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マッチマッチ さんのレビュー一覧

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レビュー数106

全106件 21~40 2/6ページ

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No.86: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

鬼の跫音の感想

6編からなる短編集であった。
6編に共通するのはSという頭文字の人物と鴉。
しかし、共通するのはそれだけで、連作短編ではなく、それぞれが完全に独立した作品であった。
6編目の最後の作品で、共通するSの秘密が明かされる驚愕のネタを期待したが、何もなく些かがっかりした。
テイスト的には米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に似たダークな雰囲気。
でも「儚い羊たちの祝宴」よりは、すこしレベルが落ちるのかな。いまいちオチの切れがない。オチが唐突過ぎて無理やり感がある上に、やや分かりづらい。
余韻を残して読者に考えさせたいという著者の意図だろうか。
ということで、当方はやや消化不良感を覚えたので、この点数とした。
鬼の跫音 (角川文庫)
道尾秀介鬼の跫音 についてのレビュー

No.85:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.85:
(5pt)

螢の感想

この著者の作品は、「隻眼の少女」・「鴉」と続いて3作目である。
特に前回読んだ「鴉」では散々な目にあい、チンプンカンプンであった。
ということで、今回は読み落としが無いようある程度は丁寧に読み進めた。

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螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.84:
(6pt)

蟻の棲み家の感想

この小説を読み終わったすぐあと、Yahooのニュースで下記のような記事を見つけた。
「16歳で1回手取り2000円の格安風俗に入店…4つの性感染症にかかり、医者から「風俗の仕事をやめて普通の仕事に就きなさい」と言われてもやめられない理由」2023/12/23(土) 17:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec4280d1dd0ec71792400e4dbdc34df9ce5a392a
やめられない理由が、まさにこの小説に登場した女性たちのそのままであった。

この小説、かなり好き嫌いがはっきりしそう。万人向けではない。
また、誰の視点から書かれたのか分かりづらいところもあり、やや読みづらい。



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蟻の棲み家 (新潮文庫)
望月諒子蟻の棲み家 についてのレビュー

No.83:

鴉 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.83: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

鴉の感想

リアルに拘るなら読まない方が無難。
舞台は、現代日本の都市から隔絶された、4つの山に囲まれた地図にも載っていない村。
警察も学校も無い江戸時代に存在していたかのような村。
村を支配しているのは、「大鏡様」という絶対的な神。

サイト評価に釣られて手にしたが、正直読み始めて失敗したと思った。
とにかく登場人物の名前すら読みにくく、頭に残らない。序盤から中盤にかけては特にしんどかった。よく読み終えたものだ。
後半になってやっと頭の整理が出来、スイスイとは読めたが…

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鴉 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.82:
(4pt)

誰も僕を裁けないの感想

当サイトの評価が高かったので、取り敢えず手にしました。
100%の事前情報なしです。どんな内容か、帯もカバー裏も著者情報もサイト感想も、ましてやあらすじなども全く読んでません。
で、その結果ですが、序盤のつかみは、なかなかよろしいですネ。「おっ!面白そうじゃん!」と思わず引きこまれました。
少々エロい展開で、早々の少女の自殺死。援助交際をやってる女。その女が不審な手紙で某屋敷に招かれる。
ここまでは、抜群です。期待大ですね。
でも、ここまででした。それ以降は、屋敷の見取り図が出てくる。円形の屋敷。何やら本格ミステリーの犯人探しの匂いがプンプン。
そして、あとは、お決まりの殺人事件。もう駄目。あとは、グダグダした理屈を読んで、犯人を知る。なーんだこれは、援助交際探偵・上木らいちというシリーズ物なんだ。
ただし、並行して書かれていた高校三年生のの戸田公平の事件。こちらは流石に、社会派ミステリーを標榜するだけに、なかなか面白いところに目を付けた。
もちろん、お屋敷の殺人事件と戸田公平の事件はいずれ収斂されるわけだが、これがあって、この小説は成り立った。これが無ければ、単なるおバカミステリーということだろう。
よって、屋敷の事件だけならアマゾン評価1点。でも社会派が加味されて2点。サイト評価4点で、いいとこだろう。
ということで、残念ながら、この作家さんはもう読みません。私には合わなかった。
誰も僕を裁けない (講談社文庫)
早坂吝誰も僕を裁けない についてのレビュー
No.81:
(6pt)

