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タカタソン さんのレビュー一覧

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レビュー数76

全76件 1~20 1/4ページ

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No.76: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

出光の栄光物語

表題からすると、海賊と呼ばれる男の伝記的な話と思われがちだが、イヤ、その通りなのだが本書の目次をみてもらうと分かるのだが、相当細切れになっていて、それが主人公の武勇伝エピソ-ドになっている。だから、歴史や伝記本的なものが嫌いな方でも意外にスンナリ読めるのでは。

本作は有名な良く見かけるガソリンスタンドなど、石油を取り扱う出光の創立者を描いた作品であるが、主人公、社名は実名ではない為、本作がノンフィクションなのかフィクションなのか分かりずらいが、恐らく盛ってはいるのでしょう。

物語は、終戦後で全てを失った石油会社社長主人公が自社の利益より国の為、社員の為に日本・世界の石油業界に立ち向かい復興に為に困難に立ち向かう話。
初めにも書いたが、1章ごとが非常に短く、また泣かせる武勇伝なのでいつの間にか読み進めている。

勿体ないのは、著者が目立ちたがり過ぎ。テレビにも頻繁に出て問題発言をして、そのイメ-ジが少なからず影響を与えてしまっている。
海賊とよばれた男 上
百田尚樹海賊とよばれた男 についてのレビュー
No.75: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

人のつながりと犬と家族

ハ-ドボイルド的な作品が多く個人的に好きな作家の一人。どの本も読ませてくれます。

さて本作ですが結構書店でパワ-プッシュされているが、私も期待を持って購入。まず、物語全体で言うと、元公安の刑事で事件で妻が死んでしまった主人公が、人生を変える為とモ-テルの管理人を元上司がら斡旋されるところから始まる。当然それはある目的の為で、同じような理由で集められた若い娘と少年で仮装家族を演じていく。

これがまた、さすがだと思うのは各キャラが相当際立っている。若い娘で物語のキ-にもなる葉山ふみは驚きの過去と展開で、またモ-テルのオ-ナ-・支配人とのやりとりは感動させる。人の繋がりや価値とは何なのか考えてしまった。

また、モ-テルで飼い殺しにされていたド-ベルマンのマクナイトと主人公とのお互いの再生・交流も楽しい。本作も犬は重要要素。

全体的に暗い話になりすぎず、適度なブラックさやユ-モアがあって楽しめると思う。マクナイトとダイナマイト・・・なんか受けます。

最後のクライマックスアクションは、そいゆう流れになるだろうという展開で若干イマイチだが読後感は良く満足するでしょう。
約束の森
沢木冬吾約束の森 についてのレビュー
No.74:
(7pt)

救助犬との山岳小説

この小説は東日本大震災直後から書かれたのか、相当色濃く影響している。
物語の前半はまさにその話で主人公は人のオ-ラが見え、感情を感じてしまう。その主人公が被災地で感じてしまった感情が深い衝撃となって負っているなか山岳救助隊となって救助犬の愛犬とともに山に入る。

山での救助活動や仲間との関係そして事件と続いていくのだが、犬の描写も多い。救助犬という立ち位置もあるが犬がらみのエピソ-ドは多く、犬好きも納得だろう。

表題にある通りの犬の活躍や、オーラを感じてしまう主人公夏美と仲間たちとの交友など、読み応えはある。まぁ、表題にもある通り、犬は活躍するし、おいしいところは犬です。

天空の犬
No.73:
(7pt)

暗殺者が良い人になっちゃった

グレイマンシリ-ズ3弾目。圧倒的なアクション描写と冒険活劇には、好きな方はどハマりする事でしょう。このシリ-ズの主人公は暗殺者なのだが今作はまるで正義の味方。

昔助けてくれた恩人の家族をマフィアから守る為に奮闘する。暗殺者が自ら危険にツッコみ恩人の奥さん、妹、弟、親、従兄まで守る、まるで親切なオッサン。妹とまで、何かいい雰囲気にもなってしまうしハ-ドアクションサスペンス小説ではあるものの笑えます。

なかなか、暗殺者のネタが無いにしろ、何でもありになってきた。冒険小説としては1級品なので、今後も期待します。
暗殺者の鎮魂 (ハヤカワ文庫NV)
マーク・グリーニー暗殺者の鎮魂 についてのレビュー
No.72: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

