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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数247件
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タイトルから感じるミステリ系の探偵ものではなく、個人的にイメージするザ・ラノベを感じる作品でした。
既に死んでしまっている探偵、能力者たち、モンスターのような化け物とのバトル、といった具合に、ラノベ・アニメ系のテイストを混ぜ込んだ作品であり、根底となる本筋は、探偵の女の子と過去に関わりがあると思われる主人公の男の子の青春もの。多ジャンルを混ぜ込んだ作品です。 作品自体は良く出来ており、読み辛さもなかったのですが、個人的な好みの問題でこの点数で。 序盤は惹き込まれましたが、その後はあまり好みではありませんでした。主人公とヒロインとの関係についても、死んでしまっているシエスタに思い続ける主人公の様子に共感が得られずです。ヒロインと感じる夏凪渚がサブに追いやられて可哀そうな感想でした。ちゃんと夏凪渚とシエスタとの意思を描いているので、夏凪渚本人は可哀そうではないのは分かっているのですが、ただのイタコのようにも感じてしまい、ここの所が好みに合わないきっかけになったかもしれません。 多ジャンルを混ぜた作品として整っていますが、他にはないこの作品ならではの尖った要素が1つあればもっと良かったと思いました。 |
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スパイ小説×ライトノベル。キャッチフレーズとなったキーワードは『騙し合い』。
『このライトノベルがすごい2021』の上位に掲載されており、内容が気になったので手に取りました。 読書前に期待していた『騙し』の要素はきちんとあり、ミステリを読みなれていない層には巧くいくと思われる……。歯切れが悪いのは、それをする為に物語を楽しむ要素が犠牲になっている点が多いと感じられた事です。詳しくはネタバレ側で。 ライトノベルとしてのキャラクター性はどうかというと、本書の表紙のリリィと先生の2キャラぐらいしか魅力がないと思いました。2巻、3巻と巻数を重ねる毎に一人一人にスポットが当てられていく構成だと思われます。なので本書単体で見ると各人の能力も未知数のままですし、主人公の能力が何かキーになるかというとそうでもない為、特定のキャラに魅力を持つという事が難しい状況でした。印象に残ったのは、最強な先生との駆け引きと、ドタバタのスパイ教室ぐらいな次第。 スパイ小説とはいえ、ライトノベルの雰囲気の明るさ・軽さで読みやすいのは好感。 ただ本格的なスパイ小説を読む方には非常に物足りなく感じるので、仕掛けにしても濃い一発が何か欲しいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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多くの方のレビューにある通り、上巻で辞めずに下巻まで読んでの意味が分かりました。
上巻は正直な気持ちとしては退屈でした。 最近『かがみの孤城』を読んで惹き込まれたので、著者のボリュームがあって敬遠していた過去作の本書を手に取った次第ですが、この頃の作品の構成は合いませんでした。 前半は登場人物の紹介と創作に関わる作家の卵達の物語。 何か刺激的な事が起きるわけでもなく日常ベースの展開。刺激的な要素として一応冒頭にて作品の影響による大事件が起きた事が描かれますが、この内容後に400ページ近く緩やかな物語を読むほど求心力を受けなかったのが正直な気持ちです。登場人物達の描き方も視点を変えて読む為、誰かに感情移入して深く読むこともありませんでした。一人気持ちがわかると思ったのは編集者の黒木でした。作家の卵達とは違い編集という版元に近い位置にいる彼。発言やドライな感覚がその立場としてよく伝わりました。 上巻はまったく合わずでしたが下巻の後半は確かに面白い流れでした。 波が立っていないスロウハイツに波紋が広がっていく展開は、やっときたかと思いながら楽しみました。終盤と読後感は良いものですが、それに至るまでが好みに合わず。 誰かに感情移入できなかったり展開が遅かったりという不満は『かがみの孤城』では全くない為、著者の成長前を感じる作品という印象でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ドラマと連動した企画もの作品。ネメシスシリーズとして担当話ごとに作家が変わるという試みの作品。
