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梁山泊 さんのレビュー一覧

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レビュー数271

全271件 21~40 2/14ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.251: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

暗幕のゲルニカの感想

ピカソがゲルニカを完成させた時代とピカソを研究するキュレーター瑤子のいる9.11以降のアメリカが交互に描かれますが、共通しているテーマは「反戦」でしょうか。
芸術が戦争の抑止力になるなんて私には到底思えないのですが、読めばそう思えてくるような、そんなメッセージ性の高い作品ですね。
暗幕のゲルニカ
原田マハ暗幕のゲルニカ についてのレビュー
No.250:
(7pt)

紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官の感想

法医昆虫学が古参の捜査員にとって捜査を混乱させるだけの存在ってのがお約束なんだろうけど、もうそろそろこの縛りを打ち破ってもよいように思うけどなぁ。
警察側は毎回完膚なきまでに完敗だけど、今作はこれまで以上にワンサイドゲームでしたよ。
ここまで実績上げてこの扱いって、警察機構の古い体質っぽいとこ連想できちゃって、そろそろ・・・
好きなシリーズだけに、次回は新しい展開に期待したいですね。
紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
No.249:
(7pt)

贖いの感想

犯人は明らかで、動機も途中で想像がつくのですが、想定していた以上のラストで満足。
そのラストですが、実際その発言や行動のみ切り取って見た場合、見えすいた「いわゆる茶番」ってレベルなんだけど、そこまでの犯人と刑事の人物造形がそう思わせる事を許さないですね。
贖い(上) (双葉文庫)
五十嵐貴久贖い についてのレビュー
No.248:
(7pt)

アシンメトリーの感想

T村M月さんの作品に時々出てくるような面倒くさい女性二人が物語の中心。
女性は恋愛となると何故こうも物事を複雑に考えるんでしょうね。
最後は何かを悟ったかのような終わり方ですが、このままだとまた泣く事になると思いますね。
男から見ると何の解決にもなってない(笑)
男女で感想も相当違いそうな作品です。
アシンメトリー (角川文庫)
飛鳥井千砂アシンメトリー についてのレビュー
No.247: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

死と砂時計の感想

作者初読。
死刑囚ばかりを収容する終末監獄が舞台という一風変わった設定の連作短編集です。
「インパクトに欠けるけど、なんかセンスはいいよなぁ」なんて思って読んでたら、ラストにとんでもない結末が・・・
「いい意味での後味の悪さ」 是非味わってみて下さい。
死と砂時計 (創元推理文庫)
鳥飼否宇死と砂時計 についてのレビュー
No.246:
(7pt)

悲素の感想

現役医師である作者が、実在の事件を題材に描いた作品です。
医師仲間から「和歌山カレー事件」の鑑定資料を託された、というのだから驚きだ。
ただ、ルポルタージュっぽく、捜査、裁判と同じ事の繰り返しが描かれていてかなり冗長に思えます。
鑑定資料をベースに「小説」にして欲しかったなぁ。
悲素 上 (新潮文庫)
帚木蓬生悲素 についてのレビュー
No.245: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

炎の塔の感想

「古い映画じゃあるまいし」
作中のセリフですが、笑うとこなのかなと思いつつも、このセリフを挿入できた作者に敬意を評したい。
序盤はまんま「タワーリング・インフェルノ」です。
SマックイーンとPニューマンのタッグを、女消防士と作品中随一のバカ役に置き換えたんだから本家を超える訳はないのですが、やっぱ好きなんだよな、この手の作品。
炎の塔 (祥伝社文庫)
五十嵐貴久炎の塔 についてのレビュー
No.244:
(8pt)

スカウト・デイズの感想

元サンスポ記者である作者がプロ野球のスカウトに焦点を当てて描いた作品。
ほぼノンフィクションだと思いますね。ただ昭和臭満載ですが・・・
裏方ですが、人間一人の一生を背負う覚悟でやっているという事。だからそこにドラマが生まれるのでしょう。
プロ野球ファンには自信持ってお薦めできます。
今年ももうすぐドラフトですね。
スカウト・デイズ
本城雅人スカウト・デイズ についてのレビュー
No.243: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ルビンの壺が割れたの感想