容赦のなさが最高

ハゲタカシリ-ズ2弾。企業買収をこんなにもスリリングに面白可笑しく?誰でも読めるオススメ経済サスペンス小説。

今作は全作と違って主人公鷲津が中心で物語が進む。冒頭でいきなり1作目で活躍した社長アランが謎の死をとげてしまっていてかなりのショックから始まり、買収劇・死の原因追究と相変わらずのスピ-ド感でイッキ読みさせる。

あまりの急展開や終わり方に消化不良という声が聞こえてきそうだが、シリ-ズは続く訳だから取っておきましょう。

ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
真山仁バイアウト ハゲタカ2 についてのレビュー
No.71: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

メリハリのある緊張感はさすが

シリ-ズ3作目。まず、3作目でありながらシリ-ズのマンネリはなく、各作全く趣向の異なる事件でこれだけ引きつけられるスト-リ-を展開出来るのは感嘆。今作も特捜部Qの捜査パートと凶悪な犯罪パートが交互に展開されるのだがその緊張感というかテンションのギャップは、ただ暗いだけの犯罪小説から万人向けのエンタ-テイメントにしている。

描かれている犯罪が極悪でサイコ的で、今まさに犯罪を行われる様が刻一刻と迫りくる描写と、あいかわらずのおとぼけ特捜部Qのスト-リ-とは直接関係ない話は最高。

主人公カ-ルは相変わらず主人公として冴えないし、助手のアサドやローセも訳分からず、、なのに徐々に犯人を追い詰めていく模様は歯がゆくもあり爽快でもある。

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
No.70:
(7pt)

気軽にハマる

シリ-ズ4作目。1作目さえ読めば次に何作目を読んでも面白さが分かる。このシリ-ズの面白さは、スト-リー展開や犯人探しではなく、主人公キャリアエリ-トの竜崎の言動。おおよそ日本では、上下関係だったり相手への気遣いで根回ししたりごまかしたりするが竜崎は一直線。相手が誰であろうと、正しい事と思う事を言い行動する。そこがこのシリ-ズを読んでて気持ちいいところ。

スト-リ-の展開には疑問を持たず、どこが隠蔽捜査なのかと疑問を持たず読めば面白い。?
転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)
今野敏転迷 隠蔽捜査4 についてのレビュー
No.69:
(8pt)

ヒリヒリの暗殺アクション

1作目も読んだが、2作目の方が断然面白い。

主人公は1作目が原因でCIAからの指示で暗殺をしていく。その暗殺がどんな意味をもつのか分からず淡々と暗殺をしていくのだが、それが実は暗黙でビジネスラインが分かれている二つの世界的武器売買組織。
その暗殺によって二つの巨大武器売買組織に亀裂が入っていくのだが、そのギリギリの関係バランスと緊張感。暗殺毎に微妙に展開していく関係は読む手を止められなくなる。そして案の定の展開もあり期待は裏切りません。
暗殺者が主人公なので正義は無いが良質なアクション小説をお望みの方は是非。

本作では、決着しなかったが暗殺時に居合わせ手を出した別組織は次回以降に繋がるのか。
ファイナル・ターゲット (上) (ハヤカワ文庫 NV)
トム・ウッドファイナル・ターゲット についてのレビュー
No.68:
(7pt)

百舌4弾は百舌なのか

非常に読み易く、読み始めると最後までスルスルと。
1作目からのシリ-ズは確か10年前くらいに読んだはずだと、いきなり4作目の本作を読み始めたが、やはりさすがに登場人物やシリ-ズの事件を忘れているので、その関係で起こる物語展開は勿体なかった。

ただ、スト-リ-展開は非常に単純で、過去のいわゆる百舌関係事件に関わった罰せられなかった人間が次々に殺され、その殺され方が最強殺人者の死んだはずの百舌に類似していて、誰が仕組んでいるのか・百舌は誰なのかっていう事でそこだけを捉えて読めばリアルかどうかは別にして面白い。

それにしてもTVドラマの配役イメ-ジが強く、それは違和感なのか・ピッタリなのか、想像しながらよむのも良し。主人公美希と大杉の関係は意外?
よみがえる百舌 (集英社文庫)
逢坂剛よみがえる百舌 についてのレビュー
No.67:
(8pt)

