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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数318

全318件 221~240 12/16ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.98: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

その女アレックスの感想

最初から最後まで凄惨で、胸の悪くなる話。なのに、第三部で明らかになる「なぜ?」を知りたくて、途中からは止まらなくなりました。確かに、次々と裏切られる展開に意外性はあります。また、救いの無い哀しい物語で有りながら、ラストの数ページで若干心が軽くなる思いがしたのも良かった。何れにしても、アレックスにどの位感情移入出来るかで評価は全然違うんでしょうね。
翻訳文が読み易いのはかなり好印象ですし、工夫された秀作だと思いますが、楽しさや爽快感を求める方には向いて無いですよ。軽くは読み飛ばせない、面白いとは言いづらい重い作品でございました。
その女アレックス (文春文庫)
ピエール・ルメートルその女アレックス についてのレビュー
No.97:
(7pt)

オー! ファーザーの感想

父親が四人いる、と言う不思議な設定。伊坂作品にしては、比較的ダークな面が薄く読み易いかも。終盤の展開は個人的には意外でしたが、結構面白かったです。伏線回収もまずまず納得出来、深く考えず素直に楽しめば良いかと。
オー!ファーザー
伊坂幸太郎オー! ファーザー についてのレビュー
No.96:
(7pt)

グレイヴディッガーの感想

何が起こっているのか序盤では良く分からない。事件の背景が徐々に明らかにされると、ホントによく考えてあるな、と感心しました。スピード感のある一夜のサスペンスであり、ドラマの「24」の影響も有るかも知れませんね。登場人物にも好感が持て、読後感もまずまず良かった。リアリティは無いですが、おススメのエンタテインメント、面白かった。
グレイヴディッガー (角川文庫)
高野和明グレイヴディッガー についてのレビュー
No.95:
(7pt)

獄門島の感想

横溝作品を読むのは2冊目。随分前に映画を観ているのですが、やはり犯人が分かっていると面白さは半減かも。読み易かったが、色々と救いが無くて読後感は良く無かったです。悲劇過ぎて喜劇。ただ、映画はもう一度観たくなりましたね。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
横溝正史獄門島 についてのレビュー
No.94:
(7pt)

人喰いの時代の感想

昭和初期の小樽を舞台に、探偵コンビが活躍する短編集です。と思って読んでいたんですが、最終章で一気に印象が変わりました。帯で随分煽っているので、何か有るんだろうとは思いましたが、この展開は想像外でしたね。ラストは好き嫌いで言えば、あまり好きな方向では無い。各短編共それなりに良かったので、素直にそのままの方が面白かった気がしますけど、作者も初ミステリで気合入ってたんでしょうな。いずれにしても、全編を通して時代の暗い雰囲気に圧倒されました。
人喰いの時代 (ハルキ文庫)
山田正紀人喰いの時代 についてのレビュー
No.93:
(7pt)

世界の終わり、あるいは始まりの感想

あまり読んだ事が無い様な、変わった構成の作品。子供が被害者の話は嫌いなのですが、今作では更に犯人も?と言う展開。かなり衝撃を受けてしまい、最後まで一気に読みましたが、ラストは納得行かない感じ。実験的な意欲作ですが、評価は分かれそうですね。個人的には、好きではないが評価するべき物、といった感想です。
世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
歌野晶午世界の終わり、あるいは始まり についてのレビュー
No.92:
(7pt)

片眼の猿 One-eyed monkeysの感想

読者をだます事に主眼を置いた作品。最後まで読むと、とにかく色々ビックリする事になります。スラスラ読み易く、途中までカラスの親指と何となく似た印象を持っていましたが、残念ながらレベルが違いました。まあ、そんなに悪くは無いんですが。
片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)
道尾秀介片眼の猿 One-eyed monkeys についてのレビュー
No.91:
(7pt)