1作目は『屍人荘の殺人』の今村昌弘。最初にこの著者を持ってくるあたりは流石の采配だと思う。私自身、ドラマは見ていないのですが著者の作品という事で手に取った次第。 作品雰囲気はユーモア傾向。殺伐さはなし。 探偵事務所に所属する探偵と、その探偵以上に推理力がある女性のコンビによる事件簿。 ミステリとしての事件や謎解きの面白さはありますが、本格志向ではなく、あっさり小ネタ集の印象でした。 "ドラマ化と連動している"という前知識に引っ張られた感想かもしれませんが、正にドラマの脚本を意識した中身であると感じます。事件や推理の展開を描写するというより、パーティー会場や遊園地といった事件現場の施設の情景が印象に残りました。登場人物については特徴があまり感じられず、"探偵っぽい男性"や"実は天才の少女"みたいな設定で、現代作品では特徴がないというか華がないと感じました。 もし作者名を隠して読んでいたら今村昌弘作品とは気づかないと思います。ただ、本書の目的がドラマ化の為に映像や主演者に華を持たせる為の脚本物語として書かれたと捉えると、オーダー通りのものを作り上げたという印象になります。そして連作企画で複数作家によるリレー小説である事を考えると、著者の個性を主張しない塩梅で描いたとも思う為、そういう点では著者の技量が優れていると前向きにも感じました。文章もすんなりサクッと気軽に読める作品です。ただ、物語の内容評価としてはあまり印象に残らないのが正直な気持ちでした。 |
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コメディタッチの夫婦の殺しあいサスペンス。本書は企画もの。2人の著者によるリレー小説。
夫側は藤石波矢が担当し、妻側は辻堂ゆめが担当。片側が仕掛ける殺しの罠に対してもう一人の著者が巧く回避し今度は逆に罠を仕掛けるという応酬を行う。殺し合いという内容ですが、殺伐さはなくコメディ色の雰囲気作品です。 内容から個人的に好きな映画の『Mr.&Mrs. スミス』を思い浮かべました。作中にもこのタイトルが出てきたので、遠からずな設定です。企画ものとしての内容は面白く、本文も2人の著者が描いたとは思えないぐらい両者の文章が馴染んでおり、雰囲気ともども良い読書でした。 ただ、個人的に好みに合わなかったのは、夫婦の些細なきっかけで殺し合いになってしまう所。それを言ったら本書の企画で元も子もないかもですが、今まで良き夫婦の二人が急に殺意を抱く展開は違和感でした。映画の例ですとお互い元殺し屋という設定がある為、互いの仕事の殺し合いが活きてきて面白さに繋がりますが、本書は普通の夫婦でそれまでは険悪な仲でもありませんので、そんな二人が急に殺意を抱く思考が腑に落ちませんでした。 2人の著者による殺しと回避の応酬を描いたものとして、作品を作っている最中、もしくはこれがリアルタイムでの連載ならより楽しい気がします。ただ、この趣旨を知らなかったり、本書単体を読んだ感想としては、繰り返される小ネタのような殺し&回避の流れは退屈にも感じました。驚きとかなく相手の著者は巧くかわしたなという感想なので、それが物語として面白いかは別だと思った為です。最後は綺麗にまとまり良かったです。 |
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あらすじとイラストの雰囲気からライトミステリを予想していたのですが、中身は堅実に捜査を進める警察小説のような作品でした。あらすじには、"バトルロワイヤル"、"復讐ゲーム"、と言った若者向けなワードがありますがそういう作品ではありません。コツコツと捜査を進め、クラス内で何が起きているのか全貌が見えてくるタイプの作品です。中身に沿わない宣伝は好きではありませんが、作品自体は面白く読めました。
担任の先生が殺害された1年D組。表向きの担任の姿は人気の先生らしいが、警察がクラスの生徒達から事情聴取を進めていくと、違った素顔が見えてきます。そして、クラス内の権力図、学級崩壊、いじめ、といった問題が浮かび上がってくる流れ。 学校内の悪い所が描かれ、暗く気分が悪くなるような話で読書の雰囲気は重め。ただ文章は読みやすく、警察の捜査と共に全貌が明かされていく展開は惹き込まれました。 本書の難点というか改善してほしいと感じた点は、登場人物の名前。苗字で呼んだり、下の名前で呼んだり、人物の把握が分り辛くなる所を感じました。フォローの為に帯裏に名前と関係図が載せてありましたが、本編に掲載しても良いのではと思いました。 中学・高校生向けの学園ミステリとしては良いバランス。気分が悪くなる所も含めて良い塩梅かなと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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書店で多く平積みされていたので手に取りました。
小中学生向けのいじめをテーマとした物語。ミステリ要素はほぼなく若い世代向けの社会派小説です。 自殺をした少女が成仏するまでの49日間、幽霊として家族や加害者や学校のその後を見つめる話。 話の流れだけ拾ってしまうと良くある物語ではありましたが、 小中学生を読者ターゲットとして、いじめ問題を読みやすく触れさせる事を考えると中々良く出来た作品に感じました。 毒々しさも控えめで、優しすぎる展開については大人心では軽過ぎますが、死者から見る被害者・加害者・関わった人の心の例を物語として触れる分にはアリかと。良い意味で文章はサクサク読めるので、嫌な気持ちになり過ぎずに読めるのが良かったです。 国語や道徳の教科書では真面目で固くなりそうな内容を、本書の少しファンタジーな物語としてなら読みやすい。 小中学生の読書感想文の題材としてもアリかもしれない。そんな事も思いました。 |
