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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数66件
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新本格世代を象徴するかのような、まさに「本格推理小説が帰って来た!」と言わしめる、コテコテの「いい意味で」古臭いミステリだと感じました。
この話、登場人物だけ欧米人にして舞台がクイーンやクリスティの時代の向こうという設定でも通じるんじゃないかって内容です(ワープロの部分はタイプライターで代用) 大学生の主人公達が旅行先で連続殺人事件に巻き込まれる、青春ストーリーが絡んだクローズドサークル、という大筋はデビュー作でもある前作の『月光ゲーム』と共通ですが、全体的に前作より洗練された出来になっていると思いました。 全編通してまさに「パズル」づくしの構成で、宝のありかを示したパズルの謎を解くために島に向かう所から始まり、犯人の行動もまさにパズル、ダイイングメッセージもパズル、そして当然ながら真犯人を導くロジックもパズルです。 また、孤島での連続殺人事件というミステリ定番の不穏な状況ながら、アリスとマリアの恋人未満の関係がなんとも甘酸っぱく、まさにこれは作者の有栖川氏の理想の大学生活だったんだなぁと思いましたね。 ……いや、いくらミステリマニアでも実際に殺人事件に巻き込まれるのは嫌か(笑) ▼以下、ネタバレ感想 |
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突如気絶させられ、孤島に取れてこられた八人の男女は、一人の刑事とかつてある殺人事件の証人となった七人。
彼らを島に連れて来たのは、その事件で有罪判決を受けた男の父親で、彼は「真実」を求め、証人たちに銃を向けながら事件の「再検証」を行いだす。 さまざまな思惑が交錯する中、過去の事件を再検証していくうちに新たな事実が判明していき、そして新たな殺人事件が勃発する…… という、武装した犯人による誘拐サスペンスかと思えば、法廷ミステリとして進行していき、さらにクローズドサークル連続殺人に発展するという息もつかせぬ展開の、40年経った今見ても斬新さを感じる話です。 西村京太郎氏というと、トラベルミステリーの大家で、列車のダイヤトリックなどを使った、正直似たような小説を何百冊も書いてる人……というイメージだったのですが、この時代はこんな意欲作も書いていたんだ、と驚きました。 登場人物たちの言動にやや違和感を覚える部分もありましたが、最初から最後まで面白い小説でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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衝撃的だった前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編となるシリーズ第二弾。
他の方のレビューを読むと「前作を読んだ方が楽しめる」的な感想がチラホラありますが、読んだ方が、というより前作は「先に読まなければダメ」でしょう。前作の結末やトリックのネタバレがバリバリあるし、そもそもこれ前作を先に読まないと冒頭50ページぐらいが理解不能じゃないですか? 何より前作を読んで、前作のキャラクターに理解と愛着があるからこそ意味がある作品ではないかと。 名前の割には一番クセの少ない読者目線キャラ。オールラウンダーな<頭狂人> 名前のとおり粗暴な振る舞いながら、ゲームに対する愛とプライドは誰より高い<ザンギャ君> そのザンギャ君と犬猿の中の、慇懃無礼な皮肉屋<aXe> とぼけた出題、回答が多くちょっと軽く見られがちな癒し系<伴道全教授> ほとんど喋らず美味しいところだけ持って行き、他メンバーから反感を買いながらもその推理力には一目置かれる<044APD> 前作に引き続き、推理ゲームを楽しむために殺人を行う、捕まれば極刑確実のクズどもなのになぜか憎めない個性的な面々のやり取りが面白いです。 二作目だけあり、内容はより洗練されていると思います。ただやはり一作目にこのアイディアに出逢ったときほどのインパクトはなかったですね。 結末は着地失敗といった感じだった前作より綺麗に終わっていると思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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スピンオフシリーズの第2弾。
前作に引き続きゲーム『ダンガンロンパシリーズ』の原典の予備知識は全く必要としませんが、前作は読んでいないと基本設定がよくわからない、前作のネタバレありなので、そっちを先に読んでください。 前作に引き続きライトな作風で読みやすいですが、事件のスケールは大幅にアップしていますね。 そして今作は前作に比べてデスゲーム要素が強くなり、雪のホテルに閉じ込められた招待客たちで、毎晩オークションを行い「探偵権≒犯人に殺されない権利」を落札するという特殊な状況設定がおもしろいです。 しかし、デスゲーム以前に紛れもない「本格」であり、密室トリックなど同作者の『アリス・ミラー城』を思い起こさせるのと同時に、デスゲームと本格ミステリの要素が見事に噛み合っている構成は米澤氏の『インシテミル』などに近いものがあると思いました。 いずれにせよクローズド・サークル好きにはたまらない作りとなっています。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ライブチャットで推理ゲームを楽しむメンバー達。
……しかしそれはメンバー達が実際に人を殺して行っている、まさにリアル推理ゲームで…… というまず発想からして惹きつけられずにはいられないアイディアの勝利と言える作品ですが、単に面白い発想というだけで終わらない、数々の趣向が凝らされた力作です。 恨みも罪もない人を自分達のゲームのために殺すメイン登場人物達はまさに「最低最悪」なのですが、なぜか憎めません。 しかし、倫理的にここを受け付けられないという人には辛いかもしれません。 自分はそういう所は割り切って、まるでメンバー達と一緒に参加しているように一緒に推理を楽しんだり、「もし自分がメンバーだったらどんな殺人にするかな~」などと考えてしまいました。 ……もちろん、実際にそんなことは絶対しないですけどね、念のため(汗) 連作短編のような形でメンバーごとにいろんな切り口の「出題」がなされる作風が面白かったです。 ある意味「作中作」の連続のような作品でしょうか? ▼以下、ネタバレ感想 |
