(リレー小説)

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昨夜は殺れたかも



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初公開日(参考)2019年09月
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昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)

2019年09月20日 昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)

今日も二人は"殺し愛" 夫と妻の視点に分かれ気鋭の著者二人が競作する、予測不能なラブサスペンス! 平凡なサラリーマン・藤堂光弘。夫を愛する専業主婦・藤堂咲奈。二人は誰もが羨む幸せな夫婦……のはずだった。あの日までは。 光弘は気付いてしまった。妻の不貞に。咲奈は気付いてしまった。夫の裏の顔に。彼らは表面上は仲のいい夫婦の仮面を被ったまま、互いの殺害計画を練りはじめる。 気鋭の著者二人が夫と妻の視点を競作する、愛と笑いとトリックに満ちた"殺し愛"の幕が開く!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

昨夜は殺れたかもの総合評価:7.00/10点レビュー 4件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

昨夜は殺れたかもの感想

コメディタッチの夫婦の殺しあいサスペンス。本書は企画もの。2人の著者によるリレー小説。
夫側は藤石波矢が担当し、妻側は辻堂ゆめが担当。片側が仕掛ける殺しの罠に対してもう一人の著者が巧く回避し今度は逆に罠を仕掛けるという応酬を行う。殺し合いという内容ですが、殺伐さはなくコメディ色の雰囲気作品です。

内容から個人的に好きな映画の『Mr.&Mrs. スミス』を思い浮かべました。作中にもこのタイトルが出てきたので、遠からずな設定です。企画ものとしての内容は面白く、本文も2人の著者が描いたとは思えないぐらい両者の文章が馴染んでおり、雰囲気ともども良い読書でした。
ただ、個人的に好みに合わなかったのは、夫婦の些細なきっかけで殺し合いになってしまう所。それを言ったら本書の企画で元も子もないかもですが、今まで良き夫婦の二人が急に殺意を抱く展開は違和感でした。映画の例ですとお互い元殺し屋という設定がある為、互いの仕事の殺し合いが活きてきて面白さに繋がりますが、本書は普通の夫婦でそれまでは険悪な仲でもありませんので、そんな二人が急に殺意を抱く思考が腑に落ちませんでした。

2人の著者による殺しと回避の応酬を描いたものとして、作品を作っている最中、もしくはこれがリアルタイムでの連載ならより楽しい気がします。ただ、この趣旨を知らなかったり、本書単体を読んだ感想としては、繰り返される小ネタのような殺し&回避の流れは退屈にも感じました。驚きとかなく相手の著者は巧くかわしたなという感想なので、それが物語として面白いかは別だと思った為です。最後は綺麗にまとまり良かったです。

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(4pt)

全然リアルでないところが楽しめた

夫と妻が仲良く生活する水面下で殺しあいをするお話。夫と妻をそれぞれの作家さんが書いているそうですが、失礼ながらお二人とも知らなくてあまり期待もしてなかったのですが、サクサクと読みやすかったですし、展開も次々にかわっていくので面白く、気がつけば一気読みしていました。
ただお互いに都合よくいきなり殺したいほどになるかなぁ?とは思わなくもなかったのですが、お互いの仕掛けた罠の回避の仕方とかが非リアル過ぎて逆に軽いノリで読めましたし、殺しあいになるいきさつの唐突さの謎も最後で一応は回収されていましたので、結果として、読み終わりは満足しています。
昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)より
4065170400
No.2:
(3pt)

サスペンスにもコメディにも振り切れず

※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります

始まりは小さな疑いと仕返しだったはずが,夫も妻も互いに秘密を抱える事情もあり,
疑念は確信へ,嫌がらせは殺意へ,そしてすれ違いが殺し合いへと膨らんでいく様子や,
身の回りのもので『工夫』を凝らす一方,どれもが空振りに終わる攻防には思わず苦笑い.

ただ,情報を不自然にボカした書き方のせいで,勘違いであろう事が早々に察せられ,
おおよその流れ,そして結末までが見えてしまうのは,何とももったいないところです.

また,話が進むにつれて,二人の会話は生々しく,手段も過激になっていくのですが,
どちらも先読み先読みで回避を繰り返す展開は,いささか単調になってしまった印象で,
サスペンスにもコメディにも振り切れない,あと一押しの弱さをもどかしく感じることも.

事の真相と決着にも驚きまではなく,男女作家の合作が一つの話題だったようですが,
その作り方は興味深かったものの,失礼ながら特に目立つ部分のない一冊に映りました.