チョコレートゲームの感想

ただただ哀しい話でしたね。昔読んだ事は有りましたが、前過ぎて初読と同じ様なもんでした。省吾と同い年の子供がいる身となってしまいましたので、読後の印象は辛かったです。
良く出来ていると思いますが、面白いとは言いづらい作品でした。
チョコレートゲーム 新装版 (講談社文庫)
岡嶋二人チョコレートゲーム についてのレビュー
No.90: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

GOTH リストカット事件の感想

非常に有名な作品ですが、何となくずっと積んであったので今回手に取ってみました。
最初は、こういう世界観を楽しむ趣味は無い。ただ不愉快なだけ。と、思っていたのですが、後書きを読んで印象が変わりました。なるほど、ファンタジーと割り切ればそんなに不快感は感じ無いかも知れません。
夜の章より僕の章がスムーズに読めたのは、この世界観に少し慣れてしまったのか。陰惨な事件ばかりなのに、最後はなんかもっと読みたくなってしまいました。ただ、ライトノベルは子供たちが読むものでしょ?こういうのはあまり良いとは思えませんがね。少々複雑。
GOTH 夜の章 (角川文庫)
乙一GOTH リストカット事件 についてのレビュー
No.89: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ラバー・ソウルの感想

延々と続くストーカーの描写にかなり辟易とする。そして、このまま進めばどんなオチが付くのか?と考えていたら、ラストは途中で想像出来ましたね。少々長いですが、オチを引き立たせるには必要だったのでしょうか。確かに真相は哀しい余韻が有りましたが。
それにしても、この様な独白形式の表現を使った構成は、昔から井上氏は好きですね。まずまず面白かったので、厚さにビビらずぜひお試しください。最後に一つ。このカバー素晴らしすぎます、最高。
ラバー・ソウル
井上夢人ラバー・ソウル についてのレビュー
No.88: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

BT’63の感想

SF的設定を使った父と息子の物語。サスペンスと涙に溢れたストーリーは、あざといがかなり面白い。少々長く、途中まで何が言いたいのかよく分からなかったが、現在苦境にある息子を父の過去が救うと言う解釈で良いのでしょう。そして、過去は変えられ無いのか、それとも?
SF,サスペンス、親子、恋愛、企業、銀行、全ての要素をぶち込んだエンターテイメント。結局は裏表紙に書いてありました。「物語」のすべてがつまった圧倒的大作と。おススメします。
新装版 BT’63(上) (講談社文庫)
池井戸潤BT’63 についてのレビュー
No.87: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

盤上の敵の感想

本当の悪意に出会った時、人はどう立ち向かう事が出来るのか。逃げても逃れられない相手も居るかも知れない。怖くて読み進めるのが辛かったです。
序盤の淡々とした描写が逆に不穏な感じを出していましたが、後の展開は全く予想外に進みましたね。終盤は二転三転で先が気になり、最後まで一気読みでした。
整合性の取れた良く出来たミステリーだと思いますが、ご都合主義の展開部分も多く(特に警察の扱いは酷過ぎませんか?)、奥さんの過去のパートが楽しくは読め無い事もあり、やや減点です。
すっかり騙されて驚けることは間違いなし。減点で8点ですから、傑作と言える作品です。
盤上の敵 新装版 (講談社文庫)
北村薫盤上の敵 についてのレビュー
No.86: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

オレたちバブル入行組の感想

ドラマは見ておりませんので本作のみの感想ですが、さすがの面白さと言えると思います。こんなサラリーマンは銀行に限らず居ないでしょうが、作中に思わずうなずいてしまう言葉が多く、ただの荒唐無稽とのバランスが良いですね。
半沢の非情さ、奥さんの勝手さ、ラストの決着の付け方。単純な爽快感だけでは無い感情が生まれましたね。次作も読んだら、ドラマも見てみようと思います。ミステリーでは有りませんが、おススメです。
オレたちバブル入行組 (文春文庫)
池井戸潤オレたちバブル入行組 についてのレビュー
No.85:
(7pt)