夜の終る時の感想

ひょんなことから手にした。
古い本である。
本書は元々1963年に刊行されているが、手にしたのは1990年に文庫化されたものでる。
故にさほど古臭さは感じられなかった。

典型的な警察小説である。
二部構成になっており、一部は事件の推移、二部は犯人から見た事件の真相、ということになっている。
刑事達の捜査活動と心情、犯人の心理がうまく描かれています。

面白く読めます。伏線がどうだとか何だとか、難しく構えずに読めました。
当時の警察も今の警察も同じようなものだと、警察組織を考えることができましたね。
夜の終る時 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
結城昌治夜の終る時 についてのレビュー
No.80:
(5pt)

これはギャグなのか(リバースの感想)

スイスイ読めるんだけど、主人公の思考にイライラする。
この自信の無さは何なのだ。女々しいというか卑屈というか、どうでもいい事に色々と気を遣う。
昨今こういうナイーブな若者が多くなっているんだろうね。対人関係で気を遣いすぎ、不登校・人間不信に陥る。
当初、本書はそういった社会性を問う社会派小説かと思ってしまった。
しかしながら実際のところは、ある手紙を送った人物、すなわちその人物(=犯人)探しのミステリー小説なのである。

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リバース (講談社文庫)
湊かなえリバース についてのレビュー
No.79:
(5pt)

ハヤブサ消防団の感想

TVで放映が始まったので、試しに読んでみた。
ミステリー小説である。ただし、やや盛り上がりに欠け凡庸という印象。
著者の企業物・銀行物の面白さ、痛快さ、スピード感のある小説を期待して読むと、少々物足らないと思う。
ミステリーとしてのポイントは、「連続放火犯は誰なのか?」ということだが、最後がガッカリ。

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ハヤブサ消防団
池井戸潤ハヤブサ消防団 についてのレビュー
No.78: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

機龍警察の感想

本書の完全版とやらを読んでみた。
えらくストレスの残った終わり方であった。
ページ数は400ページほど。330ページ辺りで第3章が終わる。
さて、いよいよ最後の章で黒幕が明かされるかなと、ページを捲ると、なんと!The End!「謝辞」があり、「参考文献」の記載。
残りのページは、インタビュー記事やら、著者の「後記」やら、続編の解説やら、もうどうでも良い。
結幕を知るためには、続編の「自爆条項」「暗黒市場」「未亡旅団」…を読まなければならないということ⁈
うーん、考えちゃうね(笑)
しかし、著者はかなりの自信家なんだろうね。必ず次作が刊行されるという自信があっての著作なんだと思う。
著者のあとがきの一節に「…もちろん続けられればそれに越したことはないのだが、エピソードとしてはちゃんと完結しているので一作で終わっても問題はない。…」
いやいやこれで終われば、問題残るけど(笑)
ごめんなさい。第一作だけでは評価不能というか、この程度しか評価できません。アマゾン評価2点です。
PS:内容もちょいとロボット漫画(イメージ的にはガンダム・エヴァンゲリオン系列)ぽくって、重厚な警察小説では無いようです。
機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
月村了衛機龍警察 についてのレビュー
No.77: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

空中ブランコの感想

一連の伊良部シリーズ2作目。
一作目の「イン・ザ・プール」を読んで、「あれっ⁈」て思い4点を付けましたが、こちらは直木賞作ということで、どの程度変化しているかを確認のため読んでみました。
結果は、中身的にはほぼ一作目と同じでした。
軽くてすこぶる読み易い。時間つぶしとストレス解消にはもってこいのギャグ小説です。
この手の小説でも、直木賞に選ばれるんですね。ある意味驚きでした。
「義父のヅラ」これは、腹を抱えて笑った。
ということではあるが、やはり3作目まで手が伸びそうもない。アマゾン評価3点というところでご勘弁。
空中ブランコ (文春文庫)
奥田英朗空中ブランコ についてのレビュー
No.76:
(4pt)

