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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数22件
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微かな手がかりを辿って刑事が執念の個人捜査で殺人事件の真相を追っていく……というミステリの定番パターンを扱った作品。
もう約60年前の作品となりますが文章は綺麗で読みやすいです。 途中までこの作品を読んでいた時の感想は、良くも悪くも優等生的な教科書に載るような話と感じていました。 なので「完成度は高いと思うけれど、単純にあまり面白くない」とでもコメントすることになりそうだなぁ、と思いながら読んでいたのですが、終盤で悪い意味でいろいろツッコみたくなるような展開、真相の連続で、終わって見れば完成度も高いと思わなければ、無駄に長くて退屈な作品としか思えませんでした。 ミステリとしては個人的には駄作と言いたいですが、それ以外の部分で面白いと感じたのが、作中に登場する既存の芸術の形態・格式に真っ向から対立する若い芸術家団体”ヌーボー・グループ”のメンバーが今生きていればもう80代のおじいさんたちにあたる年代だということ。 結局何時の時代も、若者たちは上の世代に反発し新しい風を吹かせようとして、そして自分たちが軽蔑していたような年寄りになっていくんだなぁ、と思ってしまいました。 その対比なのかはわかりませんが、ベテラン刑事の今西と若い刑事の吉村のコンビは大きく世代が離れていながら、常にお互いに対する敬意を持った二人であり、本当に器の大きい優れた人間とは、自分と異なる世代に対するリスペクトを持てるものなのだと感じる所がありました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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タイトルのとおり将棋が題材のミステリです。正確には”詰め”将棋です。
前作の『囲碁殺人事件』は正直ミステリとしても単純にストーリー部分だけ見ても大して出来がいいとも面白いとも思えませんでしたが、それでも”囲碁”という変わった題材を使った独創性は評価できる作品でした。 それに対してこちらは、元々”将棋”を題材にしたミステリは他にも多数存在し、そこまで独創的でないことに加え、前作と違い将棋を絡めた必然性からしてよくわかりませんでした。 将棋よりも二体の遺体が埋められた都市伝説の追求の方が謎のメインに添えられており、テーマがブレブレに感じましたし、それに加えそもそもなぜ主人公たちが必死に都市伝説の謎を追うのかが理解できず、全くストーリーに入り込めませんでした。 また、相変わらず主人公の天才だけれど無邪気な可愛い少年という記号的なキャラ付けが不自然で、前作以上にハナにつきました。 真相も納得いかないもので、正直読むだけ時間の無駄だったと感じた作品です。それほど長くなかったのだけが救いです。 将棋のうんちく部分だけは将棋好きなので少しだけ面白かったですが、それは将棋自体の魅力であり、別にこの作品や作者の魅力というわけではないですね。 |
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表紙やタイトルから山岳小説でもあるミステリなのかと思いましたが、内容の8割ぐらいがとにかく警察内でひたすらゴタゴタグダグダするだけの話です。
その警察内のやりとりが面白いという人にとっては面白い作品なのでしょうが、自分には全く合いませんでした。 とにかく話が進まない。そもそも話の先が全く気にならない。 非常に退屈で何度も読むのを止めようと思いましたが、そのうち面白くなるかもしれないという期待と意地でなんとか四日ぐらいかけて読みました。 しかし結局いつまで経っても警察がグダグダする話が延々と続いて、ラスト100ページぐらいでようやく話が動いたと思ったら唐突に終わってしまい、正直山なしオチなしだったという感想です。 特に謎解き要素やどんでん返しもなく、犯罪が絡んでいるというだけで「そもそもこれミステリーか?」と思いました。 最初の100ページを読んで面白いと感じない人にとってはいつまで経っても面白くならない話だと思うので、もうそこで読むのをやめることをおすすめします。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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『虚無への供物』『ドグラ・マグラ』と並んで国内三大奇書に数えられる今作。
