ的性格を浮きだたせるものとして受け取れる。私は京都人でありながら、知らなかったところも出てきて、勉強になりました(汗
雪乃の性格云々の意見もありますが、悪くないですよ。こういう女性に惹かれる男、いますよ。(私にはムリですが。。。) 塩田作品の特徴として、地の文と会話文のギャップ(会話部分はほとんど漫才調!)が却って面白い。関西弁だからかもしれないが。 著者の「書き終えたくなかった」というコメントは読了後、なるほどなと納得できる言葉でした。 京都人なら必読の書です。 |
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前半の「都市伝説」の数々は興味深かった。ネットの世界でどんな状況になっているのか知りたくなって思わず検索してしまった。その結果…
名作ホラー映画の題材となった実際に起きた事件。実際の事件だけに胸糞悪くなるのは必至。読んでどうなっても知らないよと注意喚起しておく。 全体的に面白かったが、やはり自著のPRは不必要とは言わないまでも、ほどほどにしておいた方が… |
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クラシック音楽を題材にした作品は数多あれど、ここまで「音楽」に浸れる作品はないでしょう。全編に渡って高尚なクラシックを聴いている、あるいは聴こえてくる気持ちよさが本作にはあります。
またコンテスタントの4人(マサル、亜夜、塵、明石)はそれぞれに個性的な「アーティスト」であり、皆が各個の彩で読者を魅了させてくれる、これは著者のしっかりとした力量でしょう。 ピアノコンクールの「聴衆」の一人として、十分に楽しませてもらえました。 |
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有村志穂の特異な(?)キャラクターに◎!!
就活に失敗し続けるかたわら、シェアハウスの住人達に疎まれながら、救いの手をさしのべる優しさをあわせ持つ彼女のキャラを生みだした著者の手腕に感服。 相変わらず女性主人公の作品が多く、ある意味そっちの人?? と思ってしまいますが。 でも志穂みたいなのが身近にいたらヤだろうなァ…(; ꒪ㅿ꒪) |
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大阪・堺の古道具店を舞台に、実にほんわかと温かみのある物語が展開されます。古道具の知識もさる事ながら、それを通じて「家族」の意義を考えさせてくれる。
これまでスポーツミステリが主だった著者の新境地です。 余談ながら、古道具店の佇まいが、業種こそ違えどこか私の生家を思い出させてくれたのもよかった。 |
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こういう形のミステリ小説も充分アリだと思います。
映像版は見たことないですが、小説版だけでもたっぷり楽しめます。 収録されている3編は、結末が明らかにされておらず、解明は読者に委ねられている、思ったとおりだとすれば相当怖い〜(/ω\*) |
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ついに完結ですか。
これまでのシリーズを読んできて、完結編ということもあり、最もまとまって内容になっていると思います。シェイクスピアの作品に関すること、後半の振り市でのシーンは読みごたえバツグンです。(『人肉質入裁判』には笑ってしまいました。) さて、”ビブリアロス”にならないよう(?)番外編やスピンオフが予定されているとのこと(あぁ、セレクトブックは出てますね)、楽しみです! それと、実写&アニメ化も。実写はあの失敗作ドラマの二の舞になる可能性もあるので、アニメの方に期待です。 |
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著者が作家として世に出るきっかけとなった表題作をはじめとする珠玉の短編集。
表題作「黒い鶴」は、暗号ミステリの要素が含まれて最後にあっといわせる作品。タイトルに重みを感じます。 その他、印象に残ったのは、「時限」にも登場する片岡真子が主人公「大切なひと」、猫ブームに乗っかった?「京都ねこカフェ推理日記」、心理的ホラー「誓い」、能をテーマにした異色作「花はこころ」など。 短編でも著者のハートフルな文体はしっかり出ています。 それにしても、著者の作品には女性主人公が多く登場する。「京都」をイメージしてのものか、そういえばもうひとつ作品の舞台として出てくる岩手もどことなく女性的なイメージがあります。女性心理の描き方がうまい…ってもしかしてオネェ?? |
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七里先生独特の軽妙な文体の中に、出版界のウラ側がチラホラ。ミステリとしてのトリックそのものよりも、そんな隠された現状を暴露したようなところに興味を覚えた。実際に傲慢な勘違い作家もいるだろうし、偏執的な編集者やストーカーまがいの読者、そして平気で原作の内容をねじ曲げてしまうプロデューサーなども実在するでしょう。七里先生による業界暴露話として読んでも面白い短編集です。
