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タッキー さんのレビュー一覧

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レビュー数230

全230件 61~80 4/12ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.170: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

騙される楽しさ溢れる作品

一つの出来事には、いろんな解釈ができますが、その典型例のようなミステリー。固定観念にとらわれずに読み進めないと騙されます。高い霊感力を持つ魅力的な女性が主人公で、この霊感力を使いながら、様々な事件を解決するワトソン役の素人探偵。ここまではよくあるミステリー。でもここから先がこの作品の真骨頂!この著者の作品『小説の神様』では、小説を書くことへの苦悩が書かれていましたが、今作品では小説の楽しさが前面に出ている作品と感じました。是非続編希望です。
medium 霊媒探偵城塚翡翠
相沢沙呼medium 霊媒探偵城塚翡翠 についてのレビュー
No.169:
(9pt)

壮絶な内容

序盤は大きな動きもなく、前作からのそれぞれの活動を紹介するような内容。ただ、ところどころミレニアムにおけるハリエットの立場を巡るエピソード、リスベットとパルムグレンとの再会の場面など、感動的な場面も。事件が起こるのは中盤以降。リスベットが襲われ、そこからは怒涛の展開。そしてそこからは壮絶な内容。途中からはまさに目が話せない展開。そしてまさかの終わり方。元プロボクサーと金髪の巨人との死闘、リスベットが悪者をぶちかますシーン、そしてラストシーン。まるで映画を見ているような内容で、作者と訳者両方に拍手を送りたくなる内容でした。これはすぐに次も読まないと!
ミレニアム2 上 火と戯れる女
No.168:
(7pt)

危機に対して大切なことを伝える作品

1人1冊限定で平積みで売っていたため、買いたくなり、購入した一冊。地震、台風、新型ウイルスなど、様々な危機。この本が描くのは中世にも猛威を奮ったペスト。この本の内容は、今の日本や世界の状況とシンクロします。トップの反応や対応などなど。これは1947年の作品ですが、書かれていることは、医師であるリウーを通して危機に対して地道にできる自分の仕事を一つずつ確実に行うことの大切さを訴えるもので、すごく共感できました。訳が難しいのか、そもそもの内容が難しいのか、むずかったですが。
ペスト (新潮文庫)
アルベール・カミュペスト についてのレビュー
No.167:
(7pt)

家裁調査官を題材にした作品

何を扱っているのか、地味なタイトルからは分かりませんが、家裁調査官の話。佐方検事シリーズのような展開と雰囲気で、柚木さんらしい作品だと思いました。5つの連作短編で、離婚調停やモラハラなどが取り上げられています。テーマは重いのですが、そこは柚木作品で、出てくる人たちや土地柄が温かく感じられ、気持ちよく読めました。
あしたの君へ
柚月裕子あしたの君へ についてのレビュー
No.166:
(7pt)

何が正義か?

コンビニ強盗犯が病院に立て籠り!そして金を要求して逃走を計る。途中まではありきたりの展開でしたが、中盤から終盤にかけて怒涛の展開!読みやすい文章で一気に読むことができました。もちろん面白かったのですが、最後はどちらが正しいのか犯人の肩を持ちたい気が。そのため読後感はよくなく、直近で読んだ『蟻の菜園』に続き、なんとなくスッキリとはしませんでした。
交渉人・遠野麻衣子 (河出文庫)
五十嵐貴久交渉人・遠野麻衣子 についてのレビュー
No.165:
(7pt)

児童虐待をテーマにした社会派ミステリー

児童虐待をテーマにしたなんとも切ない社会派ミステリー。練炭殺害事件を犯したと目される女性が犯人であることに疑問を感じて調べる雑誌記者。調べるうちにその女性の素性を巡って意外な事実が判明。父親からの虐待。本当に可哀想です。現代パートと過去パートが交互に繰り返される構成で、辛い話ではありましたが、過去パートで登場する福井県の人たちや方言が良かったです。自殺の名所とも知られる東尋坊。命の公衆電話って本当にあるんかなぁなどと思い、行って見たくなりました。
蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)
柚月裕子蟻の菜園 -アントガーデン- についてのレビュー
No.164:
(7pt)