読む前から予備知識として凄く読みにくい作品ということは知っておりましたが、実際前評判に違わぬ読みにくさでした。 とにかく全編にわたって、話の本筋とは関係ない無駄な衒学趣味のオンパレード。 それも最初からそれについて知っている読者だけを対象として、それ以外の読み手に興味を抱かせたり、理解を促すような意図は全く見られず、単に知識を羅列してるだけにしか見えません。 作者の自己満足に延々付き合わされるのが苦痛なのに加え、話の本筋そのものがよくわからなくなります。 約500ページに及ぶ長編ですが、この無駄な脱線をしてなきゃ100ページぐらいで終わるんじゃないか?と感じてしまいました。 この作者と趣味が合致していて、作中に登場するそれらの内容の2~3割でも判れば楽しめるのかもしれませんが、90%以上の読者にとってはただの読みにくくてつまらない作品だと思います。 はっきり言って読み手のことを全く考えず、小説の体を崩壊させている駄作という感想ですね。 純粋にミステリ部分だけ読んでも、『MMR』みたいな謎理論で全く納得できない暗号解読や、無駄な駆け引きを散々した挙句、次々殺人を許している探偵などツッコミ所だらけです。 先見性や独創性という面で見ても、他の奇書2冊と比べれば、正直これは単にヴァン・ダインの真似をして、悪い部分でそれを超えてしまった作品にしか思えません。 作者の知識量にだけは敬服する、みたいな意見が多いですが、個人的にはそれすら疑問です。 知識というものは適切な場所で活かすことで意味があるのであって、全然関係ない場所でただ「自分はこんなこと知っている」とひけらかすことに、本人の自己満足以外の何の意味があるんですかね? アイドルに詳しい人間が、他人には興味のないオタクトークを延々繰り拡げるのと何が違うんでしょう(アイドルトークもわかる人にだけは面白いという点も同じこと) 本当に知識のある人、頭のいい人なら他者の知的好奇心も刺激する形で知識を活用、披露して欲しいですね。 |
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『煙か土か食い物』のスピンオフ的作品。
上記作で探偵役として登場したものの、突然退場してしまったルンババの中学生時代が描かれています。 この作品も『煙か土~』で見られた個性的な文章と世界観が拡がっている、ミステリというよりは「もはやそういう独自のジャンル」と言うべき作品ですが、個人的には一部作風についていけない所もあったものの、見るべき所も多かった『煙か土~』に対してこっちは正直ただのよくわからん作品という感想です。 あっちの作品でよくわからないまま退場したルンババの話とかぶっちゃけ特に興味がわかず、それだったら、奈津川兄弟の誰かのスピンオフの方がよっぽど読みたかったです。 結局私にとっては『煙か土~』は、アウトサイダーでありながらもハイスペックで、優秀な医者で女にはモテる上に喧嘩をすればほぼ負け知らずな奈津川四郎と、そんな彼と同等以上のスペックを持つ彼の兄たちの暴れっぷりが痛快で面白かったんですが、今作の主人公は普通の中学生たちなので、暴れるにしてもたかがしれていて、むしろ周囲に振り回されてる感があるため、前作にあった魅力が感じられなかったのが個人的に合わなかった理由かなと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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私の好きな作家の一人、三津田信三氏のデビュー作ということで期待したのですが、いろんな意味でこれは私にはダメでした。
まず衒学趣味ですらない単なる作者の趣味の垂れ流しが酷いです。 ミステリについては、自分も好きな題材であることに加え、乱歩のくだりですとか中身のある内容を語ってるからいいのですが、ホラー映画についてはマイナー作品も含めた単なる自分の好きな作品の垂れ流しのような駄文についていけません。まさに「辟易」します。 そして中身に関しては、ホラー:ミステリの割合が8:2ぐらいでホラー寄りの作風なんですが、肝心のホラー作品として全然怖くなかったです(表紙は怖いですけど) 何故怖くないかというと、作中作となる主人公の作者の書いている同人世界にしろ、作者自身の身の回りパートにしろ、はっきり何を怖がればいいのかわからないからです。 確かにホラーには「そもそも何故怖いのかわからないゆえの怖さ」や「怖がる対象について本当に何もわからない故の怖さ」ってのはあると思いますし、それを狙っているのかもしれないのですが、最低限恐怖の対象へのイメージや説明がないと読者としては怖がりようがないです。 あと結局説明不足のまま終わってる部分が多すぎます。 ホラーなんだから、別に理屈で説明がつかなくてもいいですよ、あえて謎として残っててもいいですよ、でもこの作品の場合あまりにも放置された謎の数が多く、また単純に「物語」としてそこを放置したらオチてないだろ。って部分まで投げっぱなしにされていて不満です。 もしこの作品を最初に読んでいたら「この作者の話は二度と読まねー」となっていたでしょうから、その後『刀城言耶シリーズ 』で化けてくれて、そして私はそちらから読むことが出来て幸いだったと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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あらゆるところでボロクソに言われている作品。ここまで評判が悪いと怖いもの見たさで逆に読んでしまいたくなりました。