フェイスブック上での男女のメッセージのやり取りだけな作品。
読中から考えていたオチの想定の範囲内だったので驚きはなかったですね。
再読する程でもないですが、読了後、あの時の発言の裏には・・・など振り返ってみるのが楽しい作品だと思います。
ルビンの壺が割れた (新潮文庫)
宿野かほるルビンの壺が割れた についてのレビュー
No.242: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

リーチ先生の感想

芸術に全く興味のない私でも、この作者の芸術小説は読んでいて本当に楽しいし心地よいですね。
史実をベースにした物語に、架空の人物を紛れ込ませ、彼を視点人物として彼の口に作者の思いとか考えとかを語らせている感じですかね。
作者自身の芸術に対する純真で真っ直ぐな思いがよく伝わり響きます。
リーチ先生
原田マハリーチ先生 についてのレビュー

No.241:

幻夏 (角川文庫)

幻夏

太田愛

No.241: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

幻夏の感想

冤罪発生に至るまでのカラクリを知って、不謹慎ながら、復讐劇に肩入れしたくなってしまいました。
「ゴメン」じゃ済まないわけですからね。
重大犯罪の高検挙率を誇る治安大国日本の実態っていうか、裏の顔を垣間見た感じですね。
「不起訴は黒星」とかくだらない事競ってんじゃないよ、って思いますね。
幻夏 (角川文庫)
太田愛幻夏 についてのレビュー
No.240: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

タイム・リープ あしたはきのうの感想

タイプスリップSFですが、時間がシャッフルされるというところがこれまで読んだこの手の作品とは違っています。
そんな中でパラドックス全力回避ってのが面白く、本当にこれまでになかった作品だなという印象です。
ラノベっぽいところが好みから外れるのですが、大量の伏線だけでなく現象のきっかけすらも上手く回収させたのは見事。
新装版 タイム・リープ〈上〉 あしたはきのう (メディアワークス文庫)
No.239: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

殺人喜劇の13人の感想

デビュー作を読めばその作家が一番何を描きたいのかが分かるって感じですかね。
作者の作品は何作か読んでいますが、なる程なぁって気がします。
ミステリマニアによるミステリマニアのための作品ですね。
兎に角ぶち込みすぎているので、読んでいて落ち着かないところがあるのですが、そこは処女作ってことで。
殺人喜劇の13人 (創元推理文庫)
芦辺拓殺人喜劇の13人 についてのレビュー
No.238:
(7pt)

夏服パースペクティヴの感想

樋口真由シリーズ2作目。
前作が、私のこれまでの読書歴の中でもかなり上位に位置づけられる作品。
今作の、虚構と現実の殺人の交差、ってのもアイデアだと思って読んでましたし、この作者さんいいな、って印象。
ここのレビューにもある通り、登場人物が多いのですが、ほんの数名の人物を除いては、没個性の登場人物が多すぎて区別が付き辛かったです。
前作、この手のトリックがありましたので、今回もまたここに何かあるなと思っていたんですが、何もなかったですよね。
だとすると、キャラの描き込みが足りないという事になるでしょうか。
あと、後半物語が動き出してからはキレッキレで面白いんですけど、前半が冗長すぎますかね。

前作は少し「現実離れしている」箇所があったけど、「騙された」感はありました。
こちらとしては、多少現実離れしてようがフィクションだって割り切って読んでるわけですから、やっぱ騙された感があるかないかって大きいですね。
という意味でも、前作に軍配ですね。凝ってるのは今作な気もしますけどね。

夏服パースペクティヴ (角川文庫)
長沢樹夏服パースペクティヴ についてのレビュー
No.237: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

螺旋の手術室(ブラッドライン)の感想

タイトルから「アレ」系の話なんだろうなという予想はついたが、まぁ意外な結末ではある。
読み手に意外性を与えるためには、やはり捻りが必要なわけで、この作品の場合それは「動機」だと思う。
納得できるかどうかで評価は変わってくると思いますね。
個人的には、「結果は何も変わっていない」 にもかかわらず、その代償が大き過ぎませんかねぇ、って感じがしないでもないですけど・・・
あと、医療ミステリにはありがちですが、専門知識がないと推理すら不可能ですね。
まぁ医療ミステリってそういうもんだろうって免疫出来てますからそれ程気になりませんけどね。
引き金は教授戦、な出だしだったんで、もう少しわかりやすいものを期待しておりました。