彼女はひとり闇の中の感想

中盤までは結構面白く読めたんだけど、犯人がはっきりしてからは、妙につまんなくなった。
原因はミステリー小説風ではあったが、それには徹しきらず、途中から社会派小説になってしまったところでしょうか。
中途半端なんですね。

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彼女はひとり闇の中
天祢涼彼女はひとり闇の中 についてのレビュー

No.75:

爆弾 (講談社文庫)

爆弾

呉勝浩

No.75: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

爆弾の感想

中盤まではなかなか面白かったですね。
特筆すべきは「スズキタゴサク」という登場人物のサイコなキャラ。これが際立って、ゾクゾクしながら読むことが出来た。
特に伊勢という若手刑事を嵌め込む辺りは、何かしらの悲惨な結幕が予見され、痺れる感覚です。
まあしかし、こうしたヒリヒリした展開はこの辺までかな。
取り調べの刑事が類家に代わり、スズキとのやり取りが長々と続くわけだが、徐々に謎かけ合いのクイズ同好会の様な展開になり、息詰まる心理戦という緊張感が消失してしまった。
そして最後辺りは、得体の知れないスズキも、いわゆる凡人の田吾作になり、ドタバタしながら終わってしまったような印象。

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爆弾 (講談社文庫)
呉勝浩爆弾 についてのレビュー
No.74: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

日本の黒い霧の感想

ひょんなことから本書を発見。
大御所の「松本清張」氏の作品であること。
当サイトの評価はなんとSランク!
しかも上下2冊の長編のようだ!
これは大当たり。是非とも読まなくてはならない。
もちろん、一切の事前情報なしで。

ということで、何とか2冊同時に手に入れ、期待に胸膨らませて読み始めました。

しかし、Σ(゚д゚lll)ガーン、、、 これっは、、、私がいつも読んでいるフィクション小説ではない。
ノンフィクション作品じゃないですか、、、

戦後のドサクサ期に起こった数々の怪事件。下山事件や松川事件、帝銀事件・・・
これらの事件を清張氏が、当時彼が収集したネタを基に、推理するという内容です。

ハッキリ言います。この体裁が面白く感じるか感じないかは、読み手の関心度によって全く異なりますね。
この手の事件に関心がある方には、たまらない本でしょう。著者が取材して得た特ダネ情報や著者独特のねっとりした推察は、さぞかし面白いことでしょう。
しかし、私にはちょっと合わなかった。最後まで読み切るまで、相当時間を要しました。
面白かったのは、一事件読み終わるごとにウイキペディアで検索し、事件の概要を読み比べるあたりですかね。

でも読み終えて、戦後の昭和20年代というのは相当混乱した時代であったということを知れ、実は今現在もその時代の残像を残したまま、時代が流れているという現実を認識できたので、それはそれで大変勉強になりました。

なお評価はしづらいので、中庸点の5点にしました。

追伸 ※いきなり当方が5点を付けたので、サイト評価が一気にBランクになっちゃいました。申し訳ない。

日本の黒い霧〈上〉 (文春文庫)
松本清張日本の黒い霧 についてのレビュー
No.73: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

チェーン・ポイズンの感想

正直読んでいて楽しくはない。
面白おかしく気楽に読むような小説ではない。

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チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多孝好チェーン・ポイズン についてのレビュー
No.72:
(4pt)

イン・ザ・プールの感想

「あれっ⁈」て、なってしまった。
これが直木賞作品「空中ブランコ」に続く一連の伊良部シリーズ1作目なのかぁ、、、
何だか、お笑いのコントのような短編集でした。
読み易くまあまあ面白いんだが、大して捻りも効いていないオチ。「うーん、これで終わり⁈」って、なっちゃいました。
この著者の短編集というのは、毎度このような感じなんでしょうかね。
2作目の「空中ブランコ」、どうしようか迷っています。
お気軽な時間つぶしのはいいのかもしれません。
なお、ミステリーでは全くありませんので、これから読まれる方は、それを期待しないでください。
イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田英朗イン・ザ・プール についてのレビュー
No.71:
(5pt)

