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ヘッポコ屋敷嬢 さんのレビュー一覧
ヘッポコ屋敷嬢さんのページへレビュー数134件
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朱雀十五シリーズを何年もほったらかしにしておいて新たに出版されたシリーズもののミステリー小説。キリスト教圏で起きた不思議な出来事を正式に教会が奇跡だと認定するかどうかを現地で調査するバチカンの神父2人組が主人公。謎解きの強引さやそりゃねえよ感や薀蓄の多さは朱雀シリーズと同じで、内容的にも雰囲気的にもかなり好き嫌いが分かれそうな作品。表紙に騙されたら痛い目にあう人も多いと思うので、図書館で借りることをオススメする。
特筆すべきは主役2人の男性キャラの関係がボーイズラブ好き女子を狙っているとしか思えないようだとしか思えないこと。朱雀十五シリーズの頃から何となくこの著者には倒錯的な美や同性愛的な人間関係を愛するところがある(慈恵と香蓮や柏木と律子のような普通の男女の恋愛を書くと色気のないものになるのは多分そのせい)ような気がしていたが、どうやら本当にそうだったらしい。 |
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ジュリアよりもロベルトの方が怖かった。平賀に自分を神の信徒だと信じてもらえることで自分の信仰心に自信が持てるなんて完全に依存じゃないか。平賀がいなくなったらどうする気なんだろう。平賀も平賀でパートナーがロベルトでないとまともに働けそうにないし(あんな気の利いたパートナーなんて女性でもいないと思う)、彼らの関係はボーイズラブというより男同士の共依存のように思える。なんでこんな奇妙で不健全な関係性が女性読者に人気なのかさっぱり分からない。
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歌舞伎を生業とする一族とその周辺で起こる殺人事件の話。朱雀はほとんど動かず出番も少なく柏木と馬場の話から事件を解決する。このシリーズ特有のおどろおどろしさや禍々しさが前6作よりも薄い。そのせいか読んでいてドキドキ感があまりなかった。
ストーリーよりもこの作品で特筆すべきはヒロイン律子の言動の酷さであろう。例を挙げるなら、 ・柏木に女友達との繁華街デートについてきてもらうために電話をする時の態度や言葉が人にものを頼むそれではない。 ・4作目、5作目で命知らずな行動をとり朱雀に怒られ続けてきたのにまたもやいかがわしいことに首を突っ込んだり突っ込もうとしたりする。(そのせいで柏木にやや引かれたり女友達にキレられたりしている) ・嫁ぎ先の不気味さに怖気付く女友達に結婚が嫌ならやめることもできる、と無責任なことを言う、(女友達=綾乃は普通の家の娘ではなく歌舞伎の家系の娘であり結婚相手が親戚なのでそんなことをしたらとんでもないことになるのだが…) また朱雀の美貌の表現は感をおうごとにすごくなっていくのに律子の容貌に対する表現はどんどん普通っぽくなっていき、6作目7作目ではかつて多くの男性を魅了したはずの美人だということがわかる描写がなくなっている。多分著者はあんまり律子に思い入れがないんだと思う。 というか7作品目まで来て主人公と敵キャラが一度しか顔を合わせていない上に敵キャラがほとんど姿を見せないってどうなんだ。20冊以上の長編になるんだろうか。 |
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律子がへなちょこ柏木に対して男性として好意を持っていることが明かされる話。
が、これまでの彼女の彼に対する行動(アベック喫茶にテレもしないで連れて行く、目の前でスカアト捲り上げて靴下留を直す)を振り返るとそうだったの?という感じしかない。 読んでるこっちが21世紀の人間だから律子のこうした行動も無邪気で可愛く見えないこともないが、朱雀シリーズは1930年代の話である。その頃の20〜23歳といえば今で言えば20代後半〜30代前半くらい。つまり恥じらいのなさが可愛いというよりもみっともないとか萎えるとか思われるような年齢なのだ。 柏木に他の女の名前をつぶやかれたくなかったらもう少し大人にならない無理だよ律子。ただでさえ4作目以降の律子は柏木の好みからハズれてるのに。(美佐の性格や雰囲気を考えると、柏木はマリコの寄る辺なさや憂いや不安げな所に惹かれたと思われるので律子は彼にとってソソる女性ではない) ▼以下、ネタバレ感想 |
