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マリオネットK さんのレビュー一覧

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レビュー数66

全66件 41~60 3/4ページ

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No.26: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

初心者に優しいミステリ……かな?

外界から閉ざされた雪の山荘で起こる連続殺人という典型的なクローズドサークル物です。

ミステリのお決まりをなぞるような定番の舞台に定番の殺人事件。
文章は読みやすく、読者が複雑に考えすぎないための作者からのガイドらしきものが随所に示され、初心者にも優しいミステリ……ですかね?

あまり関係ないですが、携帯電話を持っている人と持っていない人がいたり、ブラウン管のテレビが古いと言われつつも現役だったりとか、なまじこれぐらいの中途半端に最近の作品が読んでて一番時代を感じてしまいますね。

▼以下、ネタバレ感想
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新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
倉知淳星降り山荘の殺人 についてのレビュー
No.25: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

これぞまさに「パズラー」

新本格世代を象徴するかのような、まさに「本格推理小説が帰って来た!」と言わしめる、コテコテの「いい意味で」古臭いミステリだと感じました。
この話、登場人物だけ欧米人にして舞台がクイーンやクリスティの時代の向こうという設定でも通じるんじゃないかって内容です(ワープロの部分はタイプライターで代用)

大学生の主人公達が旅行先で連続殺人事件に巻き込まれる、青春ストーリーが絡んだクローズドサークル、という大筋はデビュー作でもある前作の『月光ゲーム』と共通ですが、全体的に前作より洗練された出来になっていると思いました。
全編通してまさに「パズル」づくしの構成で、宝のありかを示したパズルの謎を解くために島に向かう所から始まり、犯人の行動もまさにパズル、ダイイングメッセージもパズル、そして当然ながら真犯人を導くロジックもパズルです。

また、孤島での連続殺人事件というミステリ定番の不穏な状況ながら、アリスとマリアの恋人未満の関係がなんとも甘酸っぱく、まさにこれは作者の有栖川氏の理想の大学生活だったんだなぁと思いましたね。
……いや、いくらミステリマニアでも実際に殺人事件に巻き込まれるのは嫌か(笑)


▼以下、ネタバレ感想
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孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
有栖川有栖孤島パズル についてのレビュー
No.24: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

法廷ミステリ×孤島の連続殺人

突如気絶させられ、孤島に取れてこられた八人の男女は、一人の刑事とかつてある殺人事件の証人となった七人。
彼らを島に連れて来たのは、その事件で有罪判決を受けた男の父親で、彼は「真実」を求め、証人たちに銃を向けながら事件の「再検証」を行いだす。
さまざまな思惑が交錯する中、過去の事件を再検証していくうちに新たな事実が判明していき、そして新たな殺人事件が勃発する……

という、武装した犯人による誘拐サスペンスかと思えば、法廷ミステリとして進行していき、さらにクローズドサークル連続殺人に発展するという息もつかせぬ展開の、40年経った今見ても斬新さを感じる話です。

西村京太郎氏というと、トラベルミステリーの大家で、列車のダイヤトリックなどを使った、正直似たような小説を何百冊も書いてる人……というイメージだったのですが、この時代はこんな意欲作も書いていたんだ、と驚きました。
登場人物たちの言動にやや違和感を覚える部分もありましたが、最初から最後まで面白い小説でした。

▼以下、ネタバレ感想
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七人の証人 新装版 (講談社文庫)
西村京太郎七人の証人 についてのレビュー
No.23: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

前作は絶対先に読むべき

衝撃的だった前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編となるシリーズ第二弾。
他の方のレビューを読むと「前作を読んだ方が楽しめる」的な感想がチラホラありますが、読んだ方が、というより前作は「先に読まなければダメ」でしょう。前作の結末やトリックのネタバレがバリバリあるし、そもそもこれ前作を先に読まないと冒頭50ページぐらいが理解不能じゃないですか?
何より前作を読んで、前作のキャラクターに理解と愛着があるからこそ意味がある作品ではないかと。

名前の割には一番クセの少ない読者目線キャラ。オールラウンダーな<頭狂人>
名前のとおり粗暴な振る舞いながら、ゲームに対する愛とプライドは誰より高い<ザンギャ君>
そのザンギャ君と犬猿の中の、慇懃無礼な皮肉屋<aXe>
とぼけた出題、回答が多くちょっと軽く見られがちな癒し系<伴道全教授>
ほとんど喋らず美味しいところだけ持って行き、他メンバーから反感を買いながらもその推理力には一目置かれる<044APD>