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約50年前の作品ですが凄く読みやすく、本格好きの自分にとっては大変好みで面白かったです。
全体を通して一つ一つは小粒ながら非常に多くのトリックや謎解きロジックが盛り込まれていて、本格推理小説のお手本、教科書のような作品だと思いました。 舞台はクローズドサークルというわけではないのですが、作中の警察があまりに無能なので人が次から次へと殺されていって、実質クローズドサークル作品として楽しめました。折角のクローズドサークルシチュなのに、1,2人しか殺されない作品に見習って欲しいです(笑) 作中に出てくる20代の若者達は、現在生きていれば80歳過ぎのご年配になるのですが、作中で「最近の若者はみんな字が下手」などと言われているのになんか笑いました。 あと現在でもごく普通に使われている「不倫」という言葉が作中で逆に「古い言葉」と表現されていたのが興味深かったです。 こういう現代とのギャップを楽しむのも古い作品を読む際の醍醐味の一つですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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名家の莫大な遺産相続をめぐり、一癖も二癖もある「犬神家の一族」たちによる骨肉の争い……そしてやがて発生する連続見立て殺人……
金田一耕助シリーズの中でも最も有名な代表作の一つですね。 特に全頭マスクのスケキヨさんは、実際に読んだ事のない人でもみんな知っている強烈・有名なキャラクターで今作品の主役と言っても過言でもないでしょう。 横溝御代の作品は、戦争からの復員など終戦直後の日本の当時の雰囲気を良く知れる「いい意味で」時代を感じる作風ながら、現代の読者の鑑賞にも十二分に堪える面白さが同居していて本当に凄いと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズ以外はいまひとつパッとしない評価(失礼!)だった綾辻氏の新たな代表作となった作品ですね。
学園青春ホラーミステリと言うべきか「こんな作品も書けるんだ!」と綾辻氏の新たな可能性を教えて貰った作品です。 それと同時に従来の彼の作品の魅力である、現実と幻想の狭間をつくようなホラー、極めて読みやすい文章、終盤の大どんでん返し、が遺憾なく発揮され まさにこの作者の新境地にして真骨頂と言える作品になっていると思いました。 作中で「酒鬼薔薇聖斗事件」や「ノストラダムスの予言」が言及された時、主人公達と自分が同年代ということが判明して、親近感が沸きました。 その反面、自分も中高生ぐらいの年齢の時に読めていればさらに楽しめた作品だったような気もします。 実際、アニメ化したり、スニーカー文庫版も出たり、ティーン向きの読み物としても優秀な作品となっていますね。 この作品を機会に館シリーズなどを読む中高生が増えてくれたら嬉しいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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戦中の日本が部隊のスパイ養成機関を題材とした連作短編。
普段あまり読まない、興味を惹かれないジャンルなのですが非常に出来が良いと感じ、面白かったです。 収録された五編の短編はどれも違った切り口で、ハズレ無しと感じました。 ページ数はそれほど無く、実際2時間少々で読めたのですが、その内容の密度の濃さに大満足でした。 現実のスパイ事情や定石などわからないし、結城中佐やD機関のメンバーの超人っぷりには、作中でまさに言われてるとおり「現実にこんなヤツがいるわけないだろ」なんですが、それでも作中随所の台詞や説明に納得させられてしまう説得力がある作品でした。 しかし考えてみると日本は戦時中から今日にいたるまで、国家で「スパイ」という存在はとことん排除している国なんですね。 それより以前には「忍者」という世界的知名度を誇るスパイがいたのになぁ、なんてふと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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約2600ページと無茶苦茶長い作品ですが、それだけに最後の最後のあの真相にはカタルシスが沸きました。
それにしてもここまで長い必要あるのか?半分にしようと思えばできたでしょ。とも思わなくもなかったですが、ここまで来たら読みごたえも楽しむことにしました。 館シリーズはあくまで「館」が主役であり、人物の魅力や個性はさほど期待してないし求めていないというのが自分の正直な意見ですが、この作品に限っては文章量があるだけに、濃密な人物描写のもと個性的な登場人物が数多く登場して、金田一耕助シリーズのような、これまでの同シリーズにはない魅力も感じました。 いずれにせよ、この作品を十分に堪能するにはこれより以前の同シリーズは必読です(人形館だけは飛ばしてもいいか…) ▼以下、ネタバレ感想 |
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ポワロ最後の事件の舞台は奇しくも親友ヘイスティングスと出会ったシリーズ第一作「スタイルズ荘」が舞台です。
それだけでシリーズを追っかけてきたファンは感無量となるもので、リアルタイムでポワロシリーズを追っかけていた当時のファンが羨ましくなりました。 しかし、この話は決して集大成としての大団円という話ではなく、歳老いて目も手足も弱りきり、心臓病で死の淵に瀕し、それでも灰色の脳細胞だけはいまだ衰えないポワロのまさに人生最期の物語です。 過去のポワロの事件を読んでいなければ困るというわけではありませんが、「スタイルズ荘の怪事件」初め、「アクロイド殺し」「ABC殺人事件」「オリエント急行」あたりのポワロシリーズのメインどころだけでも読んでからこれを読むのをおすすめします。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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