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前半はとある瀬戸内海の孤島に伝わる儀式に参加するために単身島にやってきた律子の話で、朱雀は後半からしか登場しない。内容よりもまず律子の無謀な行動にボーゼンとした。
大概の読者は律子の行動をレビューで勇敢だとか活躍だとか表現しているがよく考えて欲しい。彼女は前作で朱雀から自分の命を軽んじるような考え方に対して死ぬほど怒られたのである。それを考えると異常を感じて鳴子様役を抜け出してきただけならまだしも、その後朱雀が島にたどり着くまで大人しくしていないというのはかなりおかしいのではないか。 また朱雀も東大生時代カンニングをさせてやったというだけで学友が署長を務める警察署を良いように使ったり、下手したら死ぬようなことを島の刑事にさせてニヤニヤしたりと「性格の悪いキャラ」という設定を差し引いてもそれはどうなんだということをするようになってしまった。 あとサアカスで鍛え抜かれた律子が白魚のような体をしている、という表現も気になった。てっきり進撃の巨人のミカサみたいな体をしてると思っていたのだが…というか軽業師の修行を13年間もやってきた女の体が筋肉質で古傷だらけじゃないっておかしくないか? |
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内容とは関係ないのだが、律子が沙々羅から送られたドレスを着ることができたのは何故なんだろう。
律子は初めて沙々羅を見た時彼女の方の華奢さやウエストの細さにめちゃくちゃ驚いていたし、また沙々羅と最初に会話をした時律子よりも沙々羅の方が背が低いことが明かされている。 つまり律子が沙々羅のドレスを着ようとしても肩やウエストがきつい上にウエストが絞ってある部分が肋骨に当たってしまうから着られないはずなのだ。ウエストはコルセット等でなんとかなっても肩幅やウエストの位置はどうにもならないだろうに。 沙々羅が身長の割に胴長で、肩幅の割に頭が大きいせいで肩が華奢に見えた、とかなら納得できるが。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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謎解きに関しては「これだけの大風呂敷をよくまとめ上げたな」と思う人もいれば「あまりに強引すぎる」「無理がある」と思う人もいそうな印象を受ける。
また主人公である朱雀十五のキャラ造形ー盲目の長髪の女性のような美青年、元検事の天才弁護士、典型的な悪人のふりをした良い人ーに関しても、「ツボすぎる」という人もいれば「キャラで読者を釣ろうとしている」「あざとい」と思う人もいそうな感じ。反則や強引さのあるミステリー小説が嫌いな人は読まない方が無難かもしれない。 でもハマる人はどハマりする気がする。要するに好き嫌いがかなり分かれそうな作品。 |
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前2作が昭和10年前後の浅草を舞台にした話であるのに対し、シリーズ3作目である本作は大正末期の奈良が舞台になっている。高校生の朱雀や朱雀の父親が登場する。
また本作は次作と前編後編になっており、話が途中で終わるので4作目と一緒に購入または借りることをオススメ。前2作でもそうだったが人物や建築物や美術品の美しさに対する描写がすごい。想像力が豊かで耽美なものが好きな人にはたまらないだろうが、「そんなもんにページを費やしてないでさっさと話を進めろ」と思う人も多分少なくないと思う。 沙々羅のことを14歳なのにもうすでに貴婦人としての風格がある、と表現する文章に違和感を感じた。この時代の女性は女学校を出ているのでなければ10代でお嫁入りするのが一般的だった。それを考えると14歳で立派なレディ、というのは特筆すべきことではないんじゃないかという気がする。 そういえば「ハーメルンに哭く笛」でも20歳のマリコのことを柏木が「女の子」とか「こんなに若いとは」と言っていた時にも「この時代の20歳って〝女の子〟でもないし驚くほど若い女でもないでしょ?」と思ったような。 |
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