螺旋の手術室
No.236: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魔法使いの弟子たちの感想

タイトルからはファンタジーにも思えるがパンデミックもの。
致死率100%に近いウイルスに感染しながらも奇跡的に生還し「後遺症」と表現される超能力を身につけた者たち戦いを描いた物語。
この作者さんは発想が凄いなぁ。その時点で「勝利」です。
スケールのでかい話なんで、最後どういうオチを持ってくるのか気になってましたが・・・
う~ん、ありがちで想像の範囲内っていうか、こういうのはやめてね的なラストですこしがっかり。

魔法使いの弟子たち (上) (講談社文庫)
井上夢人魔法使いの弟子たち についてのレビュー
No.235: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

龍臥亭幻想の感想

この作者の作品で「幻想」なんて言葉がついてしまうと少々危険な香りがしてしまいます。
この作者には「眩暈」なんていう前科がありましたかな。
しかし、高評価をした「龍臥亭事件」の続編となれば読まなければ・・・って事で読んでみた。

御手洗シリーズだが前作同様主役は石岡で、何故か吉敷も登場する。犬坊里見もいるわけで、ある意味オールスターキャストかと。
その割に、結局謎は解明できずラストは犯人の手記による独白。
だったら御手洗も吉敷も要らんやろって正直オモタ。
バラバラ殺人で、パーツの組み合わせ的な展開まであって、御大ファンなら間違いなくあの作品を想起したはず。
期待は裏切られるのだが、トリックは御大らしさ満載で大味であり、ある意味(では)期待を裏切らない。

龍臥亭幻想(上) (光文社文庫)
島田荘司龍臥亭幻想 についてのレビュー
No.234:
(8pt)

月輪先生の犯罪捜査学教室の感想

月輪探偵が帝大にて学生相手に犯罪捜査学の講座を行うという言わばシリーズのスピンオフ的な中編集。
大学で講義を打つなんていつからそんな名探偵になったのよ。
過去作品を読んできて、彼を名探偵だと感じたことはなかったのですが、今回は学生相手に完全に名探偵になっとるところが笑える。
今作は、杉山潤之助の手記という形式ではありません。彼の名は一度も登場しなかった(と思う)
今作の主人公は3人の個性的な受講生らと言っていいでしょう。
まぁ実際”かませ犬”要員でしかなく、最後美味しいところは全部月輪先生に持っていかれるのですが、お互いをライバル視する彼らの推理合戦や漫才のような掛け合いはなかなかに楽しいです。
それに、失踪事件、密室殺人など事件の質も意外と高かったりします。

月輪先生の犯罪捜査学教室 (光文社文庫)
岡田秀文月輪先生の犯罪捜査学教室 についてのレビュー
No.233:
(8pt)

小暮写眞館の感想

前四話からなる中編集なのですが、とにかく分厚い。
心霊写真、なんて展開になった時は、ここからまさかお得意のファンタジーなSF大作が始まるのか、なんて思ったりしましたが、表紙の絵と余りにも乖離してますからね。安心しました。
とは言うものの、
人物造形に長けた作者さんで、この手のほっこり系作品はお手の物と思うのですが、最初の三話は、ちょっとした謎解きのようになっているとはいえ、正直目新しいものもなく単調で起伏もなく正直相当退屈でした。
しかしというかやはりというか最終四話が相当に秀逸なわけですが・・・
静から動。前半三話の失点を一気に挽回、そして跳ね返します。
涙腺は一気に決壊させられるのではなく、じわじわ緩んでいきますよ。

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
宮部みゆき小暮写眞館 についてのレビュー
No.232: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Ank: a mirroring apeの感想

SFパニック小説。
読み手は選ぶ作品だろうと思います。

複数の時間軸を行き来する構成はスピード感もあったし魅せ方が上手いな、って思ってました。
前半は面白かったんですけど・・・って感じですかね。
上手く表現できないのですが、フィクションとノンフィクションの境界線がかけ離れていて間がすっぽり抜け落ちている感じ。
ノンフィクションのパートはすごく説得力あるんですけどね。
ラストはSFにありがちな独りよがりな回収になってる気がしました。
で、どうせ独りよがりなんだったらもっと派手にすればよかったんじゃないですかね。
もっとスケールの大きなストーリーに出来たはずです。

Ank : a mirroring ape (講談社文庫)
佐藤究Ank: a mirroring ape についてのレビュー