そして読んでみての感想ですが、読むに耐えず途中で放り出すのを覚悟(期待)してたのですが、確かに内容はツッコミどころ満載で稚拙極まりないストーリーだったものの、アイディアそのものは面白いし、娯楽作品だと割り切ってしまえばそれなりに読めてしまいました。 私の読んだのは「改訂版」で、最初に出版されたものはそれこそ文章が文章の体をなしてないレベルに酷かったらしいので、怖いもの見たさで読むならそちらを入手するべきだったのかもしれません。 とりあえずツッコミたいのは ・冒頭で「佐藤を改名させればいいだろ……」と読者の9割以上が思ったでしょうね ・西暦3000年で科学が発達した独裁王国という設定なのに、実際に描かれる世界観は現代日本そのものという謎ワールド ・海外逃亡か、そうじゃなくても山奥とかに逃げれば見つからないんじゃ……なんでみんなわざわざ街中にいるのよ 個人的に、この出来で少しでも作者のナルシシズムや「賢ぶろう」とする態度が透けて見えてきたら許せなくなるんですが、この作品の場合最初からとことんB級ですらない、C級娯楽作品だと割り切って書かれてる感があったので、不快にも感じず、そういう楽しみ方をするものとして読めました。 いずれにせよここまで悪評が広まってしまったのは「何かの間違い」で下手に大ヒットしてしまったからでしょうね。 というわけで私は言われてるほど酷いとは思わなかったので平均点を大幅に上回る点をつけます(それでも3点だけど) ▼以下、ネタバレ感想 |
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新装改訂版を入手したので20年ぶりぐらいに読みました。
前読んだ時は細かい部分は忘れましたが、とにかくつまらなくて納得いかなかったのは覚えていました。 シリーズの中でもとりわけ異色作扱いの一作ですが、改めて読み直しても個人的にはただひたすら「駄作」としか思えない一作です。 この真相はもはやアンフェアとか納得行くかどうか以前の問題、「考えるだけ無駄」レベルと感じました。 単純にストーリーだけ見ても、全く好感を持てない、ひたすら陰気な男の陰気な話が続くだけで全く面白く思えませんでしたし、このシリーズの主役である「館」にも今作は全く魅力を感じませんでした。 肝心の「人形」の意味も殆ど感じられません。 『占星術殺人事件』と世界がリンクする(無駄な)遊び心なども盛り込まれていますが、こんな駄作でそれをやられても、『館シリーズ』と『御手洗潔シリーズ』双方の世界が汚されただけに感じて正直不快でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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あらすじの時点で敬遠してずっと読んでいなかった作品ですが、評価が高いのでいつか読もうとはずっと思っており、このたびようやく読みました。
……しかし自分の予想していた通りのやっぱり苦手な内容で終始嫌な気分で読むことになりました。 話の展開はスピーディで、物語の起伏も大きく面白いと言えば面白いのですが、それがことごとく私にとっては読んでて暗くなったり腹立たしくなるような場面の連続でした。 自分は最初から所謂「イヤミス」と呼ばれるような暗い話や後味の悪い話はそんな嫌いじゃないのですが、どうもこういう真面目に重い話は苦手です。 そういう好みは抜きにして純粋にミステリとして評価するとどうかと言うと、出来が悪いとは思いませんが、あまりにも主人公の周囲の人間が誰も彼も過去に少年犯罪に関わっていた……という展開に、伏線が張られているとかどんでん返しというよりは、無理がありすぎると感じてしまいました。これがもっと純粋にミステリ性、エンターテイメント性を追求しているような作品だったら「現実では起こりえないことを書くのが創作」「面白ければ細かいことはいいんだよ」と割り切れるのですが、こういう重い題材を扱った社会派でそれをやられると、話の説得力が失われると感じます。 まぁ、終始暗い気分で読んだ私のような読者にとっては「所詮これは作り話」と思うことができてある意味良かったのかもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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所謂「三大奇書」の一冊に数えられ、読むと精神に異常をきたすとも言われる今作。