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途中で何を読んでいるのか分からなくなって混乱しました。良い意味でも悪い意味でも。
予備知識がない方が良さそうな面もあれば、無いならないで混乱しそうな要素があり、あらすじにある通り、『予測不能』な孤島本格ミステリとなっていました。 シリーズ2弾とありますが、前作とは関わりありませんので、本書単体で楽しめます。 最初に書きましたが個人的に中盤は混乱してしまい、内容が把握できなくなってしまいました。で、少ししてそういう本か!と理解し、読者への挑戦を迎えて解答編を読み終えました。 読み終わってみれば特殊な状況もののミステリとして久しぶりな刺激で面白かったです。2度目をサラッと読み直してよくできているなと改めて感じました。※2度読みな仕掛けがある本という意味ではなくて、自分が理解し辛かっただけです。 なので率直な感想として分り辛い本でした。場面や視点や状況が変わり過ぎてますし、登場人物の役柄も似ていて区別が付き辛かったです。 ミステリとしての物語の構築、繋がり方なんかはとても面白い。ただ前作でも感じたのですが、話しが説明的というか盛り上がりの演出が弱いというか、物語を眺めているような気分で気持ちが入り辛く、初読では理解し辛いというのが個人的な印象でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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著者の作風を変えた一冊。
著者の作品と言えば鬼畜系のグロ系。世の中そんな印象になっていましたが、本書はその要素を無くして本格ミステリの仕掛けや謎解きに重き置いた一冊となっていました。著者のイメージを変える勝負作品とも感じます。 物語は昭和の殺人鬼vs名探偵もの。 タイトルは映画『死霊のはらわた』のオマージュ。若者達が悪霊を甦らせてしまうという映画同様、本書は実在した昭和の殺人鬼の魂が現代に甦り、人に乗り移り事件を犯すというもの。津山事件や阿部定事件といった小説お馴染みの有名所を題材に、それに模した事件と悪霊が乗り移った犯人を暴き倒すという物語。 過去の事件をオリジナルな解釈と仕掛けを施したミステリとなっているのが面白い。 江戸や戦国時代などの大昔にせず、昭和の事件を取り扱っている点についても、雰囲気も然ることながらミステリとして巧く活用していたのが見事でした。持ち味であると設定付けされているグロや鬼畜がなくても本格ミステリとして面白い作品が描けると感じました。昭和の事件を模した見立て殺人の部類ですが、描き方、物語の設定が現代的で良かったです。 作品単体は良かったのですが個人的な好みの点数は少し低めで。読書前の著者本の期待値とも違い、横溝時代の古い昭和の作品を読んでいる気分にもなり、読書中は古く重めであまり楽しめなかったのが正直な所でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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堂シリーズ5作目。シリーズ全7作のうち後半へ向けての転換と整理作品。
本書はミステリというより、登場人物達の物語が主要で、まとめに入りました。 その為、登場人物達の設定や扱いが良い意味でも悪い意味でも整理されていると感じます。 堂に関するトリックが魅力的なシリーズ作品ですが、今回は設定の説明不足と既視感あるもので残念な結果でした。 あまり世の中の感想で見かけないのですが、この仕掛けと設定や舞台は某漫画で行われたものそのままですね。 漫画と小説の読者層の違い、両方の知名度からか、あまり気づかれなかったのかな。時期も同じ2000年代。集英社ヤングジャンプの騙し合いギャンブラー系の某漫画です。オマージュではなく劣化コピーに感じるのが残念。 という事もあり、本書は色々と残念に感じました。 残り2冊で物語がどう変わるのか期待です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ロボット掃除機への転生もの。