本編の裏側に潜む事件集

『シャーロック・ホームズの蒐集』というこの作家の作品が非常によくできたものだったため、こちらの作品も購入。ワトスン、レストレードやハドスン夫人といったホームズシリーズに出てくる脇役を主人公にした6つの短編。ミステリーとして面白かったか?と言われれば正直疑問符がつきます。でもいずれの作品もホームズ本編の裏側に潜んでそうなプチ事件を創造して取り扱っており、ファンとして見た場合、決して読んで損はない内容でした。
ホームズ連盟の事件簿
北原尚彦ホームズ連盟の事件簿 についてのレビュー
No.163:
(7pt)

不思議な余韻が残る本好きのためのストーリー

海外ベストセラー作品が読みたい!と思い探り当てた一冊。スペイン作家の作品を読むのは初めて。第二次大戦後のバルセロナでの物語。これまで本でもあまり馴染みがない場所がストーリーの中心だからか、なんとも不思議な魅力があります。フリアン・カラックスという作家の『風の影』という本を手に入れたダニエルは、その作家に興味を覚え、フリアンの生涯を追い求めるうちに様々な謎に出くわすというストーリー。少しテンポは遅いですが、さすがベストセラー!しっかりと読者を惹きつけます。後半では『風の影』の作者フリアン・カラックスの小説を焼き払うために彼の本を探す人物の意外な正体や、フリアンとフメロ刑事の因縁の対決、そして主人公ダニエルの恋の行方などなど、いろんな見どころが詰まっています。最後は全てが収まるところに収まり、なんとも不思議な余韻が残る本好きのためのストーリー。結局、この本はミステリーというでもなく、どういうジャンルの本かと問われるとビミョーな内容です。
風の影 (上) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン風の影 についてのレビュー
No.162: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

子どもたちは夜と遊ぶの感想

辻村作品らしく、中盤まではスローペースの展開。題名を見てもどんな種類の話か分からず、また途中まで読んでも分からず。でしたが、ペンネームiとθが交互に殺人ゲームを犯していくというストーリー。特に中盤から終盤にかけては面白かったです。強いて言うならちょっと冗長で長かったかなぁ。でも秋先生もいいし、月子も魅力的。結構テーマは重いのに、登場人物一人ひとりが生き生きしている分、スッと読めました。
子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4)
辻村深月子どもたちは夜と遊ぶ についてのレビュー
No.161:
(7pt)

連続ドラマのような作品

5つの短編で構成される法医学ミステリー。最近ドラマでもこの手の作品が多いためか、まるで連続ドラマのような作品でした。主人公はいわゆる研修医で、老練な教授の下でこき使われるというもので、この辺りもドラマのような設定。5つの短編の話が最終話で一つの話として収斂され、読み応えがありました。まだまだ続編もありそうですので、また読んでみたいと思いました。
ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)
中山七里ヒポクラテスの誓い についてのレビュー
No.160: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ミステリーとサスペンスが絡まった良作

意外性のあるミステリー要素とサスペンス要素に加え、重厚なストーリー。下巻中盤で連続殺人の犯人が判明。残り半分で何があるのか?とと思い、途中からは一気に読まされてしまいました。それにしてもリスベットがカッコいい!クールで強い!おまけに変装も出来るとは。一方、ミカエルは嫌いではないですが、モテまくり過ぎ、それをいいことに、この倫理感はちょっとどうかと思いました。特にラストシーン、ミカエルは気づいていなかったとしても、リスベットが可愛そう。次の第二部も楽しみです。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
No.159:
(7pt)

レビューを書くのが恐怖な小説

これはレビューを書くのが怖くなりますねぇ。今作はどこまでフィクションなのかノンフィクションなのか?もちろんフィクションなのでしょうが、やっぱり小説を書くのって大変なんだなぁと思わせられました。また、もちろん人間が一番怖いってのはよく分かりますし、そこをテーマにしたこの小説も好きですが、なんか妙にリアル過ぎて、個人的には前作、前々作の方が好きだと思いました。こんなレビューを書くと・・・
恐怖小説キリカ (講談社文庫)
澤村伊智恐怖小説 キリカ についてのレビュー
No.158:
(7pt)

驚きのラストシーン

前作でリカに拉致された者が遺体で発見される場面から始まり、二人の女性刑事がリカを発見するために捜査。ありきたりな展開かと思いきやラストは驚きの展開。そうきましたか。さらに続きがあるそうですが、やはり主人公は?
リターン (幻冬舎文庫)
五十嵐貴久リターン についてのレビュー
No.157: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