確かに読んでいる途中で気が狂いそうになりました。読むのが苦痛すぎて。 正直凡人の私には殆ど内容の意味がわかりませんでした。 恥ずかしながら何度も投げたくなったのを、意地と義務感でなんとか最後まで読んだ形です。 とにかく読みにくい。 その読みにくさは、文章そのものが読みにくいというより、話の流れと全体像が掴めない故の読みにくさです。 文字を追っていき、その場その場の言葉の意味は理解できても、物語の内容がよく理解できずに何度も前のページに戻ったりしながら読みました。 作中の主人公同様、自分の居場所を見失うような錯覚すら覚えるほどです。 同じく三大奇書に数えられる『虚無への供物』が、現在では良くも悪くも普通のミステリになっているのに対し、この作品は良くも悪くも、現代でも(おそらく50年後も)唯一無二の空気を放っていると思います。 少なくとも自分は全く楽しめなかったということに加え、これほど尖った作品を中途半端にわかった気になったり良かった探しをして、中途半端な点数を付ける方が失礼にあたる気がしたので1ポイントにしました。 これはこの作品を評価した結果と言うより、10%程度しか理解することができなかった、私の理解度を示していると言うべきでしょうか。 もし100%この物語を理解出来たならば、その時は10ポイントをつけることになるのかもしれません。 |
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タイトルから想像できる通り密室トリックで有名な古典ですね。
二人の探偵による推理対決、という要素も当時としては前衛的だったのではないでしょうか。 しかし、100年以上前の作品ということで、今読んだら読みにくい、つまらないを覚悟し、トリックもあくまで「当時としては」画期的だったんだろうとあまり期待はせずに読みました。 案の定今読むと正直退屈で、国産ミステリを読むのに比べ、同じページ数で2,3倍時間がかかった気がします。 翻訳が悪い……という感じはあまりしませんでした。むしろ頑張っていたんじゃないかと。 どうも探偵役のルールタビーユが好きになれませんでした。 というか作者がわざと反感買うようなキャラにしてませんか?と言いたくなる言動に感じました。 結局タイトルの「黄色」の意味も特にないのも肩透かしでした。 総合して「100年前なら名作だった」加えて「それ抜きにしても自分好みでなかった」という感想です。 続編もあるようですが、それは正直パスですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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綾辻氏の『館シリーズ』に代表されるような、奇妙な建物で行われる連続殺人という、自分の大好きなジャンルなので期待しましたが正直この作品はあらゆる面で微妙でした。
まず文章が稚拙で読みにくいです。 特にわざわざそこまで書かなくていいような所も1から10まで説明するようなクドい書き方が気になります。 あと、おそらく森 博嗣氏などの影響を受けて、衒学趣味的なことをやろうとしているのですが、肝心の作者の知識、見識が全く追いついていないため、子供が賢く見せようと精一杯背伸びしているみたいで痛々しいです。 キャラクターもやたら「天才」を出すのはいいのですが、描写に説得力がなく、全く天才に見えません。 「ピカソより凄い」とかもはや小学生が考えたような設定だな……と思ってしまいました。 トリックも派手ではあるんですが、いずれも過去にどこかで見たものの焼き直しでしかありませんね。 総じて見てこの作品には、作者独自のオリジナリティとかアイディアはほぼ見られず、はっきり言って既存の作品のパクリ、劣化版の寄せ集めとしか思えませんでした。 滅茶苦茶辛口な評価になりましたが、デビュー作ですし、奇妙な建物での殺人事件という題材でシリーズが続くのでしたら、それ自体は大好物なので、今後の作品で化けてくれるのを期待したいです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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『密室殺人ゲームシリーズ』の第三弾ですが、率直に言って傑作だった前二作に泥を塗るような駄作という感想です
まずボリュームが前二作の半分程度なのは、番外編だから目をつぶるにしても、内容そのものが著しくクオリティが落ちているのは番外編というのは言い訳になっていません。 前作までは、むしろ長編のメイントリック、プロットにしてもいいぐらいの内容を惜しげもなく盛り込んでいたのに対し、今作はどれも「没ネタにしてもひどい」とい言いたくなるようなトリックやプロットばかりです。 大オチだけは及第点でしたが、やはり短編レベルかと。 正式なシリーズ三作目があるなら期待したい所ですが、今日に至るまで続編はないということは、残念ながらこのシリーズはもうネタ切れで、今作は出がらしにすぎなかったのかなと言わざるを得ないですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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まずこの小説は自分の好きな所謂本格ではなく、タイトルどおり女には向かない3Kな仕事である探偵業という世界に、身体も心もいたいけなうら若い女性が健気にも飛び込んでいく姿を描いた物語ですね。