ネメシスの使者の感想

死刑制度について考えさせる社会派ミステリー。
著者の作品については、B級エンタメミステリー娯楽小説という感じで、当方いつも読んでいるが、本作はやや趣が異なり、少々小難しく肩肘はっている。

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ネメシスの使者 (文春文庫)
中山七里ネメシスの使者 についてのレビュー
No.70: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

145gの孤独の感想

この著者の作品、結構読んでいるんだけど、今回はイマイチ合わなかったみたい。
自分が投げた死球で相手選手を再起不能にしたプロ野球投手のお話。
まずは、とにかく現実逃避しているこの主人公に共感できない。
そして主人公の安っぽいギャグというか余計な一言。最後までこれが続きます。ちょっとイラつきますね。
しかしながら、名探偵ごとく相手の心情や微妙な行動を読み解く。このバランスの悪さが、不可思議。

▼以下、ネタバレ感想
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145gの孤独 (角川文庫)
伊岡瞬145gの孤独 についてのレビュー
No.69: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

折れた竜骨の感想

好みが別れる作品ですね。
ファンタジー小説のような設定で物語は始まりましたが、中盤までは本格的な謎解き小説です。
よって、当方には少々退屈な流れですね。読むのが少し面倒でした。
ただ、中盤以降の「毒スープ」·「囚人脱獄」.「デーン人来襲」辺りからテンポが良くなって、一気に面白くなってきます。そして、終盤はお決まりの謎解き解明。そこで驚くような真実が明らかにされる。
この終局は、かなり説得力があって納得出来ました。面白かったです。
あとは評価のポイントだけど、これは冒頭で書いたように、もう好みだけの問題ですね。
とにかくリアルに拘るなら、そもそも高評価は望めない。
ということで、当方はアマゾン評価の平均点ということで、サイト評価6点にしました。
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
米澤穂信折れた竜骨 についてのレビュー
No.68:
(6pt)

夏の災厄の感想

20年程前の作品。
今の時世、新型コロナの時代にピッタリですかね。
当時としては良く勉強されて書かれているようです。
ただ、今これを読んでみると、やや大雑把。ちょいと非科学的な場面も見られます。
未知のウイルスによるパンデミック小説の体裁ですが、さほど緊迫感もなく怖さも全く感じられません。
当方は、どちらかというと、お粗末で危機感の無い行政の職員やシステムを皮肉った一種の社会派小説という感覚で読んでいました。
ところで、本文中にはワクチンに関する記述が多数出て来ますが、このコロナ時代のワクチン推進派と反ワクチン派のドタバタを目にすると、昔も今も変わっていないのだなと思わず笑ってしまいました。
作品の評価に関しては、やはりヒリヒリするような恐怖感、未知のウイルスの怖さ、こういったものが殆ど味わえなかったので、やや渋めの評価にしました。
夏の災厄 (角川文庫)
篠田節子夏の災厄 についてのレビュー
No.67: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

制服捜査の感想

短編集でした。連作短編集と言った方がいいかもしれませんね。
有能な刑事が、道警で起こった不祥事の影響で配置換え、地方の駐在所勤務となる。
その駐在所お巡りさんが関わった5つの事件の話である。

俗に言う「お巡りさん」というのは制服警官であり、私服警官「いわゆる刑事(デカ)」とは違って、捜査は出来ないんですね。
この小説を読んで、なるほどと思っちゃいました。
捜査は出来ないが、刑事(デカ)としての経験が捜査を強く意識する。この小説は、このジレンマを上手く描いて、一味違った警察小説に仕上がっています。
ただ、どうしても短編なので、一つ一つの事件が深堀りされていない。面白いんだけど、少々消化不良。
短編の読みどころはアッと驚くようなオチにあると思うんだけど、それも少し弱いかな。オチの切れ味と言えば、横山氏の作品集を思い出しますが、それより見劣りがします。
でも、単純に面白かったです。是非、次回は著者の長編警察小説にチャレンジしたいですね。
制服捜査 (新潮文庫)
佐々木譲制服捜査 についてのレビュー