しかし…こうなる前に少しでも話をというのは,思うほど簡単ではないのでしょうね.
昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)より
4065170400
No.1:
(4pt)

信じていた相手に生じた疑惑が殺意に変わっていく夫婦を「ラリー形式」で描いたサスペンス&コメディ。

最近追っている藤石波矢が新作を出すと聞いたが、どうも辻堂ゆめさんという別の作家との共作らしい。後者の作品は未読だけど、そもそも小説の共作というのが今ひとつ分からない。分からないなら読んでみるしかないと拝読してみる事に。

物語の主役を務めるのは藤堂光弘・咲奈という一組の夫婦(どうでも良いけど、この苗字作者二人の名前から取ってるんだな)。「ランカージョブ」という人材派遣会社に勤める光弘とそんな夫を主婦として甲斐甲斐しく支える咲菜は傍から見ても何一つ欠ける所の無い円満な夫婦生活を送っていたが、ある日光弘は同僚の女性社員・野中から「奥様が知らない男性と銀座を歩いている姿を見ました」と忠告を受ける。

まさかと思った光弘だったが咲奈の持ち物の中から自分が知らない高級香水の瓶を見付けた事で愛する妻に対する疑念が生じてしまう。時を同じくして夫には秘密のままエステティックサロンの手伝いに出掛けていた咲奈だったが、新しく入った店員の若宮が店の売上金を盗んだという話を耳にする。経理担当の明石から派遣社員の若宮を送り込んだのは「ランカージョブ」という会社で担当者は藤堂という男だと聞かされ、隠れて働きに出ている店を光弘が知り潰しに掛かっているのではという疑惑が生じてしまう。

かくして信じていた相手に対する疑惑が生じた夫婦の仲に生じた溝はやがて殺意へとエスカレートしてゆき……

おう、読む前は「共作」というスタイルに些か不安があったが、サクサク読ませる小気味の良い作品に仕上がっていた。後書きによれば執筆は夫である光弘が殺害の罠を仕掛けるパートを藤石氏が書き、その罠を咲奈が回避し報復とばかりに光弘に対するトラップを仕掛けるパートを辻堂女史が書いて送り返すというテニスのラリーの様なスタイルで行われたらしい。いわばミステリ作家二人による「知恵比べ」という形なのだが、これがテンポの良さに繋がりサクサクと読める良作を生む結果になったかと。

話の方は割と単純で純愛願望が故に妻の浮気を許せない光弘と自分を専業主婦と信じている夫の知らない所で外へ出て働いていた咲奈が自分の生きがいである店を潰そうとしていると思い込んでしまった咲奈が自分の疑念をエスカレートさせてしまい殺害目的のトラップ合戦を始めてしまう、というのが主な筋書き。

こうかくと序盤からどぎついトラップを仕掛け合うのかと思われるかもしれないが、序盤の方は「近所の野良猫に引っ掛かれて感染症に」とか「塩分がやたらと濃い料理を食わせ続けて病気に」とか互いにやたらと遠大極まりない手段にこだわるので思わず「お前ら『コロリころげた木の根っ子』してんじゃないよ」とツッコミを入れてしまう羽目に(「コロリころげた木の根っ子」が何か知らんという人は藤子F先生のSF短編を読む事)。

ただこのユルい、ほぼコメディのノリである序盤があるからこそ、次々に見えてくる「結婚しても気付けなかった部分」が夫婦の疑惑と「実は相手は本気で自分を殺しにきているのでは」という不安、「殺られる前に殺らねば」という焦燥感をエスカレートさせていく様が引き立つし「加速感」も味わえるのだ、とも言える。

後半戦は割とガチンコの殺し合いであり、互いに仕掛けるトラップも本格的で大掛かりなものへと変貌していくのだけど、その「本格さ」とは裏腹に表面上は互いに「愛し合う夫婦」を演じようとしているギャップがそこはかとなく面白い。表紙に描かれている様に互いを抱きしめている風を演じながら片手では凶器を構えている様なアンビバレンツさを楽しむ趣向となっている。それはもう「お前らこの段に及んでも仲良し夫婦演じ続けるのか」と呆れる位に。

そして遂にこの「仲良し夫婦」の仮面が砕け散るクライマックスに至るのだけど、そこまで読者が付き合わされてきた「仲良し夫婦」と「殺し合い夫婦」という二枚の絵の他に「第三の絵」が突如姿を現す事になる。正直、この仕掛けには「おっ!」と声が出るほど驚いた。コメディタッチで描かれ続けてきた夫婦の殺し合いの裏で進行していたもう一つの真実が読み返せばきっちり伏線を張られていた事に気付かされ、あまりの見事さに拍手喝采。一気に「第二のクライマックス」へと突入するスピード感が素晴らしい、トップスピードと思わせて実はもう一つ上のギアが用意されていた様な驚きに満ちていた。

欲を言えばこの夫婦のキャラの作り込みをもう少し掘り下げて欲しかったという部分はある。具体的に言うと光弘が妻の不貞を許せない性格を築いた過去なんかをもう少し詳しく描いて欲しかった。愛情に対する渇望を持つに至った経緯なんかをより強調していれば後半にかけてエスカレートしていく殺意に更なる説得力を持たせる事が出来たんじゃないかと思うのだが……

とはいえ作家二人が夫婦の各パートを担当して頭脳合戦という趣向は想像以上に楽しかったし、何よりリズム感が素晴らしかった。「小説は一人で孤独に書くものだ」という固定観念が吹っ飛び、こういう創作スタイルもあるのかと目から鱗がポロポロ落ちた感もある。二人のミステリ作家による「ラリー小説」、二人の作家のどちらかに少しでも興味がある方には間違いなく楽しめると思うし、そうでない方にも新奇な趣向をお楽しみいただければと推させて頂きたくなる、そんな一冊。
昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)Amazon書評・レビュー:昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)より
4065170400



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