推理要素に重点を置いて読もうとするのはまず間違いでした。 それならそれで、理屈ではなく感情でストーリーに入りこみたいわけですが、この本はとにかく文章が機械的でかつ長々と回りくどく、中々展開が進まなくて読んでいて退屈の極みでした。これに関しては翻訳にも問題があるかもしれないし、何より原書で読めるほどの語学力がない私が悪いのかもしれませんがね。 主役であるコーデリアに愛着を持てればよかったのかもしれないですが、彼女と価値観や倫理観が共有できないので感情移入できませんでした。 亡き相棒のバーニイに対する思慕も、正直物語の最初からいきなり死んでいる男に対して、読者としてはどう彼女と共感したらいいのかわからなかったです。 とことん自分には向いてない小説だったなと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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シャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第一作目であり、ミステリ史上最も有名なコンビ、ホームズとワトソンが出会った作品。
ミステリファンには説明不要の超有名作であり、推理小説史において極めて重要な作品であることは言うまでもない一冊でしょう。 ただ、正直今読んで純粋に推理小説として楽しむにはいろいろ厳しいものがありました。 ホームズシリーズのその後のミステリ界に与えた影響の大きさというものが計り知れないのは誰もが認めることで、ただの一ミステリファンに過ぎない自分が批判はおろか、評価すること自体がおこがましいのは百も承知ですが、そういう歴史的価値を「ありがたがって」読む以上の意味は自分にはなかったです。 単純に今読んで面白い作品や凄いトリックの作品が読みたいなら、その後の名作の礎となったことが偉大な120年以上前の古典に期待するなってことですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「森のくまさん」を名乗る、そのユーモラスさが逆に不気味な殺人鬼による連続殺人をテーマにした、典型的なB級ミステリ。
これの前年に発表された中山七里氏の『連続殺人鬼カエル男』にいろんな面で似てると思いましたが、謎解き、意外性、独創性、ドラマ、人物、描写……全ての面において大きく水準が下回ってると感じました。 (あの作品も結構辛口にレビューした私が言うのもなんですが) ・登場人物がみんな薄っぺらい。 ・ミステリファンどころか名探偵コナンが好きな子供でもわかりそうなレベルの見え見えすぎる犯人。 ・2ち○んモチーフの匿名掲示板の書き込みの描写がいちいち寒い(年数が経ってから読んだらますます見るに耐え無そう) 正直この程度の作品でこのミス大賞 隠し玉ですか……という感想です。 あの賞自体がそもそも自分の中では「このB級ミステリ面白い!」みたいな賞だと思ってますが、そのB級ミステリの中でももうちょっと光る作品はいくらでもあったのではないかと思います。 はっきり言って、出来のいい作品や独創性のある作品よりも、一般大衆の興味を惹きやすそうな作品に受賞させて、騙してでも買わせたらこっちのもんって考えなんですかね。 ボロクソに言いましたが、テンポは良くて非常に読みやすく、分量も少なめなので、あまり頭を使わず時間もかけず軽めなのを読みたい、という時にはおススメできるかもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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古くからのいわくが残る孤島の古城という舞台で起こる殺人に可憐な女探偵のコーデリアが挑む
……かのような魅力的な設定と雰囲気に流されて途中までは楽しんで読めてはいたのですが、そのうち話が進まなくて読んでて苦痛になりました。 クローズドサークルかと思ったら、島から普通に帰って図書館で調べものしてまた島に戻って……みたいな展開にもズッコけそうになりました。 特に面白いトリックやフーダニットで関心できる部分もありませんでしたし、せめてもうちょっと短い話にまとめて欲しかったです。 |
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