設定は面白い。あらすじは事故にあった警察官が目を覚ましたらロボット掃除機になっていたという始まり。SF転生ものであるが、対象がロボット掃除機という現代のアイテムが活用されている点が新しいです。IOTとなる掃除機に組み込まれたwifi通信でネットからの情報を送受信したり、ロボットアームを用いるなど現代要素が満載になっていました。そして目を覚ましたすぐ隣の部屋に死体があったというミステリの流れが興味をそそられました。 特殊設定ミステリの期待が高まりましたが、実際の所本書はミステリというより冒険小説。転生先から30km離れた姪の元へ向う事がメインストーリー。走行速度は時速1.8km。充電どうなる?その道中での出会いとプチ事件が絡んでいく流れです。 読書中の正直な感想として、「早川」主催の「アガサ・クリスティー賞」というワードに期待し過ぎてしまったかもです。本格的、大人向けというより、ライトミステリの部類。個人的にはティーンエイジャー向けのレーベル出版ならもっと評価が上がると思った次第。というのは扱うミステリ要素は軽めですし、社会問題も扱われますがテーマに深みはなくTVで見知れる内容なので、早川の濃い内容(勝手な早川イメージ)を求めて読んでしまうと、物足りなくなってしまった次第。 あえて冒険小説として見たとすると札幌小樽の30kmの景色があまり感じられませんでした。ロボット掃除機の苦労は微笑ましいのですがせっかく地名を出すなら空気感や情景も感じたかった。主人公と姪の料理などのエピソードも微笑ましく読めますが、本筋とはあまり結び付かず。デビュー作なので色々書きたい事を書いたという印象を受けた作品でした。 他思う所は登場する人やエピソードの温かさや優しさの表現が印象に残りました。悪意な内容だとしても優しい雰囲気を醸し出しています。著者の持ち味なのかなと。それゆえ殺伐さを求めないティーンエイジャー向けな作品で読んでみたいと思った次第。アイディアと雰囲気はよいので次の作品はどうなるのだろうと気になる所です。 |
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エレベーターの室内だけで起きるドラマなので演劇や小規模撮影の映像化向きな作品。
著者デビュー作であり、その後の著者の特徴となる群像劇作品の初々しさを感じる内容でした。冗長に感じたのは、第一章で進められた物語が第二章にて別の視点で描かれる様子。ほとんど同じ内容であり、会話内容も繰り返す為、違った視点の面白さより退屈が勝りました。好みは別として、最後まで意外な展開を用意して読者を楽しませようとする脚本作りを感じた作品でした。 |
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物語は2つのパートが章ごとに交互に描かれます。
1つ目は、無人島での廃墟探索ツアーで死んだ彼女を想う男性パート。島の外視点。 2つ目は、無人島での廃墟探索ツアーの様子。島の中での視点。 廃墟探索ツアーの面々はSNSで知り合った者達。お互いをハンドルネームで呼び合う。その島で事件が起きます。 さて、ピンと来る方、大いにいると思います。個人的に『十角館』を思い浮かびました。同じ講談社ですしね。そういった本格ミステリの設定を感じながらの読書は楽しかったです。 ただ、なんというか薄味さを感じました。コテコテではなく、ライトミステリです。 また、菅原和也作品はアングラや微グロ、刺激的な表現が多かった印象ですが、本書の講談社タイガからの作品は大分マイルドになっていますね。持ち味の良さがあまりなく特徴が見え辛い平凡な作品になっている印象でした。 表紙・タイトル・あらすじが、中身の雰囲気と合っていないのも残念。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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B級サスペンスですが、分かりやすい展開と読みやすい文章でサクッと楽しめた作品でした。
あらすじは、40代男性、仕事は順調だが家庭に悩みを抱える主人公。気分転換に少しハメを外そうと六本木のクラブへ足を運びナンパしようにも上手くいかず、、、そこに人生のコーディネーターと称する男が現れ、事件に巻き込まれる。という流れ。 読者ターゲットはサラリーマン男性。分かりやすい設定と問題。読者層の非日常が巧く並べられていると思いました。どんな展開になるかは読んでからのお楽しみですが、深く考えないでシンプルにサスペンスを楽しめた作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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堂シリーズ4作目。シリーズ全7作の内、中間にあたる本書は予め著者が構想していた転換となる作品というだけあって、驚かされる一面がありました。この先どうなっていくのだろうと、主要メンバーが固まってきた本シリーズの今後が楽しみです。
孤島を舞台に30m四方の立方体の堂で事件が発生。 堂の構造から密室ものミステリを予想していたのですが、本書は瞬間移動ものでした。一時行方不明となった人物が巨大空間の中に被害者として現れる。どうやって移動されたのか?が謎となります。館ものの大トリックとしては島田荘司っぽい壮大さで好みです。ただ、物語やその事件の背景の魅力が弱すぎて、残念な印象でした。トリックは素晴らしいです。シリーズとしての仕掛けも相まって、名作に成りそびれた勿体なさが残りました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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共有された夢の中での殺人という特殊ミステリ。
