■スポンサードリンク


マッチマッチ さんのレビュー一覧

マッチマッチさんのページへ

レビュー数149

全149件 61~80 4/8ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.89:
(7pt)

看守の流儀の感想

刑務所内で起こる事件を扱った短編集。
5つの事件を描いてはいるが、それぞれが全く独立した作品では無く、連作短編集と言った方が良いだろう。
その5つの作品を繋ぐ鍵は、三上という名の受刑者とHTというイニシャルの刑務官。
それぞれの作品は、少々都合よくまとめられてはいるが、卒なくオチを入れて良品に仕上がっている。また、人間ドラマも上手く取り入れ、ホロリとさせてくれる。
でも、その程度では普通の作品集。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
看守の流儀 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
城山真一看守の流儀 についてのレビュー
No.88: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

魍魎の匣の感想

この著者は初読みです。
サイト内評価が高いので、手にしました。
とんでもなく分厚いですね。読み始めても、なかなかストーリーの全貌が見えて来ない。300ページ程読み進めて、やっとバラバラだった事件に、関連した手掛かりが見えて来る。
そういう面では、とにかく話がしつこいと言うか、くどいです。そして、その執拗な書き込みこそが、本書の醍醐味なんでしょうね。いわゆる、癖になりそうな味付けです。
タイトルや表紙の絵から連想するようなホラー感や恐怖感は一切感じられません。
それどころか、探偵役の京極堂と関口を含めたそのお仲間達との会話は、一種の喜劇のような面白さで、思わず含み笑ってしまうほどです。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)
京極夏彦魍魎の匣 についてのレビュー
No.87: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

聖域の感想

宗教色がかなり濃い作品です。著者が真面目に宗教に対峙して書き込んでいることが伺え、また、作品の後半には新興宗教の題材も記載し、そういう面では一種の社会派小説の側面もあるかもしれない。
といっても、ガチガチにクソ真面目で、面白くも何ともないということは一切無く、当方も一気に読み終わったように娯楽色も十分にあり、楽しむことが出来た。
ラスト近辺における主人公実藤と謎の作家水名川泉との激烈な対峙。ここで多くの宗教用語が飛び交うが、知識の無い方にはやや難解である。しかし、深い意味は分からなくてもスイスイ読み進めることが出来、これこそ著者の筆力の確かさであろう。
ただし、題材のせいもあるのか、読後感は余り良くない。何か夢の無い結末であった。
しかしながらこの小説を俗物的な見方で読み、出版社の編集者が良い作品を求めて偏執的に葛藤する姿をギャグにした業界小説と見なせば、笑い話で済ませることができそうと思うが、著者には失礼かな(笑)

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
聖域 (集英社文庫)
篠田節子聖域 についてのレビュー
No.86: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

同志少女よ、敵を撃ての感想

真面目な戦争小説です。
ちょっとタイトルが安っぽく、少年向け漫画のタイトルの様だけど、しっかり骨太に書かれています。
後書きの解説を読むと、どうも著者のデビュー長編作らしい。
参考文献も多数明示されており、第二次世界大戦の独ソ戦について、入念に勉強されたことが伺える。
そのことが、本書の細部にリアリティー感を与え、戦争の苛酷さ卑劣さを読者に明白に晒してくれた。次回作を期待させる新人作家さんだと思う。
やむなき事情からスパイナーとなった一少女が成長していく一種の冒険小説なので、驚くような展開があったり、ミステリックなオチがあるわけではありませんが、スピード感もあり、あっという間に読み終えることが出来ます。ただし、ワクワクするような面白さを一面に挙げたエンタメ小説ではないので、それは期待しない方が良い。それも加味して良品です。
最後にこの小説を読みながら、今ウクライナで起こっている惨状に深い憂いを感じています。人類というのは、常に同じ過ちを犯すものなんですね。
同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)
逢坂冬馬同志少女よ、敵を撃て についてのレビュー
No.85: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読みごたえ十分

とにかくボリュームがあります。読みごたえ十分ですね。
これで面白くなかったら、挫折するところですが、結構一気に読み終えてしまいました。
著者作は初読みですが、読み易いです。これだと、他作品にも触手を伸ばしたくなりますね。
本作の良さは、とにかく人間関係が丁寧に描写されているところ。そして、事件の本質がなかなか最後まではっきりしないこと。まさに、長編ミステリー小説の醍醐味でしょう。
終盤近くまでは、特に秀逸です。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
柴田よしき聖なる黒夜 についてのレビュー
No.84: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