臨場 スペシャルブックの感想

ドラマには特に興味が無いので、あらすじは飛ばして読了。文庫未収録作品集でありますが、それなりに良く出来ているのでは。もっと読みたいのは、ファンなら皆思う所でしょう。横山先生、是非お願いします。
臨場 スペシャルブック (光文社文庫)
横山秀夫臨場 スペシャルブック についてのレビュー
No.84: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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一の悲劇の感想

再読だと思いますが、20年以上経って何にも覚えて無かったです。犯人はかなり早い段階で何となく分かりましたが、トリックが分からず犯行は不可能に思え、自信が無くなりましたね。一人称の為、限定された視点による緊張感や、他の人物の心情が分からない事がサスペンスを盛り上げます。ただ、子供が被害者の話は好きじゃ無い所、ラストの唐突な呆気なさを考えると、総合的な評価としては、あまり良いとは言えないです。
一の悲劇 新装版(祥伝社文庫 の3-4)
法月綸太郎一の悲劇 についてのレビュー
No.83:
(7pt)

焦茶色のパステルの感想

20数年ぶりの再読になりました。大概の本は内容すぐ忘れてしまうんですが、本作は犯人と動機に微かな記憶が残っておりました。その後ゲームブックまで含めて、岡嶋二人の全作品を読む事になりましたから、思い入れが深かったのでしょうね。
で、今回読み返してみると、なんか今ひとつに感じて凄く寂しかったです。登場人物に感情移入出来なかったからかも知れません。女性2人共あまり好きになれませんでしたから。
作風が宮部みゆきみたい、とか思ったりしましたが、時代が逆ですな。
焦茶色のパステル 新装版 (講談社文庫)
岡嶋二人焦茶色のパステル についてのレビュー
No.82: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ジャッカルの日の感想

冒頭の前書きで、この計画の結果が書かれています。ドキュメンタリーでは無いので、最後までハラハラしたかったな、というのは不満点。ただ、両サイドのプロフェッショナルぶりは凄まじく、特にジャッカルの綿密な準備には圧倒された。仕事は真剣にやらないといかんのだ、と説教されてる様でしたね。ハードなサスペンス・スリラーが読みたければ、外せないおススメの作品でしょう。
ジャッカルの日 上 (角川文庫)
No.81: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ナイルに死すの感想

登場人物が多いが、書き分けが出来ているのであまり混乱はしなかった。それぞれの人物にも隠された背景があり、人間ドラマがしっかりしています。また、ナイル川の描写が素晴らしく、映像で見たくなりましたね。ミステリーとしても、もちろん素晴らしい出来。犯人と動機は検討が付いたのだが、トリックは全然分からなかった。やはり読むべき名作じゃないでしょうか。おススメします。
ナイルに死す (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティナイルに死す についてのレビュー
No.80:
(8pt)

葬儀を終えての感想

登場人物が多く、序盤は読み辛かった。慣れて整理されて来ると、全員が怪しく感じられて、犯人は全く分かりませんでした。綺麗に伏線が回収され、明らかになった意外な犯人。トリックも少々強引ながら、フェアの範囲でしょう。クリスティの本格推理が楽しめる佳作です。もう少し派手な展開だと傑作と呼ぶんですけど。
葬儀を終えて〔新訳版〕 (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティ葬儀を終えて についてのレビュー
No.79:
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

ゼロ時間への感想

クリスティの作品の中でも高評価の本作は、さすがの面白さでした。序盤からの伏線が回収され、終盤のどんでん返しに見事に集約されて行きます。事件がなかなか起きず、その後トリックも犯人も良く分からず読んでましたが、人間ドラマがメインにある感じでしょうか退屈しませんでした。犯人像は現代的ともいうべき物で、いつの時代にもこんな奴いたんでしょうね。ラストも個人的には好きな終わり方。ミステリーの女王の名に恥じない作品でありました。
ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ・クリスティゼロ時間へ についてのレビュー