海洋冒険の快作か

いろいろと出来過ぎなところや、イラっとするところはあるものの本作の評価や帯に記載あるコメントのとおりに海洋サスペンスとして秀逸かと。

だから冒険かと問われるとどちらかというとサスペンスでありハイジャックされた船内で攻防だけがスト-リ-ではないのでアクションぽい展開を期待していると肩透かしをくらう。ハイジャックされただけの物語ではなく、世界的陰謀たくらむテロ事件の物語なので、いろんな国や組織が話に入ってきてちょっと雑感はある。もう少しシンプルの方でもよかった。ただ、十分に船長の男の生き様や仲間との信頼、娘との親子、家族の愛は伝わって、やはり最後は良しとしたい。



太平洋の薔薇 (上) (光文社文庫)
笹本稜平太平洋の薔薇 についてのレビュー
No.66:
(7pt)

真骨頂

いや、面白いです。間違いなく傑作であり、著者作品を読んだことが無い方が読めば、あまりの面白さに徹夜するでしょう。

しかし、著者作品を多く読んでいると、どうしても展開・キーワ-ドが似ているというか・・・ライバル企業、銀行融資、大手一流企業、家族。。。少なくても先に「空とぶタイヤ」を読んでしまったからちょっと半減してしまいました。

「下町ロケット」という作品名から最終的なフィナ-レは誰でも予測してしまい、意外性というよりは分かっていながら主人公達が達成していく感を楽しむ作品だと思う。面白さは保証できます。
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸潤下町ロケット についてのレビュー
No.65: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

日本橋人形町の良さを知る

このシリ-ズを読むのは本作が初めてで、著者が好きだからとか有名作だから読んだのではなく、この小説の舞台になっている日本橋人形町が自分にとって馴染み深く、興味があったから読んでみました。

他のレビュ-でもある通り推理小説というよりは、一編毎に事件に関わるお店や人との人情話として完結していてそれが全編通して読むとひとつの事件としての物語となっている。このあたりはさすがと思うし、街の雰囲気が小説ににじみ出ているところも良かった。ただ、ミステリ-として読むと物足りなさはあると思う。

有名作だけど、人情話+ミステリ-の高次元の融合は本作しか体験出来ないだろうな。


新参者 (講談社文庫)
東野圭吾新参者 についてのレビュー
No.64:
(7pt)

主人公の活躍目立つ

シリ-ズ3作目。今作は長編というより連作中編で形的には長編でだらけるよりは、小気味良く安定して読める。
ただ、今回は主人公の保育園園長にして探偵のハナちゃんの活躍が目立ち、シリ-ズファンは脇役の奈美女医や恋人理沙や前妻の絡みも楽しみのひとつだったが今作はナシ。ただ、RIKOシリ-ズでおなじみの山内練が意外と出てくる。

相変わらず性・母性だったり根底に見え隠れするテ-マはこの時期の著者作品の傾向のひとつで期待するどころでもある。

このシリ-ズでもドロドロに濃い作品が是非読みたい。
シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)
柴田よしきシーセッド・ヒーセッド についてのレビュー
No.63:
(8pt)

過酷な正義の殺し屋

グレイマン2弾目。1作目がハマった方なら間違いはないでしょう。

今回も殺し屋でありながら、自分ルールの正義の為に、全て裏目に窮地に追い込まれていく。それにしてもテンポがとても良い。章の区切りが早いので読み易く、読むアクションを最高に堪能できる。ミッションの為に一人で適地に送り込まれ、絶望から一人で立ち向かい、ささやかな正義をかざす。

しかし、ホント描写が上手く、読んでいるだけでその状況が浮かび、映画をみているような錯覚を覚える。アクション・冒険小説として秀逸。
暗殺者の正義 (ハヤカワ文庫 NV)
マーク・グリーニー暗殺者の正義 についてのレビュー
No.62: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

読めばやっぱり面白い

シリ-ズ3作目。1年ぶりくらいにこのシリ-ズを読むがコフィンダンサ-は最高だったが、今作も期待は外さず。

それにしても、趣向がまたがらっと変わって今度は田舎町が舞台。なれない場所と科学分析機材も無いなかサックスの暴走。容疑者を逃す為に一緒に逃げ、追ってきた警察官も殺してしまう。

追い詰められたリンカ-ンがどう乗り越え真犯人に詰め寄り、そしてサックス助けるのか。

主役の一人のサックスがどうなるのかが今作の目玉。期待通りの大どんでん返しはあるのか?・・・いや、無かったら大変な事になるので楽しみに読みましょう。
エンプティー・チェア〈上〉 (文春文庫)
No.61:
(7pt)