前作に引き続き、推理ゲームを楽しむために殺人を行う、捕まれば極刑確実のクズどもなのになぜか憎めない個性的な面々のやり取りが面白いです。

二作目だけあり、内容はより洗練されていると思います。ただやはり一作目にこのアイディアに出逢ったときほどのインパクトはなかったですね。
結末は着地失敗といった感じだった前作より綺麗に終わっていると思います。







▼以下、ネタバレ感想
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密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)
歌野晶午密室殺人ゲーム2.0 についてのレビュー
No.22: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

本格×デスゲーム

スピンオフシリーズの第2弾。
前作に引き続きゲーム『ダンガンロンパシリーズ』の原典の予備知識は全く必要としませんが、前作は読んでいないと基本設定がよくわからない、前作のネタバレありなので、そっちを先に読んでください。

前作に引き続きライトな作風で読みやすいですが、事件のスケールは大幅にアップしていますね。

そして今作は前作に比べてデスゲーム要素が強くなり、雪のホテルに閉じ込められた招待客たちで、毎晩オークションを行い「探偵権≒犯人に殺されない権利」を落札するという特殊な状況設定がおもしろいです。
しかし、デスゲーム以前に紛れもない「本格」であり、密室トリックなど同作者の『アリス・ミラー城』を思い起こさせるのと同時に、デスゲームと本格ミステリの要素が見事に噛み合っている構成は米澤氏の『インシテミル』などに近いものがあると思いました。

いずれにせよクローズド・サークル好きにはたまらない作りとなっています。


▼以下、ネタバレ感想
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ダンガンロンパ霧切 2 (星海社FICTIONS)
北山猛邦ダンガンロンパ霧切 2 についてのレビュー
No.21: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

自分も推理ゲームに参加しているような面白さがありました

ライブチャットで推理ゲームを楽しむメンバー達。
……しかしそれはメンバー達が実際に人を殺して行っている、まさにリアル推理ゲームで……

というまず発想からして惹きつけられずにはいられないアイディアの勝利と言える作品ですが、単に面白い発想というだけで終わらない、数々の趣向が凝らされた力作です。

恨みも罪もない人を自分達のゲームのために殺すメイン登場人物達はまさに「最低最悪」なのですが、なぜか憎めません。
しかし、倫理的にここを受け付けられないという人には辛いかもしれません。
自分はそういう所は割り切って、まるでメンバー達と一緒に参加しているように一緒に推理を楽しんだり、「もし自分がメンバーだったらどんな殺人にするかな~」などと考えてしまいました。
……もちろん、実際にそんなことは絶対しないですけどね、念のため(汗)

連作短編のような形でメンバーごとにいろんな切り口の「出題」がなされる作風が面白かったです。
ある意味「作中作」の連続のような作品でしょうか?


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密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)
歌野晶午密室殺人ゲーム王手飛車取り についてのレビュー
No.20: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

本格のお手本のような作品ですね

約50年前の作品ですが凄く読みやすく、本格好きの自分にとっては大変好みで面白かったです。
全体を通して一つ一つは小粒ながら非常に多くのトリックや謎解きロジックが盛り込まれていて、本格推理小説のお手本、教科書のような作品だと思いました。

舞台はクローズドサークルというわけではないのですが、作中の警察があまりに無能なので人が次から次へと殺されていって、実質クローズドサークル作品として楽しめました。折角のクローズドサークルシチュなのに、1,2人しか殺されない作品に見習って欲しいです(笑)

作中に出てくる20代の若者達は、現在生きていれば80歳過ぎのご年配になるのですが、作中で「最近の若者はみんな字が下手」などと言われているのになんか笑いました。
あと現在でもごく普通に使われている「不倫」という言葉が作中で逆に「古い言葉」と表現されていたのが興味深かったです。
こういう現代とのギャップを楽しむのも古い作品を読む際の醍醐味の一つですね。


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リラ荘殺人事件 (角川文庫)
鮎川哲也りら荘事件 についてのレビュー
No.19: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

途中で真相に気づく読者と気づかない読者どちらが幸せ?