最近珍しい正統派ミステリー

いわゆる正統派ミステリーを堪能しました。内容はやや地味ではありますが、最近多い恋愛要素、サスペンス要素など一切なく、謎に対して一歩ずつ核心に迫っていき、終わってみれば伏線も回収されて、至ってシンプルでなるほど!と納得させられるミステリー。でも、評価が高いミステリーというのは分かる一方で、そこまでかなぁ?と思ってしまうのも、最近、奇抜さや驚きを求めるものが多く、この手の地道なミステリーが少なくなっているからかも、と皮肉にも思えてしまいました。
メインテーマは殺人 (創元推理文庫)
No.156: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ネットの怖さ

土ドラやお気に入りの方の感想などを受けて購入!『リカがコワイ』は月並みですが、今更ながら、ネットの怖さを思い知らされます。その気になれば、個人情報はツツヌケ。消したくても消えない、消せない。調べようと思えば、いくらでも調べられる手段がある。なんかそれが怖いですねぇ。さて、リカはこの巻では、あまりリカ自身の素顔が実は見えてない気がしました。今後、そういった部分も出てくるのかなぁ、と思いながら、次巻以降も期待です。
リカ (幻冬社文庫)
五十嵐貴久リカ についてのレビュー
No.155:
(7pt)

復讐の恐ろしさ

- [ ] よくドラマで『あいつをこの手で』なんて言いますが。人を殺せば、その被害者の遺族は、加害者を自らの手で始末できるという『復讐法』をテーマに、刑の執行を見守る監察官の視点で書かれた5つの連作短編集。復讐法の適用を選択すると、自らの手で加害者を被害者と同じような状況で始末できるというもの。このため後の執行を強く望む遺族、その適用の選択を躊躇う遺族など様々。復讐は、する側もされる側も、そして見ている側もみんな辛い残酷なものと、改めて思うとともに、自分だったら?と思わず考えさせられました。
ジャッジメント (双葉文庫)
小林由香ジャッジメント についてのレビュー
No.154:
(5pt)

イヤミス短編集

うーん。ホラーっぽくて、怖そうだったので、ブックオフで購入。まさにイヤミスのオンパレードという短編集。なので読んでいて、あまり気持ちのいい作品ではありません。まぁそもそもホラーに気持ち良さを求めるのも、おかしいのですが。この手のものが好きな人にはたまらないかもしれません。
家に棲むもの (角川ホラー文庫)
小林泰三家に棲むもの についてのレビュー
No.153: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

『生きる』希望を与えられる作品

お気に入りの方の感想を見て読みたいと思い読んだ作品。とある理由から1年後に自殺することを決意した元OL。その1年の間にふとしたことがきっかけで、いわゆる児童養護施設のボランティアに。読み易い文体で、結末が気になり久々に一気読み。途中、違和感がありましたが、結末であーそーゆーことかー!と納得。最後は爽やかな終わり方で、『生きる』ということに対する希望を与えられる作品だと思いました。
チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多孝好チェーン・ポイズン についてのレビュー
No.152:
(9pt)

相変わらずいい!

このシリーズ、読むのがもったいなくて、いつも読むのに時間がかかります。相変わらずいい!今回は計4話。どれも良かったです!『姑の墓』はたぶんこうなるだろうなぁと読めますが、それであっても怖かった。『同行二人』はいい話で、最後はなぜか涙が出てきました。表題作は大作。『姑の墓』同様、怨念にまつわる話で、なんとも言えない迫力ある話。どうやったらこれだけの数のいろんな面白い物語が書けるのだろう?といつも思います。ただ、この百物語、最近は怖い系の話が以前より増えているかなぁと思います。もちろん個人的には大好きですが。
黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続
No.151:
(8pt)

歴史って怖いと思わせる歴史ミステリー

久々の歴史ミステリー!対象は15世紀イギリス。兄エドワード4世の後継者である息子二人を監禁のうえ殺害したとされ、歴史上悪人とされているリチャード3世。本当に彼が二人を殺害したのか?肖像画から疑問をもったグラント警部が歴史上の文献から真相に迫ります。歴史って、何を信じていいのか分からなくなるくらい、よくできた歴史ミステリー!エリザベスとか同名の人がたくさん登場。話を追っかけるのに家系図を何度も見返しながらの読書。苦労しましたが、面白かったですし、ちょっとだけイギリスの歴史に詳しくなり、得した気になりました!
時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)
ジョセフィン・テイ時の娘 についてのレビュー