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柚月さんの作品は、他の警察小説にはない人間的なドラマの要素でグッと読ませる魅力がある。この作品もお遍路の旅というテーマを巧みに織り交ぜた感動作です。
また私事ながら、主人公夫婦は私ら夫婦とどこか似た所があり(性格や境遇が)、なんだか自分たちが演じているような気分にもなりました。 退職刑事がここまで捜査に携われるか?現役がそんな元刑事の意見を簡単に受け入れるのかな?という疑問はありましたが、涙腺が緩む場面もいくつかあって、年初からいい作品を読ませていただきました。 また、お遍路に興味を持ったのも確かです。 |
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やけにセリフの部分が多いので、少々マンガチックで軽い印象も残るが、
光崎教授やキャシーはじめ、主人公の真琴や古手川刑事など 個性豊かな登場人物はそれぞれに魅力的。 法医学ミステリとして、専門家でもない著者がここまで書けるのはさすがというべきか。 法医学ミステリとして他の作家の作品と比して完成度はどのくらいかは、あまり読んだことがないので わからないけど、かなりのものなんでしょうね。 2作目の完成度が落ちないことを期待します。 |
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この文体から、おそらく乱歩賞史上まれにみる「奇書」に挙げられるのでは?と読み進めていくと、なるほど幻想的でリアリティからは一線を画すストーリーで、好き嫌い・賛否両論別れそうな内容ではありますが、全体的にはきちんと折りたたまれていて読みやすかった。
確かにリアリティはなく、劇画的ではあるが、描き方は非常に丁寧。この類の作品にありがちな難解さは全くないと感じた。 乱歩賞作品の中ではやや異質かもしれないが、それでもやはり乱歩賞なんですね。 次回作が期待できます。 |
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関西人にとって「グリコ・森永事件」は昭和の未解決事件の中でも最も衝撃的で記憶に残り続けるものだと思いますが、それをモデルに極力史実に基づいて書かれた本作、かなり読みごたえがあるし、どこまでが史実でどこまでがフィクションか、見極めながら読むのも面白いでしょう。結構真相に近づいてたりして。
塩田さんの作品はデビュー作「盤上のアルファ」などに比べると、はるかにシリアス度が増していて(ところどころには笑いを誘うフレーズも出ては来るけど)今後の方向性が楽しみです。 描写としては少しセリフによる説明が冗長だったかな。 ps.「ギンガ・萬堂」のネーミングはともかくとして、道頓堀名物「ギンガの看板」には正直笑えました。 |
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前半は遊園地で働くパルたちのいわばお仕事小説となっているが、後半はその遊園地に起こる何やらきな臭い事件が展開していき、登場人物に関わる謎が提起されていきます。夢の世界である遊園地に起こる事件、そして彼らに隠された謎とは?
パニックに陥りながらも、事件に正面から立ち向かうパルたちの勇敢さに力をもらえます。 結末としては、注文をつけたい部分もあるが特に後半は一気読みだったし、分かりやすかったのでよしとします(^-^) |
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”少女”にまつわる作品を集めた短編集。著者の作品は、その文体から欧州を舞台にした翻訳調の小説がよく似合っていると思う。
とくに表題作は格調高い文体ではあるが、おどろおどろしいホラー小説のような要素を含んだ、短編ながら読み応えあるものとなっている。中には表題作に比べるとややトーンダウンの感があったりするが、それぞれに趣向が凝らされており、著者の腕の確かさを感じます。収録作品の中で表題作以外ではやや長めの「氷の皇国」は、著者の特徴がよく出ていると思います。 |
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’会議’をテーマにした連作短編の体裁をとりながら、その奥底に大きな本題が練り込まれている。池井戸作品ならではの巧みさが見事です。
一番はリアリティ度。丁度同時期に現実に隠蔽が明るみになった事件があっただけに、仮に本当にあった話といわれても違和感がないだけに、ある意味恐ろしさをも感じてしまいました。どこを取っても揺ぎのない世界がここにはあります。 |
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家族のあり方について考えさせてくれるハートフル・ミステリ。改めて著者の立ち位置が確認できる。
主人公の女子大生に親身になって調査を進める元刑事や彼女の母親は存在感充分。 表紙の金魚鉢や、作品中頻繁に出てくる食べ物の描写も重要な意味をもっています。 文庫版巻末の医学博士・本多京子氏の解説に感動★ |
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