犯人の被害者女性への死姦描写に加えて、乳房や性器の抉り取る描写が入念に書かれ、かなりエログロ度が高いですね。
これさえなければ、300ページちょっとの手ごろな分量、読みやすい文章、インパクト大ながらシンプルな真相と、『十角館の殺人』並みに初心者・万人にオススメできるミステリだと思うのですけれど。





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新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子武丸殺戮にいたる病 についてのレビュー
No.18: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

時代を感じると同時に現代でも通じる作品

名家の莫大な遺産相続をめぐり、一癖も二癖もある「犬神家の一族」たちによる骨肉の争い……そしてやがて発生する連続見立て殺人……

金田一耕助シリーズの中でも最も有名な代表作の一つですね。
特に全頭マスクのスケキヨさんは、実際に読んだ事のない人でもみんな知っている強烈・有名なキャラクターで今作品の主役と言っても過言でもないでしょう。

横溝御代の作品は、戦争からの復員など終戦直後の日本の当時の雰囲気を良く知れる「いい意味で」時代を感じる作風ながら、現代の読者の鑑賞にも十二分に堪える面白さが同居していて本当に凄いと思います。





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犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史犬神家の一族 についてのレビュー
No.17: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ハリウッド映画化とかを期待したくなりました

「人格が入れ替わってしまう!」というSFチックな設定の中で起こる連続殺人事件。
現実感は0ですが、それを受け入れればエンターテイメントとしても、単純にミステリとしても一流の作品だったと思います。
入れ替わりが当初の予想より遥かに頻繁に起きたためややこしいことこの上ないけれど、それは作品の欠点ではなく最初から意図されたものでしょう。



▼以下、ネタバレ感想
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人格転移の殺人 (講談社文庫)
西澤保彦人格転移の殺人 についてのレビュー
No.16: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

綾辻氏の新境地にして真骨頂!

館シリーズ以外はいまひとつパッとしない評価(失礼!)だった綾辻氏の新たな代表作となった作品ですね。

学園青春ホラーミステリと言うべきか「こんな作品も書けるんだ!」と綾辻氏の新たな可能性を教えて貰った作品です。
それと同時に従来の彼の作品の魅力である、現実と幻想の狭間をつくようなホラー、極めて読みやすい文章、終盤の大どんでん返し、が遺憾なく発揮され
まさにこの作者の新境地にして真骨頂と言える作品になっていると思いました。

作中で「酒鬼薔薇聖斗事件」や「ノストラダムスの予言」が言及された時、主人公達と自分が同年代ということが判明して、親近感が沸きました。
その反面、自分も中高生ぐらいの年齢の時に読めていればさらに楽しめた作品だったような気もします。
実際、アニメ化したり、スニーカー文庫版も出たり、ティーン向きの読み物としても優秀な作品となっていますね。
この作品を機会に館シリーズなどを読む中高生が増えてくれたら嬉しいと思いました。



▼以下、ネタバレ感想
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Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.15:
(8pt)

非常に高水準・高密度の連作短編

戦中の日本が部隊のスパイ養成機関を題材とした連作短編。
普段あまり読まない、興味を惹かれないジャンルなのですが非常に出来が良いと感じ、面白かったです。
収録された五編の短編はどれも違った切り口で、ハズレ無しと感じました。
ページ数はそれほど無く、実際2時間少々で読めたのですが、その内容の密度の濃さに大満足でした。

現実のスパイ事情や定石などわからないし、結城中佐やD機関のメンバーの超人っぷりには、作中でまさに言われてるとおり「現実にこんなヤツがいるわけないだろ」なんですが、それでも作中随所の台詞や説明に納得させられてしまう説得力がある作品でした。

しかし考えてみると日本は戦時中から今日にいたるまで、国家で「スパイ」という存在はとことん排除している国なんですね。
それより以前には「忍者」という世界的知名度を誇るスパイがいたのになぁ、なんてふと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
柳広司ジョーカー・ゲーム についてのレビュー
No.14:
(8pt)

確かにこれは「読者が犯人」

「読者が犯人!」という究極のトリックをテーマにした作品。
ハードルが最初から上がりすぎているためか、この結末を認められないという人も多いでしょうが、私はこの作品を読み終え、これは確かに「読者(自分が)犯人だ!」と思いました。

私は最初から「どうせガッカリさせられるんだろうな~、まぁ一応最後まで読むか」みたいなひねくれた読み方をしたので、逆に素直に認められたのかもしれません。

▼以下、ネタバレ感想
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ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)

No.13:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.13:
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (4件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