霧をはらうの感想

好きな作家さんなので、あえて最新作を読んでみた。
いわゆる冤罪に絡んだ弁護物。よって、当然ながらある程度ストーリは決まっている(冤罪が晴れて被告人は無罪)。
さて、それをどのように展開させるかが、著者の腕の見せ所。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
霧をはらう
雫井脩介霧をはらう についてのレビュー
No.83: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

犯人に告ぐの感想

これは警察小説というよりエンタメ小説ですね。
詳細にこだわらず、エンタメ小説という視点で読み進めると、すこぶる面白い。
当方後半からは中断できずに、一気に読み終えた。下巻は1時間ちょっとでしょう。
久し振りに素直に面白かったですね。
単純に犯人を追い詰めるだけでなく、若手上司植草との絡みが秀逸。
どちらかというと、この植草のエンドに至る過程が、この小説の読みどころであったかもしれない。
なのに、なぜ評価が8点・9点にならないかと言うと、それは本筋であるべき犯人確保に至る流れがあまりに大雑把。


▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
雫井脩介犯人に告ぐ についてのレビュー
No.82:
(7pt)

乱反射の感想

大真面目な社会派小説である。600ページ程のボリュームではあるが、すこぶる読み易い。
大きな紆余曲折もなく、登場人物達のごく有り触れた日常の活動が淡々と進行し、そして事件が起こる。
当方、以前テレビドラマ化された作品を視聴していた精もあってか、事件に至るまでの筋書きが予想されたため、緊迫感を感じずやや単調にも思うところがなきにしもあらずではあったが、それでも、程よいスピード感で読み終えることが出来た。
初読みの方は、もう少し緊迫感を味わえる事であろう。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
乱反射 (朝日文庫)
貫井徳郎乱反射 についてのレビュー
No.81: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

黒牢城の感想

時代小説でミステリー物ですね。4編の短編から成り立ちながら1つの結末に向かっていく、なかなか読み応えがあり、楽しめました。
基本的に時代物は言葉遣いが解りづらく、すらすら読めないので敬遠しています。しかしながら、本書は、ある程度は読みやすいように工夫されていたように感じられました。
各編は、「満願」や「儚い羊たちの祝宴」のようなオチの切れ味の良さも感じられ、十分に直木賞の価値があると思います。
なお、史実を全く知らないでこの評価がですが、史実を知っている方にとっては、かなり評価が高いのではないでしょうか。
黒牢城 (角川文庫)
米澤穂信黒牢城 についてのレビュー
No.80: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

果断: 隠蔽捜査2の感想

実に読後感が良い爽快な1冊である。
勧善懲悪というか、最後はここまでするかという位、徹底的に登場人物を持ち上げる。
イヤミスの最対極のような小説であった。
(警察小説の体を取ってるけど、半沢のような読後感ですね。)

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)
今野敏果断: 隠蔽捜査2 についてのレビュー
No.79: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

仮面山荘殺人事件の感想

東野圭吾の初期作です。
図書館で見かけて未読本だったので、読んでみました。
「○○殺人事件」というタイトルの小説は、いわゆる犯人探しのミステリー本という印象が強く、それほど好みでは無いので手にしないのですが、手ごろな厚さだったので読むことにしました。
結果的に予想通り犯人探しがテーマ。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
仮面山荘殺人事件 新装版 (講談社文庫)
東野圭吾仮面山荘殺人事件 についてのレビュー
No.78: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

隠蔽捜査の感想

警察キャリアの思考・行動を記した、いわゆる俗に言う警察小説。
事件を解明するというミステリー度は、ほとんどなく、ある連続殺人事件に向かい合う2人のキャリアとその上司たちの考えと動きを細かに描いていく。
正直、これだけだったらアマゾン評価の2点程度の内容。大して面白くもない。
しかしながら、なぜにアマゾン評価4点を計上したのかというと、主人公竜崎の家庭問題をうまく絡めて、読後感良く感動的に仕上げられたからである。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
隠蔽捜査 (新潮文庫)
今野敏隠蔽捜査 についてのレビュー
No.77: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

蟻の菜園 -アントガーデン-の感想

いつもの事ながら、著者の作品は読み易いですね。
いわゆる後妻業の話かと思って読んでいたが、実はそうでは無かった。
序盤から中盤にかけては、特に面白かったですね。少しずつ事件の本質に迫っていく。
以前読んだ著者の「ウツボカズラの甘い息」に似たような流れです。
ただ気になる点がいくつかあって、そこがマイナス要因でした。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)
柚月裕子蟻の菜園 -アントガーデン- についてのレビュー
No.76: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