表紙が古臭いですが2020年の作品。 極秘人体実験プロジェクト・インソムニア。夢を共有するチップを頭に埋め込まれた被験者達の生活実験。今の状況は夢なのか現実なのか。夢の中で死体となった人物が、現実世界でも死んだらしい。何が起きているのか。という流れ。 読んでみると、岡嶋二人『クラインの壺』と川原礫『ソードアート・オンライン』が思い浮かぶ内容でした。おそらくこの2つが好きで著者なりにアレンジした作品かと思うほどでした。映画『パプリカ』もそうかな。虚構と現実の曖昧さ、仮想現実世界での死は現実の死となる。というニュアンスや仕掛けがそのままで、個人的にとても既視感があった内容でした。 その感性で読んでしまうと、仮想現実ではなく「夢」という設定に対しての意味に期待をしていましたが、特に意味づけを感じられなかった為、二番煎じ感が否めない作品でした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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これは好みが分れそう。
あらすじは、連絡が取れない叔父の状況を確認する為、勤め先に訪れると極秘プロジェクトの任務中だった事がわかり、詳しく調べていくとこの会社は日常では触れる事がない非現実的な闇会社であった。ここで何が起きているのか?という流れ。 ミステリの傾向として、閉鎖的な村、宗教もの系統の限定的空間で条件を付与する特殊設定ミステリです。 推理の過程やサスペンスを楽しむものではなく、明かされる真相をどう感じるかが好みの別れ所。前半の会社の異常な体制、会長の存在と社員の意識、これらは丁寧に描かれておりとても惹き込まれました。舞台の状況作りはとても面白く描かれています。一方、事件が起こり状況を把握する流れは退屈でした。麻雀の話然り、何か繋がりがあったとしても、脇道に逸れる内容が多く感じてしまい無駄を感じました。 終盤の真相は確かに面白いのですが、この作品の系統は既視感を感じてしまい、驚きを得られませんでした。仕掛けは面白いけど読み物としては好みに合わず。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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猫に憑依した死神が、現世に未練を残し地縛霊となった魂の悩みを救う話。シリーズ2作目。本書の場合は1作目から読んだ方がよいです。短編集の体裁で話を進めていくと繋がりが見えてくるのは前作同様面白い。ただ個人的な好みとしていまいちの2作目でした。事件や謎については読者置いてけぼりの展開。手がかりを推理して導くのではなく、当事者達で思い出したり、重要人物が突然解答を語りだしたりするので謎解きは皆無。人情ものとして見たとしても感情移入できるキャラがいない為に感動が薄れてしまいます。
1作目の犬のレオは信念の筋を感じましたが、本作の猫のクロはおちゃらけていて真面目なシーンもなんか気が抜けてしまい軽い印象でした。そこが猫っぽいと言われればそうなのですが好みに合わず。 事件の真相や仕掛けは複雑なものですが分り辛くて楽しみ辛い。ハートフル作品として売り出していますが、中身はミステリを強めようとしてちぐはぐになってしまった印象を受けました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読みやすくそこそこ楽しめた作品でした。
タイトルにある通り映画を題材としたライトミステリ。 映画好きの引きこもりの探偵役。事件の概要を相談すると、映画の前例と絡めて解決へと導かれる。映画の題材は有名所なので未鑑賞でも聞いたことあるものばかりで馴染みやすい。鑑賞済みなら小ネタが楽しめ、未鑑賞でも見てみようかなと思えたのが良かったです。映画オタクの嗄井戸を通して、著者の映画好きな気持ちと各作品の紹介が得られたのがとても楽しめました。 作品の雰囲気について。日常・学園物から重い内容まで混ざっています。良い表現をするとバラエティ豊かですが、悪い表現をすると方向性がブレています。自分の感想としては後者でして、 2章・3章ぐらいの学園物の雰囲気であればレーベルに沿い、映画×ミステリの特徴でティーンエイジャーにも薦めやすい内容だと思いました。4章のようなシリアスで重い内容が出ると読者の好みが分かれそうだと感じました。ただ、映画を絡めた事件の真相としては4章が一番面白かったです。 シリーズ化されているので2作目がどういう雰囲気の方向へ向かったのか気になります。 読みやすい本なのと映画ネタが面白かったので続けて読んでみようと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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