2度、3度と読み返して楽しめる作品

クローズドサークル&推理合戦&ホラーテイスト&叙述トリック
私の好みの要素が揃っており満足の一作でした。

2度、3度と読み返して楽しめる作品だと思いました。


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螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.12: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

時代を超えた名作

推理小説の一つのお決まりパターンを作った名作ですね。
ミステリ初心者がとりあえず読んでおくべき作品の一つだと思います。

日本でかの酒鬼薔薇事件が起きた時、犯人の声明文を見てこの作品を連想してしまいました。



▼以下、ネタバレ感想
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ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティABC殺人事件 についてのレビュー
No.11: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

やはりこのトリックは凄い

子供の頃よく読んでいた三毛猫ホームズシリーズを20年ぶりぐらいに再読しました。
やはりこの密室トリックは凄いですね。
これ以降の同シリーズではあまりトリックらしいトリックは用いられなくなってしまったのが残念です。

複数の事件が同時進行する構成ながら非常に読みやすく、わかりやすく、そして短く纏めてしまえるのが赤川次郎さんの凄いところだと常々思います。

▼以下、ネタバレ感想
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三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 (5680))
赤川次郎三毛猫ホームズの推理 についてのレビュー
No.10: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魍魎とはまさに人のことか

まず厚さに、これこそ本というより「箱」みたいだよ!と思ってしまいましたが、相変わらず読んでみると読みやすくて面白くて苦にならない。
ゆっくり一日かけて読みました。

怪しげな雰囲気が漂いながら、超常現象を扱うわけではなく、洗練された人間の技術と心理の物語です。
本格ミステリに分類はされますが、謎解きや推理よりもあくまでストーリーに浸って読むべき作品という印象を受けました。

▼以下、ネタバレ感想
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魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)
京極夏彦魍魎の匣 についてのレビュー
No.9:
(8pt)

偉大すぎる作品

言わずと知られた史上初の探偵小説ですね
卓越した推理能力と非常識さを兼ね備えた探偵と凡人を代表する相棒。
一見不可能な犯罪と意外な犯人。
現在の推理小説のテンプレがここにすでに完成しています。

私は最初これを小学生の時に子供向けの児童書で読みましたが、その真相に衝撃を受けました。
大人になってから改めて新潮文庫版を読みましたが、冒頭によくわからない薀蓄が増えているだけだったので児童書版で十分な気がしました。


▼以下、ネタバレ感想
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モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)
エドガー・アラン・ポーモルグ街の殺人 についてのレビュー
No.8: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

館シリーズファンのための集大成的作品

約2600ページと無茶苦茶長い作品ですが、それだけに最後の最後のあの真相にはカタルシスが沸きました。
それにしてもここまで長い必要あるのか?半分にしようと思えばできたでしょ。とも思わなくもなかったですが、ここまで来たら読みごたえも楽しむことにしました。

館シリーズはあくまで「館」が主役であり、人物の魅力や個性はさほど期待してないし求めていないというのが自分の正直な意見ですが、この作品に限っては文章量があるだけに、濃密な人物描写のもと個性的な登場人物が数多く登場して、金田一耕助シリーズのような、これまでの同シリーズにはない魅力も感じました。

いずれにせよ、この作品を十分に堪能するにはこれより以前の同シリーズは必読です(人形館だけは飛ばしてもいいか…)



▼以下、ネタバレ感想
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暗黒館の殺人〈1〉 (講談社文庫)
綾辻行人暗黒館の殺人 についてのレビュー
No.7:
(8pt)

エルキュール・ポワロ最後の事件

ポワロ最後の事件の舞台は奇しくも親友ヘイスティングスと出会ったシリーズ第一作「スタイルズ荘」が舞台です。
それだけでシリーズを追っかけてきたファンは感無量となるもので、リアルタイムでポワロシリーズを追っかけていた当時のファンが羨ましくなりました。

しかし、この話は決して集大成としての大団円という話ではなく、歳老いて目も手足も弱りきり、心臓病で死の淵に瀕し、それでも灰色の脳細胞だけはいまだ衰えないポワロのまさに人生最期の物語です。

過去のポワロの事件を読んでいなければ困るというわけではありませんが、「スタイルズ荘の怪事件」初め、「アクロイド殺し」「ABC殺人事件」「オリエント急行」あたりのポワロシリーズのメインどころだけでも読んでからこれを読むのをおすすめします。

▼以下、ネタバレ感想
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カーテン(クリスティー文庫)
アガサ・クリスティカーテン についてのレビュー