テスカトリポカの感想

なかなかハードで強烈な作品ですね。
かなり面白いです。どのように展開していくのか予想しづらいので、ゾクゾクしながら読み進めることができます。
特にⅡ章・Ⅲ章当たりの中盤は、秀逸な面白さです。
このペースなら、アマゾン5点なんだけど、Ⅳ章以降がちょっとショボかったかな。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
テスカトリポカ (角川文庫)
佐藤究テスカトリポカ についてのレビュー
No.75: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

検事の信義の感想

検事・佐方貞人シリーズの4作目。
短編集ですね。
それぞれスッキリまとまっています。
そして、いつものように読み易い。
アッと驚くようなオチがあるわけではありませんが、それなりに切れ味も良く、良品が揃いました。
綺麗すぎるというか、やや上品にまとめられているので、もう少し灰汁(あく)のある下劣な場面が加味されてくると、よりアリティ感が出て面白くなりそうです。
でも、よくできた短編集だと思いました。
検事の信義 (角川文庫)
柚月裕子検事の信義 についてのレビュー
No.74: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

難解です。

あっさりと読み終えることは出来るのですが、一読で理解するのはちょいと難しいかなと思います。
「はしがき」と「あとがき」は、高橋美也子(早希子の妹)が書いた。これは、だれでも解る。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子殺人鬼フジコの衝動 についてのレビュー
No.73: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ジウII 警視庁特殊急襲部隊の感想

これはジウⅠとは異なり、ⅡとⅢでワンセット。上巻・下巻という構成本でいいんじゃないんですか。
Ⅱを読み終わっても、Ⅲを読まないと結末をを知ることが出来ない。
よって、ここでの感想も中途半端にしか書けない。
ということで、早速、Ⅲを読み進めて感想を書くことにしよう。
ただ、ひと言書くなら…

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)
誉田哲也ジウII 警視庁特殊急襲部隊 についてのレビュー
No.72: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

悪の芽の感想

社会派小説。
「想像力の欠如」がキーワード。
想像力の無い安易な行動・コメントが悲劇を生んでしまう可能性を提起した小説。
現代社会では、こうした事例が普通に見られる光景なんだろう。
主人公の安達、そして犯人に娘を殺害された厚子は、それなりに自己決着できた。
犯人の過去に関わっていた真壁、事件を動画撮影した亀谷、両名は何故にか消化不良。これは著者の意図なのか。
読み終わり、考えさせられた一冊であった。

▼以下、ネタバレ感想
※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら
悪の芽 (角川文庫)
貫井徳郎悪の芽 についてのレビュー
No.71: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ギャグですね。

結構面白いです。
上下2冊の文庫版を読みましたが、サクサクっと読み終えます。
サイコキラーのお話なんですが、著者の「黒い家」のような得体の知れない「怖さ」というものは、一切感じられません。
まさにギャグのようなお手軽さで、人が死んでいきます。
そういう意味では、「怖さ」より「展開・スピード感」を楽しむエンタメ小説のような感覚かもしれません。
とは言え、「学校」現場と「サイコキラー」いう題材は、最高に良かったです。
この題材で、「恐怖」と「リアリティ」を追求して書いていただいたら、全く別の小説として仕上がり、より楽しめたかもしれません。
そういう意味では、ほんのちょっと残念だったかなぁ、という気もしますが、気楽に楽しめたのでOKでしょう。

悪の教典 上
貴志祐介悪の教典 についてのレビュー
No.70: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

悲しいなぁ・・・

読み終わり、悲しさがいつまでも残った。
ただ、悲しいと言っても、悲惨な悲しみではない。小さな希望が残された悲しみであり、わずかな灯が救いを残してくれた。
上下2巻のある程度ページ数の多い小説ではあるが、物語はテンポよく進み、特に下巻はあっという間に読み終えた。
複雑な人間の感情を思い知らされると同時に、一種の社会派小説として今の日本の抱える社会問題に一つの石を投げかける。
惜しむべきは、山神一也の生い立ち・内面・心理・動機などについては、やや希薄な描写で終わり、もう少し記述して欲しかった。(※作者の意図かもしれないが、、、)
最後に追伸だが、本書の冒頭は悲惨な惨殺現場で始まり、犯人は逃亡したままで捕まっていない。
と言っても、犯人探しのミステリー小説ではないことをお伝えしたい。
怒り(上) (中公文庫)
吉田修一怒り についてのレビュー