笑えるほど、話がコア過ぎる

スパイ小説は数あれど、スパイを捕まえるだけにこれだけ書けるのは素晴らしいと思う。しかも、何か事件とか起こるわけではなく、ロシアのスパイ要員と思われる方々を監視し、その兆候をが見えれるまでひたすら見守り続ける話。

そこにはスパイを追う警察内部の物語と、スパイ側の物語もあり、たとえ事件が無くても、読み応え十分。

ただ、ひたすらスパイを追う話でこの文量はちょっと多すぎ。物語の山はあるけど、ちょっと飽きるかも。
エスピオナージ (幻冬舎文庫)
麻生幾エスピオナージ についてのレビュー
No.60:
(7pt)

最後のヤマ場は山にあり。

今から40年くらい前の古典山岳小説の傑作。

今の感覚で読むと、古典として素晴らしいとは思うものの面白いかはちょっと別かも。そもそも、この主人公が孤高と言えるのか?ただの人間嫌いに思える。人と接するのが苦手、会話するのが苦手、関係を築くのが苦手、だからひとり。あと、どうしても気になるのが、この時代特有の男尊女卑。特に女性に処女性を求める事が当然のように描写されている事は気が滅入る。

本作は山岳小説のように思えるが、たしかに主人公は登山が好きで登山に関わる話が多いが、どちらかというと主人公の目を通したその時代の人間の生き様が主の人間ドラマ。

物語の最後の待ち受ける登山シ-ンは圧巻で、そこに至るまでの煽りで結末は誰でもわかるが、ようやく人間味を覚えた主人公の生にしがみつく息をのむ展開・描写は本作を傑作に仕上げた。
孤高の人〈上〉 (新潮文庫)
新田次郎孤高の人 についてのレビュー
No.59: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

新宿2丁目の保育園長探偵物語

新宿2丁目で無許可の保育園経営している元刑事のハナちゃんが活躍するシリ-ズ2弾。水商売で働いていたり不法滞在の女達の子供を格安であずかり、保育園を維持する為に報酬の高い危険な探偵の仕事を請け負う。

このシリ-ズはRIKOシリ-ズと同じ時代設定で、一部登場人物が重複していているのでRIKOファンも楽しめる。RIKOシリ-ズでもそうだが、女性の立ち位置というか、妊娠した女性や幼子を持つ母親、日本で生きる外人女性の環境だったり、軽いテンポで進むこのシリ-ズでもメッセ-ジ性はある。

RIKOと違って軽快でユ-モアもあって読み易く、ハナちゃんの女関係も、彼女が行方不明になり、弁護士で心優しい元妻が出てきたり、セックスフレンドの無許可女医の奈美との関係だったり羨ましい?

このシリ-ズくらいは新作が出てほしいな。
フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫)
柴田よしきフォー・ユア・プレジャー についてのレビュー
No.58:
(7pt)

逆に目新しい、ど真ん中ハ-ドボイルド

ハ-ドボイルドと聞いて誰もがイメ-ジするようなアウトロ-な主人公、物語展開で、これぞハ-ドボイルドって感じが堪能できる。

ヤクザじゃないけどその狭間のグレ-ゾ-ンで生きる主人公の生き様に憧れやカッコよさを感じないとついていけないかもしれない。

金に不自由なく、絵を描いて、色んな距離感の女が居て、無鉄砲な子分?が居て、余命を持つ女との関係もそうだが、この子分との関係も物語を軸となって、終わりはこうなんだろうなと思うような展開になるし、最後まで考えられた主人公のカッコよさがあった。

抱影 (講談社文庫)
北方謙三抱影 についてのレビュー
No.57:
(7pt)

躍動する暗殺者

暗殺者モノ。ミッションを終了後に何故が狙われ始め、なぜ狙われるのか、襲ってくる殺人者達に立ち向い、狙う相手を追い詰めていくという展開。ロシアの軍事機密を巡っての国際的な攻防も含めアクション映画にありそうで、そんなに目新しさはないけど、主人公はプロの凄腕暗殺者で、同レベルの一人のハンタ-との対決は見所。

暗殺者といえば最近では「グレイマン」シリ-ズもあり、どちらも良質で面白い。主人公は「グレイマン」の場合、暗殺者でありながら自己基準の正義の為だが、こちらは完全な冷酷無比の暗殺者。どちらも冒険アクション小説として一級なので好みで読んでみては。
パーフェクト・ハンター (上) (ハヤカワ文庫NV)
トム・ウッドパーフェクト・ハンター についてのレビュー